No.400253

真・恋姫†無双 異伝 「伏龍は再び天高く舞う」 外史編ノ三

少々お待たせいたしました。
外史編ノ三をお送りします。

とりあえずはご覧ください。

2012-03-30 21:45:27 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:10439   閲覧ユーザー数:7795

 

「よし、薪割り完了っと」

 

 俺と朱里が水鏡先生の家に滞在するようになって数日が過ぎた。

 

 当然、ただ泊まっているわけにもいかないので家事の手伝いを

 

 している。俺は主に力仕事を、朱里はその他全般をやっている。

 

 さらには・・・

 

「朱里ちゃ~ん!」

 

「どうしたの、雛里ちゃん?」

 

「あの、この本のここに書かれてる事なんだけど・・・」

 

 朱里は鳳統ちゃんと真名を呼び合う仲になっていた・・・ちなみに

 

 俺はまだ鳳統ちゃんから真名はあずかってない。 

 

「北郷さん、ありがとうございます。やっぱり男手があると違います

 

 わね。これだけ薪があればしばらく持ちそうですわ」

 

「いえいえ、この位の事でしたらいつでも。水鏡先生の家に厄介に

 

 なっているわけですし」

 

「あら、そんな事を言ってると、もっと力仕事を押し付けちゃうかも

 

 しれませんよ?」

 

「俺に出来る事ならいくらでも」

 

「そうですか?それでは一つお願いしてもいいかしら?」

 

「はい、何でしょう」

 

「それはね・・・」

 

 

 

 

 

 水鏡先生に頼まれたのは、お使い・・・というか鳳統ちゃんと朱里の

 

 お使いの荷物持ちだった。何でもいつもは持ってきてもらっていた物

 

 があったのだが、持ってくる人が腰を痛めたとかで来れなくなったから

 

 だそうだ。鳳統ちゃんは道案内、朱里は鳳統ちゃんが道に迷わない為の

 

 付き添いだったりする・・・付き添い付きの道案内って・・・。

 

「鳳統ちゃん、そのお店ってどこなの」

 

「もうすぐです。そこの角を右に曲がって三軒目のお店です」

 

 

 着いた所は本屋さんだった。

 

 

「こんにちは~!」

 

「はい、いらっしゃいませ。何の本をお探しですか?」

 

「いえ、水鏡先生に頼まれまして本を受け取りに参りました」

 

「そうでしたか。少々お待ちくださいませ」

 

「ふう、お使いは何とか大丈夫そうだな。でも、本だったら別に力仕事でも

 

 ないような・・・」

 

「あわわ、多分水鏡先生の頼んだ本はかなり重いはずですので、それでだと

 

 思います」

 

「かなり重いって・・・百科事典みたいな本とか?」

 

「ひゃっかじてん?」

 

「いろいろな言葉の意味が載っている本でね。その分、すごく厚くて重いんだよ」

 

「そんな本があるんだ・・・だから朱里ちゃんはあんなにいっぱいいろんな事を

 

 知っているんですね」

 

「朱里の場合はさらに特別だけどね・・・って、その朱里はどこへ行ったんだ?」

 

「そういえば、さっき奥の方へ行ったようですが・・・」

 

 

 

 

 鳳統ちゃんが言った方を見てみると・・・

 

「はわわ~こっちの八百一も凄い・・。現代での薄い本も凄かったけど・・・ゴクリ」

 

「お~い、朱里~?」

 

「でもこの八百一に現代のような絵を入れていったらもっとすごくなるよね・・・」

 

「何見てるの、朱里?」

 

「はわわ!ご主人様、何でもないんです」

 

「何でもないって・・・すごく一生懸命読んでたみたいだけど」

 

「はわわ!だめでしゅ!これはご主人様が見てしまうと呪われちゃう物なんでしゅ」

 

 呪われるって・・・まあ、そこまで朱里が言うのであれば、あまり詮索するのも

 

 良くないかな。

 

「そ、それより水鏡先生が頼まれたっていう本はもう受け取ったのでしゅか?」

 

「それは今、店の人に持ってきてもらってる所だけど・・・」

 

「それならもう来てるはずですし、戻りましょう!」

 

「あ、ああ・・・」

 

 朱里は強引にその場から離れさせようとする・・・一体、朱里は何を一生懸命

 

 読んでいたのだろう?気になりながらも朱里に急き立てられるままに店先に

 

 戻る。・・・あれ?

 

「鳳統ちゃんがいない・・・」

 

「本当だ、さっきまでここにいたんですよね?」

 

「ああ、一体どこへ『放してください~!』・・・あの声って!」

 

「雛里ちゃん!?」

 

 

 

 

 

鳳統ちゃんらしき声のする方へ行くとまさに鳳統ちゃんが三人組の男に連れてかれよう

 

 としていたところだった。

 

「待て!その子は俺の連れだ、その手を放せ!」

 

「ああ~ん、何だそうなのか?ならちょうど良かった。こいつが俺にぶつかってきてな、

 

 俺が怪我しちまったんだよ。だから治療費を請求したら持ってないっていうんで、

 

 こいつの身体で払ってもらおうってとこなのさ。こいつが兄ちゃんの連れだって

 

 言うんなら、代わりに払ってくれるんだよな?」

 

「鳳統ちゃん、本当なのか?」

 

「違います、いきなりこの人達の方からぶつかってきて『ああ~ん?』・・・ひぐっ」

 

 反論しようとした鳳統ちゃんだったが、リーダー格の男の睨みで黙ってしまう。

 

「本当にその子からぶつかってあなた方を怪我させたのなら、治療費を払う。だからまず

 

 その子を放してくれ」

 

「そんな事言って、こいつを放したら逃げるんだろ?そんな手に引っかかるかってんだ」

 

「・・・くっ、そんな事はしない。だから『ご主人様、ここは私が』・・・朱里?」

 

「何だ?嬢ちゃんが払ってくれるっていうのか?」

 

「その前に、ここであなたがどこをどう怪我したのか見せてください。ここにいる皆さんが

 

 証人となってくれます。その子が本当にあなたに怪我をさせたっていうのなら、私達は

 

 逃げも隠れもしません」

 

「うっ、それは・・・」

 

「どうしました?それとも怪我なんてしてないのですか?」

 

「う、うるせえ!俺が怪我したっていうなら怪我したんだ!」

 

「そんなものは理由にもなりません。ちゃんと証明できないのなら、あなた方はただその子に

 

 因縁をつけて連れてこうとしているだけです。それは犯罪です!」

 

 朱里が敢然と言い放つと周りの人間からも『そうだ!ちゃんと証明しろ!』『その子は悪く

 

 ないぞ!』と声があがる。

 

「この・・・ガキが!ちょっとは口がたつからって調子に乗りやがって、痛い目見せて・・・」

 

 ドグゥォ!

 

「誰が誰に痛い目見せるっていうんだ?コ゛ラ゛ァァァァ!」

 

「ご主人様?」

 

 リーダー格の男が朱里に痛い目見せると言った瞬間に俺はそいつをぶっ飛ばしていた。

 おっと、つい激昂してしまった。・・・平常心、平常心。

 

 落ち着いたところで次は・・・

 

「何しやがる!てめえがそういう態度に出るっていうならこっちのガキは『バキッ!』

 

 ・・・なっ!?」

 

 ぶっ飛ばされた男が何かを言う前に鳳統ちゃんを捕まえてる奴を倒し、鳳統ちゃんを

 

 救出する。

 

「大丈夫?鳳統ちゃん」

 

「北郷さん・・・怖かったですぅぅ、ふぇぇぇぇぇぇ~ん」

 

「もう大丈夫だ。・・・朱里、鳳統ちゃんを」

 

「は、はい」

 

「さて、無事救出完了したところで覚悟はいいか、お前ら?」

 

「くそっ、このガキがなめやがって」

 

 激昂した三人組は剣を抜いた。

 

「お前らから剣を抜いた以上、どんな目に遭おうが文句は無しだからな」

 

「「「てめえこそ、地獄で後悔しやがれ!」」」

 

 

 ・・・・・・・

 

 

 

 数分後。

 

 地面に倒れていたのは三人組の方だった。

 

「どうした?もう終わりか?」

 

「バカな・・・たった一人のガキに『何か言ったか?』・・・ひぃっ!」

 

「さて、お前らに怪我させちまったことだし、治療費を払わなくちゃね~。

 

 おいくらですか?」

 

「そ、そんなあなた様から治療費を貰うなんてとんでもない!し、失礼しました!」

 

 そういうと三人組はぼろぼろの体を引きずるように去っていった。

 

 それと同時に周りの群集も散っていった。

 

「ふうっ、とりあえずは一件落着っと。怪我は無い?鳳統ちゃん」

 

「は、はい大丈夫です。・・・でも本当に怖かったです。このままあの人達に

 

 どこか知らない所に連れ去られちゃうかと・・・ぐすっ」

 

「もう大丈夫だからね。俺がいる限り鳳統ちゃんに怖い思いはさせないから」

 

 そう言うと俺は自然に鳳統ちゃんの頭を撫でていた。

 

「あわわ~・・・北郷さんの手って温かいですね。何だかホッとします」

 

「そう?鳳統ちゃんが良ければいつでも『雛里です』・・・えっ?」

 

「雛里って呼んで下さい。北郷さんにはずっとそう呼んでほしかったんです。」

 

「わかったよ、雛里。俺のことは一刀でいいよ、それが真名みたいなものだから」

 

「・・・あ、あの、私も朱里ちゃんみたいにご主人様って呼んでいいですか?」

 

「はわわ!雛里ちゃん、急に何で?」

 

「朱里ちゃんがそう呼んでる時ってすごく幸せそうで、ずっとうらやましかった

 

 から・・・だめですか?」

 

 雛里はそう言うと潤んだ瞳で俺を見つめてくる。・・・やばい、この子も

 

 可愛すぎる。朱里とはまた違う感じがこう・・・

 

「・・・ゴ主人様?」

 

「ひぃ!ま、待て、落ち着け朱里。別にまだ何かしたわけじゃ・・・」

 

「『マダ』ッテ事ハ、コレカラ何カシヨウト?」

 

「べ、別にそういう意味で言ったわけじゃないって」

 

「あ、あの、やっぱり迷惑ですよね。ごめんなさい、忘れてください」

 

「べ、別に迷惑ってわけじゃないから。雛里の好きなように呼んでくれたら

 

 いいよ」

 

「いいんでしゅか!・・・って、あの、朱里ちゃん?」

 

「はぁ~、雛里ちゃんがそう呼んでほしいのなら、私からどうこう言う事は

 

 ないけど。・・・でも、雛里ちゃんは本当にいいの?私達はずっと一緒に

 

 いられるわけじゃないんだよ?」

 

「いいの。ただ一緒にいる時はそう呼んでいたいってだけだから」

 

 雛里はそう言うと、とてもうれしそうに微笑んでいた。

 

「そうか・・・それじゃ、改めてよろしくな!雛里」

 

「はい!ご主人様」

 

 これからも楽しくやっていけそうだ。

 

 

 

 

・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ソレハソウト、ゴ主人様。アトデO☆HA☆NA☆SHIガアリマス。

 

 逃ゲチャダメデスカラネ」

 

「・・・はい」

 

 

 

 

                                   続く(方向で進みます)

 

 

 

 

 あとがき的なもの

 

 mokiti1976-2010です。

 

 少々お待たせいたしまして申し訳ありませんでした。

 

 台詞回しがうまくできなかった上に、風邪をひきまして・・・

 

 健康って大事ですよね、やっぱり。

 

 

 それでは、次回外史編ノ四でお会いいたしましょう。

 

 

 

 

 

 

 追伸 ここでは朱里は時々病んでる感じになりますが、それも二人の

 

    幸せの形の一つだと思って、温かく見守ってあげてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 
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