No.44604

『愚者』

唄舞さん

2008-12-02 19:40:17 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:505   閲覧ユーザー数:488

あの頃の

 

腐った自分を蔑んだ先にあったのは

 

結局

 

絶望という名の現実だけだったのかもしれない

 

 

 

時には傍観者

 

時には被害者

 

時には加害者

 

 

 

意味不明な

 

その場ごとに発生する各々の役割

 

そしてそのどれもが滑稽で

 

何も生み出しはしない

 

 

 

そこに自分など存在せず

 

何もかもをその場の反射で生きることの絶望を

 

ただ

 

味わってただけだった

 

 

 

反射で生きることをやめても

 

積み上げた宝の山を

 

悪意無く壊される絶望がそこにはあった

 

 

 

どんな生き方でも

 

絶望はなくならないことをようやく理解しても

 

いつかまた壊されであろう宝物を積み上げる

 

 

 

まるでバベルの塔のように積み上がる宝の山は

 

悪意ない絶望に何度でも破壊され続ける

 

 

 

壊されるごとに

 

再び宝物を積み重ねる行為は

 

周りにとって

 

ひたすら滑稽でしかない

 

 

 

己の宝物など

 

己にしか価値が分からない

 

だからこそ周囲は壊す行為を悪ではなく善と捉える

 

そこに罪しかなくとも罪だとは思わない

 

いつか自分の宝が壊されなければ

 

自分の行為の残酷さに気付くまい

 

 

 

無知は罪

 

 

 

己の罪を理解できない幸福者という名の愚者たちは

 

今日も他人に悪意無い絶望を与え続けるのだろう


 
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