No.454261

Fateなんとなく書いてみた

Fateの性転換祭りハーレムとかあんま見ないな、とか思ったのでちと書いてみた。因みに主人公はオリジナルキャラです。
適当にやっていこうと思います。
キャラ崩壊ひどいのはご了承ください…
虹ファンにて投稿していました

2012-07-16 20:33:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:6189   閲覧ユーザー数:5854

 

俺の朝は、義妹を起こすことから始まる。

 

冒頭から突然すまない、どうもはじめまして。

俺の名は衛宮 退(サガル)。

 

衛宮家の長男であり、なんと・・・。

 

まあ別になんもない。

ただ一つ言うことがあるとすれば可愛い義理の妹がいるという事ぐらいか。

 

妹の名前は衛宮 白(シロ)という。

白は本当に優しい娘で、自分より他人を大切にしすぎちゃうぶっちゃけ、ちょっとどうかしてる娘だ。

何度も自分を大事にしろといっているのにアイツはまったく。

 

自らの妹を思い返して、俺は嘆息する。

 

おそらく白がああいう性格になったのは、ひとえに親父、衛宮切嗣にあるだろう。

俺は当時を思い出すため、記憶を掘り返す。

 

 

 

 

 

 

 

 

10年前、俺と白--まだ知り合っていない--は冬木市で起こった原因不明の大災害に巻き込まれた。

まるで地獄だった。

 

見渡せば視界は全て赤に染まっていた。

炎が揺らめき、血がそこらじゅうに撒き散らされているという、ガキには耐えられない凄惨な光景。

だが俺は気にも留めなかった。

 

死にたくない。

 

その一心だった。

 

あれほどの災害に見舞われながらも、どうにか繋ぎとめた命。

 

そう易々と失ってたまるか、と。

 

必死で地面を這っていた。

 

這う

 

這う

 

這う

 

地面に散乱するガラスが腕に刺さる。

 

腹に刺さる。

 

足に刺さる。

 

痛みはなかった。

痛みを感じるほどの感覚なんてもうなかったから。

 

ただただ、俺は生きるために這った。

 

雨が降り始めた。

体力が奪われる。

 

寒い

 

寒い

 

寒い

 

なんでこうなった。

自分の運命を呪わずにはいられなかった。

なんで俺がこんな目に。

 

そう思わずにはいられなかった。

 

しかし、闇の中には、確かに光も存在した。

 

体力の限界で脱力していた俺に、影が差した。

俺は顔を上げた。

 

そこにいたのは一人の男。

泣いていた。

 

とても幸せそうに。

 

どこか、安堵しているようだった。

 

人に救われたと安心した俺は意識を手放した。

 

 

 

 

その後目を覚ました俺が最初に目にしたのは白い天井だった。

知らない天井・・・というわけでもない。

 

病院だろう。

病院ではよく見るであろう光景だ。

 

病院にいると認識したと同時に、自分はあの地獄から抜け出せたのだと理解した。

生きれたんだ。

 

そう解り涙が出そうになり、手で顔を覆おうとして気付いた。

利き腕、右腕がなかった。

 

ああ、代償は小さくはなかった。

それでも生き残れたんだ。

死ぬよりはましだ。

 

そう自分を納得させていると、一人のコートの男が病室に入ってきた。

一人の少女と共に。

 

その少女こそが、俺の義妹となる少女――衛宮 白――だった。

 

 

 

 

結論から言うと、俺と白はコートの男――衛宮切嗣――に引き取られた。

その数年後の出来事、これが所謂白のターニングポイントというやつだろう。

 

正義の味方になりたかった。

 

そう切嗣は言った。

それを聞いた白はこう言った。

 

諦めたのか、と。

 

そう問う彼女に、切嗣はこう返した。

 

正義の味方は期間限定で、もう自分には志せぬモノだと。

 

ならば、と白。

 

「あたしが正義の味方になってやるよ。任せとけって、じいさんの夢は、あたしがちゃんと形にっしてやっから!」

 

どこまでも純粋な笑顔で彼女は言った。

 

何故だろう、俺はその彼女の在り方が酷く歪に感じ、不安を感じた。

 

いつかその正義感が歪んでしまい、彼女自身を壊してしまわないかと。

 

守れるだろうか、俺に。

この歪な正義を掲げた肉親を。

 

 

 

・・・とまあ、なんだかんだ回想をしたが実際守ろうなんて考えちゃいない。

白も子供じゃない、自分のケツは自分で拭くだろう。

俺は正直、他人守れる力なんてないし、自分の身すら守れるかどうか疑わしい。

右腕があれば幾らかマシだったんだろうが、無い物ねだりしても仕方がない。

 

今日も今日とて、自分のペースで俺は行く。

 

 

さて、前置きはここまでにしてそろそろ白を起こしに行くとしよう。

どうせ今日もあいつは自分のテリトリー(土蔵)で腹出して寝ているんだろう。

 

俺は起きたばかりで覚醒しない自分に軽く顔を叩いて起こして、土蔵に向かった。

 

案の定と言うべきか、白は土蔵でツナギのまま寝ていた。

恐らく昨晩遅くまで何かの修理か解体かなんかして夢中になっていたのだろう。

 

腹は、出ていない。

 

「起きろ白、また土蔵で寝て・・・女の子なんだから塵程度には慎みを持ちなさい」

 

「う・・・ん・・、ああ兄貴、おはよう」

 

白は少しサイズのブカブカなツナギの袖で眠そうに眼を擦ると、ほにゃ、っと気の抜けた笑みを浮かべた。

どうやらまだ半分夢の中のようで、時折「うにゅ・・・」とか訳わからん言葉を発している。

白は基本朝に弱い、結構な比率で朝ごはんは白が作るのだが、朝に強くはない。

だから俺が朝起こしに来ているのだが、だったら俺が朝作ればいいじゃないと提案したことがあるのだが、『兄貴にご飯を作ってあげたい妹の気持ちを少しはわかれ!』、と言われてしまった。

 

『そんなこと言われても俺は妹キャラではないのでその気持ちは理解できないよマイシスターっていうかご飯作ってあげたいってまるで新婚さんみたいだね。はっはっは』

・・・と返したところ本気と書いてマジでぶん殴られた。

照れ隠し・・・と思っておこうと心に決めた。

あれは痛かった。

 

 

とりあえず俺はいつまでたっても覚醒しない我が妹を起こすべく、妹の頭頂部に大気をも切り裂かんレベル(嘘)のチョップをかますのだった。

 

 

 

「とぅりゃー」

 

「あう!」

 

白は目が覚めて状況を理解したのか頭をさすりながら上目遣いに俺を恨めしげに見た。

俺はそんな妹ににこやかに告げた。

 

「おはよう」

 

今日が、始まる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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