No.404403

死にたがりの第九十三話 引けない戦い

戦わなければ生き残れない!

2012-04-07 21:08:42 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:2851   閲覧ユーザー数:2736

あらすじ

 

 

覚醒

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

~はやてサイド~

 

 

アニス君が突然消えてもうた……。

うちはアニス君の魔力を頼りに、屋上に向かって走り出す。

 

 

そうしてる内に、屋上辺りにどんどん魔力が溜まって行くのを感じる。

そして、ウチが階段を上っている時に、その魔力が爆発した……。

 

 

結界が貼られているのか、周りの人の焦った声だとかは全然聞こえへんかった。

でも、そんな事、うち、この時全然気にしてへんかった。

アニス君が消えた……その事実だけが、ウチの頭に中グルグルと回る。

 

 

嫌な予感がした……アニス君の魔力が突然増えたかと思えば、アニス君とはまた違った別の魔力があふれ出て、溜まって……。

 

 

そして、屋上着いて最初に目にしたのは……。

 

 

見知らぬ女の人が、涙を流しながら黒い空へと飛び立つ姿やった……。

 

 

「……アニス……君……?」

 

 

今飛び立った女の人の背中に、何故かアニス君が重なって見えた……。

もしかして……アニス君……。

 

 

「グリード!」

 

 

《あいよ……》

 

 

うちはバリアジャケットを纏って、すぐさまその女性を追いかける。

だけど、あっちの方がスピードが速くて全然追いつけないでいる。

 

 

「何であんなに速いねん……て言うか、アンクさん達は何処や?」

 

 

女の人を追いかけながら、周りを見渡す。

だけど、アンクさんの姿は愚か、シグナムさん達の姿も見えない……。

それに、シグナムさん達に至っては、魔力も感じられへん……。

 

 

どないしたんやろう……。

 

 

その時、ビルの陰に隠れるアンクさんとなのはちゃんとフェイトちゃんを発見する。

女の人を追いかけるのは止め、アンクさん達の所に向かう。

 

 

「アンクさん!」

 

 

「っ!?っと、何だ、八神か……お前も来たのか」

 

 

「アニス君は……アニス君は何処に行ったんです!?」

 

 

「……アニスは……あそこだ……」

 

 

アンクさんが指を差す方向には、さっきの女の人が……。

今も破壊活動を続けているあの人が……アニス、君?

 

 

「すまん八神。闇の書が完成して、アニスは闇の書に飲み込まれた……」

 

 

「そんなっ……!?」

 

 

アニス君が……嘘や、そんなん嘘や!!

 

 

「は、はやてちゃん、落ち着いて!」

 

 

「そうだよ!まだ手はあるから!」

 

 

……そうや……アニス君が管理人格を説得すれば、アニス君は出て来られる……。

でも、それまであの人を抑えな……。

 

 

「どうする八神。正直、俺達だけでもキツイぞ……」

 

 

「でも、やるしかないです」

 

 

「うん。止めないとね……」

 

 

「……ウチもやります。止められたとしても、絶対に」

 

 

「分かった……。それじゃあ、八神、お前は遠距離から攻撃しろ、高町もだ。俺とテスタロッサで動きを止める」

 

 

「「分かりました」」

 

 

「分かったで」

 

 

アンクさんが言った通り、二組になって二手に分かれる。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

~アンクサイド~

 

 

ったく、あの糞猫ども……めんどくさい事しやがって。

まぁ、落とされたし良い気味だ。

 

 

それよりも、あの暴走してる馬鹿をどうにかしないとな……。

正直、攻撃は一切効かないだろう……。

 

 

「テスタロッサ、いけるか?」

 

 

「はい、大丈夫です」

 

 

「よしっ……行くぞ!」

 

 

俺の合図で、同時に飛び出す。

さて、あいつはどう出るか……。

 

 

「プラズマランサー、ファイヤ!!」

 

 

シュンシュンシュン!!

 

 

テスタロッサのスフィアが向かっていく。

だが、それを見向きもしないで。

 

 

《Panzerschild》

 

 

腕を動かして障壁を張る。

強度はやっぱ高いか……ここは、あの二人の魔法が必要だな……。

 

 

「ハァッ!」

 

 

バスン!!

 

 

がら空きの所に火炎弾を繰り出す。

だがそれも見向きもしないで、今度は障壁も張らずに避ける。

 

 

「……何故、邪魔をする……」

 

 

「当たり前だろうが。アニスは返してもらう、ただそれだけだ」

 

 

「主は、愛する守護騎士を傷つけた者を排除する事、そして、永遠に眠りに着く事を願った……。これ以上、お前達が私の邪魔をするなら。私はお前達も倒さなければいけない……」

 

 

「上等だ、この聞かん坊め」

 

 

「絶対に、アニスを取り返す……」

 

 

「そうか……仕方がない。お前達も永遠の眠りに着かせてやろう……」

 

 

そう言って、あいつは構える……。

どう出る……。

近接戦では絶対にあいつの方が強い。

 

 

かと言って、あいつらに攻撃を任せても、避けられるのが落ちか……。

 

 

「テスタロッサ、お前のスピードで注意を引きつけろ」

 

 

「分かりました……バルディッシュ」

 

 

《sonic move》

 

 

シュン!!

 

 

テスタロッサはソニックムーブを使い、一気に間合いを詰める。

そして、鎌状態のデバイスで攻撃を仕掛ける。

 

 

「ハァッ!!」

 

 

「……ビライツ」

 

 

ビシュン!!

 

 

「アグッ!?」

 

 

だがあいつは、指をテスタロッサに向けて呪文を唱えた。

指からは細い光線が出され、それがテスタロッサを貫く。

 

 

魔力ダメージだけか……。

くそ、やっぱりその魔法も使えるのか……。

 

 

「大丈夫かテスタロッサ!」

 

 

「ケホッ……は、はい!」

 

 

まぁ、ビライツ程度だったら、まだ大丈夫だろうな。

それよりもだ。あの呪文が使えるって事は、当然斬魄刀も使用可能と見て間違いないかもな。

ますますやり難くなった……。

 

 

「ハッ!」

 

 

ガスッ!

 

 

「甘いっ」

 

 

「ちぃっ!」

 

 

蹴りを繰り出すと、あいつは方腕一本で対処する。

結構本気で蹴ったんだが、見えてるのか……。

 

 

「そこっ!!」

 

 

「セウシル」

 

 

ギィン!!

 

 

テスタロッサの攻撃は呪文で防ぐ。

……全く、敵に回すとこんなに厄介なのか……。

 

 

「もう良いだろう……。お前達は諦めて、眠ると良い」

 

 

「生憎と、まだ寝る時間じゃないんだな!」

 

 

「アニスを取り返すまでは、終わりません」

 

 

「……そうか……ならば……」

 

 

そう呟くと、あいつの手には一振りの刀が握られる……。

やっぱり使えたか……。

 

 

「……舞え……袖白雪」

 

 

袖白雪か……。

まだ氷輪丸や斬月よりはましか……。

 

 

「かた、な……?」

 

 

「気を付けろよ。あれは斬魄刀だ……」

 

 

「斬魄刀……?」

 

 

「ああ、今言えることは一つ……。あいつはもっと厄介な相手になったって事だ……来るぞ!」

 

 

あいつは勢いよく移動してきて、袖白雪を振りあげる。

狙いは、テスタロッサか!

 

 

ガキィン!!

 

 

「くっ!」

 

 

デバイスで何とか一撃を食い止めるテスタロッサ。

だが、次が来る……。

 

 

あいつは手をテスタロッサにかざし、呪文を唱える。

 

 

「レイス」

 

 

「ガッ!?」

 

 

黒い球体がテスタロッサに辺り、そのまま吹き飛ばされる。

そして、ビルに突っ込んでいく……。

 

 

まさか、ここまでとはな……。

どうする……幾ら手の内を知っていても、呪文や斬魄刀はたくさんあるんだ。

組み立て何て百を超える……。

 

 

それを対処するのは無理に近い……。

 

 

その時、念話が入ってくる。

 

 

(アンクさん!こっちは魔力チャージ終わったで!いつでも行けます!)

 

 

(八神か……分かった。テスタロッサを連れて離れる。少し待て)

 

 

八神との念話を切り、急いでビルに吹き飛ばされたテスタロッサの所に向かう。

アイツはおってこない……。

どういう事だ?

 

 

だが、追ってこないのなら好都合だ。

俺はそのままビルに向かい、テスタロッサを探す。

 

 

「くっ……ケホッケホッ!」

 

 

「そこに居たか……おい、大丈夫か!」

 

 

「は、い……」

 

 

大分きつそうだな……。

まぁ、ゼロ距離で喰らえばそうなるか。

 

 

「そろそろあいつらが攻撃を仕掛ける。離れるぞ」

 

 

「分かりました……」

 

 

そう言って、テスタロッサが着いてくる。

あいつは俺達を見たまま動かない……。

 

 

まるで、すべてを見知っている様な顔をしている。

 

 

「行くぞ、テスタロッサ」

 

 

「はい」

 

 

俺達はあいつから急いで離れる。

そしてその間に、八神に念話を入れる。

 

 

(五秒カウントする。カウントし終えたら、高町と一緒に魔法を放て!)

 

 

(了解!)

 

 

(……5、4、3、2、1……行け!!)

 

 

その瞬間、遠く離れたところから強大な魔力反応が感じられる。

 

 

 

そして、赤い閃光と、桃色の閃光が放たれた……。


 
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