No.388758

真・恋姫†夢想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ 第7席

霧龍さん

一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ 第7席 
 第7席 一刀、孫権と初陣に出るのこと。

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2012-03-08 20:23:23 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:4733   閲覧ユーザー数:4040

 

 

 

 

 

真・恋姫†無想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ

 第7席 一刀、孫権と初陣に出るのこと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

-蓮華side-

   

   

   目を開けるとここは酒を飲んでいた王の間ではなかった

蓮華 「ここは・・・・私の部屋?酒宴で酔ってからの記憶がないわね・・・」

   何故?と思いながら部屋を見渡すと隣では顔色の悪い思春が寝ていた

   あやふやな記憶だけど、私が飲ませたのだと思う

思春 「・・・・うぅ」

   呑ませすぎたようね・・・・

   二日酔いみたいだし

蓮華 「・・・ねぇ思春。昨日のことどこまで覚えているの?」

   頭を支えながら思春は私が酔ってみんなを酔いつぶしたことを説明してれた

   唯一一刀だけは酔いつぶれていなかったらしい

思春 「・・・・あと蓮華さまをここまでお連れしたのも奴です。私も奴の肩を借りました」

   私は一刀が送ってくれたと聞いて少し安心した

蓮華 「そう・・・すまなかったわね。二日酔いで辛いでしょうから今日は休んでなさい」

   実を言えば私も少し頭痛が残るのだけれど思春程ではないみたい

   私は一刀に詳しく話を聞くために部屋を出た

 

   自分の所為でみんなが酔いつぶれたと聞かされるとは知らずに

 

 

 

一刀 「――――ったけどな。あの酒の量は正直俺もやばかったぞ」

   記憶がないから唯一酔いつぶれなかった一刀に昨夜の私のことを教えてもらった

   まさかそれほど酷かったとは・・・

   姉様たちには迷惑をかけたわね

蓮華 「・・・・そう。本当にすまなかったわね」

   私は項垂れるように謝った

蓮華 「(お酒の力を借りるならもう少し・・・・・ブツブツ)」

   私は一刀に聞こえないように本音を呟いた

 

   実を言うとこの呟き、一刀の耳には届いていたようだ

   

 

 

 

 

 

-一刀side-

 

   『今回の戦は私の補佐に入ってもらう』

   昨夜、酔いつぶれた・・・いや。蓮華に酔いつぶされたというべきか

   冥琳を部屋に運んでいるときに聞いた言葉だ。

 

   俺は今、俺に与えられた部屋で天井を眺めるように寝台に寝転がっている

   時間的には日の出を迎える直前だろう。

   東の空が少し明るくなっている

 

   俺の予想――隠密として動くことはなくなった

   なくなったけど、俺の言葉一つで何人もの人が死んで行くのはやっぱり重たい

 

一刀 「この感覚を忘れるな。忘れればもはや人ではなくなる・・・・か」

   襄陽で翔蓮さんに言われた言葉を呟いた

   右手に残る微かな感触。人を射抜くための矢を放った時の感触が今でも残っている

   普段の鍛練の時ならこんな感触は残ってないはずなのに・・・

一刀 「・・・・・そこに居るのは誰だ?」

   窓の方に人の気配を感じる

   俺が聞いた時に現れたのはこいつ

???  「微かに気配を零しただけで気づくなんて♪流石ご主人ねぇ~」

   ・・・・筋肉ムキムキでピンクビキニ装備の達磨だった

???  「どぅあれぐぁ、筋骨隆々でどっからともなく現れて『補習~』と叫びそうな人外生物ですってぇ~?!」

   どこかのアニメで居たなそんなキャラ。

   目の前に居る人らしき筋肉の塊はなぜか俺を『主』と呼んでいた

   なぜだ?

???  「それより自己紹介の方がさきねん♪私は貂蝉。外史の管理者と呼ばれてるわ」

   人の心を勝手に読むなという突っ込みはしないほうがよさそうだ・・・俺の身の為に

一刀 「外史?なんだそれ。・・・・っていうかお前が三国一の美貌と謳われた貂蝉?!」

   駄目だ。歴史の欠片も残ってなさそうな世界に来ちまった気がする

貂蝉 「残ってなさそうじゃないのよ。大きな出来事以外は全く残ってないのねん」

   この後、俺はこの世界についての説明を受けた

 

   貂蝉曰く

   この世界は俺の知る歴史を正史とした場合、正史に似て非なるものですなはち並行世界。簡単に言えばパラレルワールド

   俺の知る三国志の出来事は実際に起こる。但し、時間的な誤差は生じる

   歴史が変わってしまっている以上、正史とは別に歴史ができてしまったということ

 

   そして一番の疑問。

   俺がこの世界に来た理由

   それは俺が『北郷一刀だから』らしい

   詳しくは禁則事項だとか

   

貂蝉 「理解してくれたかしらん?それでこれはお詫びみたいなもの。受け取ってねん」

   そう言って背後から取り出したもの

   それは―――――

一刀 「・・・・これをどこから?」

   ―――俺の鞄と愛弓だった

貂蝉 「あなたの居た世界からよん♪受けとってくれるかしら?」

   俺は無言で頷いて鞄と弓を受け取った

   鞄の中にはこの世界で役立ちそうな本が10冊ほど入ってる

   貂蝉が選んで入れてくれたんだと思う

貂蝉 「私はいつも此処に居るからいつでも相談に乗るわよん」

   そう言って貂蝉は一枚の紙切れを手渡し、窓に足を掛けた

一刀 「・・・・一つ頼みがある」

   帰ろうとしたところを少し引き留める

   元の世界から見れば俺は突然と姿を消したんだ

   音沙汰くらいはあってもいいだろう

貂蝉 「私にできることならいいわよん?」

   俺から言えばお前にしかできないだろう

一刀 「親たちに、俺は元気でやってるから気にするな。とでも伝えてくれ・・・それだけだ」

   貂蝉は親指を立てて変な音のなるウィンクと共に窓から飛び去った

 

 

   それからしばらくして申し訳なさそうな表情をした蓮華が訪ねてきた

蓮華 「夕べはごめんなさい・・・皆を部屋へ送ってくれたそうね。礼を言うわ」

   まぁ気を悪くするのもわかる

   俺以外の全員を酔いつぶした元凶なんだから

一刀 「・・・気にするなって。雪蓮を連れ帰る時に襲われそうになったけどな。あの酒の量は正直俺もやばかったぞ」

   あれが大酒豪の平均的な量なのかと疑うような量だった

   皆で飲んだ量。おそらく大樽を一樽

   ちなみに俺は小徳利3本できつかった

蓮華 「・・・・そう。本当にすまなかったわね」

   項垂れる蓮華もまた可愛げがあるな~と思う一瞬だった

   そのあとの呟きは聞こえなかったことにしたい

 

 

 

 

 

 

 

-雪蓮side-

 

   『では改めて名乗るわ・・・・我が名は孫権、字を仲謀、真名は蓮華という。これからもよろしく』

   妹がある男に真名を預けたときの言葉

   顔を赤く染めていたから惚れたんでしょうね

雪蓮 「あの蓮華が1日と掛からずに落ちるなんて・・・・」

   勿体なかったかしらと言葉が続く

   私はある程度孫家を再建できたら家督を譲るつもりでいた

   でも一刀を譲ったのは失敗だったかもしれない

冥琳 「天性のたらしなのか、あ奴本来の人柄なのか。誰にもわかるまい」

   扉が開くと同時に冥琳が話しかけてきた

雪蓮 「・・・動いて大丈夫なの?蓮華に潰されたのに」

   私も動くのが辛いのにと思いながら椅子に腰かける

   眠れなかったから一刀を襲いたかったけど体か思うように動かなかったし

冥琳 「大丈夫とは言い難いが動けないことはない。北郷はよく潰されなかったわね」

   そういえばそうね

   私たちを部屋まで連れて行けるほど余裕はあったみたいだし

雪蓮 「そうね・・・・でもまさか蓮華の酒癖があそこまで酷くなってるとは思わなかったわ」

   数年前までは精々宴会で脱ぎだす程度で人を潰したりはなかったもの

冥琳 「蓮華さまもお前と同じく虎の娘ということさ・・・・」

   どういう意味かしら

   私自身は酒で潰れても人を潰すことはないわ

   私は首を傾げた

冥琳 「お前は戦で血が滾るだろう?蓮華さまは酒と戦どちらでも滾るのよ」

   ・・・・なおさら性質が悪いわね

雪蓮 「それって堅物なのも一つの理由かしら?」

   自分を抑制しているなら酒で抑制できなくなることもよくあるみたいだし

   実際、あの娘は無理をしてるように見える

冥琳 「おそらくそれが一番大きな理由ね。我々にはどうしようもないことだけれど」

   勘が鋭いって時には嫌になるものね

   一刀なら何とかしてくれるって冥琳は言ってるけどできるのかしら

雪蓮 「なら一刀に任せてみましょ?」

   何とかして貰わなくちゃね

冥琳 「だな。私があとで北郷に頼んでおくとしよう」

   冥琳も賛成してくれたし今日は寝ましょう!

   二日酔いで辛いから

冥琳 「今日は寝るなんて言わせないからな?」

   ・・・・何で読まれるのよ。

   とにかく少しくらいなら休めるわよね

 

   冥琳は『少しだけならな』いって部屋を出ていった

 

 

 

 

 

-一刀side-

 

   黄巾党討伐の準備が整った日の朝。

   俺は貂蝉から受け取った愛弓を手に鍛練をしていた

一刀 「・・・・初陣。か」

   自分の考え一つで何人もの人が死ぬ

   その決心ができない彼を遠くから見つめる影が一つあった

   彼に気づかれないように気配を殺して監視している

   彼に近づくもう一つの影

   それは――

   「・・・それが貴方の弓?随分歪な形だけれど」

   ―――剣を手にした蓮華だった

一刀 「ん?・・・・・あぁ。俺が居た世界で使っていた俺の弓だ。蓮華も鍛練か?」

   俺は声を聞いて安心した

   まぁもう一人居るんだけど

蓮華 「えぇ。今日発つみたいから最後にね」

   剣に視線を移す蓮華

   俺はもう一人の居場所を見つめていた

一刀 「そこに居るんだろ?・・・・・・甘寧」

   そう。もう一人とは甘寧だ

   なぜ真名を呼ばないか?

   酔っていた奴がまともに記憶しているかどうかがあやふやだからだ

   素で真名を預かるまで俺は呼ばないことにしている

甘寧 「・・・・・真名は既に預けた筈だが?」

   ちゃんと記憶にはあったみたいだ

   なら躊躇う必要はないな

一刀 「酔っ払った奴はちゃんと覚えてないことが多いからね。一応確認したかったんだ」

   そうか。と思春は言っているが納得がいかないご様子

蓮華 「・・・・あの一刀?一つお願いがあるのだけど」

   弓を分解(バラ)そうとした時、蓮華が仕合を申しこんで来た

   規定は昨日と同じで構わないと

一刀 「・・・理由は教えてもらえるのか?」

   せめて理由くらいは知っておきたい

蓮華 「・・・・実は私も初陣なの。自分の武がどれ程なのか知りたくて」

   そういうことか

   ちょうど俺も同じことを考えていた

一刀 「わかった。思春立会を頼む」

   思春は頷き少し下がった

蓮華 「私の持てる力の全てを賭ける。合図はいつでも構わない」

   蓮華には俺の基本戦術は知られている

   でも俺の武の真髄は見せていない

   近接なら5分5分といったところか

一刀 「・・・俺も手加減するつもりは毛頭ない。合図を頼む」

   俺は矢を数本持って構える

   番えることはしない

   矢だけでも十分に武器だからだ

思春 「制限時間四半刻だ。では・・・・・・はじめ!!」

   俺は身構える蓮華との間合いを詰めた

 

 

 

 

 

 

-思春side-

 

 

   『制限時間四半刻だ。では・・・・・・はじめ!!』

   蓮華さまと北郷の仕合が始まった

蓮華 「孫仲謀。参る!」

   私の知る奴の戦い方は信じられない速さで番えられる矢とそれを知らない者に対する挑発行為だった

   だが今は違う。その戦い方を相手に知られているから身構えられる

 

一刀 「・・・・・はぁっ!」

 

   今度はそれを逆手にとっている

   蓮華さまは奴の間合いに入りきる前に弓の両端の刃で防がれ退かされている

 

蓮華 「くっ・・・・はっ!」

 

   だが奴は自分の獲物が最大限の威力を発揮する位置に蓮華さまを立たせている

   完全に主導権を持っているのだ

 

   (ギン!ガッ!)

一刀 「・・・・・足が隙だらけだぞ!ほっ」

 

   今度は矢を番え距離をとった

   足を狙い相手の動きを止めている

   複雑な戦術に蓮華さまは息が上がっている

 

蓮華 「はぁ・・・はぁ・・・・でぁああっ!」

   我武者羅に突っ込んでは負けを認めているようなものだ

一刀 「てぇい!・・・・・・・お疲れ様」

   北郷は最後い足技で地面に倒し、己が獲物で負けを言い渡していた

思春 「・・・そこまで!!」

 

 

一刀 「立てるか?」

   北郷は蓮華さまに手を伸ばしていた

蓮華 「ありがとう・・・・やっぱり勝てなかったわね」

   蓮華さまはその手を掴み立ち上がる

   武の実力で言えば蓮華さまの方が上だろう

   だが北郷は武だけでなく智で足りない武を補っていた

   だからこそ勝てたのだろう

思春 「蓮華さま。それは違うと思います」

   今回は北郷に代わって私が否定させて貰おう

   詳しい話をしてもらわねばならんだろうが

蓮華 「どこが違うというの?今見た通り、一刀の方が実力が上だったじゃない」

   やはりわかっておられない

   北郷に目で合図する

一刀 「・・・・・確かに俺は勝った。でも武だけで見れば蓮華の方が上なんだ」

   冥琳さまが奴を軍師にしたがる理由がわかった気がする

蓮華 「武だけ?・・・・・私には智がないとでもいうの?」

   考え方が明後日の方向にいってるような気が・・・

   偶にこういう考えが起きるのは雪蓮さまや翔蓮さま譲りなのかも

一刀 「無いわけじゃない、ただ使い方の問題だよ。いかに体力を温存して戦うかとか、相手を誘い込むかとか」

   私もそれを見習わなければならんな

   今回の戦は軍師と聞いている。活躍が楽しみだ

蓮華 「・・・そういったことは考えたことがなかったわね。姉様は考えているのかしら」

   ・・・・あの方の戦い方は誰にも真似できないと思います。蓮華さま」

一刀 「無理だな。全部―――――」

思春 「ありえませんね。おそらく―――」

 

   「――勘だろうから(でしょうから)」

   

   北郷と同時に同じ言葉を発していた

蓮華 「私の中にある姉様の像が音を立てて崩れていくわ・・・」

   その気持ち、よくわかります

 

   そのあと私たちは出立前の最後の軍議に向かった

 

 

 

 

あとがき

 

 

霧龍「第7席いかがだったでしょうか?」

霧龍「更新したくても卒業式とかがあってなかなか書けませんでした」

霧龍「程普に依頼した一刀の獲物、次回で登場できると思います」

霧龍「今回のゲストは・・・・・誰にしましょう」

翔蓮「今になって選ばない!!」

霧龍「・・・・(一番いやなのがキタ~!)」

翔蓮「第1席の時みたいに三途の川を見たい?」

霧龍「結構です!!さて、最近出番が少ないですけどどうしたいですか?」

翔蓮「次回あたりで出さなかったら、私たちでこのSS乗っ取るから安心しなさい♪」

霧龍「忘れないようにしなきゃ・・・・」

翔蓮「さて与太話であとがきもそろそろ〆ね」

霧龍「ですね、次回予告です!」

 

 

霧龍「次回、『真・恋姫†無想 呉√外史 一輪の蓮は天より来りし刀と翔ぶ』第8席 お楽しみに~」

 

 

 

 

 

 

翔蓮「次回で本当に乗っ取ろうかしら」


 
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