No.327184

真・恋姫無双~2人の飛将軍~ 第25話

cavalさん

漢王朝皇帝「協」、そして董卓軍君主「月」。2人の少女の覚悟によって時代は次の時代に入っていく。それは乱世を治め、そして平和な世にできると信じて・・・・

作者)うーん・・・思ったよりも文章が短い・・・むーん・・・

2011-10-31 15:54:59 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:12084   閲覧ユーザー数:8448

第25話 建国

 

協√

私と一刀たちと出会いは、張譲に連れ去られそうになったところを助けてもらったのが最初だった。

それまで私は姉である少帝が亡くなったことで心神喪失状態に陥り、そこを十常侍に付け込まれて私は彼らの傀儡となってしまっていた。助けてもらった後、私は月や詠に表だって、一刀や恋に影ながら支えてもらってすこしずつ心を取り戻していった。

 そして反董卓連合をへて、私のなかで1つの気持ちが生まれていった。それは・・・

 

―――このまま漢王朝を残したままで平和になるのか・・・・

 

いま月や詠、そして一刀たちは私の臣下として戦ってくれている。もしこのまま彼女たちが戦乱を終わらせたとして、その平和を漢王朝は守れるのかといわれたら、それは「否」だろう。

 

平和のために漢王朝が妨げになるのなら私は漢という国を終わらせる。

 

そして漢王朝ではない平和を守ってくれる者たちに託す。

 

それが劉協として、献帝としての最後の仕事だ・・・。だから私は月へ声をかけた・・・

 

 

「月よ・・・朕に代わって皇帝にならぬか?」

 

 

 

月√

一刀さんたちが魏との決戦のために洛陽離れたが、私は陛下の護衛等のために洛陽に残っていた。自分ができることはみんなが無事に帰ってきてくれることを祈ることだけ。

 

そう思った私はおそらく戦場になっているであろう陳留の方角を見ながら祈りをささげていた時にいつのまにか近づいていた陛下に話しかけられた。そこにいるはずのない人の出現に驚いていた私だったが、それ以上に陛下が口にした言葉は私を驚愕させるに十分だった。

 

「月よ・・・朕に代わって皇帝にならぬか?」

 

最初私は陛下になんて言われたのかわからなかった。

 

―――私が皇帝・・・?

 

困惑した私はその日陛下に返事することができなかった。

 国を建てるということは董卓軍の中でも何度か議論に上がっていなかったわけではない。曹操が建てた「魏」、孫策が建てた「呉」、劉備が建てた「蜀」のように・・・。

しかし、それを私は反対していた。あくまで陛下を守っている立場上、国を建てることは陛下から離れることになる。陛下自身には武はない。護衛部隊としての禁軍はいるものの、諸侯の軍たちにはかなわない。もし私がいなくなった後、王朝としてのほとんど力がない「漢」という国は協という1人の少女を守ることができるだろうか。

 

―――帝だから守るのではなく、友人として守りたい

 

それは私の思い。十常侍のような者がまたいつ現れるかわからない。またあのような権力争いの闇に中に陛下を戻したくない。

 

でも陛下は私に「皇帝になってほしい」と言った。

 

「私はどうしたらいいんだろう・・・詠ちゃん・・・一刀さん・・・」

私はだれにも聞こえないような小さい声で呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

詠√

 魏との決戦が終わったものの、蜀からの侵攻の知らせを受けてボクは洛陽に帰還した。帰還の報告を陛下と月にしようと思い、城の中を捜したけど見つけれなかったボクは蜀の侵攻に関する戦闘の事後処理の進行状態を確認するために洛陽にある、ボク専用の執務室を目指して歩いていた。

 

しばらくして執務室の近くまで行くと、その前に親友である月がいた。

 

「月!」

ボクは久々に会えた親友に声をかけた。ボクに気がついた月はこちらに顔を向けた。でもその顔はいつものような笑顔ではなく、悩み苦しんでいるような苦痛の顔を浮かべていた。

 

「詠ちゃん・・・」

 

「月・・・?どうしたの・・・?」

すこしの間をあけて月が口を開いた。

 

「詠ちゃん・・・あのね・・・」

 

月からの言葉はボクたちが魏との戦いを終えたその日の夜での出来事だったという。そしてその内容を聞いていったボクは月が冗談をいっているのではないかと感じてしまった。でも月が嘘をいうような人物でないことは親友であるボクが一番知っている。

 

―――皇帝・・・

 

月を皇帝にするというのはボクも少なからず考えていた。

 

「陛下が月にそう・・・いったのね?」

ボクの言葉に月は首を縦に振った。

 

「そう・・・」

 

ボクは時期が来たと感じていた。現在、董卓軍は大陸の北半分を治めている。そして一刀、恋などの多くの一騎当千の勇将。ボクや風、華琳などの智将もいる。民からも信頼を厚い。

 

―――力や知、そして信はそろった・・・

 

―――あとは月が覚悟を決めるだけ・・・

 

ボクは今も苦痛の顔をしている親友を抱き寄せて、やさしい口調で話しかける。君主と軍師という関係ではなく、親友同士という関係で・・・。

 

「月、ボクは、月に皇帝になってほしいと思っているわ」

それは詠の希望。

 

「詠ちゃん・・・それは私が君主だから・・・?」

 

詠はすこし首を横に振る。

「月は優しい。それはもう底抜けにやさしい。その優しさにみんなが付いてきてくれている。それはボクもそう。親友だから支えてきたし、月が皇帝になれば、このような乱世は終結すると信じている」

 

抱きしめている月の顔を見ることはできないけど、体がすこし震えてきた。きっと泣いているのだろう。陛下に言われてから月はずっと1人で悩み苦しんできたのだろう。

ボクはその親友を安心させるようにやさしく、抱きしめる力をすこしだけ強くした。

 

「月。1つだけ覚えておいて。ボクはこれからもずっと月を支えるわ」

 

―――そう、たとえ月が皇帝になったとしても・・・

 

 

 

 

洛陽

魏との決戦からしばらくして安定を取り戻した頃、董卓軍所属の全将軍、軍師たちが洛陽の玉座に集められた。

 

玉座に協。

その協を挟むように月と詠

 

それから1段さがって、一刀、恋の飛将軍コンビに華琳。

 

もう1段さがったところの右側に順番で風、ねね、霞、華雄、翠、蒲公英、杏。

 

左側に、桂花、稟、春蘭、秋蘭、凪、真桜、沙和、季衣、流琉。

 

全員が集まったことを確認した詠が口を開く。

 

「ここに集まってもらったのには、大事な話があるからよ」

その詠の言葉につづけるように協が口を開く。

 

「初見のものもあると思うから、さきに自己紹介から入るかの。朕の名は第14代皇帝劉協じゃ」

協の言葉に数名驚いた顔をしたが、すぐに平常の顔に戻る。

 

「本来ならば、もっと定型にそった手順をとるべきとは思うが、情勢が情勢のため省略することにした」

 

協の言葉はあまりにも抽象的すぎた。そのためにすこしざわめきが起きるが、詠が声をあげ、静める

 

「先に結論からいうとしようかの・・・」

すこし間をとった協はしっかり顔をあげて、叫んだ

 

「漢王朝第14代皇帝劉協は、その皇位を董卓へ譲与することにする!ここに集いし董卓軍の将達よ!今後は朕ではなく、董卓を支え、この乱れた世界に安定をもたらし、民のための平和な世の中を作り上げよ!」

 

「「「「「「!!!」」」」」」

月と詠を除いたすべての者に驚愕の顔、声をあげた。騒然となるなか、一刀が協に話しかけたことで再度静まり返る。

 

「協・・・決めたのだな・・・」

一刀は義妹の決意を嬉しく思いつつ話しかける

 

「うむ・・・兄様のおかげじゃ・・・」

協も義兄に微笑みを見せる。

 

「そっか・・・月もかまわないのだな?」

一刀は協の隣に立つ月に目を向ける。

 

「はい。私は決めました。この乱世を終わらせ、そして民のみなさんが平和にそして幸せな生活をできるような日常を作り守っていきます!一刀さん・・・いえ、みなさんこのような私ですが、よろしくおねがいします!」

 

月は将達に頭を下げた。それに呼応するように将達も声をあげた。

詠がそれをいったん静める。

 

「これより、月を皇帝とし、国名を『朔』とする!そのため新たな評定を行う!まず大将軍は一刀・・・・」

 

こうして月を皇帝とした朔国は動き始めた・・・。

 

 

 

 

その日の晩までに朔国建国の報は大陸中に伝わり、その建国を祝って朔国領のあちこちの都市でお祭り騒ぎになっていた。それは本拠地である洛陽も例外ではない。

 

その洛陽では・・・民も役人も関係なしの大宴会が町中で行われていた。

歓喜の声が洛陽の全体に響く。宴会参加者に悲しそうな顔をしている者はいない。皆、これからの未来の幸運を信じている。

 

そんななか1人町から離れ、城壁の上からその光景を眺めている者がいた。

 

「朔・・・おれの知る歴史に存在しない国名・・・」

 

白く輝く服を身にまとい、そして腰に漆黒に輝く日本刀を下げている

天の御遣い、北郷一刀。彼の顔は笑みを浮かべていたが、突然苦痛の表情を浮かべた。

 

「ぐふ・・・ガハッ!」

手を口に当てて複数回苦しそうに咳き込む。

 

「そろそろやばいかな・・・」

その手は真っ赤な血で染まっていた。

 

「ご主人さま~ん♪ここにいたのね~ん♪」

突然背後に現れたのは腰をくねらし、ピンクのビキニパンツを着た筋肉達磨もとい変態。

 

「貂蝉か・・・」

一刀は振り返らずに答える。

 

「ご主人様・・・もう・・・」

オカマ口調ではなく真面目な口調で話す貂蝉。

 

「それ以上は言うな。貂蝉・・・わかっている・・・。これを覚悟でやってきたのだから・・・」

 

そういった一刀は宴会が進む町中ではなく、暗闇に浮かぶ白き月を見つめていた・・・

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そしてこの日、孫呉と劉蜀の間で同盟が結ばれ、大陸は「朔」と「2国同盟」によって2分されることなる・・・

 

 

 

 

 

 

あとがき!

なんとか・・・1週間を生き抜いた・・・。携帯サイトのtinaminiがなかったらおれ精神的に死んでた・・・・気がする・・・・

 

 

はい、どうも作者です。第25話更新しました。あいかわらずの中身がありそうでない文章・・・

 

ゴホン!

 

いやぁ~今回は難産でした。どこに悩んだかというと国名!

最初は歴史通りに「晋」とかにしようかなぁと考えていたのですが、なんかオリジナル感がない・・・と思っていいのないかいろいろ考えて、月(ユエ)が皇帝になるんだからだったら月(ツキ)に関することにしよう!とか思いつきまして・・・

 

満月を表す「望」か、新月を表す「朔」で迷った挙句、「朔」にしました。

どこかの作品で使われている方がいたらゴメンナサイ。

 

さて今日10月31日でハロウィンなわけですよ・・・ですよ・・・

 

作者必死に考えました!この2人の飛将軍でのハロウィンネタ!

 

 

でも浮かびませんでしたぁぁぁぁぁ!!!\(^o^)/

 

はぁ・・・・もうちょっと想像力がほしい・・・

 

ではまた次回26話でお会いしましょう。

 


 
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