No.336258

真・恋姫無双「新たなる地と血」 反董卓連合編 拠点-1

愛紗の一刀への一方的な不信感。

以前、馬騰と会話はしたが、納得していない愛紗。

そして一刀から桃香への問い掛け。

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2011-11-18 20:59:36 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:5228   閲覧ユーザー数:4130

この作品は恋姫無双の2次創作です。

 

作者の勝手な解釈もある為、若干キャラの性格等のズレが生じる場合が御座いますが

そこらへんはご容赦のほどを。

 

劉弁との謁見も終わり、それぞれが各陣営に戻り、中での出来事を話をしていた。そんな中劉備陣営に、愛紗を伴って訪問者が現れた。

 

「おにーちゃーん!!」

 

一刀の姿を見るや否や、鈴々は猛ダッシュで飛びついて来た。鈴々の頭突きが一刀の鳩尾に見事に決まり、しばらく悶絶する事となった。

 

「ぐはっ!!(しまったー!これを忘れてたー!)」

 

「ちちうえ~!?」

 

「鈴々ちゃん!駄目じゃない。いきなり飛び掛ったりしたら。」

 

「にゃはは、うれしくて、つい。」

 

一刀が悶絶している間、鈴々は桃香達からお叱りを受けていた。が、特に悪びれる様子もなかった。

 

ようやく落ち着き、一刀は兵に言い、愛紗の縄を解かせる。

 

「北郷殿。お世話になりました。」

 

愛紗は一礼すると、桃香の元へと戻って行った。星と朱里は愛紗のよそよそしい態度に若干の違和感を感じていた。

 

「初めまして、劉備さん。俺が北郷一刀だよ。そしてこっちが息子の「北郷一樹です。」よろしく。」

 

「は、はい!よよよよろしくお願いします。」

 

「はは、そんなに緊張しなくてもいいよ。突然だけど、君に質問をさしてもらうよ。君はなぜ、戦うのだい?」

 

「皆を笑顔にする為です。」

 

「そう。」

 

一言そう漏らすと一刀は続けて質問をする。

 

「じゃあ次。なぜこの戦いに参加したんだい?」

 

「え?え~と、袁紹さんが『董卓さんが皇帝を蔑ろにして洛陽で悪政を敷いて、民を苦しめている。』って聞いてそれで…」

 

「で、君は誰かを笑顔に出来たかい?」

 

「…」

 

「関羽を連れ去られた時、君は笑顔でいれたかい?」

 

「……」

 

「劉弁陛下の話しの中で笑顔になっている人はいたかい?」

 

「………」

 

一刀の容赦無い質問に、桃香は俯き黙ってしまう。

 

「北郷殿!貴殿は桃香様を虐げに来たのですか!?」

 

堪らず愛紗がそれを止めようと割って入る。

 

「別にそんな積もりはないさ。ただ…」

 

「ただ…?」

 

「彼女の覚悟を知りたいのさ。これから先、どんな困難な事があっても、ちゃんと受け止めて行けるかどうか。のね。」

 

その言葉を聞いた星や朱里達は、自分達の記憶にある、これから起こりうるであろう出来事を思い出していた。愛紗もこれには黙ってしまった。

 

一刀は答えられず俯いたままでいる桃香に「考えておいてね。」と言うと、立ち上がり劉備の陣営を後にする。

 

残された劉備達に漂うのは重苦しい空気。

 

星は愛紗に着いて来いと合図すると、この場を朱里達に任せ外へと出て行った。

 

外へ出、二人っきりとなった愛紗と星。愛紗の方も星が何を聞きたいか大体見当が着いている為、これと言って表情を変える事は無い。

 

「愛紗。主と何があったのだ?会話どころか、目も合わせない、雰囲気も何処か余所余所しかったぞ。」

 

「何も無かった。星が期待する様な事は何も無かったぞ。」

 

愛紗の皮肉とも言える言い方に、これには流石の星もムッとする。

 

「愛紗。人が心配していると言うのに、なんだそれは?」

 

「放って置いてくれ。二度と私の前であの方の話をするな!!」

 

「なっ?!」

 

「私の主君は劉元徳様だ。もう、いいだろう?桃香様の元に先に戻っているぞ。」

 

そう言うと愛紗は踵を返し、桃香のいる天幕へと戻って行った。

 

「愛紗、…お主、一体何を考えているのだ?」

 

一人、星は呟く。

 

~愛紗視点~

 

洛陽へ帰還してくる北郷殿達を迎える董卓殿達と一緒に、私はなぜかここに居る。董卓殿に半ば無理矢理連れてこられたからだ。

 

一団の先頭集団にいる人物を見かけると、私が動き出すより早く、一つの影が駆け出す。

 

「父上~!」

 

「あ…」

 

一樹がご主人様の姿を見つけると真っ先に駆け寄り抱き着く。私はそれを見ると動く事も出来ず、ただ見るしか出来なかった。

 

「一樹。ただいま~。月お姉ちゃん達の言う事を聞いて、いい子にしてたか?」

 

「父上、お帰りなさい。僕、いい子にしてたよ!」

 

「そうか、そうか、えらいぞ~」

 

そんな他愛もない親子の触れ合いを見た愛紗は、何とも言えない複雑な気分になる。

 

「…」

 

この子、一樹がご主人様の御子である事は、月達から聞いてはいたが半信半疑であった、だが実際こうして接している姿を見ると、信じざるを得なくなってくる。

 

その後の馬騰殿との話しで納得、とまでも行かないまでも、なんとか気持ちの整理は少しだが付いた。ご主人様の境遇は理解したつもりだ。だが未だ納得していないのが正直な心情だ。

 

「父上、これ…」

 

一樹がご主人様の左目の瞼の部分に貼ってあるものを見つける。

 

「大丈夫だよ。この傷は勲章だよ。」

 

「くんしょう?」

 

ご主人様の言葉に首を傾げる。

 

「ああ、大切な人を守った証だよ。」

 

ズキッ

 

あの方にそう言われると嬉しいと思う反面、何とも言え無い気持ちになる。

 

そしてご主人様が私の姿を見つけると、こちらに近付き声を掛けてくる。

 

「あ、愛紗。大丈夫だった?突然倒れたからびっくりしたよ。」

 

「御心配をお掛けしました。この通り問題は御座いません。それと、私は未だここではあなたに、真名を預けておりませんので、そこの所はご理解頂きたい。」

 

「あ…、そ、そうだね。ごめん、迂闊だった。」

 

ズキッ

 

「いえ、今後注意して頂ければいいかと。」

 

私の指摘に北郷殿は戸惑いながら謝ってくる。

 

「余り、私が此処に居ては変に思われるでしょう。なのでこれで失礼いたします。」

 

そう言って此処を立ち去ろうとするが、北郷殿は私を引き止めようとする。

 

「待ってよ、愛…関羽…さん。良ければこのまま話を聞いて行かないかい?」

 

「私は虜囚ゆえ、軍の機密に関するものに触れる訳にはいきません。これで失礼します。」

 

私は一礼し部屋を出て行く。

 

北郷殿のみならず、董卓殿や張遼が私の態度に唖然としていたが、それに構わず立ち去った。

 

部屋に戻った私は寝台に身を投げ出す。一応、董卓殿と顔見知りという事で、それなりに不便無く過ごさしてもらってはいる。だが線引きというのは必要で、私は必要最小限の事しかしなかったのだ。

 

…正直何もする気が起きなかったのだ。先ほども述べたように、ご主人様のの境遇は理解した。だが私自身が未だ納得していないのが正直な心情だ。

 

そんな事を考えていると、眠気が襲って来る。

 

「(もう考えるのは止めよう、少し早いがこのまま眠ってしまおう。)」

 

やがて私の意識は暗闇の中に落ちていく…

 

その後、ご主人様と話をしないでいた。いや、正確には避けていた。

 

その事で董卓殿や、張遼から色々言われたが、私は聞き流していた。

 

そして私は洛陽へとやってきた桃香様の元に返された。

 

これであの方と離れられる…

 

星は先ほどの愛紗とのやり取りを、桃香を除く朱里達に話した。

 

「愛紗さん、一体どうしたんでしょうか?」

 

一刀と愛紗の間に漂う異様な雰囲気に朱里は疑問を抱く。

 

だがその答えを知るものはいない。

 

先ほどの一刀とのやり取りで頭が一杯で、桃香は自分の天幕に引きこもってしまったている。

 

「洛陽に来てからの愛紗は、主と再会してもほとんど会話をしていないそうだ。」

 

「そうなんですか…」

 

朱里は俯いてしまう。

 

「あ、あの!北郷さんの事は良く知らないですが、愛紗さん。『裏切られた』と思ってるんではないしょうか?」

 

雛里は自分の考えを述べた。

 

「どういう事だ?」

 

雛里は皆の視線が自分に集まるのと、被っていた帽子の唾を押さえ、目だけを出し星の疑問に答える。

 

「自分の知らない間、知らない女性との間に子供が居る事で、自分は捨てられた、みたいな事を思ってるのではないでしょうか?」

 

「なるほどぉ、ご主人様はそうは思ってはいないでしょうが、愛紗さんはそう思い込んでいるのかもしれませんね。」

 

「愛紗ならありえるな。なんでも直ぐに自己完結してしまうからな、あ奴は…。特に悪い方向に。」

 

星の言葉に朱里は頷く。

 

嘗て愛紗は一刀への気持ちに気付き、それに悩んでいた時期があった。だが愛紗は振られたらどうしよう。嫌われたらどうしよう。など、ネガティブな事ばかり考え告白をしようとはしなかった。それを見かねた星の後押しがあって、やっと愛紗は自分の気持ちを一刀に伝え、二人は結ばれたのだ。

 

だが此処では愛紗は話しすらしようともせず、完全に一刀を避けていた。

 

一刀自身も愛紗のこの行動に戸惑っていた。何とかしようと月達に相談したが、イマイチ歯切れが悪かった。なにせ一樹の存在というのが愛紗の中では許せないもので、それを父親である一刀に話していいかものかと、月達も頭を悩ませていた。

 

結局何の解決も出来ないまま、時だけが過ぎ、当初の作戦通り劉弁陛下の謁見。そして劉備の元へ帰す事になってしまったのだ。

 

此処に居た者達はどうしたものかと考えたが、結局此処でも何も良い案が浮かばず、その日は解散となった。

 

~桃香視点~

 

劉弁陛下との謁見も終わり、私は自分の陣営に戻って、残っていた皆に中での出来事を話していた。

 

それを聞いた星ちゃんと鈴々ちゃんは可笑しそうに笑った。

 

「はっはっはっ!流石は主の御子ですな。皇帝陛下とその妹を落としてしまうとは。」

 

「にゃはは、流石なのだ。」

 

陣の中で話をしていると、北郷さんが愛紗ちゃんを連れてやって来て、こちらへ愛紗ちゃんを返してくれた。

 

私は緊張して声が振るえていた。

 

「初めまして、劉備さん。俺が北郷一刀だよ。そしてこっちが息子の「北郷一樹です。」よろしく。」

 

「は、はい!よよよよろしくお願いします。」

 

「はは、そんなに緊張しなくてもいいよ。突然だけど、君に質問をさしてもらうよ。君はなぜ、戦うのだい?」

 

「皆を笑顔にする為です。」

 

「そう。」

 

一言そう漏らすと北郷さんは続けて質問をする。

 

「じゃあ次。なぜこの戦いに参加したんだい?」

 

「え?え~と、袁紹さんが『董卓さんが皇帝を蔑ろにして洛陽で悪政を敷いて、民を苦しめている。』って聞いてそれで…」

 

「で、君は誰かを笑顔に出来たかい?」

 

「…」

 

「関羽を連れ去られた時、君は笑顔でいれたかい?」

 

「……」

 

「劉弁陛下の話しの中で笑顔になっている人はいたかい?」

 

「………」

 

北郷さんの容赦無い質問に、私は答えられず俯き黙ってしまう。

 

「北郷殿!貴殿は桃香様を虐げに来たのですか!?」

 

愛紗ちゃんがそれを止めようと割って入る。

 

「別にそんな積もりはないさ。ただ…」

 

「ただ…?」

 

「彼女の覚悟を知りたいのさ。これから先、どんな困難な事があっても、ちゃんと受け止めて行けるかどうか。のね。」

 

既に私の耳には北郷さんの言葉は届いていなかった。

 

そこから先の事は覚えていません。

 

気が付くと自分の天幕に居り、寝台の上で膝を抱えていた。

 

最初、北郷さんが何を聞きたかったのか全く分からなかった。ううん、なんとなく分かっていました。私の理想が薄っぺらい事を言いたかったのだとおもいます。

 

『皆を笑顔にする為です。』

 

そう言いながら、戦いに明け暮れ、賊に堕ちたとはいえ、元は普通に暮らしていた人達を討って来た。普通の生活が出来なくなり、賊に成り下がるしか無くなり、略奪をするようになった人達を。黄巾党がその代表と言ってもいい。

 

重税。賄賂。等々、それらは役人達の間で横行し、普通に暮らす人達の生活を圧迫してくる。

 

そして起こったのが黄巾の乱。

 

それらを鎮圧出来たけど、結局皆の生活は変わらず相変わらず苦しいまま。この後も変わらず小さいながらも小競り合いが続いている。

 

そして次に起こったのが、洛陽で董卓さんが圧政を敷いていると聞き、それを打倒しようと組まれたのが反董卓連合。

 

けど、それは全くの出鱈目。董卓さん自身全然悪い人なんかじゃなくって、寧ろ荒れ果てた洛陽を復興させるほどの凄く良い人でした。

 

私達はそんな凄く良い人を討とうとしていたのです。

 

本当に悪い事を企んでいたのは張譲という人と、袁紹さんを騙したもう一人の十常侍の人でした。

 

そして、それらを確かめようともせず、唯言われた事を信じ、何も考えず行動を起こした私…

 

結局私は誰一人として、笑顔にしていない様な気がします。

 

愛紗ちゃんや鈴々ちゃんみたいに強い訳でもなく、朱里ちゃんや雛里ちゃんみたいに頭が良いわけでもない。私って本当役立たずだよね。罪も無い董卓さん達を討とうともしていたし…

 

こんな私が徐州を任されて大丈夫なのかな?不安で仕方ないよ…

 

あとがき

 

PCの前に座ってこれを書こうとするが、巧い事文章が出て来ず、時間だけが過ぎていき、モニターを凝視するおかげで、肩凝りが酷くなっていく…

 

愛紗と桃香のそれぞれの悩み。上にも書いた通り、文章が出て来ず中々難しかった。

 

この二人には、直ぐに解決とは行かないまでも、これらに助言を与えてくれる方々が近々出る予定です。

 

愛紗には○○、桃香には○○。といった具合に。だが片方がイマイチ決まらん。またこれで当分悩む…

 

拠点というのにイマイチ明るさが無かったね~

 

次は魏と呉だけど、どっちにしようかな~?

 

ではまた次回ぃ~


 
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