No.413537

IS~深緑の狙撃姫~「血は繋がってないけどあなたは大切な娘よ。」

十河さん

シャルの目覚め。

箒の憎しみが・・。

2012-04-24 18:34:21 投稿 / 全5ページ    総閲覧数:2650   閲覧ユーザー数:2496

箒の斬撃から一夏を守ったシャル。

目の前の出来事に呆然となる一夏と氷河。

 

「自分の身を省みず間に入るとは、あなたのお仲間はお人好しなんですね・・。」

「シャル・・シャル・・。俺が迷ったから・・俺が殺したんだ・・。」

 

血に濡れたシャルに触れる一夏。

脈は止まり、顔が冷たくなっている。

そこへスタッグフォンが響く。

オートでガジェットモードに移行して一夏の耳付近に飛ぶ。

 

『一夏くん、作戦は失敗!一度態勢を立て直しましょう!』

 

(パワーダイザー)

 

ロックオンが照射ビームで開けた場所からパワーダイザー・ビークルモードがやって来た。

 

「させるか!」

「そうは・・させない!」

 

箒は撤退しようとする一夏たちを行かせまいと襲いかかるが氷河が前に出る。

 

「行け・・!一夏・・!」

「・・・。」

 

一夏は力なくシャルをパワーダイザーに乗せて撤退。

それを確認した氷河も距離を取り、氷のステルスを発動して撤退。

 

「逃がしたか・・。まあいい。泥棒猫に付き従う猫を始末できただけましだ・・。」

 

箒は歪んだ笑みを浮かべ、パワーダイザーが出ていった場所を見る。

そしてそれが仮面ライダー部の所有物であることに気づいていなかった。

閃羅は悲しそうにそれを見ていた。

 

ラビットハッチ

 

「シャルちゃん!・・ダメ!」

 

手に機具を取り付けたティアナがシャルにメディカルのエネルギーを送るが目を覚まさない。

 

「戻ってきてよ・・!シャルロット・ストラトス!あなたはこんなものじゃないでしょう!」

「ティア・・。」

 

ティアナの叫びに本音は驚く。

笑顔を絶やすことなく、戦いになれば適切な指示を与えたり、自分たちが何か失敗したら何気なくフォローをするサポートの達人。

それが本音たちが知るティアナだ。

だが今は友達を救うために必死になっている少女の姿がそこにはあった。

 

「俺の・・せいだ・・!俺が迷わないでクアンタで戦えば・・!」

「織斑くん・・。」

 

簪は一夏が泣いている事に少し驚いた。

こうして見ると一夏も本音たちと何も変わらない。

 

(閃羅・・。まさかあなたは・・。)

 

ロックオンだけが閃羅の思惑の何かに気づいた。

そんな中で氷河が切り出す。

 

「・・作戦は失敗、次はどうする?」

「(まさかね。)そうね、次を考えないと・・。」

 

ロックオンは無理して作戦を考える。

そんな彼女を見て一夏たちは悲痛な気持ちになる。

シャルとロックオンはシャルのお母さんが生きていた頃からの幼馴染み。

ロックオンだってウソだと思っている。

シャルにならフォーゼを託せる不思議な感覚があった。

作戦を立てている間、ティアナはある手紙を見つける。

 

「あれ?・・これは!?ロックオン!」

 

ティアナとロックオンは月面に出る。

ラビットハッチの外壁の砂を取り払う。

 

『宇宙に挑む者たちへ。宇宙というのはどれだけ優れた頭脳や身体能力があっても一人では何もできない・・。大切なのは人と人を結ぶ絆・・。ラグナ・スカーレット』

 

『セリスヘ。これを見ているということは私たちはもうこの世界にいないかもしれない・・。だけどフォーゼやメテオを託した私たちは作った事を後悔してないし、ISやドライブよりも影で戦うフォーゼやメテオを作ってよかったと思ってます。最後にセリス、血は繋がってないけどあなたは大切な娘よ。あなたを本当に愛していた。世界の誰よりもラグナやセリスを愛していた女・ミーナ・スカーレット』

 

「これって・・。」

「父さんと母さんは・・いつかあたしたちが宇宙へ来るって予見していたんだ・・!」

 

壁に刻まれたラグナとミーナのメッセージにロックオンは涙を流す。

そしてシャルを救い、コズミックステイツのヒントを得ることができた。

ラビットハッチへ戻り、ロックオンはティアナやクレア、本音らを残してアリーナへと向かう。

その際ロックオンはコズミックスイッチに祈りを込める。

 

「あたしの想いも使いなさい。そして必ずシャルを助けて!」

 

そして残ったティアナたちはコズミックスイッチを手に取り、ドライバーに差し込もうとする。

しかし反発して差し込めない。

 

「シャルちゃんはまだまだこれからだもん!」

「シャルルン起きてよ~。」

 

ティアナたちはシャルに呼び掛ける。

???

 

「ここは?・・あれって・・。」

 

シャルは遠くで立っている人影を見つける。

 

「お母さん・・。」

「シャル!ダメよ!」

 

歩み寄ろうとするシャル。

そこへロックオンの声が響き、振り向くとそこにはロックオンとティアナがいた。

 

「シャルちゃん、帰ろう!」

「今こそコズミックステイツになって復活するのよ!」

 

シャルはコズミックステイツと聞き、顔を落とす。

 

「でも使えないんじゃ・・。」

「シャルちゃん、足りなかったのは私たちの気持ち!」

「みんなの気持ち・・?」

「みんな心のどこかであたしをあてにしていた・・。でもそれじゃダメなのよ!あなたと一夏やあたし、ティアたちの絆が最後の扉を開く!」

 

ティアナとロックオンの思いを感じ取ったシャルはロックオンたちの方向に歩み始め、ロックオンの手を取る。

 

「「「せーの!」」」

 

手を貸してくれたのはシャルを除く全仮面ライダー部員だった。

 

「シャルちゃん!帰ってきなさい!」

 

現実ではティアナがコズミックスイッチの差し込みに成功。

 

「やった・・!あとは・・!」

 

ティアナはトランスイッチをオンにする。

 

(3・・2・・1・・)

 

みんなの声が重なる。

 

「「「変身!」」」

 

シャルとフォーゼの影が重なり、シャルは宇宙の力を感じとる。

 

「うわぁぁー!」

アリーナ

 

ここで激戦が繰り広げられていた。

現在戦っているのは一夏や氷河、耐性のあるロックオンのみ。

 

「狙い打つ!」

「くうっ!厄介だなこのビットは・・!」

 

あちこち飛び回っている各種ビットから放たれたビームが箒に直撃。

本来とはいかないまでも匂いに負けずに攻撃を行っていた。

一夏や氷河も閃羅に立ち向かっている。

 

「(頃合いかな。)さあ行くわよ!」

 

サバーニャに搭載されているガンカメラを全て展開。

莫大な量のロックオンサイトが現れる。

 

「ターゲットマルチロック・・!行けー!」

 

全身のミサイルポッドから大量のミサイルが発射。

だがそれらは全て客席に向かって行く。

 

「セリス様、どういうつもりで?」

「こういう事よ!」

 

ミサイルが炸裂すると冷気が放たれ壁や床を凍らせる。

 

「これは・・!」

 

これは氷河に作ってもらった超低温の冷気を封じ込めた特殊弾頭マイクロミサイルだ。

たちまちアリーナの温度が下がって行き、観客は正気を取り戻していく。

 

「あれ・・?」

「ここって・・。」

「さあ、みんな逃げろ!」

 

ディーンの誘導の元、観客は全て避難。

そして月光暗が凍った事によりマドカたちもアリーナに入り込む。

 

「セリス様・・。」

「あなたは本当にそれを望んでいたの?あなたは月光暗が濃いことに苦しんだ。」

「あなたに・・何がわかるというのですか!?箒!」

「何だ?・・んむ!?」

 

なんと閃羅は箒に月光暗を口付けで送り込む。

 

「ロックオン・・お前が・・うあぁー!」

 

箒の咆哮と共に紅椿が変化。

 

「うそだろ・・。」

「ツイン・・ドライブ・・。」

 

両肘にドライブが着き、手にライフルを持った赤い全身装甲のISがあった。

 

「は、はは・・。一夏と同じだ・・。私は・・。」

「箒のロックオンに対する憎しみや俺に対する歪んだ愛があれを生み出したのか・・!」

 

一夏はバスターソードに合体換装して立ち向かう。

 

「箒ぃ!」

「・・ふん。」

 

箒は一夏のバスターソードをビームサーベルで受け止め、至近距離でバスターライフルを放つ。

 

「うっく!やっぱり出力が段違いだ・・!」

 

一夏は咄嗟にシールドで防御。

上ではマドカがダブルバズーカを構えていた。

 

「ダブルバズーカ・バーストモード・・!」

「・・砲撃形体を見せてやる。」

 

箒は背中を向けると機体が変形して四つのビットにエネルギーが集束。

 

「「発射!」」

 

マドカのダブルバズーカ・バーストモードと箒の放ったビームがぶつかり合い、箒のビームが押し勝ちマドカを飲み込む。

 

「ぐうぅ・・。」

「マドカ!」

ピット

 

避難誘導を終えたディーンたちは合流、千冬が戦いを見ていた。

 

「千冬、戦況は?」

「・・篠ノ乃のISが変化した。そこから覆った。」

 

戦いを見ると箒は通常形体と砲撃形体を使い分けて一夏たちを寄せ付けない。

現に鈴、マドカ、簪、ラウラが撃墜されている。

さらにファングと呼ばれるビットが氷河を襲う。

高精度で動かしているが氷河は鋭くなった感覚をフルに使って渡り合っている。

 

「・・レベッカさん、私も出撃していいですか?」

「何・・?」

 

クレアの言葉に千冬が反応する。

 

「今の篠ノ乃さんの姿は・・昔の私と同じだから・・救ってあげたい気持ちとあの姿は未来の私だったかもしれないから・・。だから見ているだけは嫌です!」

 

クレアの強い決意、それを感じ取ったレベッカは・・。

 

「これはスポーツや訓練じゃないよ。そこの所を間違えないで。」

「はい!」

「ディーン、出撃準備の手伝いをお願い。」

「あいよ!クレア、行くぞ。」

「待て!勝手な真似は・・。」

 

ディーンはレベッカから待機状態のデュナメスを受け取り、クレアを引き連れて出撃準備に入ろうとするが千冬が止めにかかる。

レベッカは間に入り、千冬を睨む。

その間にディーンとクレアはピットを後にする。

 

「千冬、今は四の五の言ってられないの。」

「だが規約では・・。」

 

レベッカはため息を一つ吐いて千冬に言う。

 

「千冬、あんたは老人が・・何て言ってるけどあんたも老人たちと同じよ。」

「何だと!?」

「規約だと言って何もしないのは老人たちと同じよ!・・言っておくけどね、クレアは白騎士事件で両親を亡くしたの。」

「・・!?バカな、あの事件は死傷者はいないと・・!」

 

千冬は信じられない顔をするがレベッカは残酷な真実を告げる。

 

「そんなもの、お金と権力に物を言わせればいくらでも誤魔化しが効くわ。」

「リターナー、なぜ、そんなことを知っている・・!」

「答える義理はない・・と言いたい所だけど一つだけ。・・余りにも出来すぎなシナリオだった・・とだけ答えておくわ。あとね、私が引退した理由はね・・未来を託せる子供たちに出会ったからよ・・。あんたみたいに逃げで引退した訳じゃないから・・。」

 

レベッカはそう言い残してディーンの手伝いに入る。

千冬は呆然とするしかなかった。

親友と結託した結果、世界を変えたあの事件で自分は人を殺していた事実を知らずに過ごし、教鞭を取っていた。

そして今、少し前までこの場にいた少女の両親や多くの人を殺した事を知った。

 

(私は・・。)

 

「よし、クレア!いつでも出られるぞ!」

「了解です!・・戦況はあまり良くないですね。とにかく抑え込みます!・・クラリッサ・バーンサイド、ランスロット・コンクエスター!行きます!」

 

ランスロットが地上に降り立つ。

ランドスピナーを起動して地上を駆け抜ける。

クレア、決意の参戦!

果たして箒を救えるのか!?

 

箒の変化したのはリボーンズガンダムの全てが赤だと思ってください。

 

今回のケースは月光暗が箒の憎しみや愛情を増幅して変化したものと思われる。

 

ISコアがドライブ搭載機のデータや戦いを解析、反映させたものかどうかさだかではない。

 

次回辺りけりを着けたいな。

 

感想待ってます!

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
2
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択