No.449730

魔法少女イレギュラーなのは~6~ 永次「どうしてこうなッた」

これは、転生者たちがリリカルなのはの世界で転生生活を頑張るお話。

2012-07-09 10:33:46 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1900   閲覧ユーザー数:1857

「……でけェなオイ」

 

それが、この現象を見た俺の最初の一言だッた。

 

町の真ン中にそびえ立つ、巨木、という表現も小さく感じてしまいそうな、そンなでかさの木。

 

さっきまで、俺は自室で小学生は本来寝るべき時間にも目を開けたまま、自分の時間を過ごしていた訳だが。

急に地震が起きたので慌ててカーテンを開けた。

そしたらこの光景、という訳だ。

 

……ちなみに、早く寝ることで有名な(?)我が両親は、全然起き上がる気配を見せなかッた。……熟睡し過ぎだろあンたら。

 

……しかし。

これはジュエルシードによるものな訳だが。

……不覚だッた。

 

木がそんなに成長すりャあ、根の影響でそりャ地震も発生するわ。

ンな事位気付けッつの俺。

原作知識すらも曖昧な結果がコレだよ。

 

今回はどォなるかねェ……まァ、あまり変な事は起きないはずだけど……。

リビングの方も気になるが……やッぱ、念の為原作を見に行くか。

 

という訳で、またもやこッそり家を抜け出す俺であッた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「おーおー、やッてるやッてる」

 

家から徒歩10分未満の場所。

そこから、俺は木の方向を眺めていた。

能力の制限時間をセーブするため、今日は徒歩だ。

 

時たま見える桜色の光はなのはで……蒼の閃光は神楽、だろうか。

 

空を飛びながら、対策をたてているようだ。

 

「さァて、今回はどうなる……」

 

異変が起こればすぐ飛び出せる準備をしながら、外からの傍観、というか監視を続ける。

 

 

 

 

 

「ヴォォォォ……」

 

 

 

 

 

 

「!?」

 

背後から突然聞こえた奇妙な声。

慌てて振り返ると。

 

 

 

「ヴォォォォ……」

 

 

 

ゾンビの様な輩がそこにいた。

外見から考えて、大学生?

眼鏡をかけていかにもインテリ的な印象を受けるが、眼鏡の奥の瞳は焦点が合ッていないわ、口が半開きだわ、身体のあちこちが黒ずンでるわで台無しになッている。

 

……原作にャ、こンな悪質な真似をする奴はいなかッたはず。

……なら。

 

「転生者の仕業、か……ッたく、悪趣味が過ぎてンぜ?」

 

何をどう考えてこンな真似してるか知らねェし、この男にも悪いとは思うが……。

 

「……セットアップ」

 

『Stand by、set up!』

 

……ぶち、のめす。

 

頭痛に襲われるのを何とか我慢し、ベクトル演算。

 

自らにかかる重力を、そのまま今から振るう右腕の向きに合わせる。

 

ドゴッ!

 

それだけで、喧嘩の心得が無い俺の右ストレートが、十分な威力を叩き出す。

 

殴り飛ばし、敵が動かない事を確認してから、デバイスを待機させて演算を解除。そッと様子を窺う。

 

……む。

 

見れば、その男の身体からどんどん黒ずみが消えていき、ものの10数秒で完全に消えた。

……気を失ッてるだけで、脈拍、呼吸に問題は無さそうだ。

 

……洗脳系の能力か……?

だとしたら、またタチが悪い。

 

 

 

「「ヴォォォォ……」」

 

 

 

しかも、複数いたか……。

今度はサラリーマンと女子高生か。全く、めンどくせェな……。

 

オメガをセットアップさせ、また頭痛に襲われる。

 

まず、女子高生の方に接近して腕を掴み、次にその身体にかかる重力を操作、それを勢いに変えてサラリーマンへと投げ飛ばした。……よし、命中。

 

動かなくなッたのを見て、デバイスを待機させてから、またそれらの身体の具合を調べる。……さッきの奴と同じか。ッつか、洗脳してるとは言ッても身体能力は変わンねェ様だな。

それに、今更気付いたが……こいつら、身体能力は元と同じ癖に、あンな一撃喰らッといて全くの無傷、ッてのはどういうこッた……?さッきの大学生も、そういえば打撲傷も何も無かッたな。

 

……解ンねェな。ま、気兼ねなく殴れるッてのは良い事か。

 

 

 

ふと、デカい木とその周りを飛び回る2人を見る。

 

ンー……あいつ等を襲う可能性もあるか……。

 

……。

 

しョうがない、行くとするか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

という訳で、早足でデカい木へと向かう。

 

途中、1~2体のゾンビッぽい連中と4、5回遭遇したが、その都度セットアップしてから、一気にぶッ飛ばした。

 

 

 

……と、そンなこンなで目的地に到着した訳だが。

 

無事にイベントは終了したようだ。

来る意味無かッたな……まァ、大した事も無かッたし良しとするか。

 

 

 

という訳で、帰りは残りの制限時間をフル活用し、屋根の上をジャンプしていく。理由は、なのはとか神楽に見つかると色々めンどくさいから。

 

 

 

……しかし、不安材料が出来ちまッたな……。

街の連中を洗脳して、その転生者は一体何をやらかす気なンだか。

 

……めンどくさくない事を望む。

とりあえず、今日はさッさと寝るとしますかね。


 
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