No.392303

SPECIAL EDITION MAGICAL GIRL LIRICAL NANOHA STRIKER’S “GREEED OF GREED”   聖と欲とオリヴィエの記憶

ヤミー・・・。いつ登場させよう・・・?

今回は予言以外にも、この世界《・・》のアンク達が登場します。

もちろん、アンクだけではなく、ウヴァやメズール達も登場しますよ。

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2012-03-16 01:16:49 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:1729   閲覧ユーザー数:1713

SPECIAL EDITION MAGICAL GIRL LIRICAL NANOHA STRIKER’S “GREED OF GREED”

 

前回の三つの出来事。

 

1つ。アンクが6課を襲撃し、自らのコアメダルをすべて取り戻す。

 

2つ。完全体として完全復活を果たしたアンクは6課を圧倒するも、過去に自分を殺したレイ・メイスティーマによって深手を負わされてしまう。

 

そして3つ。アンクはコアメダルの力を、今度はオーズの力で取り込み始めるのと同時に、6課では新たに出現した予言の内容を聞かされていた。

 

 

~6課・会議室~

 

 

そこには、前回と同じメンバーが座っていた。ただ一つ違うところがあるとすれば、本来はやてが座る場所に、高町なのはの娘、高町ヴィヴィオが座っていることだ。

 

そのヴィヴィオの頭には脳波計のようなものがつけられており、その調整を、ナンバーズの4番目・クワットロ・ハラオウン(何故かハラオウン家の養子となっていた)と、6課専属メカニックのシャリオ・フィニーノ(通称:シャーリー)が行っていた。

 

そしてクワットロは、調整中の画面に目を向けたまま、説明を始めた。

 

 

「この装置は、頭の奥底に眠る記憶を私たちの脳に直接ダウンロードする装置よ。もしさっきの予言が当たってるなら・・・・・・クローンであるヴィヴィオの記憶にやつを倒すヒントがあるはずだわ」

 

 

クワットロはクローンという単語を余り出したくなかったのか、苦い顔をしながら話した。ちなみにクワットロの手は、右手ではコンソールに何かを打ち込みながらも、左手は無意識の内にヴィヴィオの頭をなでていた。

 

 

~聖王に破壊されし紅き欲望、死神のてにより別の意思を持って蘇らん~

 

~紅き欲望は十字架を折り、法の船の船員である地、海、空の猛者達をことごとく薙ぎ払い、夜天の主を守る4人の騎士達をも倒し、救世主達すらも消滅させ、法と秩序によって治められし世界を絶望の淵に陥れん~

 

~その者は最強の救世主に敗れし者。欲望は復讐を糧に生きていく~

 

~紅き欲望は緑、青、灰、金、紫、黄の欲望の塊を摂りこみ、欲望の王へと進化するであろう~

 

~王を倒したくば、聖王の記憶を辿ると良い~

 

 

上記の文は、カリムが告げた予言の内容である。

 

その内容に6課メンバーは唖然とした。

 

普段のカリムの予言ならば、何らかの文章体で成り立っていた。しかし、今回は文章どころか豪く短絡的な文章なのだ。

 

しかし、今までカリムの予言はかなり曖昧ではあるが、ハズレたためしはあまりないため、メンバー達は渋々ながらもヴィヴィオに了承を得て彼女の頭の中にある、聖王・オリヴィエの記憶をダウンロードすることとなったのだ。

 

 

「それじゃいきますよ。用意はいいですか?」

 

 

その言葉と共に全員が輪を作るように手をつなぐ。何でも、対象の記憶をダウンロードするためには、その計器を繋いだ相手と肉体的に繋がる必要があるらしく、それが手を繋ぐという手段になったのだ。

 

 

「では、いざ記憶の旅へ」

 

 

そう言ってシャーリーはコンソールを操作する。シャーリーが操作をし終わり、視線を皆の方に戻すと、全員が目を瞑って微動だにしないのを見て、シャーリーとクワットロは成功を悟った。

 

 

~過去・聖王神殿~

 

 

巨大な神殿の真ん中にて、ヴィヴィオと同じ外見をした女・・・オリヴィエ・ゼーゲブレヒトが立っていた。その周りにはこの精鋭ともいえる5人の人間が集まっていた。

 

全員は前にある扉を、一瞬たりとも気を抜かずに睨みつけていた。

 

 

ドガァアアアアアアン!!!

 

 

「「「「「「!!!!」」」」」」

 

 

すると突然、扉が爆発した。そしてそれを見た瞬間、全員が一斉に構えた。そして、その爆発した扉の奥から、5人の男と1人の女が姿を現した。

 

 

「これはこれは聖王陛下。ご機嫌麗しゅう」

 

 

中央にいる男は、わざとらしく大降りに礼をした。

 

 

「・・・・・・よくも抜け抜けと私の前に姿を現せましたね。欲望王・アストラ」

 

 

「おやおや。なんのことで?」

 

 

「とぼけるな!!貴様が自らの欲望を満たすために、多くの民達を殺害したのは分かっているのだ!!」

 

 

オリヴィエの近くにいた精鋭の一人が、アストラに向けて声を荒げた。それに同調するようにオリヴィエはアストラをにらみつける目を再び強くする。オリヴィエは伝承にあるような温和な性格とは真反対に、アストラと呼ばれた男に対して、激しい怒りを向けていた。

 

 

「・・・・・・アストラ。もう体裁図るのは無理っぽいよ?」

 

 

「・・・らしいなぁ、カザリ」

 

 

今まで黙っていた灰色の髪をした青年『カザリ』がそういうと同時に、アストラは聖王に対して敬語を使うのをやめた。

 

 

「あぁそうさ。確かにおれは民共を殺した。だがそれがなんだ?おれが欲を満たしてはいけないのか?あ?」

 

 

「・・・・・・アストラ。あなたには失望しました。せめて反省の念を持っていれば、刑は軽くしてあげよう思っていましたが、あなたをここで倒さねば、未来に悪影響を与えます」

 

 

そういってオリヴィエはファイティングポーズで構え、精鋭たちも一斉に各々のデバイスを出現させる。

 

だが、構えたのはオリヴィエ達だけではなかった。カザリ達はそれぞれ、猫、鳥、サイ、シャチ、昆虫を模した怪人へと変貌し、アストラは楕円形の物体・・・オーズドライバーを腹部に装着させ、懐からタカ・トラ・バッタのコアメダルを取り出してスロットに装填し、バックルを傾けた。そして右側に着いていた円形状の物体・・・オースキャナーを持ち、コアメダルの上に滑らせていき、終わったのちにこう呟いた。

 

 

キキキィン!!

 

 

「変身」

 

 

『タカ!!トラ!!バッタ!!タ・ト・バ♪タトバタ・ト・バ♪』

 

 

すると彼のまわりを無数のメダル状のエネルギーが回転し、その中からタカ・トラ・バッタの順にメダルが選択され、スキャナーから若干くぐもった男の声で歌が流された。

 

 

「欲望の王・・・オーズ」

 

 

「みんな。おれは聖王を殺る。お前たちは好きなやつをやれ」

 

 

ドン!!

 

 

「!?くっ!!」

 

 

ガギィン!!

 

 

そう言って、アストラ・・・いやオーズはバッタレッグの力を用いて高く跳びあがり、トラクローを展開してリヴィエへと奇襲を仕掛けた。それにいち早く気がついたオリヴィエはバックステップで後ろに回避する。

 

 

「陛下!!」

 

 

「おっと。お前の相手は俺達だ」

 

 

精鋭の一人がオリヴィエの元へ向かおうとしたが、それを虫型の怪人・・・昆虫系のグリード『ウヴァ』が阻止する。

 

 

「チィ!!どけ貴様ら!!」

 

 

「それは出来ない相談ね。だって私達は王の命令で動いてるんですもの」

 

 

そう言ってシャチの頭をした怪人・・・水棲系のグリード『メズール』はおふざけ半分で対峙をしようとする。

 

 

「メズール。おふざけ半分でこいつらの相手をしないほうがいい。こいつらはそんじょそこらの奴とは違うからなぁ」

 

 

「わかってるわよアンク」

 

 

そういってメズールを咎めたグリードに、記憶を見ているものたちは驚いた。その注意した人物は、現実世界で対峙しているアンクに名前も姿もそっくりだったからだ。

 

 

「メズール~。俺、お腹空いた~」

 

 

「だったら、こいつらみ~んな、セルメダルに還元しちゃいましょう。だから頑張ってね?ガメル」

 

 

「うん!!俺、頑張る!!」

 

 

そういって敵に突撃していくのは、重量系のグリードである『ガメル』である。子供のような無邪気な性格と、よくメズールやアストラに甘えているのが特徴だ。

 

ガメルは精鋭に突進していく。精鋭は魔力弾を放ってそれを止めようとするが、ガメルはどこ吹く風で突進していき、そいつにアッパーを一撃食らわせた。その一発でその精鋭は隣の部屋の壁を突き破って別の部屋へと吹き飛ばされてしまった。

 

 

「あっ!?待てメダル~!!逃げるな~!!」

 

 

OOO本編を見ている方ご存知であろう。ガメルは巨漢な分、スピードはないが力が強い。だから、例えアッパー一発でも喰らうと、先ほどの精鋭のようになってしまうのである。例えるならば、一切武装していない人間がゴジラに登場したデストロイヤーという怪獣と素手で戦おうとするぐらいである。

 

まぁ、兎にも角にもガメルは自分で吹っ飛ばした精鋭を追って別の場所に行ってしまった。

 

 

「ちょっとガメル!!どこいくの!?・・・はぁ、まぁいいや。僕はこいつの相手をすることにしようっと」

 

 

カザリは一度はガメルを止めようとするも、その性格を思い出して止めた。そして、自分の目の前にいる敵に目を向けて爪を構える。

 

 

「ふん・・・。こい化物」

 

 

精鋭は自らの手の甲に着いている鉤爪を舌で舐め、再び構える。

 

 

「言われなくても!!」

 

 

ズドン!!

 

 

そういってカザリは精鋭へと突っ込んだ。

 

 

 

 

ガギィン!!

 

 

「はっはー!!どうした聖王!その程度かぁ!?」

 

 

「ぐぅう!!調子に乗るなぁ!!!」

 

 

バチィ!!

 

 

「ぬっ!?ヅァア!!」

 

 

ドガァ!!

 

 

一方、オーズとオリヴィエの死闘は、何とオーズが戦局を握っていた。オーズはコンボ以外の亜種形態を上手く使いこなし、少しずつオリヴィエを追い詰めていった。

 

しかし、たった今オリヴィエはトラ・クローを弾き、今まで当たらなかった拳がついにオーズの腹ににクリティカル・ヒットした。その瞬間、オリヴィエは流れを掴み、戦局は変わった。今度は終始、オリヴィエが圧倒し始めたのだ。

 

 

ドガッ

 

 

「ッアヅッ!?調子に乗るな小娘!!」

 

 

オリヴィエに吹き飛ばされて地面を転がるオーズ。オーズは立ち上がりながら、メダルを交換してスキャナーをベルトに走らせる。

 

 

キキキィン!!

 

 

『クワガタ!ゴリラ!チーター!』

 

 

するとオーズの体が、今までのタカ・トラ・バッタを模した物から、クワガタのような頭の角、ゴリラのような強靭で鋼の腕、チーターのように素早そうな足へと変わった。それに伴い、胸のオーラングサークルも、タトバからクワガタ・ゴリラ・チーターのものへと変わり、その姿を『オーズ・ガタゴリーター』へと姿を変えた。

 

 

「オラァ!!」

 

 

ヒュッ

 

 

「ふっ!!」

 

 

スカッ

 

 

オーズはゴリラアームでアッパーを繰り出すものの、オリヴィエはそれを紙一重で避け、一度距離をとる。

 

 

「下がったのが運の尽きだ!!喰らえ!!」

 

 

ドガガン!!

 

 

「なっ!?ウァアアアアアアアア!?!」

 

 

オーズは一瞬腕を引いて、すぐに突き出す。すると、腕の装甲がまるでロケットパンチのようにオリヴィエに向けて発射された。それを確認したオリヴィエだったが、回避行動中だったために咄嗟に腕を前に出して防御の体制にして、ロケットパンチのような物・・・『ゴリバゴーン』を受け止める。しかし、その衝撃を勢いを受け止めることは出来ず、壁に叩きつけられた。

 

 

「・・・ふぅ。どうだ聖王?これがてめぇが信条とする守る力とやらの限界だぁ。所詮欲望には勝てやしねぇんだよ」

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・。だ、黙りなさい!!」

 

 

オリヴィエはそういうも、左腕は変な方向に曲がり、過激な戦闘で足元はおぼつかない。

 

 

「やれやれ。その減らず口がどこまで叩けるか、見ものだな」

 

 

そういってオーズはゴリラのメダルを取替え、代わりにウナギのメダルをスキャナーに通す。

 

 

『クワガタ!ウナギ!チーター!!』

 

 

するとオーズの体がゴリラから鞭のような武器を腕に着けた姿『オーズ・ガタウーター』へ姿を変えた。

 

 

「さぁ、精々逃げ回れよ聖王さんよぉ!!!」

 

 

ビュン!!

 

 

「くっ!?」

 

 

バシィ!!

 

 

オーズは腕についているウナギウィップを器用に振るい、オリヴィエを追い詰めていく。対するオリヴィエは腕が折れてしまっているため、逃げ回ることが精一杯であった。

 

 

「さぁて、今度は避けられるかぁ?はっ!!」

 

 

ドバァアアアアアア!!

 

 

「うぁ!?み、水!?」

 

 

なんとオーズは手から水を放出し、オリヴィエの足元や周辺のみをぬらした。もちろん、オリヴィエにもかかったものの、多少しかかかっていなかった。

 

 

「・・・こんな水でどうしようと」

 

 

「確かにただの水だな。・・・が」

 

 

そこまでで口を止めると、オーズは頭のクワガタ・ヘッドに力をこめる。すると、角から緑色に光る雷が奔り始めた。

 

 

「純度100%じゃない・・・不純物の水に電気を流せばどうなるかなぁ?オラァ!!!」

 

 

バリバリバリバリ!!

 

 

「キャアァァアアアアアアァアアアアアアアアア!!?!!」

 

 

「かぁ~!!いい悲鳴だねぇ。酒のつまみには最高の肴だろうよ!」

 

 

そういってオーズは電撃を喰らって気絶しかけるオリヴィエに向かってウナギウィップを飛ばし、彼女を巻き上げて無理矢理立たせ、そこに今度はウナギウィップからの電流を流し込んだ。「

 

 

 

「アァアアアアア!?!!嫌ァアアアアアアアア!!!」

 

 

「アハハハハハ!!聖王ともあろうものがここで泣き言か?こいつは笑える冗談だぜ!!」

 

 

そういってオーズはさらに電流を強くしてオリヴィエをいたぶる。

 

 

「ギァアアアア・・・アアアア・・・アア・・・・・・ア・・・・・・・・・・・・・」

 

 

 

オロヴィエは電流を流されてしばらくの間は悲鳴を上げ続けたが、ついに気絶して首を枝垂れさせた。

 

 

「チッ。なんだよもう終いか」

 

 

ブンッ

 

 

 

ドサッ

 

 

詰まらなさそうにオーズは気絶したオリヴィエを捨てる。

 

 

「なんだ。そっちも終わってたのか」

 

 

「ん?なんだ、アンク。お前らの方は終わってたのか」

 

 

そういって血みどろのアンクが此方にやってきた。その手には多分《・・》精鋭だと思われる死体が引き摺られていた。何せ、血みどろ状態だから判別不能で、アンクがその場でセルメダルに換金してしまったため、不能というよりも不可能だった。

 

 

「・・・その様子じゃまだ終わってなかったみたいだな」

 

 

「いや、もう終わる」

 

 

そういってオーズは、先程のゴリラを含めた灰色系のメダルを3枚取り出し、ドライバーに読み込ませた。

 

 

『サイ!ゴリラ!ゾウ!!サゴーゾ・・・サゴーゾ!!!』

 

 

「ふん!」

 

 

オーズは余波を吹き飛ばすかのように腕を振る。その姿は、クワガタとは違う、サイのような角と、ゴリラに似た腕、そして像の顔があしらわれた足・・・、所謂重量系の動物達で揃えた姿だった。その名を『オーズ・サゴーゾコンボ』である。

 

オーズを見ていた方ならご存知かもしれないが、オーズには大きく分けて2種類の姿に分けることが出来る。

 

属性や種類に関係なくメダルを使う『亜種コンボ』。

 

そしてアンクのならアンクのもの、ウヴァのならウヴァの、といった風に特定(簡単に言えばグリードが持つ全3種)のメダルを使った形態の『コンボ』の二つである。

 

今回はパワーに優れるガメルのメダルを用いて組んだ、サゴーゾに変身した。

 

 

「さぁ聖王。この世とのお別れをしなぁ!!!!!!!」

 

 

そう叫んだと同時に、オーズはその拳を振り下ろす。

 

 

ガギンバギィ!!

 

 

「グォ!?」

 

 

しかし、その拳はオリヴィエの中《・》から出てきた何かによってはじかれ、逆にオーズは吹き飛ばされてしまう。そしてそれに従うかのようにオリヴィエは立ち上がり、そして何かは彼女の周りをクルクルと回る。

 

 

「アストラ!!何だ今の音!?」

 

 

その何かの音に気づいたのか、別の部屋からメズールやガメル達がやってきた。

 

 

「俺が知るわけねぇだろ!!とにかく奴を全力で潰すぞ!!」

 

 

キキキィン!!

 

 

『スキャニングチャージ!!』

 

 

オーズは若干うろたえながらも、すぐさまメダルを再度スキャンさせる。同時に、両足を揃えて空に跳び上がる。そしてそのまま地面に着地する。すると、彼女の周りを抉れた地面の破片やらなんやらが彼女の足を包み、そのままオーズの方へと引き寄せられていく。しかし、なぜかオリヴィエのは焦る様子が全くない。

 

 

「ハァァァァァ・・・・・」

 

 

オーズはそれを気にしながらも、腰を落として、両手を腰につけて深く構える。そして彼女が零距離まで来た瞬間、角と拳をオリヴィエの体に突き立てた。

 

 

「おら「はぁっ!!」ウグゥアアアアアアア!!?」

 

 

パキィイイイイイイン!!!

 

 

はずだった。彼女は当たる瞬間、紫《・》の波動と虹《・》の波動を発して、必殺技・・・『サゴーゾインパクト』を破壊し、さらには装填されていたコアメダルが全て排出されてしまったのだ。

 

 

「ゴハッ!!ど、どうなってる!?」

 

 

「俺が知るわけねぇだろ!!この!!」

 

 

ボゥ!!

 

 

「フン!!」

 

 

ズドォオオオン!!

 

 

「なっ・・・・・」

 

 

怒鳴り散らしながらもアンクは炎を噴射してけん制を図る。しかし、その炎はオリヴィエの手から発せられた冷気によってあっさりと相殺されてしまったのだ。今の炎は決して手を抜いたわけではない。完全態であるアンクの全力である。それがあっさりと相殺されてしまっては、彼も唖然とするしかなかった。

 

 

「お前!!アンク達困らせたな!!許さない!!!」

 

 

「ッ!?止せガメル!!お前が敵う相手じゃねぇ!!」

 

 

突っ込んでいくガメルをオーズはとめようとしたが、ガメルは聞かずにそのまま突っ込んでいく。

 

 

「お前!!メダルになっちゃえぇえええええ!!!!!」

 

 

「・・・・・・・・・ふっ!!」

 

 

ガメルは今出来る全速力でオリヴィエに向かって走り出す。それを見たオリヴィエは、何処からか紫色の斧を出現させ、そのまま腰を落として構えて、そして

 

 

「はぁっ!!!!」

 

 

「うぐぅっ!!?!!!」

 

 

そのままガメルの腹部のベルトをきりつける。それは、ベルト(この小説のグリードはみな、腹部のベルト状の物に自分の意識が宿ったコアメダルを嵌め込んでいる。無論、そこは透明で厚いバリア状の物に守られているため、スキャニングチャージのような攻撃でも壊れることはない)に嵌め込まれていたサイ・コアに亀裂を入れるには十分なちからだった。

 

 

「ガメルゥウウウウウウウ!!お前ぇえええええええええええ!!!」

 

 

「止せメズール!!」

 

 

それを見たメズールは激昂し、ウヴァのとめる声すらも無視して自らを流体化させ、オリヴィエに突っ込んでいく。しかし、メズールは即座に自らの判断が間違っていたことに気がついた。

 

笑っていたのだ。

 

先程までは劣勢を強いられていたオリヴィエが薄く笑ったのを見てしまったのだ。

 

そして、瞬時にその辺に落ちていたセルメダルを斧・・・『メダガブリュー』に咀嚼させ、再び斧の頭の位置を元に戻す。

 

 

『ゴックン!!セイオウ!!!』

 

 

「はぁ!!!!!!」

 

 

ジャギィン!!

 

 

「きゃぁあああああああああ!?!?」

 

 

すると、虹と紫のエネルギーがメダガブリューを包む。それをオリヴィエはメダガブリューを右手に持ちながらそれを下段に構え、身体を流体化して突っ込んでくるメズールに対し反対の手で冷気を放出して凍らせた。そして、先程のガメルと同じようにベルト部分を両断する。同時に、腹部のシャチ・コアが砕け散った。そして氷が砕けてグリードの体に戻ったメズールは吹き飛ばされてウヴァ達の下へと戻ってきた。同時に巻き添えを食らったガメルも吹き飛ばされてきた。

 

 

「メズール!!しっかりしろ」

 

 

「ウ・・・ヴァ・・・」

 

 

シュゥゥゥゥゥゥゥゥ

 

 

ウヴァはメズールを抱きかかえるものの、メズールはウヴァの名前をつぶやいただけでセルとコアへと分解されてしまった。

 

 

「アストラ・・・、アンク・・・。今までありがとう・・・」

 

 

「・・・・・・・・・アバよ」

 

 

「先行って待ってろ。ガメル」

 

 

「また・・・ね・・・・・・・・・・・」

 

 

シュゥウウウウウウウウウ

 

 

一方、ガメルはアストラとアンクが看取った。ガメルが消滅したのを看取ったアンクとオーズはゆっくりと立ち上がり、オーズは無言でメダルを・・・今度は緑系一色に纏めてベルトに装填して、一気にスキャンさせる。

 

 

『クワガタ!カマキリ!バッタ!!ガーッタガタガタキリ♪バッタガタキリバ♪』

 

 

すると、オーズの体が今度は緑系一色に変わり、その姿を『オーズ・ガタキリバコンボ』へと変化させた。

 

 

「・・・・・・アストラ。わかってるだろうな?コンボは」

 

 

「わかってる。だが、ここで手加減をしていつ本気を出すんだ?」

 

 

アンクがいつもにもまして真剣な口調でいってきたので、オーズは一応答えておく。

 

 

「だね。たまには策略なしの戦闘も面白いしね」

 

 

そういってカザリとウヴァも前に出る。

 

 

「おっし。行くぞお前ら!!!」

 

 

「「「あぁ!!!」」」

 

 

ババババババババ!!!

 

 

すると、一瞬でオーズの体が無数に分裂し、自身の分身であるブレンチシェイドを作り出し、いっせいにオリヴィエに襲い掛かる。

 

 

「くっ!?ハァアアアアアアアアアアア!!」

 

 

ゴォオオオオオオオ!!!

 

 

「「「「「「「「「ぐぁあああああああ!!?」」」」」」」」

 

 

オリヴィエは紫の波動を使うことによって、分身の約半分を倒した。しかし、それでもまだかなりの数が残っており、それを一体一体メダガブリューと自身の拳で倒していく。

 

 

「悪いけど、僕達もいるよ」

 

 

「忘れてもらっちゃぁこまるなぁ」

 

 

「まったくだ」

 

 

「「「はぁ!!!」」」

 

 

「くぅう!?」

 

 

しかし、戦っているのはオーズだけではない。アンク、カザリ、ウヴァもいるのである。三人は同時に炎と風と雷を放つ。すると、攻撃は雷を纏った炎の渦となりオリヴィエを飲み込もうとする。それをバリアを張って何とか耐えしのぐも、顔は苦痛に満ちている。

 

 

『スキャニングチャージ!!』

 

 

『『『『『『『スキャニングチャージ!!』』』』』』』

 

 

「「「「「「「「オォオオオオオオオオオオオ!!!」」」」」」」」

 

 

「っ!?しまった!?」

 

 

オーズ達は一瞬の隙を見て、一気に必殺技の体勢に入っていた。オーズ達はいっせいに跳び上がり、キックの体勢に入った。

 

 

「(あの技は体に負担がかかるものですが・・・、致し方なし!!)聖王・大風壁!!!」

 

 

聖王は突然、バリアの展開をやめ、自身を中心として急速回転をして竜巻を起こした。

 

 

ドガァアアアアアアアアアン!!

 

 

そして、そのままガタキリバの必殺技・・・『ガタキリバキック』と大風気壁が衝突した。そしてそれによって発生した土ぼこりがあたりを包んだ。

 

 

オオォオオオオオオオ・・・・・・

 

 

「はぁ・・・はぁ・・・はぁ・・・」

 

 

「う・・・ヅァ・・・!!」

 

 

「イ・・・ギァ・・・!!」

 

 

「うぐぅ・・・・・・・!!」

 

 

「う・・・ウギィ・・・・」

 

 

煙が晴れると、肩で息をしながらも立っている聖王と、変身が解けて倒れこんでしまっているアストラ、そして意識が宿ったコアを破壊されかけて、もだえ苦しんでいるアンク、ウヴァ、カザリだった。

 

 

「もう・・・諦めなさいアストラ。はぁ・・・貴方に勝ち目は・・・はぁ・・・ありません」

 

 

オリヴィエはそういいきって、足に力を入れ直してアストラ達を見る。

 

 

「ク・・・クカカ・・・。勝ち目が・・・無いだと・・・?おかしなことを言うなぁ・・・!!」

 

 

アストラはふらふらしながら立ち上がり、そして懐から赤のコアメダルを三枚取り出し、ベルトに装填する。

 

 

キキキィン!!

 

 

「へん・・・しん!!」

 

 

『タカ!クジャク!コンドル!タ~ジャ~ドル~♪』

 

 

するとアストラは紅く煌く炎を纏って、その姿を最強形態《・・・・》『オーズ・タジャドルコンボ』へと変えた。

 

 

「よ、止せアストラ。今そいつを使えば」

 

 

「うるせぇ。黙って寝てろアンク」

 

 

「・・・・・・・・・チッ。俺ら先《・》いって待ってるぜ」

 

 

アンクはその危険性を熟知してるのか、とめようとするが、アストラに一喝されて渋々下がった。そしてアンクは、カザリ、ウヴァとともに分解された。

 

 

「さぁいくぞ。こいつはFINAL RAUNDだ!!」

 

 

『スキャニングチャージ!!』

 

 

『ガブリ!ガブリ!ガブリ!ガブリ!ゴッッッッッックン!!』

 

 

オーズはベルトのメダルをスキャンさせて空中に舞い上がり、オリヴィエは手持ちのセルメダルを全てメダガブリューに装填し、飲み込ませる。そして、もち手の部分を変形させて銃のような構えを取り、銃身と思しき部分をオーズに向ける。

 

 

「オラァアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

『プ・ト・ティラ~ノ・ヒッサ~ツ♪』

 

 

「ハァアアアアアアアアアアアアアアア!!!」

 

 

そしてタジャドルの必殺技・・・『プロミネンス・ドロップ』とオリヴィエの必殺技・・・『ストレンジドゥーム』はいっせいに衝突して再び土ぼこりを激しく舞いあげる。そして

 

 

「・・・・・・へっ」

 

 

「・・・・・・・・ぐっ」

 

 

そこには倒れてひざを突くオリヴィエとふらつきながらも立っているオーズの姿があった。

 

 

「・・・・・・フフフ」

 

 

「何笑っていやがる・・・・・・?・・・・・・!?」

 

 

しかし、明らかにオリヴィエの様子がおかしい。それが嫌に気になり嫌悪を募らすオーズ。しかし、ふとベルトを見て驚愕した。何故なら、絶対に無くてはならないものが不足していたから。それは

 

 

「てめぇ!!タジャドルのコアメダルとスキャナーを奪いやがったな!?」

 

 

「いいえ。貴方から奪ったのはそれだけではありません。これらもです」

 

 

「ウヴァ達のメダルまで・・・・・・!!」

 

 

そう。それはシステムの根幹ともいうべきスキャナーとメダルの二つがなくなっていたのだ。そして彼女は懐からメズール達のコアメダル9枚を全て取り出したのだ。

 

そしてそれを空中に放り投げて、スキャナーを構える。それだけで、オーズは彼女が何をしようかわかってしまった。

 

 

「や、やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!!!」

 

 

キキキキキキキキキキキキキキキィン!!

 

 

『タカ!ライオン!クワガタ!シャチ!サイ!ゴリラ!クジャク!カマキリ!トラ!ウナギ!チーター!バッタ!タコ!ゾウ!コンドル!・・・・・・・・・・・・・』

 

 

グワァアアアアアアアアア!!!!

 

 

 

「アァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!?!????!!!!!」

 

 

 

そしてそれら無数のコアメダルの力を取り込み、オーズは石化・瓦解した。

 

 

その後、メダルとドライバーは戦争による混乱とゴタゴタで紛失。その真実を知るオリヴィエも大戦で死亡したため、真実は迷宮入りとなった。

 

 

~回想終了~

 

 

そして記憶を読み取った直後、部隊長命令によって解散となった。

 

しかし、そこにいた人物達は誰一人として気がついていなかった。

 

紅いコアメダル・・・『タカ・コア』は機械の間に入り込んで記憶を盗み見し、コッソリと立ち去ったということを・・・・・・・・・。

 

 

~NEXT PERGE~


 
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