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(改訂版)真・恋姫無双 ~2人の飛将軍~ 第5話

cavalさん

師匠である花岳の元を去った一刀たち。幽州へ向かっているときに一刀が幽州の危機を耳にする・・・

プロローグが終わり第1部河北編のスタートです。
あいかわらず稚拙な文章です

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2012-05-30 22:08:24 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:7739   閲覧ユーザー数:6311

改訂版 第5話

 

Side Kazuto

 

森の中を駆ける2頭の馬。目の前に現れる邪魔な枝は手に持った愛器で持って切り開き。それ以外はまるで、自分の手足のごとく馬を操り、避け続けていく。

 

「ねね!方角はこっちでいいのか!」

 

「大丈夫なのです!急ぐのですよ!」

 

赤き駿馬を恋が駆り、黒き駿馬を音々と一刀が駆る。3人は森の中というのを感じさせない速度で突き進んでいく。3人がここまで焦る理由・・・。先日河北に入った直後。一刀が偶然耳に挟んだ情報。

 

「烏丸幽州へ侵攻」

 

その情報を真偽はともかく、いそぎ救援に向かうという一刀の決定に3人は危険を承知で最短距離である森林を最高速度で駆けながら幽州は北平を目指す。

 

「無事でいてくれ!白蓮!」

 

 

 

数日前・・・

 

花岳に河北に向けて旅立つ決心をしたことを伝えた一刀たち、すると最後の修行を行うという花岳に言われ向かった先は神殿からすこしいったところにある衡山(こうざん)と呼ばれる山。その標高は1298m。手頃な高さであったこともあり、一刀と恋も修行場としてよく使っていた。しかし、この山はただの山ではない。古名を「寿岳」といい、二十八宿のうち人間の寿命を司るという軫星(軫宿)と対応づけられた。また、神農氏がここで薬となる植物を採ったとの伝説がある・・・つまり聖山なのだ。

 

「一刀、恋、音々音。お主たちの決心はよくわかった。よって、これが最後の修行。最後の修行内容はいたって簡単じゃ」

 

ここで一度言葉を切った花岳が背負っていた天龍に手を駆けた瞬間、強烈な殺気と氣によって衝撃波が周囲に走った。

 

「・・・儂に勝ってみせい!」

 

怒声と共に飛び出した花岳。さきほどの殺気で戦闘モードに入っていた一刀と恋。3人に迫る天龍の刃を恋が最初に飛び出しはじきながら迎撃する。その動きに合わせて、一刀は蒼い氣を刀に溜めながら音々を抱えて下がる。

 

「一刀殿・・・」

 

「大丈夫だ、師匠の無茶ぶりはこの2年でわかってる。できる限り気にするけど余波には気をつけろよ」

 

心配そうに一刀を見つめる音々音の頭をやさしく撫でた後、一刀は花岳へ駆け出していく。

そのまま恋の攻撃を後方に飛び回避した花岳に向けて氣刃を飛ばす。自身に飛来する氣刃を花岳は気合の声と共に全身から氣を解放し、相殺する。花岳が着地するタイミングを狙い両側から一刀と恋が切りかかるが、天龍の柄で方天画戟を、刃で一刀の刀を花岳は防ぐ。

 

「はぁぁぁぁ!」

 

天龍に赤い氣をまとわせた花岳は鍔競り合い状態のまま天龍を振り回す。恋と同様の膂力と氣刃によって恋と一刀は吹き飛ばされる。先に体勢を整えた恋が再度花岳へ突撃し、反対側に回り込んだ一刀が刀に氣を込め氣の刀を作り出し、天龍の間合いの外から刀を振り下ろす。長大な氣刀が地面にぶつかり土煙と裂け目をつくるが、花岳には当たらない。そのうえ土埃で花岳を見失った一刀に、花岳が迫る。土煙のなかから天龍が飛び出してくるのを、ぎりぎりで察知した一刀はしゃがみこみ、頭部に迫っていた刃をよける。

 

「一刀!」

 

恋は動物的勘を基に土煙のなかにいるであろう花岳に向けて方天画戟を振り回し複数の氣刃を飛ばす。恋の氣刃によって一刀に向けられていた天龍が土煙に消えていった所に合わせて一刀も刀を構えて突っ込む。

 

「うぉぉぉぉぉぉぉ!!」

 

一刀の気合の声と共に膨大な氣が刀に注ぎ込まれ、蒼き刃が伸びていく。氣刀の長さが10メートルに達しようとしたとき、一刀はその氣刀を迷いなく横薙ぎにふるった。土煙の中にいて視界0の花岳に避ける場所は1つしか残っていなかった。

 

「恋!」

 

一刀の叫びに恋はすかさず反応し、飛び上がった花岳に向けて飛び上がり、体を捻って回避をしようとする花岳を方天画戟の柄で地面に叩きつける、

 

「ぐぅ!」

 

かなりの衝撃であったであろうにもかかわらず、立ち上がろうとした花岳だったが・・・首元に銀色に光る刃を添えられ、天龍を手放した。

 

「儂の負けじゃ・・・」

 

「オレと恋で連携してやっとかよ・・・あいかわらず化け物爺さんだな・・・師匠は」

 

「その化け物にたった2年の修行で打ち負かす、お主らのほうが十分化け物じゃよ」

 

そう2人は言い合うと笑みを浮かべたのだった。

 

 

 

神殿入り口で旅の準備を終えた3人は花岳を待っている。修行を終えた3人に餞別を渡したいということで・・・しかし30分も待たされれば・・・

 

「遅いな・・・師匠はどこまで探しているんだ・・・?」

 

「・・・Zzz」

 

「花岳殿遅いのですよ・・」

 

そんな感じで話していると神殿の奥のほうからなにか騒がしい音が聞こえてきた。それは・・・

 

「・・・おっきい・・・馬」

 

一刀に寄りかかり寝息を立てていた恋でさえ、驚き声を漏らしてしまった。そう、花岳がいう餞別は赤き汗血馬と漆黒の汗血馬。2頭は花岳に対して嫌がっているのか落ち着きがない。

 

「ちょいと知り合いに頼んでいたのはいいのじゃが・・・なかなか懐いてくれなくてのぅ・・・」

 

すると恋がトコトコと2頭に近づいて行くと・・・暴れ始めていた2頭が急に落ち着き、頭を恋に摺り寄せてきた。

 

「・・・ん・・・いい子いい子」

 

「さすが恋だな・・・」

 

「さすが恋殿なのです!」

 

この後、2頭は一刀と音々音にも甘えてきたことで、餞別としては最高の物になったのだが、唯一懐いてもらえなかった花岳は隠れて涙を流していた・・・

 

 

Side Pailen

 

「白馬隊!いくぞ!烏丸の奴らに白馬陣の恐ろしさを見せつけてやれ!」

 

白馬隊と呼ばれる白馬のみで構成された幽州が誇る騎馬隊が戦場を駆け廻り、烏丸の騎馬隊と斬り合っていく。部隊の戦闘で赤髪をポニーに束ね、次々と剣をふるっている女性。「白馬長史」「ふつうの人」「残念な人」と称される公孫賛その人。真名は白蓮。

 

侵攻してきた烏丸の数は3万。人材不足で烏丸の侵攻の発見が遅れてしまったため、本拠地である渤海に駐在していた3000の白馬隊と白蓮自身が先発迎撃隊で出立。北平郊外の平野と森が入り組んだ場所で接敵し戦闘を行っていた。

 

さすがに戦闘開始直後は地理で勝る白馬隊が優勢を誇ったが、双方の戦力比は10:1。数の暴力によって徐々に白蓮たちは押され始めていく。

 

「撤退するぞ!北平に引くんだぁ!」

 

白蓮が甚大な被害が出る前に撤退を指示。白馬隊は近隣の都市である北平に撤退を開始。北平の住民はすでに避難が済んでいるとはいえ、本来騎馬による高機動戦闘を得意とする幽州兵にとって籠城戦になるということで動揺が広がっていった。

 

「白蓮様、この後どうなさるおつもりですか・・・?」

 

白馬隊副隊長である関靖が城壁の上で佇んでいる白蓮に話しかける。

 

「関靖か・・・渤海からの援軍をいれても1万弱。数では圧倒的に不利だよなぁ。でも、攻城兵器が少ないのが救い・・・か。関靖、別働隊は確認されてないよな?」

 

関靖と呼ばれた男の真名は翔蓮(しょうれん)。この時代では珍しい男の武将で、白馬の名に沿った白き鎧に長柄槍を愛器としている。真名については主君である白蓮はもちろん白馬隊の所属者全員に伝えてはあるのだが、関靖自身が自分の真名が女性の名ということもあり本人がなるべく真名で呼ばないでほしいということで関靖と呼ばれている。

 

「現在渤海に残していた白馬隊で偵察をしていますが、そのような情報はありませんね・・・」

 

「よし、とりあえず城壁の上に矢と石を集めておこう」

 

「まぁ、それぐらいしかできないですよね」

 

簡単な軍議が終わり2人はそれぞれの場所で指示を出していくのであった。

 

翌朝。まだあたりが薄暗い中、けたたましい銅鑼の音で仮眠をとっていた白蓮は目を覚まし、白き鎧とふつうの剣を身に着け、城壁下に作っていた天幕から飛び出す。

 

「公孫賛様!敵が攻撃を開始しました!」

 

「来たか!なんとしてもここで食い止めるぞ!各自自分の実力を遺憾なく発揮するんだ!」

 

「おおおおおおお!」

階段を駆け上がった白蓮はすこし乱れた呼吸を整えた後、兵たちを鼓舞していく。

 

烏丸軍は攻城部隊を後方に置き騎射部隊を全面に押し出してくる。それに対抗せんと北平の城からは数多くの矢が飛び、烏丸軍の進行速度を削らんとする。激しい撃ち合いに両軍ともに被害が出ていく。しかし、初期戦力に差がある以上、幽州軍に不利な状況に変わりはない。

 

「くそっ!このままだとジリ貧だぞ!」

 

「公孫賛様!攻城部隊が接近してきます!」

 

物見からの報告に白蓮は唇を噛む。騎射部隊の相手に精一杯の現状、戦力を攻城部隊迎撃に回せば、騎射部隊に狙われるのは必定。

 

「ここまでなのか・・・?」

 

そう白蓮が思った時、物見が別の報告を上げてきた。

 

「公孫賛様!あれを!」

 

物見が指差す方向は戦場を一望できる高台があるところで、そこには太陽の光によって輝く白き服をまとった男が赤き馬にまたがって、こちらを見つめていた。その傍には、燃えるような赤き髪に巨大な刃がついた戟をもった女性もいる。さらに森のなかから黒き馬に乗った小さな帽子をかぶった少女の姿。

 

次の瞬間、男は巨大な蒼き氣弾を烏丸軍の攻城部隊に叩き込んだ。突然の横からの攻撃に、ようやく烏丸軍も彼らの存在に気が付き、弓を構える。

 

自分に視線が集中したのが、わかったのか、彼は剣振り上げると、こう叫んだ。

 

「我が名は北郷一刀!乱世を収めるために天より遣かわれし者なり!烏丸の兵よ!我が知、我が力に恐れぬ者はかかってくるがいい!」

 

 

Side Kazuto&Ren&Nenene

 

一刀が名乗りを上げる数分前・・・

長い森林地帯を走り抜け北平郊外にたどり着いた一刀たち。強行軍にさすがの恋も肩で息をし、音々音にいたっては・・・

 

「一刀殿・・・ねねは・・・もう・・・」

 

体力を使い果たして一刀の腕の中で寝息を立てていたりする。

 

「ごめんな。赤龍、黒龍。もうすこしだけ無茶に付き合ってくれな?」

 

この2頭の駿馬、当初一刀は赤兎、黒兎と名付けるつもりだったのだが・・・

 

「一刀ダメ・・・その名は一がつく方の作品で使われてる・・・」

 

と恋がメタ発言をしたために棄却。そのため赤龍、黒龍となったという裏事情があったりする。一刀の言葉に2頭は嘶き、前脚を上げる。眠っている音々音を赤龍に乗せた後、一刀も飛び乗る。その傍に黒龍に乗った恋が、一刀の言葉を待つ。

 

「さて・・・天の御遣い物語第2幕を上げにいくとしようか!」

 

そして2人は手綱をひき赤龍、黒龍を駆けさせるのだった。

 

 

 

赤龍と黒龍を音々音に託し、一刀と恋は高台から飛び降り、烏丸軍の左陣に向かっていく。

「天の御遣い」の噂は烏丸にも伝わっていたらしく、一刀の予想以上の反応になったものの、たった2人の援軍と考えたのか、左陣の一部(100程度)が迎撃に回ってきた。

 

蒼き氣でおおわれた刀を振るい、切りかかってきた者たちを次々で切り倒して、その返り血にどんどん染まっていく一刀に対し、方天画戟に紅き氣をまとわせ、一撃で持って複数を吹き飛ばしていく恋。

 

一刀と恋はまっすぐ左陣から中央へ大きな楔を打ち込んでいく。その驚異的な進撃に、烏丸軍中枢も混乱し、北平に向いていた侵攻のベクトルがすべて一刀たちに向けられ始めた。

 

「恋!飛べ!」

 

一刀の叫びに呼応して恋が飛び上がった直後に、一刀は蒼き氣を刀に込めて長大な氣刀を作り出し、横薙ぎに振るい周辺を切り飛ばす。また、飛び上がっていた恋も方天画戟に紅い氣纏わせ、着地と同時に巨大な氣刃を烏丸本陣の方向へ飛ばした。その巨大な三日月型の氣刃に危機感を感じ、氣刃を止めようとした多くの烏丸兵たちは、手に持った武器ごと両断されていく。

 

その後も圧倒的な力でもって暴れ続ける一刀と恋によって連携も陣形もズタズタにされた烏丸軍に止めを刺さんと白馬隊による突撃が加わった。

 

「あの2人だけにまかせるな!私たちもいくぞぉ!」

 

双方の戦力差はほぼ同じか若干烏丸側が多いぐらい。そうなれば、白馬隊は幽州を代表する騎馬隊。その機動力と突撃力をもって烏丸軍を駆逐していくのだった。

 

 

 

あとがきと言う名の言い訳タイムはっじまるよ~!

というわけで作者です。こんばんは。今回改訂版第5話を更新しました。これから董卓軍との合流まで、幽州が舞台になっていく予定です。

 

今回から河北編ということでいきなり新キャラ翔蓮登場。作中でも書いていますが、男です。何も特徴がないのが特徴のふつうの人です。改訂版では翔蓮のように史実に基づいて、武将を増やしていく予定です。あと性別は一致させないつもりですのであしからず。

 

一刀と恋、音々音のチートに関して。簡単にまとめると・・・

 

○一刀

 

やりすぎた感もあるがこれぐらいしないと恋に追い付けない。

 

 ・内氣功使用可→戦闘中身体能力向上(腕力以外は愛紗、鈴々以上)、縮地使用可能

 ・外氣功使用可→氣を使った遠距離攻撃などが可能に

   氣刃→刀から放たれる氣の斬撃

   氣刀→刀に込めた氣を圧縮構成する。イメージはナルトのチャクラ刀。

 ・知力向上→軍師勢と同等クラス。

 ・騎兵能力追加→翠や霞にすこし劣る。愛馬は黒龍(絶影や麒麟に並ぶチート馬)

 ・全武装使用可→刀以外でも偃月刀や槍でも使用可能

 

○恋

 

元々チートだったのであまり変化なし。

 

 ・内氣功使用可

 ・外氣功使用可

 ・全武装使用可→方天画戟以外使用させる予定はいまのところなし

 ・料理可能→肉まんや焼売が得意

 

○音々音

 

けっこう悩んだ音々音の強化。音々音のかっこいいところはいくつか考え中。戦闘中空気になってしまうからね。

 

 ・知力向上→戦略面では雛里クラス、政治に関しては詠と同等クラスまで向上。

 ・ちんきゅーきっく強化→デレ始めているため使用頻度↓

 ・医術使用可→五斗米道ではないが、大きな病気以外であれば外傷等の治療可能

 ・料理可能→全般的に作ることが可能。得意料理はやはり肉まん、焼売

 

作者のなかではこのような感じで強化(チート化)されています。

こんな感じの厨2病全開の作者ですが、これからもよろしくおねがいします。

 

では次回改訂版第6話でお会いしましょうノシ

 


 
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