No.398838

真・恋姫†夢想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ 第10席

霧龍さん

ついに大台の第10席ですw
 第10席 一刀、孫呉と共に独立を成すのこと。


開幕です

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2012-03-27 20:50:54 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:4083   閲覧ユーザー数:3571

 

 

 

 

 

 

 

 

 

真・恋姫†無想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ

 第10席 一刀、孫呉と共に独立を成すのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-一刀side-

 

 

   こうなったら仕方ないよな・・・・

一刀 「皆、悪いね・・・・同士討ちに巻き込んじゃって」

   謀反(嘘)を実行するにしろ、結局は同士討ちが起きる

   ここに居る二百の兵たちは俺に預けられた冥琳配下の兵たちだ

兵  「いえいえ。孫呉が独立するためならこの程度の同士討ち、何度でもやって見せますよ?」

   その隊の長はそう言ってくれた

   確かにその気持ちはありがたい

   でも俺は誰一人欠けることなくこの策を成し遂げたい

一刀 「その気持ちは受取ろう。でも決して死ぬなよ?」

   俺はその言葉に続けて言った。

   『一人の死が他の兵に迷惑をかけると思え』と

兵  「御意」

   こっちは全力で演技しなきゃいけない

   明命からの伝令を聞くとと張勲にはこの策は見抜かれてると考えた方がいいかも知れない

一刀 「向こうもおそらく手加減ができない。だからこれを使う」

   俺が懐から出したのは所謂『煙玉』だ

一刀 「天の世界で俺が使っていた目晦ましの道具『煙玉』だ」

   俺の策は至極簡単で単純明快

 

   俺を先頭に鋒矢の陣形で突っ込む

   接触直前に煙玉で孫呉の先鋒を足止めして、俺と護衛3名のみ孫呉の兵の隙間(冥琳たちが作ってくれる)を全力で駆け抜ける

   ある程度煙が引いても嘘・謀反隊は接触した場所で応戦。時間を稼ぐ

   俺と護衛はその間に袁術の下に急ぎ袁術を討ち取る

   

兵  「承知しました。護衛はこの3名に任せます」

   布陣も決まったし、そろそろころ合いか・・・・

一刀 「例の伝令を出すか・・・・行け!」

   例の伝令。嘘・謀反を冥琳に伝えること

   当然それっぽく見せるために、特殊メイクっぽく熊の血を塗ったり見た目は刺さっている形だけの矢

   謀反を出来るだけ知られたく無い側としての追撃(演技)に鏃の無い矢と当たりそうで当たらない攻撃

   知られている可能性もあるけど、袁術の下までは必ずたどりついてみせる

兵  「はっ!」

   伝令が出て行った

一刀 「さぁ、大芝居の開幕だ。弓兵は当てないように矢の雨を降らせろ!矢切れは起こすなよ?」

   前衛の弓兵は一斉掃射を始めた

   矢は見事に本陣に向かう伝令を避けている

一刀 「弓兵止め!!」

   伝令が射程圏外に出た

   あとは本陣から煙矢が上がるのを待つだけだ

 

 

 

 

 

 

-蓮華side-

 

 

蓮華 「はぁ・・・・はぁ・・・大方片付いたわね・・・」

   何とか一万強の黄巾を殲滅することができた

   実際は指導者を失った雑魚の集まりだから、そう簡単に押し返されることはなかった

   ただここに残る私たちの兵は五千

   数の上では少しばかり苦労した

思春 「・・・終わりましたね。本陣へ急いで合流しましょう」

   思春も少しばかり息が上がってるわね

   無理を押しつけたものね・・・

蓮華 「えぇ。亜莎に伝令!兵糧は置いて行くと伝えて」

   持ってきたのは袁術から貰った分だけのはず

   はっきり言って、ほとんど消費していない

兵  「はっ!」

   本陣に早く合流したい。そんな気持ちで少し焦ってしまう

   少しだけ嫌な予感がするのだけれど・・・・

思春 「・・・あれは?」

   思春が何かに気づく

   視線の先には一本の煙の柱が孤を描いて飛んでいた

蓮華 「・・・そんな・・・・(ガクッ)」

   私はその場に膝立ちになった

思春 「蓮華さまはあれの意味をご存じなのですか!?」

   あれの意味を知らされているのは一刀の兵たちを除いて姉様、冥琳、穏、祭と私だけ

   思春や亜莎には伝えられていない

蓮華 「・・・・えぇ。あなた達には伝えられてなかったわね」

 

 

思春 「・・・・くっ(ゴッ)」

   あの煙の意味を知った思春は地面を殴りつけていた

   間に合わなかった。一刀がこの策で最も恐れていた事態

   でも私が恐れるのは失策ではなく、その対処の策だ

蓮華 「一刀が最後の切り札とも言っていたわね・・・・・」

   『天の御遣い』の名を使うこと

   御遣いらしく振舞うことを嫌っていたのに

   伝令によればかなりの無茶をする心算らしい

   今から本陣に急いでも間に合うはずはない

思春 「・・・・貴様には何故そこまでできるのだ」

   思春も同じことを思っていたのね

蓮華 「それは無事に帰って来たら聞きましょ?今は彼を信じて待つ以外はないわね」

   思春の肩を支えながら一刀の居るであろう方角を眺めた

 

 

 

 

 

-雪蓮side-

 

 

   ・・・・・つまんないわね

   『今回はここで大人しくしていて貰おう』

   冥琳が何度も念を押すし監視に兵を付けるもんだから何もできないじゃない

雪蓮 「何か面白いことないの~?」

   問うのは私からの一方的なものだけで誰も答えてくれない

   もの凄い腹立たしいんだけど・・・・

 

 

   そんな静寂を破ったのは傷だらけの兵だった

兵1 「伝令!!御遣い様が・・・北郷様が謀反を起こしました!」

   来た・・・

   一刀の演技が始まる

雪蓮 「・・・・わかったわ。冥琳に伝えて」

   私は冷たい目で兵を冥琳の下に向かわせた

兵2 「・・・構わないのですか?あの方が裏切ったなんて・・・・自分は正気を保てる自信がありません」

   まだ将にしか伝えられてないことだから知らないのは当然

   でもまだ教える訳にはいかない

雪蓮 「信じられなくても事実は事実。迎え撃つわよ!」

 

   怒声と共に他の隊も動き出した

   もちろん、一刀が抜けやすいように隙間を作って

 

雪蓮 「何これ?煙幕かしら・・・・ってことは~」

   抜け出しても誰にもバレないじゃない♪

   辺りが見えにくくなってきた時期を見計らって本陣を飛び出した

 

   さぁ袁術ちゃん・・・・今までの借りまとめて返してあげる

雪蓮 「・・・・見つけたわよ。何をしてるのかしら?」

   そそくさと逃げる算段を取っていた袁術・張勲の二人に詰め寄る

張勲 「そそそ孫策さんじゃないですか~今は特に用はないんですけどぉ~?」

袁術 「そそそうなのじゃ!妾は呼んだ覚えもないぞぇ?何故ここにおるの(シャリン)なな何故剣を抜くのじゃ!?」

   ホント頭に来るわね

雪蓮 「貴女達の用はないかも知れないけど、私はあるのよね~」

   剣を袁術に向ける

袁術 「ひいぃ?!」

   顔が青ざめてるわね~

   いい気味ね♪

雪蓮 「貴女の首を取るって言う用がね」

   今まで散々扱き使って来たんだもの

   礼は何倍にもして返して上げる

 

 

   しばらく口論を続けるうちに袁術が泣き出した

袁術 「妾が悪かったのじゃぁ~ゆるじでたもぉ・・・」

   謝っても無駄ね

   借りたものはちゃんと返さなきゃ

雪蓮 「許して。ねぇ・・・嫌よ」

   それに今の私に『許す』の言葉はないもの♪

   黙っていた張勲がやっと口を開いた

張勲 「私の命と引き換えにとはいきませんか?・・・・孫策さん」

   自分の首と引き換えに主の命乞いとはね・・・・・無駄な

   私が斬りたいのは袁術ちゃんの首であって張勲じゃないのよね~

袁術 「七乃?!嫌なのじゃ!妾は七乃と一緒にいたいのじゃぁ・・・」

   泣きつくところって本当に子供ねぇ

   ホント私の方が悪役じゃないの

雪蓮 「立派な君主愛ねぇ~でもそれも今日でお「(一刀)そこまでだ」しまい・・・・・遅かったわね?」

   首元に刃が突きつけられる

   何もそこまでしなくても・・・・

   (バン!)

   一刀が手を叩くと周りから数人の兵が出てくる

一刀 「・・・・孫伯符を本陣へ連れて行け。周公謹にこれを渡せば伝わるだろう」

   一刀が渡したのは文のようなもの

   冥琳に渡せばわかる?何かしら・・・・

雪蓮 「一t?!・・・」

   一刀の持つ布切れが口元に当てられた途端、私は意識を失った

 

 

 

 

 

 

 

 

-一刀side-

 

 

 

 

一刀 「舞台の準備は揃った!皆。孫呉の命運はお前たちの肩に乗っている!!必ず策を成功させろ!いいか?!」

   開幕の狼煙が上がる

   檄を飛ばすと兵の皆は首を縦に振った

一刀 「なら・・・行くぞ!!俺を起点に鋒矢の陣を展開!接触したら乱戦に持ち込め!!」

 

兵  「「「「応!!!!」」」」

   煙玉を使うタイミングさえ間違えなければ勝てる戦いだ

   全員が配置に付き、突撃を始めた

 

 

   呉本陣に接触する直前、俺は煙玉を数個点火し投げ込んだ

一刀 「後は任せた!!俺達はこのまま袁術の下へ向かう!」

   煙で有効視界は数メートル程度。

   目の前に居る呉の兵たちも構えるが俺とすれ違った後にしかに気づけない

   ただ、呉の皆とすれ違ったとき少し違和感があった

一刀 「・・・・・誰か足りないような」

   ・・・・・オイ。まさかな

   そんな筈は・・・・あった。

   この状況じゃあのバカの護衛なんてどう考えても無理だ

   見えない間に抜け出したか?抜け出したならどこに・・・

一刀 「そういうことかっ?!あっのバカ!・・・・急ぐぞ!!」

   俺は護衛の兵を振り切って全力で袁術の下に急いだ

   俺の予想が当たってるなら間違いなく居るはず

 

 

 

   全力で駆け抜けた先に居たのは――――

袁術?「妾が悪かったのじゃぁ~ゆるじでたもぉ・・・」

   ――――涙を流す金髪の子供・・・・おそらく袁術

   その子供を慰めるように座ってる帽子を被った女性、こっちが張勲

   そして孫呉を代表するバカ・・・・雪蓮だった

雪蓮 「許して。ねぇ・・・嫌よ」

   即答かよ・・・

   少し遅れて護衛の兵が追いついた

兵  「(北郷さま?そんなに急がれていったい何・・・・・・はぁ)」

   この風景を見た瞬間、兵は言葉を中断した

   わかるよその気持ち

   俺達は気付かれないように気配を殺し、物陰に隠れて様子をうかがった

一刀 「(―――俺はここで待機だ、位置についてくれ。気づかれないようにな)」

   持ち場をそれぞれ指示し、あのバカを撒くことを説明する

   流石にマジになってる雪蓮を止める自信はない

   この場は一旦袁術を連れて逃げることにする

   兵がそれぞれの持ち場に着く

張勲?「私の命と引き換えにとはいきませんか?・・・・孫策さん」

   時間がなくなってきたな

   張勲め・・・・面倒なことを言い出してくれたな

袁術 「七乃?!嫌なのじゃ!妾は七乃と一緒にいたいのじゃぁ・・・」

   泣きつくところは本当に子供だな

   仕方ない・・・・行くか

雪蓮 「立派な君主愛ねぇ~でもそれも今日でお「(一刀)そこまでだ」しまい・・・・・遅かったわね?」

   雪蓮の後に立ち剣を突き付ける

   さてこのバカには本陣に戻って冥琳の説教を受けて貰おう

   (バン!)

   俺は手を叩き伏せている兵を呼ぶ

一刀 「・・・・孫伯符を本陣へ連れて行け。周公謹にこれを渡せば伝わるだろう」

   渡したのは簡単な文。内容は誰でもわかるだろう

   なぜこの場で真名は呼ばないか?・・・・呼べないと言うべきだろう

雪蓮 「一t?!・・・」

   俺の名を呼ぼうとした瞬間、使いたくなかったけど睡眠薬を盛った

   謀反が袁術にバレたくないからだ

   ・・・・・・・・張勲にはバレてるだろうけど

兵  「・・・では」

   兵は雪蓮を担ぎ去っていく

 

袁術 「ぐずっ・・・お主は何者じゃ?見たところ孫策とは仲が悪いようじゃが」

   こんな子供を騙すことになるとは・・・・・

   凄ぇ罪悪感があるな

一刀 「・・・当然だ。俺は『天の御遣い』だぞ?そんな俺を客将扱いしてんだ・・・あいつはな」

   演技ってかなり難しいな・・・

   全然性に合わねぇ

張勲 「・・・それで謀反を起こした。と」

   情報は伝わってるのか

   なら話は早いな

一刀 「よくわかってるじゃないか。・・・・それで頭にきてあいつを嵌めたんだよ―――」

   

   ――――あんた達を殺して、あいつも殺すために。

 

   その言葉を吐いた時に思った

   自分から買って出たけど本当に演技って苦手だよ・・・・

 

   

張勲 「・・・・・要は孫呉が独立を果たせればいい・・・と」

   ・・・やっぱりバレてたか

一刀 「・・・・よくお分かりだな・・・・・俺が話す手間が省けたな」

   すると張勲は袁術を放し、目の前に正座した

   袁術は知らない間に寝ていた・・・・多分、泣き疲れて。

張勲 「その件ならさっきも言いませんでした?私の命と引き換えに袁公路を見逃すと」

   一点張りか。裏があるような気もしなくもない

   やばいな・・・・マジで時間がなくなって来た

一刀 「はっきりと言わせて貰う。あんたの首を持って帰っても何の役にも立たない」

   そう大将軍だの軍師だの家臣の首を取っても独立の役には立たない

   独立するのに必要なのは君主の首だけ。つまり袁術の首だけってわけだ

一刀 「役に立つのは袁公路の首ただ一つだ」

   俺は剣を抜き張勲に切先を向けた

   本音をぶちまけるなら斬るつもりは毛頭ない

張勲 「・・・そうですか。美羽さまを斬るのであれば私も斬ってくださいね?一緒に居たいので♪」

   そう言って張勲は袁術を抱き、目を閉じた

一刀 「・・・・・・そうか。なら俺は何も言わない」

 

   バフッ

 

   ふ抜けた音と共に飛んだのは首ではなく、張勲の髪と帽子だけ

   (もうちょっと剣の鍛練しとくんだった・・・)

   心の中でそんなことを呟く一刀であった

 

張勲 「・・・えっ?」

   張勲は何が起きたか分かっていない

   腹を括ってたからなおさらだと思うけど

一刀 「言わなかったか?袁術の首以外は必要ないって」

   遠まわしにしか言ってないけど

   簡単にまとめると

   『必要なのは袁術の首ただ一つ』=『袁術の首以外は必要ない』

   ってことだ

張勲 「な、なら美羽さまの首を取るんじゃ・・・」

   そんなことしなくてもバカ二人ならもう国を興すこともできないだろうし

一刀 「その心算だったんだけどな・・・面倒になっちまった」

   俺の気が変わる前にさっさと行け。と

   雪蓮なら何の遠慮もなく斬ってただろうな・・・

一刀 「ただし、もう二度と俺達の前に現れるなよ?孫策のバカを止めるのに苦労するからな」

   最後はちょっとした冗談で二人を見送る

   寝てる袁術は張勲の背中に乗って

張勲 「最後のお願いなんですけど、私の真名預かってくれます?」

   ・・・・・どうして俺が出会う人はこんな突拍子もないことを言い出すんだろう

一刀 「・・・・あんたが言うなら餞別に受け取っておこう」

   七乃。それが彼女の真名だ

   いつかまた会えることを祈ります。なんて言われてもな・・・

七乃 「では~この恩は忘れませんから♪」

   袁術と七乃の背中が見えなくなるまで俺はその場に立っていた

 

   本陣に目的達成を知らせる狼煙を上げ忘れ、冥琳にキツ~く叱られたのは別の話

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

霧龍「第10席いかがだったでしょうか?」

霧龍「ついに独立できましたね~」

霧龍「原作だと雪蓮さんが袁術を逃がすんですが本作品は本陣に強制連行ですw」

冥琳「わざわざ済まないな・・・あのバカの行動を考えさせて」

霧龍「いやいや考えるだけならまだしも、説教とかしている冥琳には敵いませんよ~」

冥琳「はぁ~」

霧龍「大きなため息ですね・・・」

冥琳「付きたくもなるさ・・・・あやつの相手をしているのだからな」

霧龍「・・・確かに」

冥琳「それにしてもいいのか?」

霧龍「何がですか?」

冥琳「雑談だけであとがきが終わっても」

霧龍「・・・・・・・ぁ」

冥琳「気を取り直して次回予告だな」

霧龍「ちょっ!?俺の台詞が!」

 

 

霧龍「次回、『真・恋姫†無想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ』第11席 お楽しみに~」

 

 

 

冥琳「独立はできたもののこのあとの展開はどうするのだ?」

霧龍「・・・・・・痛いところを突きますね」


 
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