No.454038

仮面ライダーエンズ 超クロスオーバー大戦GENESIS 後編

RIDERさん

お待たせしました!でもうまく書けてねぇ!!くそぉぉ!!!

あ、それから、ライオットさんのキャラ達が助っ人に来てくれました。

2012-07-16 14:03:01 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2113   閲覧ユーザー数:2092

増殖する怪人軍団。その圧倒的な物量に、Wとオーズの二大ライダーもまた、苦戦を強いられていた。

「どうする!?このままじゃキリがねぇぞ!」

危機感を抱く翔太郎。

「チッ!映司!!」

そんな状況を目の当たりにしたアンクは、オーズに向けて三枚のコアメダルを渡す。

「よし!」

オーズはそのメダルをセットし、スキャナーでスキャン。

 

〈タカ!クジャク!コンドル!タ~ジャ~ドル~♪〉

 

タジャドルコンボへコンボチェンジした。

『翔太郎!こっちもだ!』

「お~しわかった!」

翔太郎もフィリップに促され、エクストリームメモリを呼び出し、

 

〈EXTREAM!〉

 

サイクロンジョーカーエクストリームに強化変身する。一気に戦力を増した両者は、反撃を始めるのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ドレッドマグナムで遠距離の敵を狙撃していくソウガ。

「ダンテ。まだ行けるか?」

「当たり前だろ?つーかノッてきた!」

「その意気だ!」

バージルからの問いかけに、ダンテはいつも通りの軽口で返す。

そこへ、

「大丈夫か!?」

照井が駆けつけてきた。

「おっ、刑事!」

「今加勢する!」

 

〈ACCEL!〉

 

「変・身!」

 

〈ACCEL!〉

 

照井は仮面ライダーアクセルに変身し、

 

〈TRIAL!〉

 

トライアルメモリを起動。

 

〈TRIAL!〉

 

アクセルトライアルに強化変身する。

「よし、じゃあこっちも!」

 

〈PANDEMONIUM!〉

 

ソウガもそれを見習い、パンデモニウムメモリを起動してソウガパンデモニウムに強化変身した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

怪人ひしめく戦場に参上した伊達。

「変身!」

早速仮面ライダーバースに変身。

「後藤ちゃんサポートよろしく!」

「はい!」

後藤はバースバスターを撃ちながら、バースに近付く怪人を足止めに徹する。その間に、バースはバースドライバーに競るメダルを六枚連続で枚投入し、レバーを回す。

 

〈CRANE ARM.DRILL ARM.SHOVEL ARM.BLEAST CANNON.CUTTER WING.CATERPILLAR LEG〉

 

すると、クレーンアーム、ドリルアーム、ショベルアーム、ブレストキャノン、カッターウイング、キャタピラレッグの六つの装備が、バースに装着された。これこそ、バースCLOWs全てを装着したバースの強化形態、バース・デイである。

「しゃあっ!行くぜ!」

バースは装備をフル活用し、怪人軍団に挑んでいった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

レスティーの作戦。それは、軽音部とかなでのガードスキル・ジョイントの力を借りて、フェイトの歌声をクロスとエンズに届けるというものだった。

 

必死に機材を準備する軽音部だが、その間も怪人は襲ってくる。彼女達に妨害をかけてきたのは、ダークローチとアルビローチの群れ。

「くっ!」

応戦するフェイト。その時、

 

「らぁっ!!」

 

灰色のオーロラが現れ、中から飛び出してきた青年がダークローチを蹴り飛ばした。

「大丈夫!?」

それはフェイトにとって、非常に見覚えのある顔だった。

「か、一真!?」

そう、剣崎一真である。

「久しぶり!」

「別の世界に行ったんじゃ…」

「渡に言われてね。それから、来たのは俺だけじゃない。」

「えっ…」

間もなくして再び灰色のオーロラが現れ、今度は三人の男性が出てきた。

「剣崎!突出しすぎだぞ!」

「俺達もいるんですから。」

「ここがクロスの世界か…」

フェイトは一真に尋ねた。

「あ、あの人達は?」

「俺の元いた世界の仲間だよ。」

「橘朔也だ。」

「上城睦月です!」

「俺は相川始。」

「事情は渡から聞いてる。ここは俺達に任せて、早く!」

「うん!ありがとう一真!」

フェイトは一真に礼を言い、走る。

「…また俺達が一緒に戦える日が来るなんてな。」

一真がブレイドの世界を去って数年。橘の言う通り、こんな日が再び訪れるなど夢のようだった。特に始においては、一真が光輝から受け取ったパーフェクトジョーカーのカードのおかげで、暴走しない。

「感慨にふけるのは後にしましょう。今は…!」

「わかっている。睦月!烏丸所長がお前のために造ったラウズアブゾーバー。あれの運用は今回が初めてだから、気を付けろ!」

「はい!」

「剣崎。行くぞ!」

「ああ!」

四人はそれぞれのベルトを装着し、

「「「「変身!」」」」

 

〈〈TURN UP〉〉

〈OPEN UP〉

〈CHANGE〉

 

一真は仮面ライダーブレイドに、橘は仮面ライダーギャレンに、睦月は仮面ライダーレンゲルに、始は仮面ライダーカリスに変身する。しかし、まだ終わりではない。

 

〈〈EVOLUTION KING〉〉

 

ギャレンとレンゲルはキングフォームに。

 

〈EVOLUTION〉

 

カリスはワイルドカリスに。

 

〈PERFECT JOKER〉

 

ブレイドはジョーカーフォームに強化変身した。四人のライダーは怪人を片っ端から潰していく。

 

 

 

 

 

 

 

 

「くそっ!ヤバいぜこいつは…」

レスティーから命じられ、創世領域からの中継を続けているイーリャンと瓜核。そのポジション上、クロスとエンズの状況を常に見ていられるわけだが、ジェネシスの力は圧倒的で、いつ二人が負けてもおかしくない。そんな状況をずっと見続けているのだ。全く落ち着かない。

「こっちも、もう少し人手があったら嬉しいんだけど…」

ささやかな願望を口にするイーリャン。だが、それは無理だ。怪人はジェネシスの手によって、全次元世界に送り込まれている。人手不足はどこも同じなのである。

 

 

その時、何の前触れもなく謎の学園が現れた。

 

 

「な、何だ何だぁ!?」

おもいっきり警戒する瓜核。テメンニグル学園とロストグラウンド学園が一つの世界に現れただけでも、かなりカオスなことになったのだから、この上さらにわけのわからない学園が来たら、もっと大変なことになってしまう。彼にもそれくらいの予想は付いたからだ。

 

 

 

だが、その予想は裏切られる。

 

 

 

「テメンニグル学園とロストグラウンド学園を援護しろ!怪人どもを一匹残らずぶち殺せ!!」

「ヒャッハー!!」

「祭の始まりだぜー!!」

「サーチ&デストロイ!!」

 

 

 

 

とまぁこんな具合に、飛び出してきた生徒達がこちらの援護を始めたからだ。

「これってどういうこと?」

困惑するイーリャン。そこへ、

「ずっと見てたんだよ。こっちの世界を」

一人の青年が登場。

「な、何だお前!?」

全く警戒心を緩めず、瓜核は青年に尋ねる。

「俺はレオン。お前らを援護しに来た」

彼は、かつてNEVERからクロスの世界を守るためにやってきたレオンだった。今回彼は、自分が通う武蔵学院ごと助けに来てくれたのだ。

「味方だと思ってくれていい!」

レオンはアポカリプスを抜いて、怪人を迎え討つクラスメイト達に混ざる。

「…なんか悪い奴じゃなさそうだな。」

「うん…」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

(なぜだ…)

エンズは焦っていた。今彼がチェンジしているクレイトコンボは、あらゆる超能力を使えるコンボ。テレパシーやテレポート、未来予知なども使えるので、完璧な回避力を持つのだが、なぜかジェネシスの心が読めず、未来予知を使っても自分が負ける未来しか見えない。テレポートでさえ、先読みされて攻撃される。クロスからアンリミテッドフォースによる援護を受けて戦っても、ジェネシスはそれ以上の強化をして反撃してくる。全く敵わない。

そして、それはクロスも同義。

「大体さぁ。人間が神の領域に手ぇ出してんじゃねぇよ!」

「ぐわっ!!」

ジェネシスはクロスを殴り飛ばす。

「てめぇみたいなやつは、俺が粛清してやる!」

ジェネシスは元々神だったので、人間でありながら神の力を使うクロスが許せないのだ。

「……確かに、僕はいつか罰を受けなきゃいけない…」

しかし、クロスとしてもそれは重々承知済み。

「けど、それは今じゃないんだ!!せめて、お前を倒すまでは!!」

「いいや、今だよ。罰を受けるのは…」

その決意を目にしてなお、ジェネシスはクロスを許さない。

「今だ!」

クロスの足元を爆破する。

「うわあああああああああああああ!!!」

「白宮!」

クロスではなく白宮と呼んだエンズは、

「おのれぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」

メダジャベリンを高速で回転させ、

「ハァァァァァァァァァァ!!!」

ギガレゾリューム光線を放つ。だが、ジェネシスはそれを片手で止めてしまう。

「一番わかんねぇのはお前だ。無限の使徒でも神帝でもない、ただの弱っちぃ雑魚が、何でこの俺に楯突く?」

「くっ…!」

すかさず念動衝撃波で攻撃するエンズだが、ジェネシスは全くダメージを受けることなく、高速で接近してエンズをアッパーカットで吹っ飛ばす。

「がはっ!」

「非力だなぁ。何でそんなに弱いんだよ?弱いくせに吠えやがって、雑魚の負け犬がよぉ。」

エンズが完全に虫の息なのをいいことに、ジェネシスは罵倒の言葉を浴びせ続ける。エンズには既に言い返すだけの気力もない。

「違う!!!」

だが、

「皇魔さんは弱くなんかない!!」

クロスが代わりに言い返した。

「何だと?」

「皇魔さんは、どんな相手にも屈しない心を持ってる!!お前にはない、強い心だ!!皇魔さんを馬鹿にするやつは、僕が絶対に許さない!!!」

クロスがエンズに対して感じたのは、正義の心。その正義を否定されることが、彼としては絶対に許せなかった。

「うっせぇ!!」

「ぐあああっ!!!」

しかしジェネシスは容赦なくクロスに攻撃を加える。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ライブ場は、テメンニグル学園のものとロストグラウンド学園のものがなぜか融合し、異常なまでの広さとなっている体育館。セッティングも完了し、あとはライブを始めるだけ。

「あうぅ…」

入江は緊張していた。ひさ子が訊く。

「どうしたのさ入江?ライブなんていつものことじゃないか。」

「だって、失敗したら私達みんな死んじゃうんですよ!?怖くないんですか!?」

入江は怖かった。何せ、死の危機が目の前まで迫っているのだ。ただでさえ怖がりな彼女が逃げ出さずにこの場にいるのは、奇跡としか言えなかった。しかし、

「だからこそじゃない。」

岩沢は全く臆していない。

「ミュージシャンっていうのは、一つのライブにも命を懸けるものなんだよ?あたしは今が本当のライブだって、そう思ってる。」

「ま、ここまで来たら退くに退けないし、せっかくだから、楽しんでやればいいよ。」

「そうそう!死ぬ時だって、みんな一緒なら怖くないし!」

「頑張りましょ!」

岩沢、ひさ子、関根、ユイは入江を励ます。

「みんな…」

「…だってさ!澪!」

「うぇぇ!?何で私に振るんだ!?」

律は澪の肩を強く叩き、澪は飛び上がる。

「バレバレだもん。澪が怖がってるの」

「律…」

律は澪がこの中で一番怖がっているのを見抜いていた。

「大丈夫だよ澪ちゃん。絶対うまくいくよ」

「ずっと練習してきたじゃない。それに、私達こういう本番に強いし。」

「何より、このままじゃ一番頑張ってる皇魔先輩に申し訳が立ちません!」

「唯、ムギ、梓…」

澪は三人の名前を呼ぶ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

かなでもまた、ピアノの準備を終えていた。そこへ、

「かなで。」

セフィロスが来る。

「お父さん。」

「事情は聞いている。作戦が成功するまでの間、俺が全力でお前達を守ろう。」

「…ありがとう。」

礼を言うかなで。それを聞いたセフィロスは、無言で怪人の迎撃に向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「準備完了、か…よし…!」

早速ステージに立とうとするフェイト。しかし、

「待って!」

それを止める者がいた。さわ子である。

「あなたは確か、ロストグラウンド学園の…」

「山中さわ子よ。それより、そんな格好で歌うつもり?」

「えっ?」

今のフェイトは、ライダーに変身したままだ。

「ほら、着替えて着替えて!」

「ええっ!?」

フェイトは無理矢理変身を解除させられ、さわ子に手を引かれていった。

 

 

 

 

 

 

「わぁ…」

さわ子に着替えさせられたフェイトは、真紅を基調とした美しいドレスを身に纏っている。ドレスのあまりのできばえに、フェイトは思わず感嘆した。

「うんうん。やっぱり土台がいいと映えるわね」

さわ子は頷く。

「あの、これ…」

「歌姫なんだから、そういう服着て歌わなきゃ駄目でしょ?さぁ、行って!」

「あ、ありがとうございます!」

フェイトはさわ子にお辞儀をして、ステージに立つ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あれ、フェイトちゃん?」

体育館に避難に来ていた市民の中で、亜樹子だけがフェイトの存在に気付いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

フェイトがわざわざ体育館で歌うのにはわけがある。

「皆さん、聞いてください!」

ドナルドから聞かされたのだ。

「今、私達を守るために、死力を尽くして戦っている人達がいます。」

運命の巫女の歌声が、なぜ神帝を強化するのか。

「相手の力はあまりに強く、私達では敵いません。」

想いを届けるからだ。

「ですが、戦っている人達に、想いを届けることはできます。」

かつて創世の使徒によって世界が滅びようとした時、世界中の人々が神帝の勝利を願った。運命の巫女の歌声が、その想いを伝えたからこそ、神帝はさらなる力を、マイソロジーフォースを発現させることができたのである。

「願ってください。その想いが必要なんです!私が歌に載せて、想いを届けます!」

避難者達に訴えかけるフェイト。同時にレスティーが超能力を使い、市民達に現状を理解させる。やがて、

 

 

 

…パチパチ……

 

 

 

小さな拍手が聞こえてきた。その音は、亜樹子の手から。それに触発されるように、拍手の数が増えていく。

 

 

 

 

そして、全ての人々が拍手を始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

準備は完全に整った。フェイトはまず、放課後ティータイムのメンバーに目配せをする。

 

「「「「「…」」」」」

 

五人は無言で頷いた。続いて、ガルデモのメンバーにも目配せをするフェイト。

 

「「「「「…」」」」」

 

こちらも同じ反応をする。最後にフェイトは、かなでを見た。

 

「…ガードスキル・ジョイント」

 

かなでも頷き、それから一拍置いて、ガードスキルを発動。エンジェルズウイングのような純白の双翼がかなでの背後に出現し、また一拍置いて、かなではピアノを弾く。

 

 

 

 

 

 

 

人々の願いを、想いを、祈りを載せたフェイトの歌声が、美しく響き始めた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「!!」

アンリミテッドフォースを操る気力も失い、諦めかけていたクロス。しかし、頭の中に響いてきた歌声を聴き、勝利を確信する。

(純潔パラドックス、か…確かに、この状況にはピッタリな曲だな…!!)

闘志をたぎらせるクロスを見て、ジェネシスは再び嘲笑う。

「まだ諦めてないのか?俺の前には無限すらも意味をなさない。もうわかってるはずだろ?」

「わかってるさ。」

そう、わかっている。

 

 

 

 

「だが無限を超えた力ならどうだ!!」

 

 

 

 

だからこそ、使う。ジェネシスを、創世の使徒を倒せる唯一の力を。

「はあぁぁぁぁっッ!!!」

一瞬でマイソロジーフォースを発現させたクロスは、走りながらクロスマイソロジーアンリミテッドに強化変身。金色の閃光となってジェネシスに拳を放つ。

「くっ!!」

ジェネシスもそれに己の拳をぶつけ、互いの力は拮抗する。

「まさか…マイソロジーフォースだと!?」

「そうだ!!」

クロスはすぐにもう片方の拳で、ジェネシスの顔面を殴り飛ばした。

「ぐがっ!!」

「人々の願いが、想いが、祈りが込められた希望そのものだ!!」

「な、何が希望だ!!そんなもの…」

ジェネシスは持ち直し、ジェネシスフォースを解放。

「今度こそ消してやる!!」

クロスに殴りかかる。

「この希望は消させない!!」

「ぐぼぉっ!?」

しかし、クロスはそれを上回る速度でジェネシスの懐に飛び込み、みぞおちに拳を叩き込んだ。

「そうだ。消させるもんか!!」

「がっ!!」

続けて、ジェネシスの左肩に蹴りを。

「人々の願いを…」

「ぐっ!?」

勢いを殺さず、両足でジェネシスの頭を挟み込み、

「想いを!!」

「ごがっ!!」

空中で身体をひねりながら、地面に叩きつける。

「祈りの力を!!!」

「ぐぅぅぅ…!!!」

対するジェネシスはそこから瞬間移動で脱出し、

「舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁァァァァァッ!!!!」

「おおおおおおおおおおおおおお!!!!」

クロスと壮絶な格闘戦を始めた。だが決着はつかず、互いに蹴りをぶつけ合って距離を取る。

「ははははっ!!いくらマイソロジーフォースがジェネシスフォースを上回ろうと、使い手が人間ではその程度が限界だ!!俺を倒すことはできない!!!」

「くっ…」

ジェネシスが元々神であるのと対照的に、クロスは元々人間。この差は非常に大きく、マイソロジーフォースを使っても互角に持ち込むのが精一杯だった。

(このままじゃ…)

クロスは懸命に打開策を考える。と、

 

 

すぐ側にエンズがいるのに気付いた。

 

 

「はぁ…はぁ…」

エンズはクロスに向かって手を伸ばしている。今のクロスはマイソロジーフォースの輝きに包まれており、エンズはその眩く、そして温かい光に手を伸ばさずにはいられなかったのだ。

「はぁ……ハァ……ッ…」

「…」

それを見て、クロスはエンズの手を取る。その瞬間に、マイソロジーフォースはエンズの中に流れ込んだ。

(…ああ…)

傷付いたエンズを癒していくマイソロジーフォース。

(余は…この輝きを求めていたのだ…)

光によってダメージを回復させ、立ち上がったエンズはクロスに訊く。

「余は…戻れるのだな?」

「…はい。」

「…戻っても……良いのだな……?」

「……はい…!!」

不運から闇に堕ちた男、エンペラ星人皇魔。闇の中で苦しみ続けた彼は、今、光へと戻ることを許された。

 

そして、エンズの身に変化が現れる。

 

スーツは金色の光を纏い、胸の中央にはクロスのものと同じ、ゴッドエンブレムが。

 

 

 

エンズ マイソロジーバージョン。無限を超えた希望の力は、エンズにも味方した。

 

 

 

「行くぞ白宮!!」

「はい!!」

互いを呼び合い、二人のライダーはジェネシスに反撃する。

「ぐおおっ!!」

マイソロジーフォースを得たとはいえ、クロスとエンズ一人一人では、ジェネシスと互角程度。しかし、二人がかりとなれば話は別だ。力も手数も増え、ジェネシスは防戦一方になる。

「「はぁっ!!!」」

「おわっ!!!」

零距離から光線を喰らい、ジェネシスは吹き飛ばされた。

(どういうことだ!?たかが二人、俺なら簡単に……)

焦るジェネシス。次の瞬間、

「うっ!!?」

ジェネシスは見た。クロスとエンズに、想いを届ける人々の姿を。その想いは、全次元世界から集まってきていた。

「うっ…うわあああああああアアアアアアア!!!!」

ジェネシスは絶叫しながら跳躍。

「なぜだ…なぜ誰も俺を認めようとしない!!」

さらにジェネシスフォースを解放する。

「消えてしまえ!!!俺を認めないやつは全て!!!!」

解放したジェネシスフォースは、ジェネシスの全身に集中していく。

ジェネシスが決着をつけるつもりだと判断したクロスは、クロスドライバーに音声入力。

エンズもまたそれを感じ取り、エンズドライバーをスキャン。

 

「エピローグ」

 

〈MYTHOLOGY・MAXIMUM DRIVE!〉

〈スキャニングチャージ!!〉

 

 

「ジェネシスッ!!ジェネレェェェェションッ!!!!!」

 

ジェネシスは必殺の蹴りを放つ。

 

「クロス!!」

「オーバー!!」

 

クロスとエンズはそれに合わせて跳躍し、

 

 

「「マイソロジィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!」」

 

 

 

同じく蹴りを繰り出す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それぞれの必殺技は激突し、周囲に絶大な破壊をもたらす。

「アアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!」

「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!!!」」

打ち破らんと強まる力と力。しかし、ジェネシスの方は少しずつ圧されている。

 

 

 

そして、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

クロスとエンズの合体技、クロスオーバーマイソロジーは、

 

 

 

 

 

 

 

 

ジェネシスジェネレーションを破った。

 

 

 

 

 

 

 

 

着地するクロスとエンズ。

 

(そんな馬鹿な…)

 

ジェネシスは空中を舞いながら、結果を信じられないでいた。

 

(創世の使徒たるこの俺が…)

 

己の全てを出しきって戦い、そして負けたのだ。新世界創造を目前にして。

 

 

 

「旧世界の戦士なんかにぃぃぃぃぃぃぃぃぃィィィィッ!!!!!」

 

 

 

ジェネシスは爆発し、リターンメモリとヤプールのコアメダルも、巻き込まれて砕け散った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「よっしゃあああああああああ!!!!」

モニターを監視していた瓜核は、クロスとエンズの勝利に喜ぶ。

「みんな!皇魔君達が勝ったよ!!」

イーリャンはすぐトランシーバーで、仲間達に報告する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

主を失って崩壊する創世領域から脱出するクロスとエンズ。

 

しかし、クロスは突然、エンズの気配を見失った。見てみると、実際にエンズがいなくなっている。

「皇魔さん…?」

クロスはすぐにエンズを捜そうとするが、

 

 

 

 

「光輝!」

 

 

 

 

 

突然、懐かしい声が聞こえた。振り向いてみるクロス。

 

 

 

 

 

 

 

そこにいたのは、隼人と優子だった。

 

 

 

 

 

 

 

「父さん…母さん…」

クロスは変身を解いた。

「光輝。よく頑張ったな」

「ずっと見てたのよ。さすが、私達の子供ね」

隼人と優子は、笑顔で光輝を労う。

「…僕一人の力じゃないよ。フェイトが、皇魔さんが、みんなが力を貸してくれたから、勝てたんだ。」

「その気持ちを忘れるな。ライダーとはいえ、一人では戦えない。」

「行動で、想いで、支えてくれる人がいるからこそ、戦えるのよ。」

両親として、自分達が最後に教えられることを言う二人。彼らは既に、死んでいる。もう二度と、家族で同じ道を歩むことはできない。創世の使徒が倒れ、各世界の境界が不安定になっている今だからこそ、現れることができたのだ。そして、光輝もそれを理解している。

「うん。」

光輝は、少し悲しい思いをしながらも、素直に頷いた。

「さぁ、もう行け。」

「あなたを待っている人達がいるわ。」

「…ありがとう。父さん、母さん。」

光輝は両親と別れの挨拶を交わし、光の差す方へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

皇魔は、エンペラ星人の姿で、ある人物と対峙していた。

 

 

 

赤と銀のコントラストの巨人だ。皇魔は、それが誰かわかっている。

「…ケンか。」

「久しいな、エンペラ星人。いや、こちらでは皇魔と呼ぶべきか…」

「好きに呼べば良い。」

ウルトラマンケンに向かって、素っ気なく返す皇魔。

「それで、何の用だ?出てきたからには何かあるのだろう?」

「…私は、ずっと見ていた。どうやら、本当の戦士になれたようだな。」

「…だがそれ以前に、余は貴様らウルトラ戦士に取り返しのつかないことをしてしまった。それは、謝らねばならんだろう。すまなかった…」

ようやく自分の犯した罪を思い出した皇魔は、目を反らす。だが、

「…それも含めて、私はお前に助言を与えに来たのだ。」

「…助言だと?」

ケンのまさかの発言に、反らした視線を戻した。

「お前は光になろうとしているが、このままでは光になれない。」

「!?」

「真の光は、追い求めて手に入るような、目先の輝きではないからだ。」

「…」

それを聞いて、皇魔は思う。なんとなくわかる気がすると。母星が太陽を失い、彼はすぐ光を求めた。しかし、いくら求めても、光は手に入らなかったのだ。

「光とは、自らの手で生み出すもの。それができるようになった時、お前はウルトラ戦士になれるだろう。」

「どうすれば、余は光を生み出せる!?」

「…その方法もまた、お前自身で見つけねばならない。」

「……そうだな。余が間違っていた」

「間違うこと自体は罪ではない。間違ったあと、どうするかが問題なのだ。」

間違わなければ、直せない問題もある。間違いを犯さない者など、いないのだ。間違って、それを直すかどうか。どう直すかは、自分次第。

「余は、余が光になることで罪を償おう。」

「私もそれを望んでいる。」

ケンは手をある方向に向け、道を示した。

「行け。お前のために、お前の帰るべき場所を守る者達のもとへ……」

「…うむ。」

皇魔は頷き、自分が帰るべき世界への道を進んでいく。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光輝!光輝!!」

「光輝!しっかりして!!」

「…う…」

フェイトと一真に揺さぶられて、光輝は目を覚ました。

「フェイト?それに…一真?来てくれたんだ…?」

「よかった…」

「君の世界がピンチだって聞いたから、飛んで来たんだ。」

「…二人とも、ありがとう。フェイトの歌、ちゃんと聴こえたよ。」

「光輝…」

光輝は礼を言った。その頃、同じく帰還していた皇魔は…。

『皇魔!皇魔!皇魔!皇魔!』

駆けつけたクラスメイト達に胴上げされていた。

 

 

 

「…フッ」

戦いの勝利を見届けたレオンは、武蔵学院とともに元の世界へ帰っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全次元世界を攻撃していた怪人達は、実は創世の使徒が造り上げた存在であり、創世の使徒消滅と同時に、怪人達も消滅した。ドナルドの話によると、世界の融合が完全に解除されるには丸三日かかるらしく、それまでの間、テメンニグル学園とロストグラウンド学園合同の親睦会を開催。ガルデモや放課後ティータイムのライブを始めとした馬鹿騒ぎに、一真、橘、睦月、始も参加した。もちろん、翔太郎達も呼んで。

 

 

 

 

 

そして、別れの日。

 

「今回ばかりは貴様に礼を言わねばなるまい。」

皇魔はロストグラウンド学園の代表として、光輝に言った。

「いえ…僕も転生だなんて出過ぎた真似を…」

「だが貴様がいなければ、余はあのまま、光を思い出すこともなかったろう。やはり感謝すべきだ」

手を差し出す皇魔。光輝も手を出し、二人で握手をする。

「縁があれば、また会うこともあるだろう。」

「その時は、よろしくお願いします。」

二人は手を離し、

「…さらばだ、白宮。」

「お元気で、皇魔さん!」

世界の融合は解除された。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光輝、本当にありがとう。」

光輝に礼を言う始。

「い、いえそんな!僕は一真の友人として当然のことをしたまでです。」

「俺も剣崎の友人として礼を言う。よく剣崎を救ってくれた」

始は一真にあのような結末を強いてしまったことをずっと悔やんでいた。しかし、それは光輝のおかげで解決されたのだ。彼にとってこれほど嬉しいことはない。すると、突然灰色のオーロラが現れた。

「天音ちゃんが待っているから、俺はもう行く。」

「俺も帰る。睦月、行くぞ」

「はい!」

始、橘、睦月は、自分達の世界へと帰っていく。一真は始からブレイドの世界への帰還を持ちかけられていたが、旅の途中だからと既に断っていた。

「じゃ、俺もそろそろ次の世界に行こうかな?助けなきゃいけない人はたくさんいるし。」

「…一真。もう少しで卒業式だから、一緒に参加しない?」

光輝は一真に、テメンニグル学園卒業式への出席を提案する。一真も一時とはいえ、この学園の生徒だったのだ。光輝としては、ぜひとも参加してもらいたい。

「うーん…」

考える一真。と、

「出席してくんねーか?」

銀八が来た。

「銀八先生…」

一真は銀八の名を言う。

「いや、理事長がお前の分の卒業証書も作っちまってよ。捨てるの面倒だし、もらってくれや。」

「え…」

テメンニグル学園理事長、スパーダが一真の帰還を聞き、大至急で一真の分の卒業証書を作ったのだ。

「一真!」

光輝が促す。

「…はい!喜んで!」

一真は卒業式出席の遺志を示した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その後卒業式は滞りなく終了し、自分の卒業証書を受け取った一真は、再び次の世界へと旅立っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「光輝。」

テメンニグル学園の屋上から、自分が育った校舎の姿を見ていた光輝。フェイトはそんな彼に声をかける。

「…終わっちゃったね。」

「…うん。僕はまだ、あの戦いが夢みたいに思えてならない。」

よくよく考えてみれば、確かにあり得ない戦いだった。あんな戦いは、もう奇跡を通り越しておかしいとしか言えない。まさしく、夢だ。

 

「でも夢じゃない。」

 

だが、フェイトが言った通り、あれは夢ではない。現実の戦いだ。

「フェイト。もしまたあんな戦いがあったとしても、僕は必ず君を守る。」

「じゃあ私も、私の歌で光輝を守る。」

二人は真面目な顔で見つめ合い、そして互いの真顔が真剣すぎて、つい笑ってしまった。

 

 

 

「はーい光輝くん!フェイトちゃん!」

 

 

そこへ、カメラを持ったはやてが登場する。

「二人だけの卒業記念写真や!寄って寄って!」

はやてに言われるまま、光輝はフェイトの肩に腕を回して抱き寄せ、フェイトもまた光輝の身体に寄り添う。

「はい、チーズ!」

はやてはカメラのシャッターを切った。

 

 

 

 

 

 

 

 

「ケンはね、私の初恋の人だったの。」

ロストグラウンド学園。屋上で、レスティーは皇魔に、自分がケンに対して抱いていた想いを伝えていた。

「でも私はデザイアで、ケンは人間。結ばれるはずなんてない…だから、私は他のデザイアと一緒に封印される道を選んだ。ケンといるのが辛かったから」

「…」

皇魔はそれを黙って聞いている。

「…どうして、あんなにもケンのことが好きになったのかしら?やっぱり、ケンの光に惹かれたからかな?」

「恐らくそうだろう。光とは、無意識に惹かれるものだ。」

皇魔は口を開いた。返ってきた言葉に、レスティーはいたずらっぽく笑う。

「皇魔、ちょっと素直になった。」

「…そうならねばならん時もある。」

この戦いを経て、皇魔は間違いなく変わった。純粋に光を求め始めたのだ。

 

と、

 

 

「おーい皇魔!レスティー!」

 

 

音無が校庭から手を振り、二人を読んでいた。しかし、いるのは音無だけではない。二人を慕う仲間達が、全員で二人を待っている。

「ふっ…」

皇魔はリフレクターマントを出してから飛び降り、音無達のもとへ歩いていった。レスティーもそれに続く。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

全次元世界の命運を懸けた激闘を制した二人のライダー、クロスとエンズ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼らはこれからも戦い続ける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

人々を、光を守る象徴、

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仮面ライダーとして………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

************************************************

次回、

仮面ライダーエンズ!!

 

しおん「おい!大丈夫か!?」

ウォント「何だあいつ?」

?「さぁ、地獄の駆け引きを楽しみな!」

 

 

第十九話

カードと駆け引きと三号ライダー

 

 

 

エンズ マイソロジーバージョン

 

エンズがマイソロジーフォースによってパワーアップした姿。マイソロジーフォースの運用が可能で、クロスマイソロジーアンリミテッドにも匹敵する戦闘力を発揮する。

 

 

 

クロスオーバーマイソロジー

 

クロスマイソロジーアンリミテッドと、エンズ マイソロジーバージョンの同時キック攻撃。相手が何者であろうと確実に粉砕、完全消滅させられる。


 
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