No.448217

超次元ゲイムネプテューヌ~青年の伝説~

クロさん

第十七話です
最近『少女病』というアーティストにはまっています
特に『儀典セクサリス』というアルバムが最高です

今回は前回の話でゼロの過去がどーたらこーたらとか言ってたけど、結局はあんまり・・・というかほとんど暴露出来なかったからこの話でたいていのことは暴露します

2012-07-07 17:43:37 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:1055   閲覧ユーザー数:1015

ここはどこだ?

暗い、暗い、全てが暗い。

「おーい、誰かいるか?」

俺は深い暗闇の中で問いかける。

だが返事は返ってこなかった。

分かっていた。

ここは俺以外、誰もいない。

つまり俺は『死んだ』のだろう。

あの男・・・『ストローク・グロー』とかという男に殺されて死んだ。

「・・・なんってこった。死にぞこないの俺が死ぬとはな」

そうやって腰を下ろした。

「・・・何だ?」

俺の目の前に小さな光が浮かぶ。

その小さな光はアチラコチラに浮かんでいた。

そしてその光はやがてひとつの大きな鏡になる。

「・・・」

俺はただポカーンとするしかなかった。

俺はその鏡をのぞく。

案の定、俺が立っていた。

だが次の瞬間

「お前がコレを見たということは記憶を取り戻しにきたんだな?」

「!!」

鏡の中の俺がしゃべった!?

そんなバカな!?

「なにを驚いているんだ?」

「いや、鏡がしゃべってるんだぞ?驚くだろ、普通」

「ふん。お前の人間性の方が驚くわ」

「確かにそうだが・・・。というかアンタ、さっき『記憶』とか言ったよな?」

「あぁ、言ったな。お前が過去を『封印』したときにお前は俺を使ってな」

「『封印』?俺の記憶はぶっ飛んだじゃないのか?」

「いや、お前は俺にお前の記憶を二つに分けて封印をした」

「二つ?」

「あぁ、二つだ。俺が封印できる量は限りがあるからな」

「それでアンタに一つ封印して、あと一つはどこに封印したんだ?」

「それはこれからお前に見せる。目を閉じる」

そうアイツに言われて俺は目を閉じた。

そして次の瞬間俺の頭に映像が流れ出した。

それは唐突な『質問』だった。

「ねぇねぇ、レイヤ君って彼女作らないの?」

「は?」

俺は疑問に思う。

だっていきなり変なことを問いかけられたんだぜ?

そりゃあ「は?」としか返しようがない。

「お前、何を言ってんの?」

「いや、だから彼女作らないのかって。レイヤ君モテるのに・・・」

「いやいや、俺がモテる?そんなバカな・・・。俺がこの世に産まれて一度もモテた覚えはないんだけどな」

俺がそう言うと・・・

「・・・・・・レイヤ君ってホンとに鈍いよね。だから他人の好意を見逃すんだよ・・・・(ボソボソ)」

「何か言ったか?」

「なんでもない!」

なぜか彼女は怒り出した。

「おい、なんで怒ってんだよ?」

「別に怒ってない」

言葉とは裏腹に表情はどう見ても怒っていた。

「いや絶対に怒ってるだろ。何で怒ってるんだよ?」

「もう、しつこいな!!それ以上聞いてくると本当に怒るよ!?」

「いや、もう怒ってるし・・・」

それはどこにでもありそうな『日常的』な会話だった。

それは唐突に起きた『事件』だった。

それは俺の親父やお袋、妹が殺されていた。

「なん・・だよ・・・。コレ・・・」

俺は目の前に起きた事が理解できなかった。

いや、理解したくなかった。

俺の家族が殺された事実を・・・

「親父、お袋、ルリ・・・返事を・・返事をしてくれよ・・・なぁ?なぁ・・返事をしてくれぇえええええ!!」

俺はそのとき全てに絶望した。

 

 

なぜ俺だけがこんなことを味わねばならない?

 

なぜ俺だけが生き延びている?

 

なぜ俺だけが・・・

 

 

俺は嘆いた。

全てに・・・

俺はその後、すぐに警察に連れて行かれ、事情を聞かれた。

だが俺が答えられるのは「分からない」しかなかった。

俺が解放されたのは事件が起きた一週間後だった。

だが解放されたとしても、もう戻れる場所はない。

あの家には戻りたくない。

だけど俺が住める場所はあそこしかない。

「俺は・・・俺はどうしたら?」

俺は泣きたくなった。

両親や妹が殺され、その犯人も分からない。

だいいち、なんで俺の家族が殺されなくちゃならない。

俺の家族がなにをした?

俺はこれからどうしたら・・・

そう思って歩いていると雨が降ってきた。

俺はずぶ濡れになりながらも歩いた。

目的地はない。ただただ歩くだけ・・・

ただ旅人のように・・・

どれだけ歩いたのだろうか。

気づいたら俺は病院のベッドの上に寝かされていた。

なぜこんな所にいるのか疑問に思って横を向いたら彼女がいた。

「あっ目が覚めた?」

彼女が問う。

「あぁ、それよりなぜ病院に?」

「レイヤ君が私の家の目の前に倒れていたの。覚えてない?」

俺はもちろん首を縦に振る。

「そうだよね・・・あんな事件のあとだもんね・・・」

どうやらもうニュースに流れたらしい。

「それよりもレイヤ君は家に帰るの?」

「・・・いや、もうあの家には戻りたくない・・・。かといって住める家はないし・・・」

そう俺が言うと彼女はしばらく考え込んだ。

そして彼女が口を開く。

「ねぇ、だったら私の家に来ない?」

「は?」

俺は一瞬彼女が言っていることが理解できなかった。

今なんって?

「だから、私の家に来ない?ちょうど部屋も空いてるし」

それは俺にとってありがたい話であった。

しかし・・・

「だけど俺たちはいい年頃なんだぞ?それに見ず知らずの男がお前の家に泊まるなんて、お前の両親が許さないだろ」

「大丈夫だよ。私も両親いないから・・・」

彼女は悲しげに微笑んだ。

「・・・ごめん。デリカシーにかけたな」

「別にいいよ。もうだいぶ前の出来事だし・・・。それに私も言ってなかったから。それよりも今はレイヤ君のことだよ。それでどうするの?」

「・・・・・・・分かった。ありがたく使わせてもらうよ。本当にありがとう」

「うん!!それじゃあ・・・よろしくね『零哉』君!!」

「あぁ、よろしく頼むよ。『ティラ・スフィリクス』」

それが彼女・・・ティラと俺の新しい生活だった。

「ティラ・スフィリクス・・・」

「あぁそいつがお前のもう一つの記憶を持っている」

「アイツが?アイツはただの一般人だろ?」

「今のお前はそう思うだろう。もう一度目を閉じろ」

俺はアイツの指示に従い、もう一度目を閉じた。

それは唐突に『奪われた』。

俺は今、ティラに無理やり口付けされていた。

「はむぅ・・・・んん・・ちゅぱ・・・ん・・・・んん~・・・」

「むぐぅ・・・ん~、んんー!!」

そして約二分ぐらいの口付けが終わった。

「ハァハァ・・・、何するんだよ!?」

「零哉君ごめんね・・・。でももう・・・・私我慢できません!!」

そう言った瞬間ティラの髪の色が黒から白銀に変わり、目の色は黒から黄金色に変わった。

満月に照らし出された彼女はこの世の者とは思えない美人だった。

そのことに俺はただ呆然とするしかなかった。

「お前・・いったい・・・・」

「『何者』と聞きたいのですね?いいですよ。教えてあげます。私は『人間』ではありません。私は『天使』です」

「天・・・使?」

「そう。そしてあなたたち人間からは『神』と言われています」

「神・・だと?」

何を言っているんだ?

カミ?カミってあの『神様』のことか?

そう思ってティラの顔を見ると悲しげに微笑んでいた。

「そう・・・ですよね。いきなり『神』って言われても信じませんよね・・・」

「お前は・・・誰だ?」

「私はティラ・スフィリクス。天使の女王で、人間たちからは神と呼ばれている存在」

「その神がなぜ俺に口付けをする?」

「それはアナタのことが好きだからです」

「神が人間に恋をするのか?」

「では逆に恋をしてはいけないんですか?」

「それは・・・」

「でしょ?だから私は「だが神だからといって無理やりでもいいのか?」・・・それは駄目ですけど」

「だろ?だからな「だったら私がアナタに告白をしていたら、アナタはOKしてくれたんだすか?」・・・それは分からん」

「ですよね。そしてさらに言うと私たち天使族は独占欲がかなり強いんです。それも地位が高いほどにです。そして私はアナタに恋をしてしまいました。そして今から完全に私のものにします。アナタは今日ここで私と契ります」

「契・・・る?何だよ?契るって・・・」

俺は恐る恐る聞く。

「ですから契るというのは『契約』ですよ。いまから私とアナタは一つになるということです。零哉様?」

そう答えるティラの顔は優しい微笑みだったが目が笑っていなかった。

獣で例えるなら、餌を目の前に置かれて今まさに食いつこうとしている獣の目だ。

俺はそれに恐怖し、彼女を押し倒し、逃げようとした。

しかし・・・

「!?何・・だよ?これ。足が・・・動かない!?」

「フフ。神を目の前にして逃げれるとでも?」

「ヒッ・・・!」

俺は床に這いつくばって逃げようとするが、全て無駄な行為だった。

「フフフフ。さぁ、一つになりましょう?零哉様・・・さぁ!!」

彼女が興奮した口調で言う。

俺はひっしにあがく。しかし・・・

「フフフフ。さぁ零哉様、私を『抱きなさい』」

彼女がそう言った瞬間俺の体が自由がきかなくなった。

そして俺の手は彼女を『抱いた』。

「さぁ、楽しい楽しい夜の始まりです。あぁやっと零哉様と一つになれる。さぁ今夜は朝までじっくりと愛し合いましょう・・・零哉様」

その後、俺は朝になるまでたっぷりとティラに搾り取られた。

「コレが俺の封印した記憶だと!?」

「あぁそうだ。コレがお前の封印した記憶の一つだ」

「ちなみにコレで何%だ?」

「まだ30%ぐらいにしかすぎん」

「そうか・・・残りはアイツが持っているのか・・・」

「あぁそしてお前は少なからず記憶を取り戻した。ということはティラ・スフィリクスがここに来るのも時間の問題だ」

「・・・なぜ俺が記憶を取り戻すとアイツが来る?」

「少なからずともお前は記憶を取り戻した・・・ということは力もまた少し取り戻したということになる」

「まさか、俺の力に一部分はアイツの力だと言うことか?」

「あぁ」

「なら教えろ。アイツの力とはいったいどんな力だ!?」

「いや力ではない。『血』だ。お前はティラ・スフィリクスから天使の血を入れられた。天使の血は傷を癒すことが出来る。たとえそれが致命的な傷だとしてもな。そして今回お前はストローク・グローとの戦闘で致命的な傷を負った」

「ということはかなりの天使の血を使うということか・・・。だが今までも俺は何回か致命的な傷を負ったんだが?」

「それはお前が記憶を取り戻していなかったからだ」

「それじゃあ今回アイツは・・・」

「間違いなく来るな。遅かれ早かれ・・・」

「・・・。ん?」

後ろを振り向くと光が迫ってきた。

「な、何だよ!?これ・・・!!」

「どうやらお前が目を覚ますときが来たな」

「な、ちょっ!!」

「では『竜堂 零哉』、さらばだ。俺が持っていた記憶、確かに全部お前に返したぞ」

俺はそこで意識がなくなった。

目を開けると見知らぬ天井が見えた。

横を見るとネプテューヌがイスに座って寝ていた。

「(俺、生きてるんだな)」

そう思い体を起こす。

「ふみゅ・・・ニュッ?」

「よ、起きたか?」

「ゼロっち?・・・・・・ゼロっち!?」

「お、おう。どうした?そんな大声出して・・・」

今のは軽く耳の鼓膜破けるぞ?

「本物のゼロっちだよね?幽霊とかじゃないよね!?本物だy「フン!!」ネプ!?」

あまりにもしつこいので一発ゲンコツをくれてやった。

「目は覚めたか?覚めてなければもう一発いっとくか?」

「い・・・いや、結構です・・・」

ネプテューヌは床に倒れてピクピクしている。

ちょっと強すぎたか・・・。

「ネプテューヌ。俺が倒れてから何日たった?」

「?一週間だよ」

「そうか、ありがとう」

俺はそう言って彼女の頭をなでてやる。

「ネプ!!」

ネプテューヌの頬がみるみるうちに赤くなっていく。

「熱でもあるのか?」

俺がそう言って彼女のデコに手をあてようとしたら・・・

「だ、だだだだだ大丈夫だよ!!熱なんてないよ!!!」

あたふたして否定をする。

本当に何なんだ?

女ってのは分からん生物だな・・・。

「そ、そうか・・・」

しばらく沈黙が空気を支配した。

「本当に・・・」

「ん?」

ネプテューヌが口を開けた。

「本当に死んじゃったかと思っちゃたんだよ?私もアイちゃんもコンパもシロシロもあの黒い女の子も。お医者さんも、もう手遅れだって言って、でもまだ息があるからって言って、このベッドに寝かされて・・・」

彼女のほうを見ると泣きながら話していた。

俺はそれを見るに絶えず彼女を抱き寄せた。

「ごめんな・・・つらい思いさせちまって・・・」

「う、うん・・・」

彼女はまた泣き出した。

さっきよりも強く。

俺はただ彼女が泣き止むまで抱いてやることしか出来なかった。

「フフフフ。やっと・・・やっと見つけましたよ。零哉様」

彼女はあるビルの屋上で呟く。

彼は今病院にいて、ある小柄な女を抱いていた。

「フフフフ。本当に私がそばにいないと浮気ばっかするんですから・・・。コレは少し『お仕置き』が必要ですね」

そう言って彼女は『神眼』を切る。

「さぁ零哉様。待っててくださいね?かならず向かいに行きますから」

そして屋上から彼女の姿は消えた。


 
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