恋人が、他の女に抱きつかれて眠っている写真。
もしもそれを彼女が見たらどうなるだろうか?
「―――というわけなんだよ」
直江大和は不死川心の正面に座り、写真の詳細をくどいほど細かく説明した。
大和が話をしている間、心は一口も口を挟まず聞いていた。しかしずっと泣きべそを浴びせかけてきていたので、大和はしゃべるのがやっとという状態だった。
事情を終え、心の様子を伺うように見ると、彼女は涙を拭いた。
「事情は分かったのじゃ」
その言葉で、大和はパッと表情を輝かせる。
「じゃ、じゃあ――」
「だが、他の女と密着したまま眠っていたという事実は変わらん」
事実は理解したが、それで許せるかどうかとなると、話は別ということらしい。
「でも、それは不可抗力だったわけだしさ……」
「尻を出せ」
「え?」
「大和忘れたのか? 悪いことしたら……」
大和は青ざめる。
「まさか、此方が悪いことをしたらお仕置きするのに、大和は無しなのか?」
心の笑顔はとても可愛かった。
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♪~。