No.444173

真・恋姫†夢想 夢演義 『再演・胡蝶の夢』 ~桂花EDアフターより~ 第五幕「忠臣と逆臣と」

狭乃 狼さん

ども。

ちょっと間が空きましたが、桂花EDアフターより、再演・胡蝶の夢の、
その続きを公開です。

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2012-07-01 14:55:07 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:7905   閲覧ユーザー数:6461

 第五話「忠臣と逆臣と」

 

 

 「……仕込みは全て済んだ。後は事が上手く運ぶのを待つだけだな」

 

 豪奢、という言葉以外は当てはまらない、華美な調度品のみで埋め尽くされたその部屋の中、真っ白な髪のその人物は静かに笑みを浮かべる。室内を照らすのは蝋燭の灯りと、開け放たれた窓から差し込む月明かり。それらに照らされる件の人物のその顔は、いまだあどけなさの残る少年か少女の容貌にしか見えない。しかしその幼い顔つきには相当に成熟した、貫禄と十分にいっていいそれが刻まれている。

 

 その人物の名は張譲。

 

 洛陽宮廷内、そのさらに奥の皇帝のプライベート空間である後宮にて、至尊の存在を直接に世話する者達、宦官と呼ばれる男性のシンボルを切り落としたそれらの存在の、その頂点に立つ者である。

 

 「しかしやはり最大の問題はあの肉屋……だな。所詮は市井の出とはいえ、やはり大将軍という肩書きは伊達ではない。禁軍二十万、その全てとまではいかぬにしろ、例え一部でも相国の軍と呼応して動かされれば、計画に遅延が出るのは目に見えてくる……やはり、あの女には消えてもらうしかないか……」

 

 出来うる事なら、この手は最後の手段にしておきたかったが、と。張譲は最後にそう誰に聞かせるとでもなく呟くと、近くの卓に詰まれてあった竹簡の内一本をおもむろに開き、筆でなにやら書き込み始める。

 

 「……陛下には申し訳ないが、これも全ては漢王朝という大樹を生きながらえさせる為。……例え後世に大悪人としてこの張譲の名が残ろうとも……」

 

 寂しげに。そして自嘲気味にふっ、と笑いを一つこぼすと、張譲は数行の文を新たに書き込み終えた竹簡を丸めて懐にしまう。

 

 「そう。例え誰になんと言われようが、私はもはや歩みだした。そしてこの歩みは止められぬものなのだ。……止める事が出来るのは、全ての最後に、我が生命の尽きる時のみよ……」

 

 それはまるで、自分自身に言い聞かせているかのような、そんな独白だった。そして、その後は再びその顔に奸臣としての笑みを作り、その部屋を後にするのだった。

 

 

 「北郷!荀彧!魏延!董卓様からの急使が来た!至急、都の東、虎牢関に出陣するようにとのお達しだ!」

 

 華雄が西涼の馬騰の下から戻って数日後のある日、練兵場にて新規にかけた募兵の訓練を行っていた一刀たちの下に、華雄が慌ただしくその姿を現した。たった今、都に出向いている彼女らの主君董卓から、急を要する出陣の命令が届いたと、声を大にして叫びながら。

 

 「月様から?それも虎牢関にだって?一体何処の連中だよ、虎牢関を攻めるようなもの好きは。あそこを攻めるってことは、そのまま都へ攻め入るって言っているのと同じじゃないか」

 「詳しいことはまだ分らん。だが、相手の情報だけは一緒に来ている。河北の袁紹を筆頭として集まった各地の諸侯、その連合軍だ」

 「……その連合軍の言い分、何か分っていますか?」

 「……董卓様を、都を牛耳る逆賊と呼び、その討伐を謳っているそうだ……っ!」

 「はっ。馬鹿馬鹿しいにも程がある!月様が逆賊だと?何をもってそんな根も葉もない事を!」

 

 華雄の台詞に憤慨する魏延の気持ちももっともだった。事実、洛陽に招聘され、相国という破格の出世を遂げた董卓は、此処までわずか一月の間とは言え、かの地において良く善政を敷いており、またその配下の董卓軍の兵たちも、賈駆や張遼たちが特にその点に留意して兵たちをよく統括しているため、略奪暴行などといった行為は一切行っていない。

 一刀達も洛陽方面から来る出入りの商人らからそういった話を耳にしていたため、董卓が相国に任命されたという、そんな突発的な事態に対して抱えていた一抹の不安を、どうにか払拭出来て居た所だったのだが。

 

 「……焔耶の意見ももっともだけど、残念ながら、今の世の中じゃあ、必ずしも事実が真実になるとは限らないのよ」

 「……どういう意味だよ?」

 「現状、この大陸の情報の伝達手段ってのは、人伝によるそれの流布しかない。現状を直接見聞きする事の出来ない大多数の人たちにとっては、自分の耳で聞いたことだけが全てになるって事さ。……それが正しかろうが間違っていようが、ね」

 

 自分達のいた情報伝達手段の発達していた世界でも、そういった情報操作は常套手段であり、結局、真実というものは直接見聞しない限り伝わりにくいものなのだ、と。一刀は魏延と華雄に対してそう、肩をすくめて語った。

 そしてそれと同時に、一刀と桂花は自分たちの考えの甘さをも痛感していた。この反董卓連合の戦いが起きるであろう事は、これまで十分に予測していた筈なのに、十分な対応が間に合わなかったのは、自分達に前回の経験則を基本にしすぎた考えが強すぎた、そのせいだという事を。

 

 「……ともかく、よ。情報戦で出遅れた以上、私達に出来ることは速やかに事態に対応する事だけ。一刀」

 「ああ。華雄さん、焔耶。すぐ、兵たちに出立の準備をさせてください。糧食等の物資はいつでも搬出出来るようにしてありますから、兵の準備が整い次第、虎牢関に向けて出陣します」

 『了解だ!』

 

 兵は神速を尊ぶ、という言葉があるが、まさに文字通りの速さで一刀達はすぐ出陣の支度を済ませ、この翌日の昼頃には安定の街を出立。予備役として残っていた兵五千を引き連れ、一路、虎牢関を目指したのだった。

 

 

 再び漢の都は洛陽。その宮中にあるとある執務室の一室に、その人物は居た。肩口より少し長めのその銀の髪、切れ長の眉と双眸をした、その齢を全く感じさせない美貌を、その女性、漢の大将軍たる何進、字を遂高は今、苦渋に満ちた表情で染め上げていた。

 

 「張譲め……好きにやってくれよる……っ!妾が…いや、妾の持つ兵権がそれほどまでに疎ましいか……っ!」

 

 何進の座る机の上には、一本の竹簡が広げられており、先ほどから彼女はそれを心底から忌々しげに眺めていた。そこに書かれているのは、大将軍たる何進の持つ兵権その全てを、一時的に皇帝の直轄にすると言う、そんな内容の詔勅であった。

 

 「未だ幼い陛下がかような勅を下されるものか……っ!あの宦官め、陛下の恩寵篤きを良いことに、妾から全てを奪う気かっ!?」

 

 がんっ!と。何進は竹簡を思い切り叩きながら、その勅書を彼女の下に齎した当人、張譲の事を歯噛みしながらそう毒づく。実際、現在の漢の皇帝である、後の献帝こと劉協は、現在わずか十歳という年齢でしかなく、さらに言えば、生まれついての痴呆にその脳を犯されており、今は亡き少帝こと異母兄の劉弁に比べれば、その皇帝としての器量には雲泥の差があった。

 だからこそ、何進は己が甥の劉弁を帝位に就かせたかったし、長幼の順からもそれが当然の仕儀であると、そう思って彼のことを陰日なたに支えた。一方で、張譲を初めとした劉協の生母である王氏に繋がる宦官達は、劉協のその病を承知の上で彼女を次期皇帝に推し続けた。

 そしてこの事が、劉弁の急死後に如実な形で現れた。子を為すどころか結婚すらしていない劉弁に跡継ぎが居る筈もなく、順当的にその妹である劉協が即位する事になったため、自然、そちらを長く支持し続けた宦官達が、朝廷内における発言権を大きくしたのだった。

 

  「……このままでは、妾は……妾はまた、何も出来ずに失ってしまう……っ!妹の忘れ形見である弁を支え、漢朝に昔日の輝きを取り戻したかったのに、それすらあの子が早世したがために出来なくなり、この上妾に残された最後の希望である大将軍としての軍権まで奪われては、もう、妾に出来ることなど無くなってしまう……っ!一体どうすれば……」

 

 今後の自分、そして漢朝の行く末を考え、何進は文字通りその頭を抱えて悩んだ。この時の彼女は、今まさに袁紹を筆頭とした反董卓連合軍による虎牢関攻めが行なわれようとしている事を、いまだに知らない。いや、知らされていない。ある意図を持った張譲が、彼女の下にそれらの情報を伝えないよう、彼女のその身の回りを監視、他の人間との接触を遮断しているからである。

 外の情報も碌に入ってこず、自分に味方する人間がほとんど居ない今、何進は何時、その寝首をかかれるか分からない、そんな状況に追い込まれていたのである。

 

 「失礼いたします。大将軍閣下、董相国より至急、相国府へ出仕いただくよう、使いが参っておられます」

 「……なんじゃと?」

 

 先頃漢でも長らくの間空席であった、相国の位に叙任された、董卓という名の儚げな少女の姿を、何進はその脳裏によぎらせる。初め、董卓は擁州の刺史となれるよう、何進を通じて帝に取り計らって欲しいと、そう接触してきた。何進の方も、禁軍以外に何かの折の切り札と出来る、そんな外部の戦力という物を欲していたため、董卓からのその申し出を快く引き受けた。

 その後、董卓を刺史に任官する事の出来る、その詔勅を皇帝から賜る事が出来た何進は、直接董卓本人と秘密裏に会談を持てるようにするため、官位の任官にかこつけて彼女を直接洛陽に呼び寄せた。ところが、何進の思惑はとんでもない形で裏切られる事になった。都に上京し、そして帝に拝謁した董卓へと、言葉を上手く喋れない皇帝の代わりに張譲が伝えた勅命は、刺史どころか、人臣最高位の官位である相国への任官と、将兵揃っての洛陽への常駐だったのである。

 一度下された皇帝の勅は、絶対のものである。しかも傍目には大栄転であるそれを、さしたる理由も為しに断れる道理などない。言い渡された董卓本人やその家臣たちは言うに及ばず、何進を初めとした朝臣一同が思わず呆気に取られる中、謁見はそのまま終了し、董卓の相国就任と洛陽への常駐は決定事項となったのである。

 

 それはともかく。

 

 「……何故、相国が妾に接近する必要がある……?名ばかりの将軍となった妾に、一体何を求める気じゃ……?」

 

 董卓の狙いが何処にあるのかは分からなかったが、何進はほぼ直感的に、これが何かしらのきっかけに出来るのではないかと、呼び出しを告げに来たその侍中らしき人間に従い、己が部屋を後にしたのだった。

 

 

 虎牢関。

 西の函谷関と共に後漢の都である洛陽の東を守る城塞であり、難攻不落を絵に描いたような巨大な壁として、圧倒的な威容をそれは見せている。

 

 「ほうか、連中は官渡に布陣しよったか」

 「ああ。集結を呼びかけた袁紹の軍と、その一族である袁術、陳留太守の曹操、それと幽州の公孫賛ってあたりが、連中の中軸になってます。一応他にも参加しとる諸侯連中も居るけど、まあそいつらは大したことおまへんやろ。……所詮、名前しか出てこんモブ連中やし(ボソ)」

 

 その虎牢関の城壁の上に二つの人影がある。一人は張遼で、もう一人は高順。つい先ごろ、董卓討伐を謳って集まった各地の諸侯からなる連合軍、それを防ぐために、二人は急遽この虎牢関へと配置された。そしてつい今しがた、偵察に出ていた草からの報告を、高順が張遼に伝えに来たばかりであった。

 

 「数はどの位やて?」

 「ざっと見二十万は下らないらしいですわ。と言っても、所詮は急造の連合軍やし、まともに連携なんか取れるとは思えまへんから、それほど数の脅威は無い思いますけどな」

 「そうやな。それに、後もうちょいすれば一刀たちも援軍に来るし、賈駆っちの策もあるからな。ウチらがするのは亀見たく首を引っ込めて、じっと機を伺っている事だけや」

 「ですな」

 

 時間稼ぎ。それが今ここに居る張遼と高順の役目であった。実際、現状虎牢関にある戦力は、張遼らが安定から連れてきた董卓直下の軍一万と、元からの虎牢関(ここ)の守備兵三千だけである。当然、そんな寡兵で二十倍の軍を相手に出来る事などある筈も無く、彼女らが関への篭城という手段を選択したのは、まさに当然の帰結というやつであった。

 

 「ああ、ほういや祐?ウチな、前からお前さんに関して、ちっとばかし気になっとる事があるねん」

 「なんでっか、霞姐さん?はっ!?もしかしてワイへの愛の告白でっか?!」

 「あー、いや、そやのうて」

 「そうか~。いよいよワイにもフラグが立ったんやな~。かずピーのかませ犬とか影で言われて、無印時代には冒頭にだけ出てその後一切出番の無かったワイにも、とうとう日の目の当たる日が来たんや!と言うわけでワイは喜んで受け入れます!さあ霞姐さん!恥ずかしがらんとワイの胸に飛び込ん、ぶべらっ?!」

 

 張遼の何気ない一言から、誇大妄想が脳内で大暴走したらしい高順が、その溢れ出る情動を興奮のままにまくし立て、張遼に向かっていい笑顔を向けながらその腕を広げたのだが、飛び込んできたのは張遼の体ではなく、硬く握られた彼女の拳であった。

 

 「落ち着きアホ!何一人で妄想して盛り上がっとんねん!ウチが気になっとるんは、一刀がお前さんのこと、『及川』って呼んでることについて、や!」

 「あー……その事でっか……」

 「お前さんたちが知り合い、っちゅうことは前から知っとるけど、その詳しい事までは聞いとらへんからな。んで?なんで一刀は佑のことあんな風に呼んどるんや?真名とはまたちゃうんやろ?」

 「……んー。なんちゅうたらええんやろなあ……」

 

 実は自分も一刀と同様天の世界の人間です、とは口が裂けても言うことも出来ず、高順は答えに窮してどもる。そんな彼の様子に、張遼の方はまずい事を聞いたのかと思い、こちらはこちらでばつの悪そうな顔で居る。

 

 「答えにくいことやったら、別に無理して答えんでもええで?人間、何かしら秘密にしたい事の一つや二つはあるやろうし」

 「そらおおきに。……そうですな。一つだけ言えるとしたら、アレはワイの、高順って名乗るようになる前の、過去の名前の名残みたいなもんですわ。かずぴーとはその頃からの知り合いなんで、あいつはワイのことそっちで呼ぶのが癖になってますんや。……今はこれで勘弁してくれなはれ」

 「……分かった。なら、その事は後で、ウチから他のみんなにも伝えとくわ。……けどな、佑?もし今後話せるようになったら、その時は」

 「そうですな、“全てが終わった後にでも”、機会があれば話して差し上げますわ。ああ、その時はついでに、ワイの数々の武勇伝も一緒に教えてあげますよって。目くるめく愛と浪漫に満ち溢れた一代巨編の物語を、酒でも傾けながらゆっくりしっぽり、ついでにそのまま閨の中までも!」

 「あ、最後のそれは遠慮しとくわ」

 「……うう、つれないお方や……ん?」

 

 張遼の最後の一言にがっくりと肩を落とす高順が、ふとその視線を正面へと向けた時、東の大地にもうもうと土煙が舞い上がっているのが見て取れた。そしてそれと同時に、地を揺るがす地響きと馬蹄の音が、彼らの耳に遠雷の如く轟いてきた。

 

 「来たな……!根も葉もない嘘八百の檄文を出し、罪も無い月っちを貶めた恥知らずと、その尻馬に乗ったアホタレ共が……っ!」

 「霞姐さん?分かってるとは思いますけど、短気は禁物でっせ?」

 「わあっとる、わあっとる。……ウチらが出陣()るのんは、恋の出番の後……それまで、せいぜい連中の目を惹き付けて置かんと、な……!」

 

 くくく、と。低い声で笑う張遼のその横顔を、高順は額に嫌な汗が出るのを感じながら、引きつった笑いを顔に浮かべて眺めていた。そこに、一人の兵士が関の中からその姿を現し、二人の前に跪いて一つの報告を行なってきた。

 

 「申し上げます!安定より、董卓様の命を受けた華雄将軍、ならびに北郷将軍と軍師荀彧様、五千の兵を伴いご到着なされました!」

 「!お、そうか、かずぴーが着いたか。ほな、霞姐さん」

 「ああ、出迎えに行こか」

 

 そうして二人は関の内部へと揃って降りて行く。全ての準備はこれで整った。後は、開戦のその時を待つばかり。

 そして、連合軍先鋒の公孫賛率いる二万の軍勢と、張遼ら董卓軍の篭る虎牢関との間で戦端が開かれたのは、その日のちょうど正午、太陽が中天に差し掛かったその時であった……。

 

 ~続く~

 

 

 桂花EDアフターより派生、再演・胡蝶の夢の、その第五幕をお届けしました。

 

 さて、おそらく皆様すでにお気付きかと思いますが、今外史においては、汜水関という関は存在しておりません。なぜなら、本来、汜水関と虎牢関は、名前こそ違いますが同じものであるという、正史に沿った形をとっております。

 

 え?恋姫世界準拠なら、汜水関と虎牢関は別物の筈だろうって?

 

 確かに、このお話は真・恋姫†無双の魏√アフターであり、外史のリセットによる再演という形で始まってます。

  

 しかし、です。

 

 あんまり言うとネタバレなので控えめにしておきますが、この外史が、一刀が体験した、桂花と出会ったあの外史だと、一刀と桂花、漢女二匹(お)、そしてホモ眼鏡とストーカー、以上の六人は、確かにそうだと信じています。・・・・・・います、が!←此処重要w

 

 まあ、後はお話のもっと先、終局に近づいた辺りまで、はっきりした答えは引っ張らせていただきますw 

 

 ちなみに、何気に初登場の張譲と何進の二人、ですが。

 

 やはり、作者得意(え)のキャラ改変をして行く事になります。まあ、アニメのままのキャラだと、途中で完全に使いようが無くなるんでww

 

 では今回は此処で。

 

 次回は虎牢関での激戦と、そして、それと同時に進む洛陽での策謀戦。その様子をお届け予定です。

 

 

 それでは皆さん、再見~!

 

 

 


 
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