No.341626

サテライトウィッチーズ エピローグ

三振王さん

エピローグになります。

2011-11-30 21:12:35 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2491   閲覧ユーザー数:2437

ガリアでのネウロイとの戦いが終わった後、第501戦闘航空団は解散となった。

ミーナ、バルクホルン、エーリカの三人は祖国カールスラントの防衛戦線に復帰。

エイラとサーニャは東部戦線へ。

シャーリーとルッキーニはアフリカ戦線。

ペリーヌとリーネは荒廃したガリアの復興に努め。

美緒は扶桑に戻り教官となって新人をしごいた。

そしてガロード達フリーデンの面々は……。

 

 

 

 エピローグ「ブックマークアヘッド」

 

 

 

戦いから一カ月後、扶桑の芳佳の実家である診療所にティファはテクスの付き添いで今日も検査を受けにやって来ていた。

 

「先生、こんにちは」

「おお、よく来たねえティファちゃん、それにテクス先生も……」

「芳佳~! ティファちゃん達が来たわよ~!」

「はーい! こんにちはティファちゃん! テクス先生も!」

 

芳佳は母親に呼ばれて診療所の奥から出てくる、親友である山川美千子と共に。

 

「芳佳、美千子……こんにちは」

「ワンワン!」

 

すると兼定も現れ、ティファの周りをぐるぐると駆けまわった。

 

「ふふふ……兼定もこんにちは」

「ティファちゃん、最近具合はどう……?」

 

美千子は一週間に一度この診療所に来るティファの体の心配をする。それに対しティファは笑顔で答えた。

 

「ええ、芳佳のお母さんとおばあさん、それに扶桑の人達が頑張ってくれたおかげで元気よ」

「でもウィッチとしての力は残るんだよね……」

「うん、坂本少佐の話じゃ私の中にネウロイのコアとは別の、魔力の塊みたいなものが埋め込まれているらしいの、それを取り出さないかぎり私は……」

「とにかく今日も診てもらおう、テクス先生も……おいしいお茶を用意してありますよ」

「ありがとう芳佳、いただくとしよう」

 

 

 

その頃、扶桑の横須賀基地では、停泊しているフリーデンにいくつもの資材が積み込まれていた。

 

「オーライオーライ! よし……これで物資の搬入は終わりか」

 

作業員に指示を出し終えて一息つくキッド、するとそこにパーラがやってくる。

 

「私達がここに来てもう一カ月かー、早いもんだな」

「ああ、赤城を失った戦力を補う為に俺達は扶桑軍の預かりになったんだもんな、まあ食いもんは旨いし軍の人達も俺達が元の世界に帰る方法を探してくれているし悪かあねえな、ジャミルもよく決断してくれたぜ、ウィッツなんて今後の勉強の為にって扶桑の農家で働いているしよ」

 

そう言ってキッドは徐に設計図を描きだす。

 

「ん? 何描いてんだ?」

「いやさ、軍の人達にウィッチ達の新しい武器を考えてくれないかって依頼されてよー、メカマンの血が騒いでつい引き受けちまった」

「おまえ……ストライカーを滅茶苦茶に改造すんじゃねえぞ?」

 

しかしそのパーラの言葉はキッドの耳に届いていなかった。

 

「ふふん、ここをああして……しかしおもしれえなウィッチの武装は……今度DXに取り付けてみっか」

 

 

 

同じころ、カールスラントの某所にあるアパート……その一室である青年が一枚の新聞の記事を見ていた。

 

「“マロニー中将、ウォーロックの事件の責任をとって更迭”か……やはり彼があれを扱うのは少々荷が重かったか、仕方ない……」

 

そう言って青年は隣にあったベッドを見る、そこには青年と顔立が似ている男が眠っていた。

 

「兄さん……待っていてね、もうすぐ目を覚まさせてあげるから……!」

 

そう言って青年……オルバ・フロストは、目を覚まさない兄を見ながら新聞を握りしめた。

 

 

 

 

 

~???~

 

ある世界のとある庭園らしき場所、そこであの老人は杖をついた険しい表情の老人とコーヒーを飲みながら談笑をしていた。

 

「そうか、アレを届けてくれたのか……」

「ええ創造主様、彼らも大層喜んでおられました」

「ガロード・ランがあの世界に来た以上、彼にあの力は必要だ……君達のもな」

「ほっほっほ、ワシはこういう体です故……黒坊主達みたいに主にべったりという訳にはいかんですよ」

「とにかく引き続きガロード・ランへのサポートを頼む、彼らの苦難はまだ始まったばかりだからな」

「心得ております創造主……来るべき宇宙の運命の日の為に」

 

 

 

 

その頃、横須賀基地近海では、ガロードがDXでのパトロールから基地に帰ろうとしていた。

 

「おっし、今日はそろそろ帰るか、ティファの検診も終わった頃だろうし……ん?」

 

ふと、ガロードはモニターに自分の元に向かってくるウィッチの姿を確認する、それは……。

 

「芳佳? どうしたんだお前?」

 

ストライカーを履いて飛んできた芳佳だった。

 

『うん、ガロード君を迎えに来たんだ、みっちゃんのおじいちゃんがスイカ持ってきてくれて、ティファちゃん達と一緒に食べようと思って……』

「マジ!? ひゃっほーい! ならとっとと帰ろうぜ!」

『うん!』

 

そう言って芳佳はDXと並ぶように飛ぶ。

 

『ガロード君、あの……』

「ん? どうした芳佳?」

 

芳佳は何かを伝えようとガロードに話しかけるが、そのまま口ごもってしまった。

 

『……ううん、なんでもない』

「……? そっか」

 

 

 

芳佳はどこか切なそうにDXに乗るガロードを見る。

 

(ガロード君……やっぱり今もティファちゃんの事が大好きなんだよね、私の想いを伝えても、きっと……)

 

 

そして一機と一人は自分達の帰る場所に帰って行く、つかの間である平穏を大切な人達と過ごす為に……。

 

 

 

 

 

サテライトウィッチーズ 完

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

サテライトウィッチーズ2に続く

 

 

 

 

これにてサテライトウィッチーズ第一部は終了です、後は外伝二本投稿する予定です。


 
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