No.405869

【獣機特警K-9】大決戦!インブル製薬工場【戦闘】

古淵工機さん

皆さんお待ちかねのバトルシーン!だっ!!
今回もいろいろグダグダなところあるかと思いますが、笑って許してやってください。
…ああ、どうせオレは駄文だよッwwww

◆出演:

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2012-04-10 00:28:48 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:800   閲覧ユーザー数:740

さて、ネロス署でひと悶着あった頃、インブル製薬に乗り込んでいた別のメンバーは…。

 

「ここです。この付近のニオイが一層強くなってます」

リクがドラッグの製造現場を突き止めたようだ。

しかもその部屋の中ではインブル製薬の社長であるガストン・インブル、

そしてゴクセイカイの首魁であるトラジ・キクガオカがなにやら話をしていた。

 

「しかしまさか、こんな製薬会社でドラッグを調剤するとは」

「ノホホホ、あちきらはクスリのプロですのよ。チョイと機転を利かせれば、ゴクセイカイに貢献するのも朝飯前ってわけですよホホホ」

その会話を耳にしたK-9隊は一気に突入を図る。

「一気に通気口をぶち破るわよ。せーの!」

 

突然、天井から何かが落ちる音がして、通気ダクトから4人の影が落ちてきた。

「な、何なのあーたたちっ!?」

ガストンはいきなりの出来事に慌てふためいていた。

「なるほどねぇ、ここが例のドラッグの製造現場だったってわけか」

「……的中。リク、見事だ」

「えへへ…」

その様子を見ていたトラジが口を開く。

「…ガストン社長、どうやらヘマをしたようですな」

「な、ななな何言ってるのよ!?今まで警察にはバレてこなかっ…」

「ご安心なさい。我がゴクセイカイのエキスパートを用意いたしましたゆえ」

「エキスパート…!?」

トラジが指を鳴らすと、扉の向こうから黒い装束に身を包んだクロヒョウ形のロボットが現れた。

「な!?」

「なんだあいつは!?」

 

「K-9隊の諸君。紹介しよう…我がゴクセイカイが誇る暗殺者(アサシン)ロボット、無影だ」

「なん…だと!?」

「…」

「残念ながら諸君はこの現場を見てしまった。よって此処で無影のテストがてらまとめて始末してあげよう。と、その前に」

そう言うとトラジは、インブル社長の方を向き、しばらくすると無影に指示を出した。

「ガストン社長、まずはあなたから消えていただきます」

「え、ちょ、待っ…ぎゃああぁぁぁぁ!?」

なんとガストンは、気づかないうちに背後に回りこまれ…無影に胸を貫かれてしまったのだ!!

 

「なっ…!?」

「さあ、次は君らだ。こんな現場を見られてしまったのでは計画が台無しだからな」

「トラジ・キクガオカ!待ちなさ…」

すかさずフィーアが叫ぶが、次の瞬間無影はレーダー無効化スモークを投げつけた。

「うわ!?」

「ま、前が見えない!?」

「シスさん!トラジは!?」

「……目標消失。煙に紛れ逃亡したと思われる」

「ちっ…」

もう少しで逮捕できるところだったのを、採り逃してしまったことを悔しがるクオンに、シスはさらに続ける。

「……悔いてなどる暇はない。現在は前方の目標を無力化する」

対峙する4人と1人。まず飛び出したのはリクだった。

 

「えいやああぁぁぁぁぁぁっ!!」

リクは勢いよく前方に身体を傾け、無影めがけ突進していく。

しかし、無影はすばやい身のこなしで攻撃をかわした。

「速い!?」

リクが気づいたのもつかの間、無影はリクの背後を取り、その背中に刀を突き刺そうとしていた。

 

ロボットの胸部には活動に必要なエネルギーを生み出す動力炉が内蔵されている。

ここを突き刺されれば、エネルギーが暴走して大爆発を起こす可能性がある。

ましてやリクの機体(カラダ)はそういった本格的な戦闘に耐えうる設計にはなっていない。

直撃を受ければひとたまりもないだろう。リクが死を覚悟したその時だった!

「……リク!」

咄嗟にシスが無影の背後を取り、そのまま念動力で放り投げたのである!

コンクリートの床に叩きつけられる無影はゆっくり立ち上がる。

そしてそれに相対するシスは相手の分析を始める。

 

(此奴、心を読ませな…否、心が無い…!?)

そう思った次の瞬間、無影はシスめがけて突進しようとしていた。

(…殺られる…!?)

「シスさん!!!」

クオンが叫んだ、その刹那だった。

 

光の盾が刀を受け止め、無影の動きを封じた。

そして無影が後ろを振り向くとそこには鉄拳が待ち構えていた!!

鉄拳をまともに受けた無影は、後方に飛ばされた。

 

「へっ!待ちくたびれたぜクオン!!」

「救難信号があったから突入してきたね!!」

「ウー姉ちゃんにグーテ兄ちゃん!」

「ところでやけに騒がしいが…フィーア、インブル製薬の社長さんはどうなったんだ?」

ウーのその言葉に、フィーアは口を開いた。

 

「…殺されたわ」

「なんだって!?」

「ゴクセイカイのトラジ・キクガオカ…彼が連れてきた忍者ロボットにね」

「…それってさっきオレが殴り飛ばしたヤツのことか?」

その会話をよそに立ち上がる無影。そして次の瞬間、忍装束の内側から何かを取り出した。

リモコンのようだ。無影はそのスイッチを押すと、何も言わずにK-9隊の目の前から姿を消したのであった。

「あ、アイツ…逃げてく」

「ヘヘ、オレの一撃が効いたと見たww」

「…ちょっと待つよ!何かおかしいね!」

「グーテお兄ちゃん?おかしいって…何がですか?」

「いやほら、引き際が鮮やか過ぎるよ!こういう時って絶対何かあるって本で読んだよ!!」

グーテの予感は的中した。突然工場内部に爆発音が響き渡り、建物が崩れ始めたのだ。

そう、先ほど無影が取り出したのは、ゴクセイカイが秘密裏に仕掛けていた爆弾の起動スイッチだったのだ!!

 

「……爆弾」

「爆弾だって!?くそう!!」

「作戦が失敗した今、工場もろとも私たちを吹き飛ばすつもりみたいね…」

「急いで脱出しよう!このままじゃみんな…」

次々に起こる爆発の中を6人はただひたすらに走った。出口を求めただまっすぐに走った。

6人が脱出した直後、今までで最大の爆発が起き、インブル製薬の工場は炎の海に包まれたのだった…。

ナインキャリアー車内。ため息をつきながらクオンとイシスが呟く。

「あーぁ…なんだったんだろ結局、インブル製薬の社長は殺されちゃったし、トラジも捕らえられなかったし…」

「ええ…ネロス署のアグネス署長もドラッグの禁断症状で亡くなってしまいましたし…」

さらに、ウーが車内の壁を思い切り殴りつけたのちに言う。

「チクショウ…作戦は失敗ってことかよ!オレ達は何のためにここまで…!」

今回の事件を解決できなかったと悔しがる8人を前に、エルザは少しため息をついてから言う。

「いや、君たちはよく頑張ってくれた。十分大手柄だと私は思うぞ」

「隊長…」

思わず、目に涙を浮かべるクオン。その時、ナインキャリアのコンソールに通信が入った。

 

「みんな、通信が入ってるね」

「誰からだ?」

「アイヴィー総監からだよ」

「ああ、私が出る。…こちらK-9隊隊長エルザ・アインリヒトです…」

エルザは、険しい顔で通信に応じていた。

「…犯人の確保は失敗。ならびにインブルの工場はゴクセイカイの手により爆破され、証拠も消滅してしまいました…すべては私の責任です。申し訳…」

そこまで言いかけたところで、モニター越しの声がエルザの言葉をさえぎる。

『あら、証拠なら消えてないわよ』

「え…?」

『ほら、あなたたちの電子頭脳(アタマ)に残ってる映像データよ。私たちロボットは自分の見た情報をデータとして保存しておくことが出来るの』

「ああ、そういえばそうでしたね」

『そしてそのデータには真実が映し出されて記録されている。あなたたちが目の当たりにした現実がね』

「総監…」

思わず言葉を失うK-9隊一同だったが、さらにアイヴィー総監は続ける。

『エルザ、クオン、早速だけどあなたたちの電子頭脳(アタマ)の中の映像データを転送してもらっていいかしら?』

「わかりました。…クオン」

「うん」

そう言うと、エルザは首輪形の保護カバーを外し、首筋にある出力ポートにケーブルを差し込み、ナインキャリアのコンピュータを介してデータを転送した。

またクオンは、耳に内蔵されたアンテナから、無線電波で同じように映像データを転送したのだった。

『…OK、映像データたしかに受け取ったわ。犯人を確保できなかったのは残念だったけど、これでネロス地域の実態は白日のもとに晒されることになる。十分大手柄よ、9人とも』

モニターの向こうのアイヴィー総監の笑顔を前に、K-9隊も自然と緊張がほぐれ、いつしか笑みがこぼれていた。

「総監…ありがとうございます!」

と、モニター越しに敬礼するエルザ。

『うんうん。みんなお疲れ様。自分たちの署に帰ったらゆっくり休んでね…ムリは良くないわよ。じゃあまたね』

「はい、総監のほうもお元気で」

 

陽はすでに沈み、夜空には月が出ていた。

そしてナインキャリアは、月光に照らし出されるキャピタルハイウェイをラミナ署に向けて走るのであった。


 
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