No.402928

超次元ゲイム ネプテューヌmk2 snow wind -episode0-

前に書いてたのをそのまま移そうかとも思ったけれど、ここはあえて新作に手を出してみました。

キャラの名前は一緒なところがありますが、身分が変わってたりします。

…あ、こっちは真夜中に書いたので色々な意味で駄文ですので、ご注意を…

2012-04-04 23:49:23 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:969   閲覧ユーザー数:919

 

 

 

 

-Chapter0

[二つの心を持つ少女]-

 

 

 

荒れ果てた大地。

所々に何かの残骸があり、そこはまさに墓場と呼ぶに相応しい場所だった。

 

「く……」

「はぁ…ッ…! 後、もう少しなのに…!」

 

そんな場所で何者かと戦う、二人の少女。

 

――ひとりは、黒き鎧を纏った少女。

――ひとりは、白き鎧を纏った少女。

 

押し寄せるモンスターを次々に倒し、消滅させていく彼女らだが、消耗しているのは誰が見ても明らかだった。

 

「ああもうっ! 雑魚が鬱陶しいわね!」

「せめて…二人がまだ生きていたら…」

 

黒い少女が愚痴りながらも、大剣で横からくるモンスターを斬り裂いていく。

 

「ふ…女神とやらも所詮、その程度か」

「煩いわよ犯罪神! 数で叩きのめすヤツに言われたくないわ!」

 

彼女達の相対する何者かが言い、黒い少女が怒鳴る。

その犯罪神と呼ばれた存在の姿はどこか少女達と似た恰好で、黒い翼に紅い両剣、頭部に白い翼のようなものが生えた姿をしていた。

だが、犯罪神も翼や武器の所々にヒビが入り、消耗している様子だ。

 

「でも…このままじゃ…」

「アンタまで弱気になってどうするの! …こうなったら…――――! アンタだけでも逃げなさい!」

「!? な、何を言って…」

 

黒い少女の言葉に、白い少女が驚愕する。

 

「ここまできて…今更逃げ出すなんて、できない…!」

「バカ! いくら候補生がいるからって、今の女神が全滅するのは良くないに決まってるでしょ! だからアタシに任せて逃げなさい!」

「…いくら――――の言う事でも、これだけは絶対に嫌!」

「…敵の目の前で無駄話をしていて良いのかッ!?」

「「ッ!!」」

 

話していた二人に両剣で斬りかかる犯罪神。

二人の少女は咄嗟に飛び退き、それを回避する。

 

「なら、一か八かの勝負よ…! ――――! アレ、行ける?!」

「…! 大丈夫、行けるわ…!」

 

まだ何か策があったのか、二人の少女は顔を見合わせ、同時に犯罪神へと突撃した。

 

「ふん…捨身か? 無駄な事を…」

「ハアアアアッ!!」

 

黒い少女が犯罪神に斬りかかる、が、防がれる。

 

「正面から馬鹿正直に突っ込む攻撃なぞ――」

「…バカはアンタよ」

「…何?」

「はああああっ!!」

 

今度は犯罪神の背後から、白い少女が大鎌で斬りかかる。

 

「ふん、甘いわ!」

「ぐっ…」

 

だが、それも防がれてしまう。

 

「何かと思えば…それで終わりか?」

「…そう、思う?」

「…!!」

 

白い少女が空いた手から何かの魔法を放ち、犯罪神を拘束した。

そして犯罪神の頭上には…巨大な剣が浮遊していた。

 

「捕まえた…これで終わりよ、犯罪神…!」

 

その言葉と共に少女たちは犯罪神から離れ、剣が犯罪神の頭上へと落とされる。

 

「グ…オオオオオオオオオオオオオオオオッ!!!!」

 

犯罪神は大きな叫び声を上げ、そして動かなくなった。

 

「…本当に、倒した…の…?」

「今の内に封印を…」

 

いつの間にかモンスター達もいなくなり、少女二人だけが残される。

黒い少女は未だに信じられないのか立ち尽くすが、白い少女は素早く犯罪神の亡骸に近づくと、何かをし始める。

 

「これで…終わったんだ…全部…」

「…そう、ね…。」

 

ついに勝ち取った勝利、だがその代償は大きなものだった。

四つの国の女神の内の、二人を失ってしまったのだから。

 

「……! ――――、離れてッ!!」

「え…?」

 

黒い少女が犯罪神の封印をしていた白い少女に突然そう叫んだかと思うと、犯罪神の亡骸から黒い手のようなものが現れ白い少女を捕獲しようとする。

咄嗟に黒い少女が白い少女を突き飛ばすが、代わりにその手に捕まってしまう。

 

「――、――…!?」

「ぐ…最後の最後で…往生際の悪いヤツ、ね…」

「い、今、助け…ッ!?」

 

白い少女が助けに向かおうとするが、突然大地が大きく揺れ白い少女はバランスを崩す。

 

「…アタシ達ごと、沈める気…? この身体じゃあ、今から脱出しても間に合わないかもしれないわね…」

「な、何言ってるの! 諦めないで!」

「えぇ、諦めてないわ…アンタを生かすことだけは、ねっ!」

「っ!?」

 

そう言いながら黒い少女はまだなんとか動かせる腕で空間を一閃する。

すると何も無い空間に穴が開き、周辺の空気ごと白い少女を吸い込み始める。

 

「な、何、これ…!?」

 

なんとか吸い込まれまいと耐えようとする白い少女だが、徐々に裂け目に引きずり込まれていく。

 

「ぐ…ぅ……。…ちょっとした、裏ワザよ…。アンタだけでも、生き延びなさい…」

「何を…――――も一緒に…!」

「アタシは…無理よ…。コイツ、離してくれそうに無いし、それにもう今ので力を使い切ったわ…」

 

ギリギリと黒い手が少女を握り潰そうとする。

白い少女は地に這い蹲り地面を掴み、瞳から涙を溢れさせながらも裂け目に呑み込まれまいと抵抗する。

 

「嫌…嫌…っ! どうして…!」

「アンタには…ケホッ…生きて欲しいからよ…女神だからとか、そういう理由じゃなくて、ね…」

 

裂け目の吸引力が増していき、次第にその吸引に耐えられなくなっていく少女。

 

「アタシは…アンタの事を――」

「――、…ッ!!」

 

捕まった少女が何かを言おうとした瞬間、少女の身体は裂け目に吸い込まれていった。

 

「――――ーーーーッ!!!!」

 

何も見えなくなった空間で、少女は名を叫ぶ。

だが、その声はもう、届かない。

 

 

 

 

 

――貴女が守ってくれたこの命…

守り抜くから――

 

 

 

 

 

 

 
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