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魔法少女リリカルと恋姫な物語 ~少年の数奇な運命~ 第9話 少女と動物の戦い、そして確証

レアさん

順調に転載を続けております。今回のお話は原作での最初の戦いですね。それではどうぞ~。

2012-07-09 17:32:52 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1276   閲覧ユーザー数:1219

 裕樹の話したいこととはデバイスについてだった。そういや両親が普通の人なのに、どうやってデバイスを入手したのかが気になるな・・・。

 

「まずは自己紹介だ」

<<始めましてだな神那、ヴェルジュ。私の名前はアイシャンク・ルーディン、シャルと呼んでくれ>>

「了解、よろしくシャル」

<<分かりました。神那共々、これからよろしくお願いします。やはりと言うか私のことはご存知だったようですね>>

<<そうだな、それも含めてすまなかった。何しろこんなのでもマスターだからな。命令は従わねばならん>>

「こんなの!?それに確かに俺はサーチャーを飛ばすようお願いはしたけど、お前すでに飛ばしてたよな!?」

 

 ああ・・・裕樹はマスターと言う立場だけど、上下関係なんてあって無いようなものか・・・。ある意味では僕らと同じような関係ってことだね。

 

「はあ・・・こいつはまあこんな性格だけど、なんだかんだで俺を助けてくれるからな。それよりもこいつの入手経路が気になってるんじゃないか?」

「あ、うん。両親が一般の地球人なのに、どうしてデバイスを持ってるの?」

「それはな、俺のじいちゃんが骨董品とか珍しいものを集めるのが趣味でな、シャルもその趣味の一部だったんだ。シャルいわく、試作品で作られたが製作者が実験で時限震動を起こしてな、そのときに出現した次元断層に飲み込まれて地球に漂着したらしい」

<<うむ。その後マスターの祖父に買われた。当時はようやく私も自身のマスターと出会えたと思ったが、残念ながらマスターの祖父には魔法の技術はおろか、リンカーコアが存在しなかった>>

 

 なるほど。てことは裕樹の家族は、本人を除いてみんな本当に普通の人なんだ。

 

「でな、こいつは早とちりして家に持って帰ってもらったときに、声を出してしまったんだと」

<<我ながら本当に失敗したと思った。私が声を出したことに驚いたマスターの祖父は、それを周りの人たちに話してしまった>>

「え、やばいんじゃない?それって・・・」

「やばいなんてもんじゃなかったみたいだぞ?そのせいでじいちゃんはついにぼけたとか言われて施設に入れられそうになるわ、こいつはこいつで売り飛ばされそうになったそうだ」

<<まったくあのときほどうかつに喋ったことを後悔したことはなかったぞ>>

 

 おいおい・・・それでよく無事だったねシャル・・・。

 

「まあシャルが弁明してくれたことで何とかその場は収まりが付いたけど、こいつは姿が髑髏の形の入った十字架のアクセサリーだから、結局呪具的な扱いになって倉庫にしまわれていたそうだ」

<<マスターの祖父があそこで私をかばってくれなければどうなっていたことか・・・>>

「ハハ・・・シャルもなかなかすごい人生を送ってきたんだね・・・」

「そんで俺が6歳のときにじいちゃんの蔵で宝探し的なことをしていたら、こいつが入ってた箱を見つけたんだ。まあ、俺はそのときには前世の記憶が多少あったから、親とじいちゃんを説得してシャルをもらったんだ」

<<魔法のことを話したのもそのときだったな>>

 

 そっか・・・僕と同じ年でデバイスをもらったんだ。そしてそのときに魔法のことも話した。

 

「魔法に関しても結構言われたんじゃない?」

「もちろん。最初は子供の戯言だとか言われたけど、シャルと一緒に魔法の練習をして両親に見せたら、渋々ながら納得してもらえたよ。つっても、危険なことにはなるべく首をつっこまないこと、もし友達が同じことで困っていたらそれを手伝ってやりなさいとは言われたけどな」

「そっか・・・って両親に転生者ってこと話したの!?」

「そりゃ話さないと理解してもらえんだろ。そのとき親父に言われたことには助けられた気分だけどな・・・」

 

 ?助けられるようなことを言われる内容だったっけ?

 

<<たとえこの世界がお前が知っている物語と酷似していても、お前が生きているこの世界は確かな現実だ。そこに嘘偽りはない、お前の人生なのだから好きなように生きるといい、これがそのときの言葉だ。いや、録音という機能はすばらしいな>>

「・・・いいお父さんだね」

「ああ。そしてやっぱりお前は俺に限らず、人をいじるのが好きなデバイスだというのがわかった」

<<おや、いまさらだろう。人の黒歴史というのは、いつ聞いても見ても楽しいものだな>>

 

 なんか俺のデバイスがヴェルジュでよかったと心の底から感謝してるよ・・・。

 

「とりあえずはこんなとこか?互いの魔法に関しては何も話さないほうがいいだろう。この先、道を違える事があるかもしれないしな。前の戦闘は音声だけ聞いて映像は見ていないから心配するな」

「それもそうだね、了解。それじゃ僕はさっきのことを確認するために、今日の夜確認してみるよ」

「気ぃつけてな」

 

 じゃあなと言って裕樹は帰っていった。さて、僕も帰って夜の準備をしようかな。

 

―――その日の夜―――

 

「何とか許可を得ることができたけど・・・」

<<これでしばらく無理はできませんね>>

「ま、それも仕方がないとするよ」

 

 父さんに友達の言ってたことの確証が取りたいといったら、理由を聞かれそれをうまく説明できないでいると、「分かった、その友達のことをとても大切に思っているのは伝わった。今は言えなくともいずれ教えてほしい」とため息を付きながら許可してくれた。で今は動物病院に向かってるところなんだけど、と突然周りの景色の色が普段と違う色へと変わっていく。

 

「・・・結界?」

<<どうやら近くに魔導師がいたようですね>>

「だとしたらユーノさんかな?このまま行きたいけど、さすがに今正体はばらしたくないな~」

<<では目元だけ隠す仮面をつけて、声を変えましょう。もちろん仮面の色は白ですよ?>>

「了解・・・」

 

 ほんと白好きだね・・・。てことで・・・。

 

「行くよヴェルジュ。誓いの言葉をここに。我らは常に一心同体!」

 

<<どんな困難も二人なら必ず突破できると信じて>>

 

『ゆえに共にあることは我らの願い、我らの誓い!この誓いは誰にも破られはしないと信じて!』

 

『セット・・・アップ!』

 

 誓いの言葉と共に僕はバリアジャケットを展開した。もちろん白い仮面も一緒にね・・・。

 

「よしっと"ドォン"・・・なにさ・・・」

<<爆発及び魔力反応です!>>

 

 バリアジャケットをまとった直後、いきなり爆発が起きた。ヴェルジュもソレと魔力反応を感知しており、僕に伝えてくれた。

 

「ヴェルジュ、フォームをドラグフォーム変更」

<<了解。フォームをドラグフォームに変更>>

 

 これでよし。後は急いで爆発場所にいこう!

 

「ヴェルジュ、今回はとりあえず援護に回るよ。一応信用はほしいからね」

<<分かりました>>

 

 急いで病院のほうに行くとそこには黒い塊が3つと一人の少女(・・・・・)とフェレットらしき動物がいた。あれって・・・。

 

「・・・なのはちゃん?マジで?」

<<聞こえてしまいますよ神那。とりあえず私はマスターと呼ぶようにしますね>>

「ん、了解」

 

 まさかなのはちゃんに魔力があるとは・・・。しかし魔法文化のないこの地球のこの町で、純粋な地球人から生まれた子供が、希少な魔力持ち?しかも二人・・・なんて確立なんだろうか。

 

<<む、あの黒い塊は逃げるようですね>>

「あれま、援護に入りますか。ヴェルジュ、バインド弾装填」

<<了解>>

 

 ヴェルジュに指示した後、僕はなのはちゃんに念話をした。さすがにいきなり援護に入るわけにはいかないからね。

 

[そこの魔導師、今から援護する。詳しいことは後で話す]

[ふぇ!?り、了解!]

 

 あわててるねぇ。さてそんなことより・・・。

 

「距離よし、風向きよし」

<<細かい誤差はこちらで修正します>>

「OK。・・・ターゲットロック完了、・・・発射」

 

 僕はそう言った瞬間、最初の一発目を発射した。とそれとほぼ同時に二発目、三発目も間隔を空けずに発射した。間隔を空けずに撃てたのは、先ほどのターゲットロックで3匹全てをすでにロックしたからだ。うん、全弾命中確認。やっぱり狙撃って言うのは日ごろの訓練がものをいうね。

 

「ふぅ、おや?なのはちゃんは?」

<<あちらのビルの上です>>

「ああ、いたいた。・・・ってもしかしてあそこから狙い撃つつもり!?」

<<もしかしなくてもそうでしょうね。しかし、彼女があなたと同じ射撃タイプだとは>>

「同じ射撃でも向こうは砲撃タイプだけどね」

 

 う~む、僕も収束及び圧縮はできるとしても、砲撃に関してはまだノータッチだからなんとも言えない。と次の瞬間、なのはちゃんは僕がバインドで捕らえていた、3匹の黒い塊を全て1撃で片付けた。・・・なんて威力だよ・・・。

 

「あんまし敵にしたくないタイプだなぁ・・・」

<<いつか戦うことになるんでしょうね。それよりマスター、本来の目的を忘れないように>>

「ほいさ」

 

 そうして僕は戦闘が完全に終わったことを確認して、二人?に近づいた。

 

「お疲れ様」

「あ、さっきはありがとうございました」ペコ

「ああ、気にしなくていいよ。僕も用事があるからここに来たんだ」

「用事?」

「そそ」

 

 そう言って僕はフェレットもどきに向き直り、質問をした。

 

「単刀直入に聞こう。君の名前はユーノで間違いないかい?」

「はい、そうですけど・・・あなたは何者ですか?そしてなぜ僕の名前を?」

「前者に関しては今は言えない。だからこそこうして顔を隠してここにいる。後者に関してはある人物から聞いたんだ。僕はその確証を得るためにここに来た」

 

 ・・・これじゃ信用は得られないんじゃね?と思っていたらなのはちゃんが質問をしてきた。

 

「あの・・・ある人物って誰ですか?」

「ん~、詳しいことは僕の口からは言えないけど、その人物はおそらく近いうちに君たちに接触してくるだろう」

「・・・それで納得しろと?」

「してもらうしかないね~。あ、もう一つ確認。君の本来の姿は人間でいいのかな?」

「・・・そうです。・・・何も話してないのにそこまで知ってるなんて、ほんと何者ですか?」

 

 それに関してはほんと何も言えないんだよね~。

 

「あ、あの・・・」

「ん?どうしたの?」

「あなたも魔法を使えるんですよね?」

「そうだね。少なくとも君よりは経験があるかな」

 

 なんたって6歳から魔法に関わってるからね。なのはちゃんはおそらく今夜が初めてなのだろう。少しおびえが見える。それも仕方ないか。魔法も戦闘も全部が初めてのことだらけなのだから。

 

「でしたら私に教え「断る」・・・なぜですか?」

「僕は君に教えられるほど自分の力を過大評価はしていない。なにより僕も同じ射撃方だけど、その射出の仕方が違うから教えられることが少ない」

「でも基本なら・・・!」

「それでもだめだ。それよりも、もっと近くに教えを請うことができる人物たちがいるじゃないか」

「あ・・・」

 

 そういってユーノと自分のデバイスを交互に見た。しかし、いきなり見知らぬ相手に教えを請うなんて・・・。いくらなんでも警戒心がなさすぎだよ・・・。

 

「君はもう少し相手を疑うことを覚えたほうがいいね。その辺も教育してくれるかい?名も知らぬデバイスさん?」

<<もちろんです。名も知らぬ魔導師様>>

 

 おっと、皮肉を皮肉で返されたよ。

 

「これは失礼。僕の名前は・・・そうだな、クラージュで」

「クラージュさん・・・」

「ではでは、そういうわけだから僕はここいらで失礼するよ。バイバ~イ」

「あ・・・」

 

 そう言って僕はソニックムーブでその場を離れた。さて、これで確証は取れたね。ふ~む、転生者か・・・。裕樹は真剣な眼差しで話してくれたから嘘ではないのだろう。ま、だからといって友達であることには変わりない。今までどおりの付き合いをしていこう。明日からは本格的にフェイトの手伝いをするか。さっきの黒い塊はジュエルシードが変貌したものだった。まあ、なのはちゃんが砲撃で倒した後封印してくれたから問題はないけどね。少なくともアルフさんが言ってたことは正しかった。他にもジュエルシードを集めてる人がいることがわかった。だから全部とは言わないけど、少しでもフェイトが多く獲得できるようお手伝いを頑張ろう!


 
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