No.402854

魔法戦記リリカルなのは聖伝 ~SDガンダム・マイソロジー~ 009ステージ -マイシス始動-

龍牙さん

神候補である星の加護を持った聖なる獣達に宿った鋼鉄の戦士達の力を受け継いだ戦士達と魔法の物語。あるSDガンダム物とリリカルなのはのクロスした小説です。

2012-04-04 22:08:34 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1421   閲覧ユーザー数:1396

さて、クロノの言葉を右から左に聞き逃しながら、怒りを必死に誤魔化しているバインドで捕獲されているガンダムと、『何時でも逃げられる』と言う余裕からかバインドで捕獲されながら呑気にフェイトと会話しているフリーダムの二人。

 

流石に目の前で爆発寸前の爆弾にも気付かないクロノの姿にデスティニーも哀れになっていた。……………爆発したら、真っ先に被害を被るのが彼だし。

ガンダム自身は怒りを堪えているのだが、寧ろそれが怒りを増幅させると言う悪循環を生み出している。

だが、デスティニーとしてはなのはに被害が及ばなければ、クロノは如何なっても良いとも割り切っている。寧ろ、それが原因でなのはやフェイトにまで被害が及んでは大変なので。

 

(…取り合えず…エクリプスクライドを使いそうになったら、助けよう…でござる。)

 

既にヘルメディアのヘカティブレイドまではデスティニーの中では許容範囲の様だ。流石に万物を切り裂くハーディアの必殺技エクリプスクライド…防御無視の回避以外に防ぐ手段が限られる技は遣り過ぎと考えているようだ。…目の前で死なれても困るし…。すっかり、デスティニー(龍也)の中での価値が暴落中のクロノだった。

 

クロノの言葉を無視しながら顔を俯かせてブツブツと呟いていたガンダムが勢い良く顔を上げると、

 

「バインド、タイプ『シャドウフレアモード』!!!」

 

そう叫んだ瞬間、ガンダムの体が漆黒に染まり、同時に右腕が『バインドガンダム』の物に、左腕が『バインドゴッド』の物、背中のバックパックが『バインドストライクフリーダム』の翼に変わる。その姿は正しくはハーディアの両腕と翼を持った黒いガンダムと言うべきだろう。

これがガンダムのバインドモードの一つで三つのパーツを同時に使用した『シャドウフレアモード』。

 

「無駄だ、そんな事をしてもそのバインドは…なに!? ガァ!!!」

 

クロノが驚愕の叫びを上げる。ガンダムを捕らえていたバインドを簡単に破壊したシャドウフレアモードのガンダムは通常の姿に戻るとクロノの顔に蹴りを入れてそのまま後ろに跳ぶと自身の影に触れる。

 

((距離を取る為に蹴るのは分かりますけど(るでござるが)…幾らなんでも顔面はやりすぎでしょう(でござるよ)。))

 

そんなガンダムに対してそんな感想を持つデスティニーとフリーダムの二人だった。

 

「はぁ、仕方ないですね。すみません、フェイトさん…危ないですから、少し離れていて貰えますか?」

 

「え? あ、はい。」

 

思わずフリーダムの言葉に返事を返してフリーダムからフェイトが距離を取ると、フリーダムは静かに呟く。

 

「バインドモード、タイプ『パラディオン』。」

 

フリーダムが静かにそう呟くとフリーダムの全身が金色に染まり、頭部と両腕がアローディアの物に変わる。それによってフリーダムを拘束していたバインドが砕け散る。

それを確認するとガンダムとデスティニーと等間隔で距離を取る位置へと飛ぶと通常の姿に戻る。

 

「来い、月を守護に持つ漆黒の戦士、聖獣(マイソロジー)ハーディア!!!」

 

「来たれ、金星を守護に持つ金色の騎士、聖獣(マイソロジー)アローディア!!!」

 

自身の影に触れ、二人の叫ぶ祝詞に合わせ召喚されるのは二人の操る聖獣、ハーディアとアローディア。

 

「お前達、お前達の行動は公務執行妨害だぞ!」

 

「笑わせるな、この世界は『管理外世界』でオレ達はこの世界の住人だ! お前達の法に付き合う義理は無い!!!」

 

「…あー…ガンダムさん、それはちょっと言い方が無茶苦茶ですよ。頭に来ているのは分かりますけど、少しは落ちついて下さい。」

 

「……そうだな……。」

 

フリーダムの言葉に従って一度深呼吸して精神を落ち着かせるとクロノへと視線を向けなおし。

 

「この世界は『管理外世界』…貴様等の法は適用されないだろう…。」

 

「ロストロギアの回収「「「聖獣(マイソロジー)がロストロギアに近いのは百歩譲って認める(でござる)(ます)が、それ以上に聖獣(マイソロジー)はある意味では魂や精神、リンカーコアと一体化している物であって生まれつき持っている『希少技能(レアスキル)』に近い物だ(でござる)(です。)」」」…ぐっ、龍也、君はどっちの味方だ!?」

 

声を揃えてガンダムとフリーダムに味方してくれた龍也(デスティニー)へと振り向いてそう叫ぶ。

 

「あー…拙者は飽く迄『なのちゃんの味方』で、なのちゃんの友達のフェイト殿に味方はしても、お前の味方に等なった覚えは無いでござるよ。それに、今のは拙者にまで被害を被ると思ったので言わせて貰ったでござる。」

 

「ぐっ…。」

 

クロノを指差しながらそう宣言するデスティニー。その発言になのはが顔を紅くしているが、それは良いとして…

 

「さて、私達の能力はレアスキルの一種ですので、別にそちらの法に触れている訳では無いですね。」

 

「付け加えると、今回のオレ達の行動は精々オレ達に手を出してくれた連中への報復と、マイシスとの戦闘を目的に来てみれば、そっちの仲間が危なかったんで人として当然の行動として助けただけだ。それが何で拘束される理由がある?」

 

「…あれ、管理局の法では『人を助けたら犯罪』って言う法が有るんですか? うわっ、独裁者より最悪な連中ですね、貴方達は。」

 

「最悪だな。何処の悪の組織だ?」

 

「そんな訳が有るか!!!」

 

「…それは良かった。なら、オレ達は別に法に触れてないよな…。」

 

「…寧ろ、不当に拘束されましたよね…。…よくそんな人を責任ある立場につけてますね…。本当に録でもない組織ですね。組織の名誉の為にも今すぐ辞めたらどうですか。」

 

(…二人とも…精神的に甚振る方向に切り換えたんでござるか…?)

 

精神的にクロノを甚振っている仲間二人に対して、呆れた視線を向けるデスティニーだった。…ガンダムの性格を考えれば直接的に攻撃している所だろうが、クロノの行動を理由に精神的に攻撃しているのは、ガンダム自身が冷静だからなのか…それとも…。

 

「………僕が君達を捕らえた理由はだね…君達が危険な力を持っているからだ…。…あの力は放置しておけない…。」

 

「そっちだって、そんな物を使ってるだろうが。」

 

「僕達は管理局の許可を得て使用している。」

 

「ハッ、バカかお前は? ここはお前達の管理している世界じゃないだろ? この世界の許可得て無い時点で、お前らもオレ達も同罪だ。」

 

「あー…寧ろ、他所の世界の者である分、黒豆(クロノ)達の方が性質が悪いでござるな…。」

 

「だから、君はどっちの味方だぁー!!?」

 

「なのちゃんの味方でござるが…それがどうしたでござるか?」

 

怒鳴るクロノの叫びを当然のようにその一言の元に切り捨てるデスティニー。

 

「さて、話が済んだ所で帰るか。」

 

清々しい表情をしてクロノ達に背中を向けて立ち去ろうとしているガンダムとフリーダムに青色の魔力弾が掠る。

 

「お前達を…連行する!!!」

 

我慢の限界に来たのだろうクロノがデバイス『S2U』を構えていた。

 

「…良いでしょう、丁度2対2ですからね。」

 

「戦闘隊形に着け、この犯罪者達を捕縛するぞ…って?」

 

「ちょっと、龍也、何でぼくまで!?」

 

何時の間にかクロスディアを呼んでなのはとフェイトとアルフの二人と一匹を確保して安全圏まで離脱しているデスティニーだった。彼女達が加勢に入ろう物ならその前にクロノキャプチャーで止める事が出来る位置だ。

 

「あー…言ったはずでござるよ、拙者はなのちゃんの味方と。男同士2対2、正々堂々と戦うでござるよ。」

 

「「え……あの…えっと…。」」

 

「りゅ、龍君、私達もユーノ君達に強力した方が…。」

 

「…今回ばかりは黒豆が悪いでござる。向こうはフェイト殿を助けただけでござるから。」

 

「で、でも…だったら、ユーノも関係は…。」

 

「…まあ、それをしたら…一対二は流石に可哀相だと思ったし、確実に命が危険と思ったでござるから、防御に長けたユーノ殿を残したでござる。取り合えず、謝って命乞いをすれば見逃してもらえるかもしれないので、謝るなら素直に謝った方が良いでござるよ~。」

 

前半の言葉を二人へと返して後半の言葉をクロノ達へと向ける。つまり…クロノの死亡率を下げる為にユーノを見捨てたと言う訳だ。

 

「ちょっと待て、そんな事が出来る訳が…。」

 

「スミマセン、ぼく達が悪かったです。」

 

「ユーノォォォォォォォォォォオ!!! お前まで!!!」

 

土下座してガンダム達に謝るユーノに思わず叫ぶクロノ。あっさりとユーノにまで見捨てられたクロノだった。

 

「良いだろう…下がってろ、フリーダム。そっちが一人で戦うなら、こっちはオレとハーディアだけで相手をしてやる。」

 

ガンダムが腕を振り上げて構えると、ハーディアもソードを構える。

 

「ちょっと待て、それは『二対一』って言わないか!?」

 

「…ハーディアはオレの『力』で『能力』だろ? 精々デバイスと一緒だ。だったら、実質戦うのはオレとお前。正々堂々と一騎打ちだ。」

 

そう言っているが、戦力差を考えるとデバイスを使うクロノと聖獣(マイソロジー)を使うガンダムでは、明らかにガンダムの方が卑怯な気がするのだが…。なにより、

 

(…聖獣が魔力『生命体』と考える以上、どう考えても状況は『二対一』の気がするんですけどね…。)

 

フリーダムの考えに心から同意したい所だ。だが、それでも『召喚師が召喚獣を使って戦うのが卑怯なのか?』と言われれば何も言い返せない。

 

「行くぞ、ハーディア!!!」

 

クロノの返事を聞かずにハーディアと共にガンダムが戦闘体制を取った時だった。

 

『待ってください。』

 

「か……艦長……!」

 

(…この女は…確か…。)

 

(…リンディ・ハラオウン…彼(クロノ・ハラオウン)の母親ですね。)

 

リンディからの通信が繋がり、ガンダム達の前方の虚空に画面が現れる。

 

『今回の事は息子が失礼しました。本当にごめんなさい。』

 

ハーディアのソードを向けていたガンダムだが…

 

「チッ! 謝られた以上、こっちもこれ以上手を出す気は無い…。」

 

クロノの事は嫌ってはいるが、こうして向こうから非を認めて謝られた以上はそれ以上攻撃できなくなる。舌打ちしつつ、ガンダムが腕を下ろすとハーディアも向けていたソード状の腕を下ろした。

 

「ガンダムさんの言う通りです。そちらに戦意が無い以上、私達はこれで失礼させて頂きます。」

 

そう言ってガンダムとフリーダムが立ち去ろうとした時、

 

『待ってください。この世界を中心として活動している、マイシスと名乗る二人組みについて説明を求めるわ。彼や貴方達と同じレアスキルを持っている人間が二人「いや、違う。」…え?』

 

リンディの言葉を遮りガンダムは言葉を続けていく。

 

「少なくとも、連中にはあと一人…あいつ等のボスである『エイロス』と言う奴が居る。」

 

「ええ、彼等の組織…マイシスの総帥である存在です。」

 

「…そして、奴等の総帥(ボス)は、オレが知る…『最強』の聖獣(マイソロジー)の所持者でもある。」

 

二人の言葉にその言葉を聞いていたデスティニーを除いた全員が絶句してしまう。ウイングゼロやクロスボーンだけでも十分に強敵だと言うのに、更に彼等を従える程の力を持ったボスが存在していると言うのだから。

 

『…貴方達に正式に協力をお願いするわ。』

 

「…どうします? 私達のリーダーは貴方ですから、判断は任せますよ。」

 

リンディからの依頼に対する答えをフリーダムがガンダムに問う。…ここでガンダムが出す答えは決まっている。

 

「そんな物、NOに決まってるだろ。」

 

そう、どんなメリットが有ったとしても管理局嫌いのガンダムが協力する訳が無い。反マイシスチームのリーダーが彼である以上は、彼等は単独でマイシスとマイシスが協力しているヴォルケンリッターを追う。それだけなのだから。

 

だが、

 

「あ、あの…フリーダムさん、私からもお願いします、私達に協力してください。」

 

「私からもお願いするよ、前みたいに私達に協力してくれないかい?」

 

ガンダムの答えを聞いたフリーダムに対してフェイトとアルフが頼む。

 

「…あー…; ガンダムさん、先ほどの言葉を撤回するようで申し訳ないんですけど…協力してあげてくれませんか…。」

 

「チッ。」

 

フェイト達に頼まれるとフリーダムは断り難いのだろう。申し訳なさ全開の言葉でフリーダムがガンダムにそう頼む。

 

「あ、あの、私からもお願いします、私達に力を貸してください。」

 

「…なのちゃんがそう言うなら…拙者からも頼むでござる。こんな事を頼める立場でないのは理解しているでござるが…。黒豆のせいで。」

 

そう言ってガンダムに頭を下げるデスティニー。

 

「…チッ…。仕方ないな…オレ達も協力してやろう…。協力するのに条件は有るがな。(これで貸しは返したぞ…雷斗、龍也。)」

 

「ええ、私には文句はありません。(…スミマセン…。寧ろ、まだ私達の方が貴方に貸しがあるんですが…。)」

 

貸しがある仲間から頼まれた以上は条件付きで協力を受け入れるガンダムに続いてそう言うフリーダム。だが、

 

「条件だと、ふざけるな!?」

 

ガンダムの態度に約一名…クロノが怒り出す。そんなクロノを横目で睨み付けながら、ガンダムは…。

 

「…悪いけど、オレはタダでお前達に協力するほどお人好しじゃ無いんでな。イヤなら良いぞ…協力はしない…。ただそれだけだからな。」

 

『クロノ!』

 

「大体、寧ろオレ達は『自称』悪の組織を追っていて、今回は人助けをしてそっちに不当に拘束されて攻撃された。正当防衛で反撃されても文句は言えないはずだ。何の権利がある?」

 

「僕は管理局の執務官だ! 逮捕の権限くらいある!」

 

「…私達は犯罪行為はしてませんよ…。」

 

「ぐ…。」

 

「まあ、条件については後々決めるとして…どうする?」

 

言外にフリーダムとデスティニーの仲間二人の頼みに応じつつも、リンディ達に対して協力の見返りとして、『白紙の小切手』を要求しているガンダムでした。

 

『…分かりました。マイシスを名乗る敵の危険性を考えて、貴方達の条件を飲みます。』

 

「艦長!」

 

『クロノ、いい加減にしなさい! 龍也君の時も、今回の権も、貴方に責任があるわ。全く…これで執務官なんて…我が子ながら情けないわ…。』

 

「も、申し訳有りません…。」

 

リンディの言葉に頭を下げて謝るクロノ。そして、リンディは続いてデスティニーとユーノに。

 

『龍也君、貴方の言った通りになったわね。』

 

「上手く行って良かったでござる。」

 

「そうだね。」

 

「え?」

 

「ふぇ?」

 

横でそんな事を話しているリンディ、デスティニー、ユーノの三人と疑問の声を上げるフェイトとなのはの二人。

 

そして…

 

「母さん、龍也、ユーノ…ぼくはそんな事は聴いて無いぞ!!!」

 

「言ってないから当然でござる。大体、教えて下手な演技されても困るでござる。」

 

「…それに今日のクロノの行動って完全に龍也の予想した最悪のパターンだったし…。」

 

『お蔭で協力の条件は高く着いちゃったわね。』

 

「っ!?」

 

デスティニーとユーノ、リンディの言葉に思わず絶句するクロノ。

 

付け加えておくと、デスティニーはユーノとリンディ以外には今回の事を話していなかった。…そう、なのは達にも知らせていなかった。

 

「ふぇ、龍君、どう言う事なの?」

 

「あー…フリーダム殿達の性格を考えて…確実に協力してくれる様に話を進めたんでござる。」

 

要はガンダム達の協力を得る為に、ガンダムではなくフリーダムから協力の了承を得る為に行動したと言う結果である。後は心境が協力する方に傾いたフリーダムからガンダムに協力する様に話を進めてくれると考えた結果である。

 

「え、私達もそんな事聞いてない…。」

 

「…いや、なのちゃんとフェイト殿は演技は上手く無さそうでござるから…。」

 

「む~、龍君、今日は酷いの!」

 

「ご、ごめんでござる…なのちゃん。」

 

「許してあげない!」

 

「ご、ごめんでござる! 許して欲しいでござるよ!」

 

怒っているなのはに対して必死に謝っているデスティニー…とそれを羨ましそうにも悔しそうにも見える表情で見ているユーノ。今のデスティニーとなのはの姿は『ケンカするほど仲がいい』と言う言葉が浮んでくる微笑ましい姿だ。

 

さて、デスティニーの策に嵌められたと言う状況のガンダムとフリーダムだが…。

 

「はぁ…なんて言うか…お前等を見ていると、警戒しているオレがバカみたいだな。」

 

「…所詮、今の彼女達は私達が知っている“彼女達”とは違うんですから。警戒しすぎは良くないですよ。」

 

溜息を吐くガンダムに対してそう告げるフリーダム。

 

 

 

妙にホノボノとした空気が流れる中…

 

 

 

 

「ふふっ…役者は揃ったようね。」

 

 

 

その一言共に空気が変わる。

 

 

 

 

白い羽を撒き散らしながらゆっくりと上空から降り立つウイングガンダムゼロカスタム。

 

武器を構えながら豪快に降り立つクロスボーンガンダムフルクロス。

 

「なっ!? お前達は!?」

 

突然の二人の出現に反応するクロノ。マイシスの幹部である聖獣使いの二人の出現にフリーダムはフェイトを、デスティニーはなのはを庇う様に彼女達の前に立つ。

 

だが、現れたウイングゼロとクロスボーンは警戒する彼等を一瞥しただけで左右に分かれ、これから其処に現われる何かに対して片膝を着く。

 

「ふふ…初めまして。」

 

黒いマントを羽織ったモノアイの純白のMSがウイングゼロとクロスボーンを従える様に現れる。

 

「初めまして、時空管理局の皆さん…。そして、一人いないけど聖獣の記憶に刻まれた宿敵達と…私の同朋たる者…ガンダム。」

 

優しげに…それでいて威圧感を放ちながら彼女は、

 

「私の名は『キュベレイ』。そして、マイシス総帥『エイロス』よ。宜しくね。」

 

微笑を浮かべながら己の名を名乗る。

 

「マイシスの総帥だと!? そっちからノコノコ出てくるとはいい度胸だ!」

 

誰もが威圧感に対して動けなくなる中、エイロスに対してデバイスS2Uを向けるクロノ。

 

「黙れ、今は総帥が話されている。」

 

そんなクロノにツインバスターライフルを向けながら告げるウイングゼロに手を翳してエイロスが制する。

 

「別に良いわ。今回は戦いに来たんじゃないのよ。でもね。」

 

「っ!? うわぁ!!!」

 

エイロスが手を翳すとS2Uを向けていたクロノの体を何度も爆発が襲う。クロノの周りを囲むようにキュベレイのファンネルが飛び回りながら一斉にビームを浴びせ、デバイスを落としてクロノが地面に倒れると、それらはエイロスの元に戻る。

 

「クスクス…武器を向けられるのは良い気分はしないのよね。それでは、私達の要件を伝えさせてもらうわ。」

 

倒れたクロノを嗤いながらエイロスはガンダム達へと視線を向け、

 

「私達マイシスは偉大なる神『エイロディア』の名の元に、ここに復活(誕生)を宣言し、宣戦を布告する!」

 

エイロスの宣言と共に自身の聖獣ヘルメディアとポセイディアを出現させるウイングゼロとクロスボーン。

 

「今日はあなた達にそれを告げる為に来たのよ。丁度、戦いの構図は私達と守護騎士達とゴッド、貴方達と宿敵達と言った構図が完成したのだしね。」

 

それを告げるとエイロスはゆっくりと両腕を広げる。

 

「御出(おい)でなさい。神より産み落とされし天王の加護を受けし悪夢の化身、聖獣(マイソロジー)『ウラノディア』。」

 

エイロスの祝詞共に現れるのは異形の四足獣。それが二つの姿を持つ彼女の聖獣『ウラノディア』の一つの姿。

 

首長竜、魔人、四足の魔獣を従える三人の聖獣使い達。…そして、三体の異形の聖獣達を従える様に、総帥であるエイロスさえも従える様に、幻影の様に、一際(ひときわ)巨大な異形の影が現れる。

 

異形の影に見守られる様にエイロス達は自らの組織の誕生と復活を宣言し、その姿を消す。

 

後に残されたのは、姿を見せた敵の存在に圧倒される者達。

 

そして、長い時を経て現れた(再会した)宿敵の消えた虚空を眩みつける…ガンダムだけだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

おまけの八神家side

 

 

 

 

「ご飯できたで~。」

 

「「「はーい!」」」

 

「? どうしたんや、焔兄?」

 

「いや、なんて言うかさ…。なんか、大事な所に出損なった気がしてな…。」

 

「…なんだよ、それ?」

 

「…いや、良く分からないんだけど、なんかそんな気がしてな。まっ、思いつかないって事は気にしなくても良いって事だろ。」

 

今回出番の無い最後の聖獣使いのゴッドこと、八神家の長男、焔。家族仲良く食事中の様でした。

 

 

 

 

SIDE OUT


 
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