No.350126

真・小姫†無双 #42

一郎太さん

クライマックスだぜ!
どぞ。

2011-12-20 21:36:55 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:6408   閲覧ユーザー数:4688

 

 

 

【CAUTION!】

 

 

この作品を読むかどうかは自己責任です。

 

気分を害しようと、それは自己責任です。

 

お金がないのも自己責任です。

 

彼女がいないのも自己責任です。

 

それでもいいという方は、

 

『( ^ω^)』

 

ムカつく顔でコメントしてください。

 

ただし色々と否定的な※はなし。

 

作者の心が痛むから。

 

ではまた後書きにて。

 

 

 

 

 

 

 

#42

 

 

「すっきり……」

 

やけにテカテカしてる恋が呟く。

 

「………………げっそり」

 

いやにカサカサな俺が呟く。

 

「まさか恋たんに喰われてしまうとは思わなかった…」

「おにぃが…かまってくれないから………」

 

先の李典に仕掛けた秘儀に、恋は嫉妬してしまったらしい。どうやって覚えたのか分からない―――後で聞いたら、霞たちとの情事を覗いていたとか―――性技で俺はあっという間に臨戦態勢になり、人気のない裏路地で、そのまま青く姦しい体験に突入してしまった。

 

「でも―――」

 

立ち上がってストレッチをしている俺に、恋が呟いた。

 

「とりあえず…今回の掴みはバッチリ………」

「さいでっか……」

 

1ページ目にして、恋は絶好調だった。

 

 

 

 

 

 

「さて、気を取り直して」

「…もう1発?」

「無理」

「…………しょぼんぬ」

 

どこで覚えた、そんな俗語。

 

「まぁいい。残すところ、敵将は4人だ。うち楽進は俺の偽情報に踊らされて街を徘徊するだろうから、無視してしまおう」

「ん…」

「という訳で、俺達は城に向かう」

「……らじゃ」

 

ナイス・敬礼。

 

   *

 

少し時間を進めよう。

俺と恋は、街の中央にある城にやって来た。とはいえ、まだ城門がある側の角から門の方を覗き見ている段階だ。

 

「何人いる?」

 

俺よりも目のいい恋に門番の数をカウントさせる。恋が目を細めれば、頭頂部の触角がピコピコと揺れる。視覚じゃなくて触覚で感知してるとか言わないよな。

 

「………2人、見える」

「門の内側にある詰所にもいるだろうから、3人ないし4人か」

「無理矢理、通る…?」

 

まさか。いくら俺と恋がいるからって、そのようなメンドクサ……ゲフン、無謀な事はしない。

 

「ひとつ例え話をしようか」

「?」

「恋の幼稚園が開いている時、たまに柵の外から覗いている変な奴がいるだろ?」

「おにぃの事?」

「俺なら堂々と入る。話を戻すぞ?恋はそいつを怪しい奴だと思うよな?」

「………ん」

 

俺の問いに、いくらか間があり、恋は頷いた。

 

「なんで怪しいと思う?」

「……動きが、変」

「だろ?コソコソしたりチラチラ見たりするもんな。だから、恋はそいつを怪しいと思うんだ」

「………ん」

「要するに、堂々としてれば不審者と思われないわけだ」

「………………………………納得」

 

恋はポンと手を打った。

 

「という訳で、俺達も堂々と城に入ろう。そうすれば捕まる事もないさ。

「わかった…」

 

さて、双頭(ついん)螺旋(どりる)に会いに行くか。

 

 

 

 

 

 

「………………おにぃ、嘘吐き」

 

恋たんの責めるようなジト目が心に突き刺さる。

 

「いや、まさか問答無用に捕まるとは思わないだろ」

 

俺の言い訳も聞いてくれない。仕方がないと、俺は言葉をかける相手を変更する。

 

「で、なんで俺達捕まったんだ?」

 

目の前で、片腰に手を当てて俺達を見下ろす曹操に。

 

「分からないとは言わせないわよ」

「わかんにゃい」

「………死にたいの?」

 

気付けば、首元に巨大な鎌。おぉ、怖い怖い。

 

「でも、なんで?」

「決まってるじゃない。貴方が真桜を勝手に連れてった所為で、我々の兵器開発が1年も遅れたのよ?」

「だって曹操が言ったんじゃん。俺の手伝いが終わるまでは他の仕事はしなくてもいい、って」

「だからって1年も拉致っ放しにする、普通!?」

「醤油の製造には年単位で時間がかかるんだよ。それに俺だって初めて作ったんだから、何が新しく必要になるか分からなかったんだ」

 

それに、なかなか上手く出来ていただろ?

 

「それはそうだけど………って、そうじゃないわよ!」

「うおっと?」

 

短気な奴だ。振り抜かれる鎌を、俺は後ろ手に縛られたまま後転し、回避した。

 

 

 

 

 

 

俺が立ち上がるに合わせて恋も立ち上がり、軽く跳び上がると両足の下を通して縛られた腕を前にまわし、動きやすくなる。

 

「華琳様、お下がりくださいっ」

 

それを見た夏候惇は大剣を抜いて俺と曹操の間に立ち塞がり、その斜め後方には夏侯淵が無言で弓を構えていた。

 

「おいおい、曹操の部下ってのは縛られている人間を武器で攻撃するのか?」

 

視線は夏候惇に向けながらも、俺は曹操に話しかける。

 

「何を言っているのかしら。私はただ賊を討伐しようとしているだけよ」

「よく言うぜ」

「間違ってはいないでしょう?一時は真桜を強奪していったんだから」

 

確かにな。でもお前は肝心な事を忘れている。

 

「あら、私が何を忘れているというのかしら?」

 

なに、簡単な事さ。だが答え合わせは後にしよう。

 

「おい、夏候惇。お前如きの武で俺に勝てると思っているのか?」

「なんだとっ!?」

 

俺の言葉に激昂するが早いか、夏候惇はそのまま横薙ぎに剣を振るう。

 

「ありがとよっ!」

 

夏候惇の動きに合わせて身体を回転させて背を向け、手首を縛る縄に切っ先をかすらせた。

 

「なっ!?」

 

パラリと千切れた縄は地面に落ちる。

 

「下がれ、姉者っ!」

 

声に合わせて夏候惇が飛び退ると同時に、矢が飛来する。だが甘い。自由になった右手で矢を掴み、

 

「恋!」

「ん…」

 

そのまま恋に向けて矢を投げる。

 

「………さて、これで形勢逆転だ」

 

曹操たちの前に、五体自由となった俺と恋が立っていた。

 

 

 

 

 

 

「確かに…忘れていたわね………」

 

言葉とは裏腹に、依然として強気な表情で曹操は口を開く。

 

「何を忘れていたって?」

「反董卓連合の時に、貴方が呂布を抑えたという事実よ」

 

事もなげに彼女は言う。何言ってんだか。お前が忘れているのはそんなどうでもいい事じゃねぇよ。

 

「あら、貴方は大陸一の武を誇っている事を、どうでもいいと言うのかしら?」

「俺にとってはね」

「なら、今度こそ聞かせてちょうだい?私が何を忘れているのかを」

 

まだ気づかないか。仕方がない、答え合わせだ。

 

「簡単な事さ――――――」

 

だが、俺が答えを言おうとしたその時、複数の足音が聞こえてきた。

 

「華琳様っ、ご無事ですか!?」

「あちゃー、やっぱり北郷の兄さんやん」

「あの女の子もいるのー…」

 

最初に討伐した三軍師を連れた、楽進達警備隊長だ。彼女たちは最初に俺と恋を見て、次いで得物を構える夏候姉妹を確認し、一瞬で俺達2人を包囲する。

 

「形勢は逆転したみたいよ、北郷?」

 

そして、曹操もまた不敵な笑みを見せる。

 

「言っただろう?お前は肝心な事を忘れてるって」

 

ひとつ溜息を吐き、俺は告げた。

 

「――――――この物語は、基本的にギャグなんだよ」

 

俺と恋は、再度捕らえられるのだった。

 

 

 

 

 

 

おまけ

 

「――――――他に意見のある者はいるか?……よし。ではこの計画通りに事を進めるぞ」

 

とある街のとある城、とある一室で眼鏡を掛けた理知的な女性が会議を締めくくる。

 

「そうね。じゃぁ分担を確認するわよ」

 

それに続いて、同様に眼鏡を掛けた、こちらは幼女が補足を開始する。

 

「初日は諸葛姉妹、二日目は月と雛里、三日目は穏。会場の警備については蓮華と思春。全体の統括としてボクと冥琳、空様には古来よりの儀を復活させる為に必要なものを調べて貰うわ」

 

眼鏡幼女・詠の言葉に、皆は揃って頷く。

 

「皆もいいみたいだな。儀の成否は我々の働きにかかっている。決して気を抜くな」

『応っ』

 

冥琳の言葉に、皆は威勢のよい返事を返した。

 

彼らは動き出す。古よりの儀―――()()()を復活させる為に。

 

 

 

 

 

 

おまけのおまけ

 

「あぁ、いましたいました。鈴々ちゃーん」

「にゃ?亞莎なのだ!どうかしたの?」

 

南陽。城の中庭で昼寝をしていた鈴々を見つけた亞莎は、廊下から声をかけ、反応を示した少女に近づく。

 

「ちょっとおつかいに行ってきて欲しいんだけど、大丈夫?」

「大丈夫なのだ!何を買ってくればいい?」

「いや、買い物じゃなくて届け物ね」

 

そう告げると、亞莎は鈴々に一つの包みを手渡した。

 

「?」

「雪蓮様から竹簡が届いたんだけど、服が燃えちゃったから、着替えを持ってきて欲しいんだって。それで、季衣ちゃんと流琉ちゃんと一緒に益州に向かって欲しいの。頼めるかな?」

「えー、春巻き頭と?いやなのだ!」

 

相方を指名され、鈴々は不機嫌のようだ。だが亞莎とて、軍師がすべていなくなった南陽の街を、七乃と共に治めていただけはある。彼女はにこやかな顔でこう告げた。

 

「そっか。じゃぁ、季衣ちゃん達に行ってもらうね」

「それがいいのだ!」

「うん、わかった。じゃぁ一刀様には、季衣ちゃんと流琉ちゃんはお手伝いしてくれたけど、鈴々ちゃんはしてくれなかった、って伝えるよ?」

「にゃっ!?ダメなのだ!そんな事言ったらダメなのだぁっ!」

 

愛する兄の残念そうな顔を想像してしまった鈴々は、泣きそうな顔で、亞莎の長い袖にしがみつく。

 

「えー?でも鈴々ちゃんはおつかいに行ってくれないんだよね?」

「行くのだ!鈴々が春巻きと一緒に行ってくるのだ!」

「ホント?だったらお願い。道とかは兵隊さんに伝えてあるから」

「わかったのだ!!」

 

言うが早いか、鈴々は亞莎の手から包みを受け取り、街の門へと向かうのだった。

 

 

 

 

 

 

おまけのおまけのおまけ

 

道中・とある街のとある宿。

 

「おなかいっぱいだねー」

「季衣は食べ過ぎだよ」

 

食事を終えた三人の幼女は、その日の宿に戻っていた。

 

「馬もあるし、この調子だとあと5日ぐらいで着くと思うよ」

 

地図を広げながら、流琉が概算する。明日はどう進もうか。そんな事を考えていた流琉は、ふと、部屋の隅でじっとしている鈴々に気がついた。

 

「なにしてるの、鈴々?」

「んー?雪蓮の着替えを見てたのだ」

「勝手に見たら怒られるよ?」

「ちょっとくらいバレないのだ!………おー、やっぱりおっぱいのところは凄く大きいのだ!」

 

両手で服を持った鈴々は、雪蓮の服の胸元を確認し、感心したように驚きの声を上げる。

 

「ホントだ!祭さんも大きいし、南の人ってバインバインなのかなー」

「ちょっと、季衣!」

 

季衣もそれに参加し、流琉はそれを止めようとする。

 

「ちょっと着てみるのだ!………にゃはは、やっぱぶかぶかなのだ」

 

苦笑する鈴々は、雪蓮の服に身を包まれている。だが、どう贔屓目に見ようとも、サイズが合っていない。袖は余り、裾は床に引き摺られている。

 

「鈴々も早く巨乳になりたいのだ!そんで、雪蓮みたいな服を着るのだ!」

「僕も着てみたい!鈴々、僕にも着せてよ!」

 

なにか触発されたのか、季衣は鈴々に代わるようにせがむ。

 

「もうちょっと待つのだ!どうにかして大きさを鈴々に………」

「いいじゃん!早く脱ぎなよー!」

「待つって言ってるのだ!そんなに引っ張ったら――――――」

 

びりっ

 

「「「………………え?」」」

 

いやな音が聞こえた。

 

「り…鈴々がいけないんだぞ!早く脱がないから!」

「季衣が引っ張ったのがいけないのだ!」

「なにおー!」

「やるかー!」

「ちょっと、2人共!今ケンカしたら――――――」

 

びりびりびりびびびびび………―――。

 

「「「………………………」」」

 

雪蓮の受難は続く。

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

という訳で、#42でした。

 

最近幼女たちが空気だったので出して見たら、おまけが本編になっていたという。

え、美羽様?美羽様は蜂蜜採取に忙しいから出演してる暇がないんですよ。

 

ではまた次回。

 

バイバイ。

 

 

 


 
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