No.452359

いわゆるテンプレ物語 第9話

Sfonさん

いわゆるテンプレ物語の第9話

2012-07-13 23:14:02 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2239   閲覧ユーザー数:2158

 ——————とある男side

 

 

 

 

 3科目でRランクの上にあの飛行技術、そして超能力…

 素晴らしい。

 あれなら、いくら金をだしても惜しくないな。

 要望にはすべてこたえられるだろう。

 

 おい、お前!

 

 この武偵に依頼して協力して貰え。

 

 なに?見た目で判断するな!

 

 この武偵なら依頼を忠実に遂行してくれるだろうさ。

 

 ほら、サッサと連絡をとって依頼を申し込め!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 翌日

 

 

 

 

「この泥棒猫!」

 

 朝起きると、リビングの方から声が聞こえた。

 

 気になって素早く制服に着替え、リビングに行くと、なぜか白雪が日本刀を手に鬼の形相で立っていた。

 

 床にはキンジのものと思われる携帯。

 拾って画面を見ると、白雪から40件以上のメールが届いていた。

 

 固まっていたキンジが慌てて携帯を俺から奪い取り、ポケットにいれた。

 

 白雪の初ヤンデレか。

 

「遠山くん、何があったの?」

 

 キンジは頭を掻きながらいう。

 

「実は昨日の夜からずっと白雪からメールが届いていたんだけど、見れなくて。それで白雪が痺れを切らして…」

 

「直接乗り込んできたということだね。ご愁傷様」

 

「…フランも巻き込まれてるんだから、少しは焦ったらどうだ?」

 

「確かに、ちょっとヤバイかもね」

 

 急に白雪がワナワナと震えだした。

 

「ペ…ペアルック!アリアとキンちゃん、ペアルックしてる!」

 

 と言いながら、それぞれの腰にあるキーホルダーを指差す。

 

 ペアルックって…何時の時代の言葉だよ。

 

「まさか…付き合ってたり…」

 

「違うから!フラン、何か言ってやってくれよ!」

 

 急に言われてもなあ…

 

 そういえば、

 

「私も同じの持ってるよ。流石に二股はしないでしょ?」

 

「でも…そうだ!昨日のハイジャックの時、なんか変なことしたでしょ!」

 

 

 あ~、もうダメかな。

 

 キンジがビクビクしながら問いかける。

 

「た、たとえば?」

 

「キ………キスとか…」

 

 二人は顔を真っ赤にする。

 

 ここまで分かりやすいのか…

 

「したのね…したんでしょ!」

 

 その矢先、白雪が日本刀をアリアの頭に振り落とす。

 

 完全に殺す気だな。「アリアを殺して私も死ぬ!」とか言ってるし。

 

 それをアリアは真剣白刃どりで迎え撃つ。

 

 まさか俺以外にできる奴がいたとは…。

 

「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!」

 

 だけど、どっちもすごいな。白雪は日本刀の扱いがすごく上手いし、アリアもバリツやアルカタを駆使している。普段より何倍もいい動きをしてる。

 

「大丈夫だったのよ!」

 

「何が?」

 

 必死なアリアに対し、般若のような顔の白雪が聞く。

 

「子供はできてなかったから!」

 

 

 

 

 

 

 あー、そんな事もあったっけ。

 

「アリア、そんなのでできるわけないじゃないか…」

 

 

「ひいお爺様が教えて下さったのよ!」

 

「今時の小学生でも知ってるぞ!」

 

「なら、何なのよ!」

 

「い、いえねえ!」

 

 テンポ良かった会話のリズムが崩れる。

 まさかアレをしろなんて言えないだろうからな…

 

 しょうがないといえばそれまでだけど。

 

「知らないんじゃない!」

 

「知ってるよ!」

 

 いいかげんに子供みたいな会話にキレた白雪がアリアに詰め寄る。

 

「結局はキスしたんじゃない!!!」

 

 と言いながらM60を取り出す。

 

 一体どこにしまってたんだよ…

 

 アリアをロックオンした白雪は銃をうちはじめる。

 

「ちょ…フラン、二人を止めてくれ!」

 

「無理だよ。屋外ならともかく、こんなに狭いところじゃあ出来ない。それよりも…」

 

「逃げるか」

 

 俺たちはベランダへと向かい、倉庫兼セーフティボックスに入る。

 

「ふう。もう安心だね」

 

 と、心配を軽減させるべく笑いながらいうと、なぜか顔を赤くしてうつむかれてしまった。

 

 …怒らせちゃったかな?

 

「ご、ごめんね? 嫌だった?」

 

「そ、そんなことないよ。ありがとう」

 

 なんか感謝された。

 

 おかしなキンジだな。

 

 

 

 

 

 その後若干お互いに避けながらも、大きな出来事はなく、無事に晩御飯の時間になった。

 

 

「おっ、今日は白雪が作ってくれたのか」

 

「うん。さあ、早く食べて?」

 

 何だか、ここまでお互いに幸せそうだと新婚夫婦みたいだな。

 

 机の上には大量の中華料理とご飯茶碗が1つ。

 

 …あれ? 俺の分は?

 

「あの~、白雪さん。私のご飯は…」

 

「あっ、ごめんね。今出すからチョット待ってて」

 

 よかった。食べさせてくれない訳ではないんだな。

 

 

 

 しばらく待つと、ピンクの可愛らしい茶碗に少なめにご飯が盛られていた。

 

 正直、あまり量を食べられなくなった。

 こんなに小さな身体になったんだから当たり前だけど、残念なものは残念だ。

 では、酢豚を一口。

 

「美味し~い!」

 

 肉が柔らかく、味付けもバッチリ。野菜の硬さもちょうどいい。

 

「ありがとう。頑張ったんだよ」

 

「今度この作り方を教えてくれない?」

 

「いいい」

 

 よしっ。作り方さえわかれば、また自分で作れる。

 

 そういえば、アリアは…

 

「私の分は!?」

 

 まだ何も食べていなかったのか。

 

「はいっ! さっさと食べちゃって」

 

 ドンッ! と突き出されたのは箸が真っ直ぐに刺さったご飯茶碗。

 

 米だけは特盛。

 

 縁起悪いなぁ。

 

 こめかみをピクピクさせながら、アリアが回鍋肉を食べようとすると、白雪に手を払われた。

 

「チョット、なにすんのよ!」

 

「これはキンちゃんの分! あんたにはあげない!」

 

 それなら俺はどうなるんだ?

 

「じゃあ、フランはどうなるのよ!」

 

 おお、よく気付いたな。流石ホームズの孫。

 

「フランちゃんはキンちゃんの命の恩人だからいいの」

 

 さいですか………。

 

 

 

 

 その後も言い争いは続いたが、何とか寝る前には終わった。

 

 

 

 

 

 

 2週間後

 

 

 

 

 最初の定期試験があった。

 

 いやー、まさか今日だったとは知らなかった。

 

 まあ、何も準備なんていらないんだけどね。

 

 一応前世では高3だったし、能力もあって楽勝。

 

 前行ってた高校はBランクだったし、テストの内容も簡単だった。

 

 …キンジ達は苦しんでいたが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 全教科終わって放課後

 

 

 

 

 

 

「武藤、今回のテストの内容は中々難しかったな」

 

「ああ…特に数学なんてやばかった。公式覚えていても、どう使えばいいのか分からなくてなぁ」

 

  みんな疲れてるな…

 

 遊びにでも連れてって見るか。

 

「ねえねえ、この後どっかに遊びにいかない?」

 

 提案して、直ぐに乗ってきたのは武藤。

 

「おおっ、いいねえ。どこいこっか?(フランちゃんと一緒ならどこでもいいけど)」

 

「そうだね〜…遠山くん、なんか面白いとこ無い?」

 

 急に振ってごめんな、キンジ。

 

 どうしても思いつかなかったんだよ。

 

「この近くならやっぱりゲーセンじゃあないか?」

 

「ゲーセンか…私はいいと思うけど、皆はどう?」

 

 一応聞いて見たが、皆もイイとのことだ。

 

 結局、アリア、キンジ、武藤、不知火、俺の5人で行くことになった。

 

 理子も誘おうと思ったが、学校に来ていなかった。

 

 …おそらく今頃は司法取引でもしているのだろう。

 

 

 

 

 

 

 ゲーセンに着くと、人だかりができていた。

 

「なあキンジ、今日ってなんかあったっけか?」

 

「いや、無かったと思うけど?」

 

「そうだよな…あの~、すみません。今日って何かあるんですか?」

 

「はい。プロのドラマーの方がドラムマニアの最も難しい曲にチャレンジするんです。

 今のところ、一人しかクリアできていないので、かなり注目されていますよ」

 

「そうだったんですか」

 

 店員さんが去って行った後、不知火が声をかけてきた

 

「(ねえ、そのクリアした人ってフランちゃんのことだよね?)」

 

「(うん。そうだけど…)」

 

「(もしもその曲をプロのドラマーの人がクリア出来なかったら、フランちゃんはプロ並みか、それ以上ってことになるね)」

 

「(それは困ったな〜)」

 

 

「なに話してるの?」

 

 とアリアから聞かれたので、話は終わった。

 

「いや、何でもないよ。それよりも、始まるみたいだよ?」

 

「本当だ。ねえねえ、いい場所にいきましょうよ」

 

「どこに行くの?」

 

 ゲーム機の周りは人だらけで、とても入れそうにない。

 

「大丈夫だよ。だってフランちゃんがクリアしたんでしょ?なら、近くに行って挑戦者を見たっていいんじゃないかな」

 

「そっか……って、なんで私がやったって分かったの!?」

 

「だって、そこに張り紙してあるわよ?」

 

 と言いながら指差したのは壁の広告欄。

 

 そこには、俺の顔写真と共に、

 "君は鬼畜譜面を叩けるか!?

 挑戦者募集中!

 クリアしたのはこの娘だけ!"

 と書かれた大きなポスターが貼ってあった。

 

 …何時の間に俺の顔の写真なんかとったんだよ。

 

 

「確かに、それならいけるな」

 

 なぜか納得しているキンジ。

 

「取り敢えず店員さんに聞いてみるよ」

 

 と真っ先に行動したのは武藤。

 

 どうやら、スムーズに話が進んでいるようだ。

 

 しばらくして、店員さんがお客さんに声をかけた。

 

「唯一クリアした方がいらっしゃっています!

 道を開けて下さい!前に出ます!」

 

 すると、一瞬で道が開けた。

 

 …訓練でもしてたのか?

 

 ちょうど人一人通れる位の道ができたので、前へと進む。

 

 人の間を縫うように進んでいくと、一気に俺に視線が集まった。

 

「えーと、どうも。クリアした人です」

 

 歓声が途端にわく。

 

 そんなにすごい譜面だったっけ?

 

 

「へえ、君がこの譜面を叩いたんだ。俺はドラマーのKURO。よろしく」

 

 とはにかみながら、20代位のツンツン頭の男が挨拶をしてきた。

 

「私はフランドール=スカーレット。よろしくお願いします。」

 

「それじゃあ、折角だから、対戦しようよ」

 

 そう、ここのドラムマニアは二台あって、対戦が出来る。

 まあ、やる人はあんまりいないが。

 

「うん分かった。点数制のでいいよね?」

 

 コテンパンにして、笑ものにしてやるwww

 

「じゃあ始めるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 数分後

 

 

 

 

 まさか、本当に勝ってしまうとは…

 

「いやー、負けちゃったねぇ」

 

「それでもすごいですよ。ノルマまでいったんですから。」

 

 今まではノルマまで行った人すらいなかったしな。

 

「今日は楽しかったよ。ありがとう」

 

「うん。またきてね!」

 

 

 ふらん は 上目遣い を つかった!

 

 

 

 KURO は やられた!

 

 

 

「もちろんだよ!ぜったいくるから!」

 

  …やりすぎたかな?

 何か周りの人も赤くなってるし…

 

「ね、ねえフランちゃん。帰らない?」

 

 顔を赤くしながらアリアが提案してくる。

 

 そうだなぁ…

 

「それじゃあ、皆はもういい?」

 

「「「「「うん(ああ(ええ))」」」」」

 

 皆もう良くなったようで、帰って行った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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