No.428134

真・恋姫†無双 外伝:こんなラヂヲ

一郎太さん

そんなこんなで新シリーズ

気が向いたらアンケも答えておくれ

2012-05-26 00:11:20 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:5432   閲覧ユーザー数:3976

 

 

 

こんなラヂヲ

 

 

「はい。という訳で始まりました。ラジオ『MO☆SO☆SHO☆JO』の時間です。いやー、記念すべき第1回ですが、パーソナリティーは私、妄想学の祖である稟ちゃんと」

「…………え、俺も言うの?」

 

パコン!という音と共に、稟の投げたペットボトルな一刀の頭にぶつかった。

 

「痛ぇっ!?……えっと、一刀、くんです……いきなりカンペかよ」

「はい、そこ裏の話をしない!リスナーには見えないのですから問題ありません」

 

ボトルのぶつかった額を摩りながら愚痴る一刀に、稟の叱責が飛んだ。

 

「さて、Webにて告知はしていましたが、今一度、このラジオ番組の趣旨を説明しましょう。偶然このチャンネルに合わせた方もいらっしゃるでしょうし」

「誰も聞いてねぇよ、こんな妄想ラジオってぇ!?……だから物を投げるな」

「はいはい。空気の読めない一刀さんは、押入れの中に隠してあるオリ○ント工業製のビニール人形でも抱き締めてなさい」

「空気嫁だけにか。って、やかましーわ」

「黙りなさい」

 

スタジオの温度が少しだけ下がった。

 

 

 

 

 

「────で、かの番組の趣旨は何なんだ?」

「やっと乗り気になりましたね。相変わらずのツンデレです」

「誰がツンデレだ。ある事ない事世間にばらまかれても困るしな。で、説明を……っと、これが台本か」

 

稟に指され、手元の紙をパラパラと捲る。タイムテーブルのようだ。

 

「なになに?──『この番組は、リスナーからの質もに、妄想で答える番組です。貴方が抱える日常の何気ない疑問を、HPのフォームからメールにてお送りください。URLは、http://www.tinami.com/』……いいのか、こんな事言って?」

「何か問題があれば、運営が削除してくれるでしょう」

「またメタな発言を……」

 

どうや、オープニングトークを終える時間のようだ。生放送なだけに、時間には厳しいらしい。

 

「それでは、記念すべき、第1回の質問です」

「今日が初回なのに、質問とか来てるのか?」

「大丈夫です。なくても適当にでっち上げ────」

「ストップ!?なにヤバいこと言いくさってやがるんですか、貴女は!だいたい[ピーーー]だからって……って、ピー音遅ぇよっ!?」

 

スタジオの外で、飴を舐めるスタッフがにゅふにゅふと笑っていた。

 

「では気を取り直して。さて、記念すべき最初の質問ですが……shukanさんからのメールです。『稟教授、一刀助教授、こんにちは』はい、こんにちは」

 

BGMも変わり、稟は台本とは別に置かれた紙の束を手に取る。その中から1枚を抜き出して、読み上げ始めた。

 

「ちわー」

「『質問です。僕は猫が大好きで、夜な夜な外を徘徊しては公園の猫とキャッキャウフフしようと画策しているのですが、ツンばっかりで、どうしてもデレ要素を見せてくれません。なぜ、猫はツンデレなのでしょうか。教えてください』……っと」

「ふむ、いきなり難しいテーマですね、教授。いったい何故なんでしょうか?」

「さぁ?」

「ぶち壊しだよ」

 

────CM。

 

 

 

 

 

 

「────はい、CM明けました。あ、これ言わなくてもいいんですか?分かりました。次からそうしましょう」

「次があるならな」

「物騒な事を言わないでください」

 

リスナーの美魅に、ボゴンッ!というくぐもった音とハウリングが届く。

 

「マイクを投げるな……というか、ラジオ用のマイクって投げられるのか?」

「はい、裏の話をしないっ」

「へーい」

 

今度こそ気を取り直して。

 

「さて、それでは教授。質問に、お答えください」

「え、私が答えるんですか?」

「いや、そりゃ第1回だし。それに、教授に対する質問でしょう?」

「くっ……いきなり助教授口調になりましたね」

「始めて聞いたよ、そんなカテゴライズ」

 

コホンとひとつ咳をすると、稟は一転、真面目な表情で口を開き、そして回答を始めた。

 

 

 

 

 

 

「そもそも猫は、とても従順な動物でした」

「……なんだと?」

 

早々に問いの主軸を揺さぶられ、一刀は思わず敬語も忘れて問う。しかし稟はその視線を受け流し、言葉を続けた。

 

「猫が人に飼われるようになったのは、ネズミの駆除目的というのがその起源です」

「それは……聞いた事がありますね」

「えぇ。飼育を始められた猫たちは、エサの保証と引き換えに、人家のネズミを、駆除していました。自分たちの特技で以て、褒められ、撫でられ、食事まで貰える。それはもう、頑張った事でしょう」

 

テーブルに置いてあるペットボトルを手に取り、喉を潤す。

 

「ですが、ある時彼らは気づきました。『……あれ?これって、腹が減ったらネズミ食えばいいんじゃね?』それからです。彼らは怠惰さを手に入れました」

「教授、よろしいですか?」

「どうぞ、一刀さん。リスナーには見えないのに挙手までして、段々と助教授のキャラが板についてきましたね。まるで永遠の二番手のように────

「そういうのはいいから!……それより、いまの教授の論だと、『猫=ツンデレ』の等式が崩れるような気がするのですが」

「話は最後まで聞きなさい、この早漏野郎」

「違ぇ!」

「何を言うのですか。早漏である事を気にして、毎晩私と特訓してるくせに。手や口で寸止めてを繰り返し、日々記録を伸ばしているではありませんか。その癖、私の1番大事な部分にはまったく触れず…はっ!まさか、これは新手の放置プレイではないでしょうか!?私が攻めているように錯覚させ、そのSという立場上自分からは言い出せない状況を作り出し、そうして私の反応を楽しんでいるのですね!?……盲点でした。まさか、そうやって私のM気質を育て上げているとは………」

「ちょ……ヤバい!今すぐコマーシャルに────」

「そうして私が我慢出来なくなった瞬間に、主従を逆転させるのですね!?Sである以上、早漏である事を、隠したい一刀さんは、そうして耐久力をつけさせ、十分に鍛えたところで私を抱くのでしょう。あぁっ!?そんな……とうとう私の大切な部分に触れてくれるのですね……私は、私はそんな貴方に……プッハァァァァアアアアっ!?」

「────って、間に合わなかっ[ピーーー]だから俺の発言に被せてんじゃねーよ!?」

 

────CM。

 

 

 

 

 

 

「────先ほどは失礼しました……ふがふが」

「一部不適切な発言があった事を、深くお詫び申し上げます」

 

再三、気を取り直して。

 

「では続きです。猫たちはネズミを食べればいい事に気づき、捕らえたネズミを腹に収め始めました。当然、満腹の彼らにエサを与えても、見向きもしません。ここで気づけばよかったのですが……人間というのは、愚かな生き物です。目に入らなければ、何も信じられない、か弱い生き物です。そして、固定観念に囚われる。彼らには、猫がちゃんとネズミを捕まえているか確かめる術がなかったのです。そうして、分かりやすい猫の怠惰に目をつけたのです。その怠惰は、きっとネズミの繁殖に繋がるはずだ、と。

……先ほど私は、人間は弱い生き物だと述べましたが、弱さを持つが故に、優しさも併せ持っていました。彼らは猫に対し、躾ではなく褒美で勤勉さを取り戻させようとしました。より実の高いエサを与え、働かせようとたのです。そしてもちろん、その行為は不正解でした。

その行為は猫たちに傲慢さを覚えさせ、猫は、まるで自分が人間にとっての神であるかのように振る舞いました。それだけならば、まだよかったのです。彼らは、あろうことか……」

「…………なんです、教授」

「……」

「言ってくださいっ!」

「あ、あろうことか……人間たちをも、自分たちのエサにしようと考え始めたのです」

「…………なんてことだ」

 

スタジオに沈黙が落ちる。ラジオの前のリスナーたちも、すべからく口を閉ざしている事だろう。

 

「それで……それで、どうなったんですか?」

「ご覧の通りです……いま、こうして我々が生きている事が、何よりの答えになっていると思いませんか?」

「そういう事か……」

 

一刀と稟は、遠い眼をする。彼らの思考は、遥か数千年の過去へと遡っていた。

 

「……話を戻しましょう。では、何故猫がツンデレなのかという問いです。その答えは、歴史からも想像がつくでしょう?

かつて生物たちの頂点に立ち、世を統べていた自分たちがここまで堕ちるとは。彼らはそう考えるのです。しかし、それと同時に、思い出します。あの頃の人間は、暖かかった……と」

「では、教授……」

「えぇ。自分たちの不甲斐なさと、後悔、そして悲しみがせめぎ合い、彼らは素直になれないのです。それでいて、かつての優しさに縋りたい。そんな想いが、彼らをツンデレという属性に縛り付けるのです」

「なるほど……ありがとうございました。shukanさん、ご満足頂けたでしょうか」

 

 

 

 

 

 

「このような感じで皆さんの質問にお答えするラジオ番組『MO☆SO☆SHO☆JO』をお送りしましたが、楽しかったですか?」

「今回は初回という事で私がお答えしましたが、一刀さんにも勿論答えて頂きます。何でもご質問ください。回答者の希望があれば、それも質問メールにてお教えください」

 

 

~~~ED Theme~~~

 

 

「それでは、そろそろお時間のようです。司会は私、稟ちゃんと」

「一刀くんでお送り致しました。それでは最後に」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「「すべて妄想です。友達に自慢げに話すと恥をかくので、お気をつけください」」

「それでは、また来週。稟ちゃんが何でも質問に答えちゃうぞ☆」

「え、何そのキャr────」

 

 

────番組終了。

 

 

 

 

 

 

「なかなか楽しかったですね」

「俺は疲れたよ……」

 

スタジオから出てきた2人は、言葉を交わす。

 

「お疲れ様でした。ドリンクですよー」

「ありがとうございます」

「いえいえー」

 

音響を担当していた金髪ウェーブの少女が、稟に飲み物を渡す。

 

「はい、おにーさんもどぞー」

「あぁ、ありがと。ところで苦情とか来てないか?」

 

稟同様にドリンクを受け取りながら、一刀は問う。

 

「苦情ですかー?」

「さっき稟が[ピーーー]噴いたろ?その前の発言やらなんやらってなんでそこに被せるんだよ!?お前絶対分かっててやってんだろ!?」

「にゅふ、なんのことでしょー」

「し、潮……プッハァァァァアアアア!?」

 

下ネタで終わる。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

はい、というわけで、勝手に新シリーズでした。

現在山口の某田舎町にいるんですが……

 

・EMOBILEが使えない

・ネットカフェがない

・二度とスマホで投稿しない

 

こんな感じです。

 

また質問があったら、コメントによろしくです。

妄想でお答えしますよー。

 

では、また次回。

 

バイバイ。

 

あ、『妄☆想☆処☆女』の※禁止な

 

 

 


 
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