ジオールとエモンのトゥイー一家は、

中国系日本人として、

都内郊外の公営団地に入居しています。

あれから、一人息子の泰（たい）くんも大きくなり、

今は幼稚園に通っています。

そんなある日のこと。

幼稚園で体育参観が行なわれ、

主夫であるエモンが出席しました。

エモン：「泰〜、がんばれ〜！」

泰くんはみんなとドッジボールをしています。

しかし、泰くんは球技が苦手です。

エモン：「あちゃあ...」

次はかけっこです。

しかし、泰くんはかけっこも苦手です。

エモン：「あちゃあ...」

そして散々だった体育参観から帰宅後。

エモン：「泰く〜ん！　ごはんできたよ〜♪

今日はがんばったごほうびに泰くんの大好きなハンバーグだぞ〜♪」

ジオール：「泰く〜ん！　ごはんのあとでママと一緒にお風呂入ろうね♪

新しいお風呂のおもちゃがあるの♪」

エモンとジオールは泰くんには激甘です。

ところが。

泰：「肉は霜降り黒毛和牛だろうな？

食後には『ネモフィラ』のケーキが食べたい。

風呂から出た箱で『斑鳩』をプレイする。

子供だましのおもちゃなんぞ要らぬ。

滅するまで余に奉仕の限りを尽くせ」

ジオール・エモン：「はっ！」

泰くんは大変な内弁慶だったのです。

そして泰くんが寝たあと。

エモン：「まったく、泰は『わが家の王様』だな」

ジオール：「そこがまたかわいいのよ」

やっぱり親バカなトゥイー夫妻でした。