No.339229

真・恋姫†無双~とある外史の妖術使い(元:童貞伝)~6

ですてにさん

童貞伝でなくなるので、強制改題されたようです。

一刀め、もげろ

2011-11-25 14:03:35 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:8230   閲覧ユーザー数:5649

とある酒家の一室(但し、病んだ覇王の絶対結界付き)───。

 

「というわけで、一刀。私を抱きなさい」

 

「何が『というわけで』なんだよ! 無理やりここまで華琳が俺達を強制連行して、説明も何もないじゃないか!

おまけに俺達の旅銭を勝手に使ってさぁ…」

 

ちなみにスリープとかバインドとかかけまくったけど、当然のように無効化されましたよ。覚醒した覇王様怖い。

 

「ナニカ文句ガアッテ」

 

「ございません」

 

土下座までの姿勢0.5秒。命はプライスレス。

風も即座に同じ姿勢を取る辺り、良く判っていらっしゃります。

だから、その空気が澱む黒い覇気を静めて下さいませ。

 

「うう、もう自由に空は飛べないんだなぁ…」

 

「お空の散歩が出来ないのはとても寂しいのです」

 

あれ? 華琳さん、なぜきょとんとした顔をしてらっしゃるのですか。

 

「一つ聞くけれど。まさか、一刀が風を『まだ』抱いていないのも、私から全力で逃げていたのも、

空が飛べなくなるのが嫌だから、だったということ?」

 

「「もちろんだよ(です~)」」

 

「膨大な魔力を失うのが怖いからとか、そういうことではないの?」

 

「正直どうでもいい。空が飛べて、食物創造できれば生きていける。ただ、華琳は太守だし…」

 

「覇業は捨てられないでしょうから、私たちみたいな呑気に旅を楽しむというわけにもいきませんし…」

 

「魔力あるって言ったって、空が飛べて日銭稼げたら十分だしなぁ…」

 

「だから、華琳さまを影からこっそり援助しながら、お兄さんが種馬に戻っても魔法を失わずに済む方法が無いか、

各地の著名人の元を回って、情報収集しようと思っていたのです…」

 

・・・・・・。

 

土下座したままの体勢で、部屋に沈黙が落ちる。

★と雛里はまだ気を失ったままだし。

 

「私がこの力に目覚めた怒りは何だったのよっ!」

 

突風が吹いた。叫ぶだけで風がうなる華琳さまコワイコワイコワイ…。

 

「私の元に来れば、童貞を失い、空が飛べなくなるのが嫌。それだけのことで全力で逃避行!?

私を嫌悪したとか、戦乱に嫌気がさしたとか、そんな重たい理由も一切無いと!」

 

「ハ、ハイ…だって、華琳は俺をこの世界で生きる意味を与えてくれた恩人なわけだし…」

 

怖いけど、こういうことはハッキリ伝えておかないと死ぬに死に切れない。

 

「そうでなければ、連弩とかも渡そうと思わないですよ~。華琳さまが三国を統べることに、お兄さんも私も大賛成なのですから」

 

華琳は細かく身を振るわせ、両手もわなわなと震えて、ああ、断罪の一撃が振るわれるんだなぁ…と思う。

 

「一刀っ! 風!」

 

「「ひっ!」」

 

「脱ぎなさい!」

 

「「へっ?」」

 

 

細かい記憶が所々飛んでいるが、とりあえずハッキリと意識が戻ってみれば。

寝台は血に染まっているし、華琳と風と星の下腹部に呪術の印のようなものが刻まれていた。

 

んで、俺の魔力自体も失われてはいない。

ただ、発動できる術にある程度制限がかかったのが判る。逆に威力や効果が向上したものすらある。

 

「本当だったんだ…」

 

「それはそうでしょ。太平妖術の書を元にしたんだから。ちなみに、もう焼き捨てておいたから、安心して頂戴」

 

「起きたのか、華琳。あの術式は余計に体力を消費するんだろ?」

 

「大丈夫、心配はいらないわ。さて、これで私たちは、桃香たちの誓いを真似て言うなら…、

『我ら同年、同月、同日に生まれることを得ずとも、同年、同月、同日に死せん事を誓約する』ということね。

ある種の呪いと言ってもいいけど」

 

「とにかくあの術式を唱えてから、一人ずつ抱けというのには混乱したけど、起きてみれば本当に魔力が残ってるよ…」

 

「おまけに死ぬ時は文字通り一緒よ。一刀が重たい病や大怪我、果ては寿命が来れば、私たちは同時に死ぬ。

逆に言えば、それまでは私や風たちは死ねない身体になったわけね」

 

「隷呪というか絶対契約というか…なんつー恐ろしいものを…」

 

「私たちがそれでいいと言ったのだからいいの。それに一刀を失ってまで、私や風が生きていたいと思う?」

 

真っすぐにそんな想いをぶつけられて、俺は顔が真っ赤になるのを感じながら、うまく言葉にならない。

照れやら喜びやら責任やら、いろんなもんがぐちゃぐちゃになって、ただ、俺は華琳の頭を撫でて、一言だけ何とか口にする。

 

「…ありがとう」

 

華琳から聞いた話をまとめていくと。

 

○普通に童貞喪失すれば、魔法使いでは当然無くなる

 

○元の資質があれば別だが魔力を維持したまま、童貞喪失の為には代償が必須

 

○華琳が張三姉妹の所の『太平妖術の書』をさくっとすりかえて、その方法を確認した

 

○方法とは、童貞の魔法使いを愛する乙女に身を捧げてもらうこと

 

○その儀式の際に、隷呪の術式を施すことで成立する

 

○その相手は魔法使いの魔力の源となる。呪いとして、不死となり、魔法使いに隷属する扱いになる為、主人が死ねば自分も死ぬ

 

○魔法使いは契約した相手により、使える術式の種類に制限がかかる。詳細は不明

 

○契約した女性は不義を起こせば死ぬ。不義を起こした相手の男性も死ぬ

 

○うっかり隷呪の契約を結ばずに女性と一夜を共にしたり、自分を愛していない女性に術式を使うと、

 魔力を失うし、それまでに契約を結んだ女性も即、命を落とす

 

○乙女の範囲が『処女』を必須条件にするのかは、一切不明。試した変態がいない

 

…つらつらとまとめてみたが…。

 

「なんというか、色々ひどいな、これ」

 

「そう思える貴方だから、こういう方法を取れるけど、性質の悪い男なら…ね」

 

まぁ、無垢な女の子を騙して…魔術使い放題なわけだし。契約結べばこっちのものってか。

 

「隷呪の契約を果たしたから、命じたら決して逆らえない…とか」

 

「あ、言い忘れていたけど、その通りよ。ただ、一刀は賢明だから、そんなことはしないでしょうけど」

 

だって、今は制御できるようになってるものの、なぜか華琳さんの漆黒の覇気は健在でござるゆえ。

無理やり命令出したら、明日の日の出を拝めるわけがない。

 

…というか、俺を愛してくれた女の子を人形みたいにして何が楽しいのか。

 

「何を考えているのか、相変わらず顔に出やすいわね」

 

くすくすと妖艶に笑う覇王様。背筋にぞくっとする背徳感が走る…が、まだ疲れ果てて、風たちも寝ているので自重。

 

「たとえば、感じる快楽を倍にする、といった命も出せると思うわよ?」

 

ごくり…。

 

「キスしただけで昇りつめてしまいそうな…?」

 

「そうよ? 第一、気持ちいいものなのだから、後で仕返しされるわけもない。

まして、至上の快楽に酔えば、ますます貴方から離れられなくなっていく…。

…さらに、その感覚を日常でも持続するようにすれば…もう、貴方の望む通りに何時何処ででも、自分を受け入れてくれる…」

 

…華琳が、風が、常に発情した状態で、俺の傍に侍り、アオカンだってなんでもバッチコイ…。

駄目だ、想像しただけで、カチコチになっているのがワカ…。

 

「そう、固くなった貴方のソレをいつでも受け入れる性の奴隷…ふふふ」

 

そっと、小悪魔が俺の怒張を撫で上げた時、俺は獣と化した。

 

「うおおおおおおっ!」

 

「ふふ、仕方が無いケダモノね…おいでなさい、溺れさせてあげる」

 

つまりは華琳の掌の上であったことに気付くのに、もう一晩が経過したのは言うまでも無い。

 

 

「おしべとめしべが…ふふっ、交わり合うと、赤白い蜜を垂らすんですよ…朱里ちゃぁん…」

 

明朝、遠い目で虚空を見つめ、ぼそぼそと呟く壊れた雛里がいました。

 

俺と華琳、むせ返る雄と雌の臭いに目覚めた風と星が混じり、それはもうとんでもない桃色空間が一晩中続けられ、

結界のせいで逃げることも叶わなかった雛里は、あまりの生々しい現実に異世界に旅立ってしまっていたのだ。

 

あ、雛里には手を出してないよ。出会った初日で、自分が愛してもらえるなんて、そんな自惚れるわけないじゃないか。

…華琳や風は抱いちゃえって言ってたけど、間違っていたら、皆死んじゃうんだよ!?

 

『大丈夫』って星も含めた三人が口を揃えていたけど、さすがに躊躇ったのだ。

 

「重症ですな。スカートを思い切り捲っておるのに、まるで反応が無い」

 

その確認方法もたいがいだぞ、星。

 

「この魔女っ子帽子も拝借しているのに、全く反応がありません~」

 

霰も無い姿のまま、その魔女っ子帽子だけ被っていると、風さん、また理性が吹き飛びそうです。

そんな決めポーズまで披露した上で笑顔まで見せているので、もちろん狙っているのは判ってますが、それでも破壊力が半端ないです。

 

「ん~、この『生くり~む』は甘くて美味しいわ。乳脂肪がたっぷりだから、摂取量が多いと一気に肥えそうだけど、

絶対に人気が出るし、乳牛は大量生産に入るべきね…」

 

食料創造が変わらず使える…さらに美味しかったり、質のいいものが出来ることに気付いた俺達。多分、美食家兼名料理人の華琳の属性だろうけど。

早速、生クリームを堪能して、原材料を俺から聞き出して、普及方法を考える華琳。もちろん衣類など何も羽織ってはいない。

あまりに堂々としているから、むしろ何かの美術品にすら見える辺りが怖い。

 

「む、そうだ。せっかく主と契約を結んだことで、我らもある程度術が使えるようになったことだ。雛里で遊ぼうではないか」

 

「いいですね、星ちゃん。私や星ちゃんの得意属性は同じようですし~」

 

風特化。一言でいえばそうなる。ただ、星は身体強化が使えたり、風は精神操作系が使えるという個体差はあったりするけど。

ちなみに精神操作系の術式は、魔力量の差であっさり無効化出来る俺だけでなく、星や華琳にも効きにくかったり、完全に効かなかったりしたので、

氣が充実している武人や王のような者には効果が出にくいだろう、ということだった。

 

『劉玄徳さんにさえ効けば、十分かと~』とか風は言っていた。

あの人も三国の王のはずなんだが、武も氣も下手すりゃ今の俺だもんなぁ…。

 

というか、今の華琳にそんな小細工がいるとも思えないので、沸騰した春蘭の鎮火とかに多少でも効果があれば十分じゃないか、と俺は思う。

俺も二人との契約のお陰で、風属性については多分、ハリケーンとか容易く起こせるレベルまで達してると思うんだ…。

 

華琳? 彼女は基本全属性の高位呪文の術者と思ってくれ。

各属性の最上位術は使用できないけど、俺の魔力や、華琳のあの尋常じゃ無い覇気が魔法に転換できるとなると…、

うん、魏無双始まったな。俺にしても、普段使いたいと思える術は使えるし、華琳さまさまである。

 

ただ、治癒魔法が使えなくなってるんだよな…。うーん、属性としては光か、特殊属性?

力を与えるという意味では、天和たちがそうなのか?

 

「おお、浮きましたね~」

 

そんな考え事をしていると。風の嬉しそうな声が聞こえた。…ただ、そろそろ皆何か羽織りません?

目のやり場にいろいろ困るわけなんだが。

 

「うむ、風を利用して、人を浮かせることもできるわけだ。ただ、氣の消費量が激しいな。これは疲れる。風はどうだ?」

 

「ぐぅ…」

 

「…起きろ!」

 

「すやすや…」

 

本気で寝ていた。先程から、どんな術が使えるのかテストもしていたから、正直疲れたんだろう。

ひとまず、風に膝を貸して、風除けの布…いや、いらないのかもしれないけど、属性的に。

様式美というもので。とにかく、布をかけた。

 

「私も確かに疲れましたな。あれだけ激しく身体を動かし、さらに氣を使うとなれば。

先にひと眠りしますぞ、主」

 

「ん。これからも宜しくな、星」

 

俺と契約することを快く望んでくれた彼女に、この先も共に歩んでもらえる感謝をこめて。

 

「起き上がりにメンマがあると宜しいですな」

 

「りょーかい」

 

…寝具に笑顔で潜り込む星の斜め上には、まだふわふわと浮いている雛里の姿があった。

 

 

次回予告(?)

 

「陳留に連行してしまいましょうか」

 

「ただ、まだ女学院在籍だから、このまま行方不明になるとまずいんじゃないかな?」

 

「いや、むしろ女学院の生徒全てに手をつければ各諸侯が困ること間違いなし!」

 

「星ちゃんは外道ですね~ぐふふ」

 

雛里の明日はどっちだ!?

そして、明かされる華琳さまのステータス!

 

(予告は勝手に改変されることが多々ありますので注意しましょう)


 
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