No.392696

第十三話 アンクのバイト先とアニス信者と歩く都市伝説

ムッツリーニwwww

2012-03-16 22:10:58 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:4126   閲覧ユーザー数:3868

アニスサイド

 

 

今日ははやての診察の日……何だけど……。

 

 

「あーうー……ごめんねはやてちゃん、俺の背が小さすぎだから、車いす押せなくて……」

 

 

「あはは!そんな事気にしてへんで、アニス君。その心遣いだけで嬉しいで」

 

 

「……はぅ……」

 

 

「あぁもうかわぇぇな!!大丈夫やて、アニス君達が来る前は、自分一人で行って帰って来てたんやで?」

 

 

そう言われると……少し空気が重くなるよはやて……。

それにしても、アンク何処行っちゃったんだろう?朝起きたら既にいなかったし……。

 

 

「ねぇはやてちゃん。アンク何処に行ったか知ってる?」

 

 

「あれ?アンクさんならバイトに行ったけど……」

 

 

「……何それ初耳……」

 

 

アンクめ!俺に内緒でバイトを入れたんか!せっかくの休日、俺が朝から活動できる限られた時間、今日はアンクとイチャコラしてやろうかと思ってたのにぃ!!

とは思ってないですよ?流石に、俺にいバイトが決まった云々の所だけ本当だけど、後は嘘だよ?

だって、俺が無理言って働いてくれてるんだし、仕方ないよ。

 

 

でも、言ってくれよぉ~。気になるじゃんか~。

 

 

「はやてちゃん、アンクが何のバイト始めたか知ってる?」

 

 

「いや、知らへんな~。何も言ってへんかったし」

 

 

アンクぇ……お願いだから言わないってのは止めてください……。

 

 

「良し、探してみよう」

 

 

アンクの魔力を辿れば、何とか辿り着けると思うんだ。

でも……はやてがな~……。

俺は考え事をしてはやてをチラッと見、また考え事をしては、チラッとはやてを見……それを数度繰り返す。

 

 

「あぁもうかわぇぇなぁ!!そう何度もチラチラ見んといて!探して来れば良いやん。アニス君の事や、魔法かなんかで探ってみるんやろ?」

 

 

「あはは、まぁ、当たらずも遠からずだね。ただアンクの魔力を辿ってみようかなって考えてた所」

 

 

「行ってきてえぇよ?ウチは気にせぇへんから」

 

 

「……もぅ、何て言うか……はやてちゃん大好きだぁぁぁぁ!」

 

 

「ウチもやぁぁぁぁぁ!」

 

 

テンションたっか。

あ、俺もか。気にしない気にしない。さて、行きますか。

 

 

「ごめんねはやてちゃん、今度俺が付き添うから!それじゃっ!」

 

 

俺はダッシュで玄関に向かおうとしたら、はやてちゃんに手を引っ張られて止められる。

 

 

「キャッ!?……は、はやてちゃん……肘抜ける……痛い……」

 

 

「あ、すまへんな。でもアニス君、その恰好は駄目やって、アンクさんも言ってたやん。スパッツはえぇ、だけどその上!ワイシャツは脱ぎぃ!そしてちゃんと服着ぃ!」

 

 

「あ、そうだった。まだ寝間着のままだったっけ。えへへ、うっかりうっかり」

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「さっ!行くか!」

 

 

「ほな、行ってらっしゃい」

 

 

「うん!」

 

 

あの後俺は速効で着替え、アンクを探すミッションに向かう。

え?今日の服装?ふっふーん、良くぞ聞いてくれた!今日の服装は上が普通のパーカー、下はスパッツにニーソックス!そこ!ロウきゅーぶとか言わない!!そして女装じゃねーよ?うん、違うから。

 

 

「あぁ、アニス君アニス君……ハァハァ……生足もえぇけど……あのチラッと除く太もももえぇ……」

 

 

後ろに居る|変態《はやて》は気にしない。鼻血出し過ぎて倒れないでね?

 

 

「ふんふふーん♪」

 

 

うん、やっぱどうどうと青空の下を歩るくのは、気分が清々しくなって気持ちいいな~。

学校、通ってみようかな?でもでも、アンクやはやてに迷惑や負担が掛かっちゃうし、諦めよう。

 

 

「……むぃ?」

 

 

目の前にぬこはけーん。さて、何をしようか?

先ずお腹をもふもふする……それから……っと、いかんいかん。今はアンクだ。

俺はぬこをスルーして歩き出す。

飼いたいな~、ぬこ飼いたいな~。にゃーにゃー。

 

 

「さて、真面目に探そう」

 

 

俺は少し集中し、アンクの魔力を探る……。

……うん、こっからもう少し行った所に魔力を感じるな……でも、反応が二つなのはな何故?

まさかなのはの?はははー、まっさかー、アンクが喫茶翠屋でバイト何て、ありえないでしょ~。

そう思っていた時期が、俺にもありました……。

 

 

ドンっ!

 

 

「……あはは……」

 

 

着きましたのは喫茶翠屋……その中にアンクの魔力が感じられる……。

 

 

「あー、あの子可愛い」

 

 

「本当だー、お母さんのお使いかな?」

 

 

道行くお姉さん方、これでも男なんだぜ?こんなナリして、男なんだぜ?

まぁ、冗談はさて置き、中に入らん事には始まらない。

 

 

カランカラ~ン♪

 

 

相変わらず、良い香りがスッと鼻に入ってくる。

良いねぇ、やっぱ調和だよ調和。完全調和(パーフェクトハーモニー)!そう、それだ!

 

 

「いらっしy……」

 

 

「……ほぅ……」

 

 

そこには、いつも見慣れた奴が、見慣れない格好で、営業スマイルを浮かべていたアンクが居た。

が、俺だと分かるや否や、顔が引きつる。

 

 

「……アンク……」

 

 

「……何だ……」

 

 

「……グッジョブ!!」

 

 

「うるせぇ!だからお前達には教えたくなかったんだ!特にアニス!!て言うかスパッツ脱げっていっつも言ってんだろ!!」

 

 

「アンクのウェイター姿!いただきました!!だからスパッツは俺のジャスティス!!」

 

 

「帰れぇ!!そしてズボンを穿け!女みたいな格好してんじゃねぇ!」

 

 

いやはや、まさかアンクが喫茶翠屋でウェイターとしてバイトするとか……。

あぁ、アンクはどんな姿させてもカッコ良いなぁ……。て言うか、心外、これは女装じゃないんだよ?

 

 

「アンク君、どうしたの?そんな大きな声出して」

 

 

「あ……何でも……ない……」

 

 

「?あらー、アニス君じゃない。こんにちは」

 

 

「桃子さん、こんにちは!」

 

 

「今日はどうしたの?またお菓子買いに来てくれたの?」

 

 

「ううん!今日はアンクをからかいに来たの!」

 

 

「てめぇ!やっぱそれが目的か!」

 

 

「だって、アンクバイト入れたのに教えてくれないんだもん。だから探しちゃった♪テヘぺロ☆」

 

 

「えぇい!帰れ!八神はどうした!?お前と病院行くとか言ってたぞ!?」

 

 

「もちろんはやてちゃんには無理を言っちゃいました☆アニスたんったら強引☆」

 

 

「八神ぃぃぃぃぃ!!」

 

 

「ア、アンク君、落ち着きましょう!?アニス君も煽らないの!」

 

 

「ハァ……ハァ……すいません……」

 

 

「ごめんなさい」

 

 

さて、若干俺も歯止めがきか無くなった気があったが、そんな事はなかったぜ!

 

 

「それで、アニス君とアンク君の関係は?」

 

 

「結婚を前提に付き合ってるんです」

 

 

「馬鹿か!」

 

 

ドスッ!

 

 

「っ!……っつ~、アンク~、冗談なんだから~……一々殴らないでよ~……」

 

 

「ふんっ。ただの兄弟だ……です」

 

 

「ぷっ、アンクったら、敬語下手だね」

 

 

「うるせぇ」

 

 

「兄弟にしては……似てないわねぇ」

 

 

「まぁ、気にするな……です」

 

 

嘘だから仕方ないんだよ桃子さん……。

でも、アンク金髪だから案外外人に見えるし……大丈夫かな?

 

 

「さて、お話はこれ位にして!アンク君、仕事仕事!」

 

 

「了解だ。それじゃ、俺は戻る」

 

 

「分かったよ~」

 

 

そう言うと、アンクは仕事に戻って行った……。

桃子さん?何で貴女は俺の隣に居るのですか?貴女も仕事あるんじゃないんですか?

 

 

「それにしても、アニス君は相変わらず可愛いわねぇ」

 

 

「あはは、褒め言葉として受け取っておきますよ」

 

 

「あ、そうだ。なのは呼んでみましょうか。アニス君も久々にお話ししたいんじゃない?」

 

 

桃子さん、それは要らんお節介なのですよ。

ってあぁ、なのはを呼ばないで!いやだ!止めて!

 

 

「はーい、どうしたのお母s……」

 

 

「や、やっほー……」

 

 

なのはは何故かいきなり無言になり、数秒後、つかつかと俺の所に来る。

しかも無言でだ……。

 

 

「アニス君……」

 

 

「な……何……かな?」

 

 

「……お持ち帰りはしてますか?」

 

 

「当店のアニスは、テイクアウト禁止です☆」

 

 

「でも持ち帰るの!」

 

 

「いやぁ!止めて!?引っ張らないで!?桃子さん!貴女はあらあらみたいな顔で見ないで助けてください!!」

 

 

「もうアニス君可愛い!!そうだ!お母さん!ウェイトレスの服って確かあったよね?あ、でもサイズ無いんだっけ……」

 

 

「ふふふ、なのは、その点は抜かりないわ!ちゃんとアニス君用のウェイトレス服を用意しているわ!」

 

 

「ちょっ!いつ俺のサイズ測ったし!?」

 

 

「アニス君。身長は95㎝、体重は19キロ。それ位で大体は出来るわ!」

 

 

「俺ですら知らない身長と体重を知ってる……だと……つうか俺100㎝も無かったんだ……orz」

 

 

せめて100㎝は欲しかったな……もう伸びないだろうね。八歳辺りからもう成長止まって来てるし……神様、あんた極端だよ。

 

 

「さぁ、着替えるの!」

 

 

「……有無を言わさぬその言動……」

 

 

流石魔王となりうる器……ははは、君の願いは断れないです。

 

 

「はぁ……とうとう女装か……」

 

 

もう、何も思うまい……。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

「うわー、アニス君可愛い~」

 

 

「あはは、ありがとう……」

 

 

着て来たお……スパッツが無かったら即死していた。

ははは、サンキュースパッツ!!

 

 

「うぉぉー!可愛いぞぉ!」

 

 

「あれが男……だと……」

 

 

「違う!第三の性別!アニスだ!」

 

 

「うぉー!アニスたーん!俺だ!けっk「言わせねぇよ!?」」

 

 

「……何ぞこれ……」

 

 

何か、いつの間にか翠屋がこんな事になってるお……。

つうか何で俺の名前知ってるし……。

 

 

「あれ?アニス君知らないの?」

 

 

「へっ?何が?」

 

 

「アニス君、海鳴市では都市伝説みたいになってるんだよ?九歳とは思えない大人びた口調、それに見合わない身長に、凄く可愛い。なのに男の子!って感じでね」

 

 

「なん……だと……」

 

 

この俺が、都市伝説化……だと。

某とあるの、超能力が効かない男、脱ぎ女みたいに……歩く都市伝説化しただと……。

 

 

「……てめぇら帰れ!」

 

 

「アニスたーん!」

 

 

「男勝り……ハァハァ……いや、男か」

 

 

「もう男でも女でもなんでも良い!けっk「だから言わせねぇよ!?」」

 

 

「……はぁ……どないせいッちゅうねん……」

 

 

「………」パシャッパシャッ!

 

 

何かバカテスのムッツリーニみたいな奴が、鼻血を出しながら写真撮ってるんだが……。

 

 

「なっ……あいつは!?」

 

 

「あぁ、間違いない……奴だ……」

 

 

「ゲンドウ乙」

 

 

「アニスたんに並んぶ、もう一人の歩く都市伝説……」

 

 

「……|寡黙なる性識者《ムッツリーニ》」

 

 

「……………」ブンブンブンブン!

 

 

「分かりやす過ぎなのに!頑なに否定してるぞ!?」

 

 

「流石はムッツリーニ!」

 

 

お前、この世界でもそう呼ばれてるんだな……バカテスに帰れ。

 

 

「ね、ねぇ、君名前は?」

 

 

「………|土夜孝太《つちやこうた》……」

 

 

漢字が違うだけじゃねぇか!!

ありえねぇ……この世界、何でもありか……。

 

 

「よ、よろしく、土夜君」

 

 

「……できたら孝太と……」ブシャァァァァ!

 

 

「こ、孝太君……?」

 

 

「……悔い……なし……」ガクッ

 

 

「ムッツリィィィィニィィィィィ!!」

 

 

「な、なんて事だ……スカウターが壊れた……だと……」

 

 

「……ス、スカートの中……が……」ブッシャァァァァァァァ!!

 

 

「あぁ!?倒れたことで!傷口が悪化した!?ムッツリーニ!何色だ!?教えてくれぇぇぇぇぇ!!」

 

 

「……ス……スパッツ……ムチムチ……」ガクッ……

 

 

「ムッツリィィィィィィィィィニィィィィィィィィィィィィ!!」

 

 

おいそこの変態共……いい加減にしろや……。

もう収集つかんぞこれ……まぁ、俺もやり過ぎた感は……無いな。今回、俺は何もしてないし……。

その時。

 

 

「ホラっ」

 

 

パサッ……。

 

 

「……アンク?」

 

 

「着てろ……お前のその恰好見られんの、何か癪に障る」

 

 

アンクは何処からか大き目な上の服を持ってきて、俺に掛ける。

……えへへ……アンクは優しいな、まだバイト中なのに。

 

 

「……えへへ、アンクありがとう」

 

 

「……ふん……」

 

 

鼻を鳴らして、アンクはまたバイトに戻る……。

 

 

「アニスたんが……ハニカンだ……だと……」

 

 

「奴は誰だ!?」

 

 

「はっ!数日前からこの喫茶翠屋でバイトをしてる、アンクと言う男です!女性客に人気があるイケメンでございます!」

 

 

「異端会議だ!」

 

 

「戦争だ!!」

 

 

「アンク×アニス……ありだと思います……」

 

 

今度は日傘を差した子が現れたぞおい……今度は西園さんかコノヤロー。

髪の色、若干被ってるじゃねぇかコノヤロー。

 

 

「……アニスさんは、お好きですか?」

 

 

「……何が?」

 

 

「……男と男の、濡れ場ですよ」

 

 

「……あはは、ごめん、分からないよ」

 

 

「……そうですか……では、また今度、何処かでお会いしましょう。貴方は完全に、こっち側ですから」

 

 

そっち側ってどういう事さ!?怖い!この子怖い!

ヤバい、やっぱりこの子、あの某小さな破壊者に出てくるあの子だよ!

 

 

「あ、名前聞いても……良いかな?」

 

 

「……|仁紫園澪《にしぞのみお》です」

 

 

この子も漢字が違うだけか!?本当に何でもありだな、この世界……。

まさか、バカテス、リトバスと来ましたか……。

何だか、今日は疲れたよ……。

 

 

「にゃはは、お疲れ様アニス君」

 

 

「張本人の癖に……ちゃっかり自分は安全地帯に居るなんて……酷いや、なのはちゃん」

 

 

「にゃはは、ごめんごめん。でも、まさか宣伝して数分で、あんなになるとは思わなかったんだよ」

 

 

「……宣伝したの?」

 

 

「うん!」

 

 

「……頭痛くなってきちゃった……取り敢えず、なのはちゃんは極刑ね」

 

 

「えぇ!?」

 

 

何となく、なのはちゃんは俺と同じ苦しみを味わってみればいいよ。さっきの苦労が分かるよ?

いきなりたん付で呼ばれるわ、写真は撮られるわ、挙句の果てには求婚だよ?

もぅ、俺は疲れた……、帰って寝る。

 

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

 

取り敢えず、あれから着替えて帰りました。

あ、ちゃっかりムッツリーニと仁紫園さんとは仲良くなったよ?一応メルアド交換しました。

 

 

「あぁ、疲れた~」

 

 

「お帰りアニス君。それで、何でそんなに疲れとるん?」

 

 

「いやぁ、ちょっとね。アンクのバイト先に着いたんだけど……そこで着せ替え人形みたいにされちゃって……」

 

 

「……ほぅ、それは興味があるなぁ……」

 

 

「興味持たないでよ。それで、アンクは喫茶翠屋でバイトしてたんだ」

 

 

「……マジかいな……ウェイターとして?」

 

 

「うん、そうだよ」

 

 

「はーっ、さぞカッコえぇんやろうな~」

 

 

「うん!それはもうカッコ良かったよ!」

 

 

「うわっ、惚気や惚気」

 

 

「もぅ、からかわないでよ~」

 

 

「……ぷっ、あはははは!冗談や冗談!さっ、夕飯の支度しよか」

 

 

「そうだね。俺もやる!」

 

 

「オーケーや」

 

 

そんなこんなで、今日はアンクが帰ってくるまではやてと一緒に料理を作りました。

いやぁ、もう何か……女装って怖いねぇ。


 
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