No.451092

ぬこの魔法生活 第5話 

pluetさん

空白期1

2012-07-11 17:49:54 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:5845   閲覧ユーザー数:5439

 ◆ 第5話 ご主人と神とツンデレと ◆

 

 

 

 どうも、みぃです。

 現在、ぬこは昨日と同じく看板ぬことして汗水流して(働く人たちを見て)います。

 今日は、ちゃんと士郎さんと猫専用のかごに入れられてやってきたため、お風呂の心配はなかったりします。

 そして今日からは、そのかごがぬこの定位置となりました。

 非常に座り心地、寝心地ともによいです。いい仕事してますな!

 

 それにしても、ご主人は例のすずか嬢(神)と仲良くやっているのだろうか。

 昨日の今日で喧嘩とかしてないかしら? ぬこは心配で心配でたまりません。

 まぁ、あの子たちに限ってそんなことにはならないだろうなぁ、と思ったりするのも確かなのですが……

 信頼と心配は別問題なのですよ。

 

 「ただいまー、お父さん、お母さん」

 「「こんにちはー」」

 

 おお、噂をすれば何とやら、ですな。

 というか、ひとり増えてませんか?

 

 「昨日は自己紹介もせずにごめんなさい。月村すずかといいます」

 「はじめまして、アリサ・バニングスといいます」

 「あら、いらっしゃい。すずかちゃんに、アリサちゃんね? なのはの母の桃子です。ゆっくりしていってちょうだいね?」

 

 ふむ、アリサ嬢か。金髪の活発そうな美少女である。

 またか、最近この海鳴には美男美女しかいないんじゃないかと、半ば本気で信じかけているぬこです。

 それはともかく、そのアリサ嬢はなにやらご主人とすずか嬢に謝っている様子。

 少々耳を傾けてみる。フフ、ぬこになってから五感が鋭くなったのでこれくらい朝飯前なのですよ。

 

 ということで、こっそりと聞き耳を立ててみる。

 

 

 

 

 ふむふむ、把握した。つまりこういうことだな?

 

 すずか嬢がご主人に猫の写真を見せる。

 ↓

 アリサ嬢がいじわるをして、取り上げる。

 ↓

 ご主人がアリサ嬢をぶって、OHANASHIをする。

 ↓

 すずか嬢が止めにはいる。

 ↓

 仲直り、お友達に。

 ↓

 翠屋にいかないか?

 ↓

 うほ、いいティータイム。←いまここ

 

 なんと、相手は違うとはいえ本当に喧嘩してるとは……

 つか、手を出しちゃまずいんじゃね? 近頃はPTAとかモンスターペアレントとか怖いですし。

 まぁ、小学生だしこれぐらいが普通か。そういうことにしておく。

 

 それにしても、アリサ嬢はアレだな、会話の節々からツンデレ臭がする。

 それになぜか声がくぎゅに聞こえるんだが、これはぬこの耳が悪いの? 頭が悪いの? 後者ですか、そうですか。

 

 む、こちらにやってくるではないか。また、なでられるのかぁ。

 しょうがないなぁ、ご主人のお友達のためだもの、嫌だけど我慢しなきゃなー(棒)

 別に、すずか嬢のナデナデを期待してるとか、そんなんじゃないよ? ホントダヨ?

 

 「あなたがみぃね? あたしはアリサ、なのはの友達よ」

 

 そう言って、アリサ嬢は頭をなでてくる。すずか嬢やご主人と比べてやや荒っぽい感じ。こう、わしゃわしゃーって。

 むぅ、でもこれはこれで……悪くないです。

 

 「ふふ、あたしはどっちかっていうと犬派なんだけどねー。やっぱり猫もいいわね」

 

 やはりくぎゅだけあって、犬がいいのか。このバカ犬ぅ! とか言って躾けてるんだろうか?

 すごく……うらやま(ry 別にぬこはMじゃないよ? 仮にMだとしてもMという名の変態だよ!

 ふはは、苦しゅうない。もっとなでるといいよ! ついでに罵ってくれても、いいんだぜ?

 

 しばらくアリサ嬢とすずか嬢にかまわれる。

 しかし、すずか嬢がアリサ嬢に譲ってあんまりなでてくれない……

 アリサ嬢のそれもいいのだが、すずか嬢(神)に比べるとやっぱり物足りないのである。

 

 「あ、もうこんな時間。それじゃ、また明日学校でね。バイバイ、なのは、すずか」

 「うん、また明日ね、アリサちゃん」

 

 なにやらアリサ嬢は帰られるご様子。貴重なツンデレ要員としてこれからもよろしくです。

 そして、ついにやってきました! すずか嬢によるスーパーナデナデタイムですね!

 イヤッフゥーーッ!! ゆっくりなでていってね!

 

 「ふふ、やっぱりみぃ君はなで心地いいなぁ。

 うちの子もいつも櫛をかけてるんだけど、ここまでふかふかじゃないなぁ」

 「でしょー。やっぱり気持ちいいよねっ。夜一緒に寝るときも暖かくて、ふかふかだしすごく気持ちいいんだよ?」

 

 そうなのです。ご主人とはよく一緒に寝ているのです。

 ご主人が「今日もみぃ君と一緒に寝るー」なんて言うといつも恭也さんと士郎さんから殺気がビシビシ飛んでくるから困る。

 嫉妬ですね、わかります。ぬこでも逆の立場なら飛ばします。

 でも、やめない! さすがぬこ、我々にはできないことを平然とやってのける。そこにしびれる! 憧れるぅ!

 

 「そうなの? いいなぁ、私の場合は誰か一匹って言う風にはならないから……それにみんな好きなところで寝ちゃうしね」

 

 ほむ、そんなにいっぱい猫がいるのですか? 猫好きにとっては天国みたいな場所だな。

 そういえば、この身体になってからは他の猫というのをあまり見かけていないのだが、意思疎通とかできるのかしら?

 

 「あっ、そうだ。今度すずかちゃんのおうちに遊びにいってもいいかな? みぃ君もつれて」

 「うん、もちろんだよ。みぃ君おとなしいからうちの子と喧嘩にもならないだろうし。今度の日曜日なんてどうかな?」

 「うん。それじゃ、明日アリサちゃんも誘って3人で遊ぼ!」

 

 なにやら、すずか嬢のおうちへ遊びにいくことになったようです。昨日の車から察するにやっぱりお金持ちなんだろうなぁ。

 そもそも、ぬこの食事代というのもなかなか馬鹿にしたものじゃないからねぇ。

 それぞれ好みというものがあるし、気に入らないものには口を付けすらしないという身勝手さ。だが、そこがいい。

 

 そうそう、ぬこのごはん事情なんですが、この身体になったおかげでキャットフードがおいしくいただけるようになりました。

 銀○スプーンとかシ○バとかモ○プチ超うめぇ。猫缶もなかなかおいしいです。種類も豊富で楽しい。ぬこはチーズ入りなのがお気に入り。

 

 それは置いといて、すずか嬢も帰られることとなり、ご主人と見送ったところです。

 

 「そういえばみぃ君」

 

 なんでしょう?

 

 「すずかちゃんがなでてると、私のときより気持ちよさそうなのはどうして?」

 

 ギクーッ!! バレテーラッ!!

 

 「フフ、お仕置きだね?」

 

 ごめんなさい! でも、すずか嬢はなんかぬこに対するフェロモン的な物を撒き散らしてるんだ! しょうがないじゃない!

 

 「問答、無用なのっ!」

 

 お願いだから問答させてー!?

 あっ、だめです、しっぽの付け根は! 足腰が立たなくなっちゃう!

 らめぇーーーッ!!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 振り返ってみると今日は大変な1日だった気がする。

 アリサちゃんと喧嘩して、仲直りして、お友達になって……

 でも、結果的にはアリサちゃんやすずかちゃんと仲良くなれたからよかったのかな?

 

 アリサちゃんもいつかの私と同じで、きっと寂しかったんだろうし。

 アレだね、好きな子に意地悪しちゃうのと同じだよね。(それを世間一般ではツンデレと言う)

 

 学校が終わった後、アリサちゃんもみぃ君を見てみたいって言ってたし、すずかちゃんも会いたいって言ってくれたから今日も翠屋に行くことにした。

 

 そして今、みぃ君はアリサちゃんとすずかちゃんにかまわれています。

 むぅ、やっぱりアリサちゃんやすずかちゃんでも、みぃ君がデレデレしてるのはちょっと納得いかないの。

 特にすずかちゃんの時は私の時よりも気持ちよさそう。またお仕置きだね?

 

 まぁ、それはいったん置いておいて、今度の日曜日にすずかちゃんのおうちにみぃ君と遊びに行くことになった。

 なんだか、猫さんがいっぱいいるらしいけどみぃ君は大丈夫かな?

 他の猫さんと仲良くできるかな?

 

 そういえば、誰かのおうちに遊びに行くなんて初めてのことだ。

 みぃ君が来てからは、公園で他の子が遊ぶの見に行くことはなくなったけど、やっぱりどこか羨ましく思ってた。

 だから、すずかちゃんたちとお友達になるきっかけになったみぃ君には本当に感謝している。

 

 でも、だからといってお仕置きを手加減なんてしてあげないけどね!

 

 

 

 

 

 

 ふふ、楽しみだなぁ。

 遊びに行くのも、お仕置きも、ね!

 


 
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