No.448207

いきなりパチュンした俺は傷だらけの獅子に転生した

たかBさん

第十三話 これがガンレオンの底力だよ!

2012-07-07 17:38:00 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:8451   閲覧ユーザー数:7949

 第十三話 これがガンレオンの底力だよ!

 

 

 (あばばばばばばばばばば!?何っ?!調教?!)

 

 気絶から覚醒しての第一声がそれかいアリシア…。

 スタングレネードの痺れの痛みで俺の意識の中で気絶していた?アリシアの意識が覚醒した。

 アリシアに現状を伝えた。只今、不意打ち君の滅多撃ちを喰らっている。と、

 

 (…マグナモードで一気にヤろう)

 

 …この子の将来が心配だ。

 恐らくこれはブラスタのACPファイズ。

 滅多撃ちからのフィニッシュスラッシュ。もしくはショットで決めるはずだろう。だからこそ、そこに弱点(・・)がある。

 てか、マグナモードは調整が難しい。というか、今の今までプレシア回復の時からとある理由(・・)でマグナモードは使っていない。

 

 (いや、マグナモードは使わない。違う奴で決める)

 

 (どういうこと?)

 

 (…ガンレオンのパワーならやれる。というか、マグナモードだとやり過ぎる。いくら非殺傷設定でも、痛みで死ぬかもしれない。というか、殺(ヤ)る)

 

 (♪ヤろう♪)

 

 (躊躇いもなく喜色満面で言うなや!)

 

 (っ。………嘘だよ)

 

 (なんでそこで躊躇いが出るの!)

 

 本当に心配だよ。この子の将来がさ!

 とにかく、ライアット・ジャレンチで決める!

 

 (ええ!あのぐるぐるアタック!?たしかに当たれば逆転は出来るけど当てられないよ!)

 

 ライアットジャレンチはガンレオンが背負っている身の丈よりも大きな巨大なレンチ。

 そいつを持ってジャイアントスイングをするかのようにぶん回しながら相手をぶん殴る。という、単純かつ強力な技だ。

 

 ガンレオンは頑丈で剛腕。だけど、鈍重。いわば強襲型。

 

 ブラスタは高速で空を飛行することが出来る高速機動型。

 しかも、ISの瞬間加速(イグニッションブースト)がある。だけど、絶対に回避が出来ない方法がある。

 ちなみにイグニッションブーストをガンレオンで試してみたけど、魔力の燃費が悪すぎる上にあまり効果は出なかった。…めっちゃ体重いんだよ。ガンレオンはよ。

 普通に地面を走った方が早い。マグナモードは別として…。

 魔法というか、ガンレオンのAIがパワーアシストしなかったら俺一歩も歩けないよ。

 

 (…アリシア。大丈夫だ。今やれば、絶対に当たる。というか、今(・)しか当たらない)

 

 (どういうこと?)

 

 (ヒントはこの世界の一般掃除機)

 

 アリシア。お前達の世界の掃除機(・・・)無線式(・・・)だったよな。

 だけど、俺達の今、住んでいる世界の掃除機はまだ有線式(・・・)が主流。

 

 答えはその目で確かめるといい。

 …悪役っぽいな俺。

 

 

 

 意識を体の内側から外側に向ける。と、只今、ブラスタのスタングレネードから銃弾による集中砲火中に切り替わっていた。

 スタングレネードの痺れから集中砲火の衝撃によって身動きが出来ない状態。…普通の奴なら。

 ガンレオンは元がスーパー系だから力には自信がある。

 これぐらいの衝撃ならライアットジャレンチを展開させて、コマのように空中で身を回転させることが出来る。

 

 右手にライアットジャレンチ。

 左手にブラスタとガンレオンを連結しているワイヤーを掴む。

 そんな状態で氷上スケーターの様に体を回転させて、

 有線式(・・・)の掃除機が自身から伸びるコードを巻き取るように体に巻きつける。

 

 ガンレオンは時計回りに体を回転。ブラスタは反時計回りに飛行している。

 ガンレオンとブラスタはお互いに引っ張り合う形になる。

 その分、引っ張り上げているワイヤーは巻き取られる。

 すると、自然にワイヤーは巻き取られ短くなる。

 その分、ガンレオンを中心にしてぐるぐる回っているブラスタの円周は短くなり、スピードは速くなっているように見える。

 

 問一。

 このまま、ワイヤーで繋がれたガンレオンとブラスタの距離はどうなるでしょうか?

 

 「あ、ああああああああああ!?」

 

 クロウは異変に気が付いたが、もう遅い!

 

 「やぁあるぞぉおおおおおおお!」

 

 答え。

 接触(ゼロ)

 

 メリィ…。

 

 ライアットジャレンチがブラスタにめり込む瞬間がスローモーションのようにも見えた。

 次の瞬間には、

 

 「が」

 

 ズガアアアアアアンッ!!

 

 今日一番の破壊音が夜の街に響くと同時にブラスタが地面にめり込むように叩き付けられる。

 

 ズンッ。

 

 体に巻きついたワイヤーを力づくで引きちぎりながら離れた場所に着地した俺はブラスタに警戒して、ライアットジャレンチを右手だけで支え、水平に構える。

 すると、足腰をふらふらさせながら立ち上がるブラスタ。

 ここで一気に決めるぞ!アリシア!

 

 (合点!)

 

 「…な?!」

 

 ズガアアアアアンッ!

 

 空に飛び立とうとしたブラスタの目の前にライアットジャレンチが再びめり込ませて、今度は空に打ちあげる。

 それに追撃を加える為に勢いよく地面を蹴りだしてブラスタに飛びつき、バスケのダンクシュートするようにライアットジャレンチで追撃を入れる。

 

 (ゲットォオオオッ)

 

 ガキンッ。

 

 ただし、今度はブラスタを挟み込むためにその矛先はパック○ンの様に開いている。

 その口は虫の息のブラスタに食いつく。そして、そのままガンレオンの全体重を加えながら地面に叩き付ける。

 

 「ガンレオン、スーパープレス!」

 

 ズドオオオオオンッ!

 

 このまま抑え込んで説得。

 これで俺の勝…

 

 (アディオス!)

 

 …え?

 

 いま、アリシアが俺の体。正確には俺の指先を操作しなかった?何か引き金を引くような真似をしなかった?

 

 ガチンッ。

 

 て、なに?ライアットジャレンチの先から。詳しく言うのであれば、ブラスタを抑え込んでいる部分が光って…。

 

 ズドオオオオオオオンッ!

 

 ライアットジャレンチの矛先から小規模ながらも明らかに高出力かつ高威力の爆発が巻き起こった。

 

 (これがガンレオンの底力だよ!)

 

 何でアリシアが叩き付けから爆発のコンボが使えるの?

 俺はこのコンボは途中でキャンセルつもりだったんだけど…。

 そりゃ、精神的(肉体的にも?性的にではないよ!)には合体(ユニゾン)しているからアリシアだって俺の体を少しは動かすことが出来るけどさ…。

 何で狙ったかのようにライアットジャレンチの持ち手の部分の一部が開いて、その中に引き金があって、アリシアが(俺の体を使って)それを引いて、大爆発を起こさせて、ブラスタをこれ以上ないくらいにボロボロにすんの?

 …クロウ死んでないといいけど。

 

 「…これって、『揺れる天秤』と『傷だらけの獅子』の登場シーンのネタバレ?」

 

 俺は完全に機能停止したブラスタを押さえつけるように地面に突き刺さったライアットジャレンチを見てぽつりとつぶやいた。

 


 
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