No.449315

believe

ipさん

サクラ好き過ぎてヤバイipと申します。
人生初の二次創作です。脳内はそれなりに中二病なんじゃないでしょうか。
ラストシーンでのサクラの想いを想像して綴ってみました。
信じぬくことが、世界を変える一番の力になるとーーー信じて。

2012-07-08 20:26:38 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1386   閲覧ユーザー数:1380

 

誰もが願いし平和(フォルテシモ)ーーっ!」

 

 

あれから、どのくらいたったんだろうか。

桜の木の下、柔らかな風のなか……私は一人。

背中に感じる桜の樹から降り注ぐ桜光は、幸せのハジマリを祝福するようで。

桜の花びらが舞う中で私は、再会の時を待っている。

私の大切なマスター、レイジが来るのを…………。

 

 

そういえば……、いつも私は、まってる側だった。

ーー最後の戦い……。

なぎさちゃんと私は、想いを……すべてをぶつけあった。

思えば、あんな時でもマスターは私を助けてくれたっけ。

死ですらも巻き戻して、私を……遠くからでも守ってくれたんだよね。

信じあって、乗り越えた。

どうにもならないって諦めかけたし、どうにもならないとも、思った。

それでも、最後には……、乗り越えた。

私はーーーー。

信じて、信じ抜いてーーー、結末を変えた。

あの後、私が泣いてたことはマスター知らないんだろうけど。

信じることしかできないのは、とてもつらいことだった。

一人でオーディンに立ち向かったマスターを、私がどれほど心配したか。

 

 

それから……。

ーー龍一君との戦い、あの時だって。

私がどんな想いをしているのかわかっていても……。

マスターは私のためにすべてを尽くしてくれた。

それはわかってるけど、それでも……やっぱり、寂しかったし、怖かったんだよ。

譲れない想いがあるっていうことはわかっているんだよ。

そんな、優しいマスターだからこそ。

私も、本気で信じられたのかもしれない……。

そう、辛くても、悲しくても、信じられたんだよ。

 

 

あー、でもマスター、女の子には鈍いんだよね。

全くっ、私がどんなにマスターを好きかがわかってないんだよ。

だから平然と無茶するし……、強がるし、誰でも助けようとするし。

紅葉ちゃんを”人間として”生き返らせたり。命を掛けて、現実を超えて。

あの時だって、一歩間違えたら死んじゃってたんだよ。

でも、ずっと……、信じ続けて、私はーーーーー特別になれたみたいなんだよ。

二心同体だからわかるんだけれど……、わかっちゃうんだよ、でも。

なかなか、私のこと特別だとは言ってくれないんだよね。

……そういうところは、意外と素直じゃない。

っていうか二心同体なんだからその……私の気持ちにはどうして気づかないのかって、知りたいんだよ。

まぁ、マスター自身色々とあったから、そこは多めに見てあげよう。

あぁ~……好きな人のことって、なんでも許せちゃうね。

「まぁきっと、いつか紅葉ちゃんの言ってた惚れた弱みってやつなんだよ」

そう、自分に言い聞かせて納得する。

というのも私はだいぶ落ち着いてないみたいで……、マスターに再会するのが楽しみすぎてどうにもならないよ。

え、笑顔で再会したいんだよっ。

 

 

ーー「やっと、会えたね……マスター」

不意に思い出した、顕現したあの日の記憶。

あの時からどれほどの時間がたったんだろう。

とても長かった気がする、ほんの一時だった気もする。

そもそも、初めてマスターと会うまでだって、私は待ちっぱなしなんだよ。

自我が芽生えてから約三年。

あの平和な一時には、カレーライスが食べたいって思った。

……実際食べたら辛かったわけだけれども。

「美味しかったな。初めて食べた、マスターのカレーライス」

「(そっか、じゃ、これから作ってやるよ)」

ーーーっ。

不意打ち過ぎ……なんだよ。

どうやら、私の存在は完全に認識されているらしい。

……マスターらしいっていえばマスターらしいよ。

「ーーーーーーーーーー」

「……久しぶりだな……」

マスターは、”私そのもの”とも言える桜の樹にそっと手を触れる。

神妙なその表情は、私が現界したあの日よりもちょっと大人びていて。

そんなマスターを見て、私の心にも幸せな日々の記憶が駆け巡る。

「お前のお陰で、俺は……色んなものを手に入れたんだ」

頬を濡らす涙を拭い、想う。

私も、マスターに、たくさんのものを……貰ったんだよ。

「幸せも、不幸も、喜びも、怒りも、悲しみも、楽しさもーーーーーーそして、大切な想い出も」

たくさん笑って、たくさん泣いて、たくさん……戦って、たくさん受け止めて。

そして…………、ずっと想ってた。

「ありがとなーーーーーー」

ーーっ、相変わらず、ずるい。

優しく桜の樹に語りかけるマスターを見てて……、

今わかったーーーーー。

マスターは、レイジは……、私のことを、戦略破壊魔術兵器としてでも無く、普通の人間としてでもなく、

”サクラ”として見ていてくれたんだーーーー。

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーー。

一陣の風と共に、私はこの世界に戻った。

そして、レイジはこちらを振り返って告げた。

「ーーーーーーおかえり、サクラ」

その声に私も、最高の笑顔で答える。

「ーーーーーーただいま、レイジ」

 

 

 

ひとときの静寂の後、

「待たせたな……サクラ」

「ホント……だよっ、私はずっと……いっつも、マスターのこと、待ってばっかりなんだよっ!」

目元が熱くなってるのを気にせずに走りだす。

「いや、だけど冷静に考えてみれば今回待ってたのは俺な気ーー」

「ただいまっ!レイジ!!」

うん、マスターが何か言ってるけど正直全く頭に入って来なかった。

私の胸は、再会の喜びでもういっぱいになってる。

だから……駆け寄ってそのまま、抱きしめる。

「ちょサクラっ、落ち着けっ」

そのまま髪をなでられ、涙でぐしゃぐしゃになった顔であっても、今までで最高の笑顔を見せる。

「ただいまなんだよ、レイジっ!!」

「あぁ。おかえり、サクラ」

桜舞う光の中で。

私の想いは、きっと、いつまでも続いて行くんだと思う。

と、いうよりも……私とマスターで、絶対に幸せな未来を気づいていくんだよっ!!

「レイジっ、私、今最高に幸せだよっ!」

「……俺も、そうかもしれない。待ってたぜ、サクラ」

優しく微笑むマスターと手をつないで歩き出す。

「待ってたのは私も一緒なんだよっ。レイジはいっつもいっつも、私のこと待たせるんだから」

他愛もない会話、そんな時間を大事にしながら。

これからは、きっと……ううん。

絶対にーー。

この日常を大切に守って、生きていきたいと思う。

何があっても、私は……、絶対に、笑顔で生きていく。

レイジと一緒なら、できるって信じてるから。

「ーーーーーー行こうか、レイジ」

マスターが信じ抜いて、私達が、創りあげた、”皆がいる大切な日常”に向けて。

宝石みたいな日々に。

「あぁ、幸せの連鎖をーーーーここから、始めよう」

ーーーーーーーーーっ。

「うんっ、うんーーーーっ!!」

誰かを犠牲にする物語なんかじゃない。

誰もが幸せになれる、そんな世界を信じて。

今までも、これからも、自分達の想いを信じてーーーーー。

 

 
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