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真・恋姫無双アナザーストーリー 蜀√ 桜咲く時季に 第27話

葉月さん

第27話投稿完了です。

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2011-10-29 21:59:26 投稿 / 全9ページ    総閲覧数:10918   閲覧ユーザー数:6412

真・恋姫無双 ifストーリー

蜀√ 桜咲く時季に 第27話

 

(一刻=1時間)、(一里=4km)

 

 

【董卓の正体】

 

 

 

《董卓Side》

 

「大丈夫、月はボクが守るから」

 

賈駆は励ますように董卓の手を引き廊下を歩く。

 

「詠ちゃん……」

 

「どうしたの月?」

 

「詠ちゃんだけでも逃げて。きっと私が居ると足手まといになるから……」

 

「何言ってるの月!絶対にボクが逃がしてあげるから!逃げて逃げて月を絶対に死なせないから!だからそんなこと言わないでよ月」

 

「でも華雄さんは討たれて、霞さんも恋さんも居ないのにどうやって逃げるの?」

 

張遼は魏の曹操に捕らえられ、呂布は劉備たちとの戦いの後、どこかへ行ってしまっていた。

 

「な、なんとかなるわよ!いざとなれば私が董卓だって言えっ」

 

「それは駄目だよ詠ちゃん!」

 

「っ!」

 

言葉を遮り、董卓の怒った声に賈駆は黙ってしまった。

 

「そんな命を粗末にするようなことをしたら駄目だよ詠ちゃん。それに詠ちゃんが死んじゃったら私は悲しいよ」

 

「ご、ごめん月。ボクが軽率だったわ。今度からはあんなこと言わないから安心して」

 

「うん。約束だよ詠ちゃん」

 

董卓は親友の賈駆にニコリと微笑みかけた。

 

「とりあえず、隠し通路から逃げましょう。親衛隊は絶対に月を守るのよ!」

 

「「はっ!」」

 

「詠ちゃん、ちょっと待って」

 

歩き出そうとした賈駆に董卓は再び呼び止めた。

 

「どうしたの月。何か忘れ物?」

 

「ううん。そんなんじゃないの。ただ……」

 

「ただ?」

 

「恋さんの屋敷の動物たちも一緒に逃がしてあげられないかなって」

 

「ちょ!そ、それ本気で言ってるの月!?」

 

「うん」

 

董卓の言葉に賈駆は顔を引くつかせていた。

 

それものそのはず、呂布の屋敷に居る動物たちは犬、猫、鳥、馬、などなど数種類にも及ぶからだ。

 

しかも、放し飼いにしているにもかかわらず、鳥たちは夕暮れになると必ず呂布の屋敷に戻ってくるのだった。

 

「さ、流石にあの数を一緒に連れて行くのには無理があるわ。せめてセキトだけなら何とかなると思うけど……」

 

動物を多く連れていればそれだけ目立ってしまう。そうなれば何れ連合軍に見つかってしまう。出来るだけ障害は少ないほうがいいと賈駆はそう考えていた。

 

「でも……」

 

「分かって月。目立ち過ぎたらボクたちは連合軍に捕まっちゃうの。だから我慢して、お願い」

 

「……うん。わかった詠ちゃんの言うとおりにするね」

 

董卓は一瞬、暗い顔をしたが直ぐに笑みを返した。

 

「っ……」

 

賈駆はその一瞬、悲しみの顔になった董卓の顔を見逃さなかった。

 

董卓は洛陽に移り、次第に笑わなくなっていった。その原因は分かっていた。董卓たちを利用する為に洛陽につれてきたものたちのせいだった。

 

賈駆はそんな董卓に笑顔を取り戻して貰う為に、洛陽に居る者たちを密かに排除していっていたのだ。

 

だがそのせいで、内政だけに目を向けていた為、大陸中で反董卓連合軍が結成される事態になってしまっていた。

 

「とにかく、恋の屋敷まで行きましょう。少し遠いから走るけど大丈夫?」

 

「うん。私のことは気にしないで。ちゃんとついていくから」

 

「わかったわ。でも、無理はしないでね。いい、あんたたち!月が転ばないようにちゃんと見てなさいよ!」

 

「「はっ」」

 

返事をする親衛隊たち。それを見て満足したのか賈駆は走り出した。

 

「……絶対にボクが月を守って見せるんだから。月に怒られ、恨まれても……

 

賈駆は董卓に聞こえないように呟いていた。

 

《一刀視点》

 

「よし!洛陽に着いたな」

 

前方約400m、俺たちを拒むかのように洛陽の城壁が見えた。

 

「雛里、敵の動きはどうだ?」

 

「はい。やはり兵たちが出てくる気配は無いみたいです」

 

雛里は望遠鏡を覗き、洛陽の様子を見ながら伝えてきた。

 

「よし。なら作戦通りで行くぞ。まずは俺と愛紗と星、それから鈴々だ」

 

「はっ!」

 

「うむ」

 

「わかったのだ!」

 

順番に返事をする愛紗たち。

 

「洛陽内で陣地を構築したら鈴々を向かわせるから桃香たちは鈴々に案内して貰って」

 

「わかりました。気をつけてねご主人様」

 

「ああ。桃香たちも気をつけて」

 

そして俺たちは一軍を連れて洛陽に向かった。

 

………………

 

…………

 

……

 

「静かですな主よ」

 

「ああ。だけど人は居る。どうやら俺たちは招かれざる客のようだね」

 

洛陽に入るととても閑散としていた。人々は家に篭り身を潜めているみたいだった。

 

「とにかく俺たちは行動しやすいように陣地を構えよう」

 

「わかりました。いいか!間違っても民の物を奪い取るようなことはするな!もししたものには厳罰に処す!我々は略奪をする為に来たのではない。そのことを忘れるな!」

 

「「おう!」」

 

愛紗の注意に返事をする兵たち。

 

「では行くぞ!」

 

「よし、それじゃ、まずは広い屋敷か広場に向かおうそこなら陣地として問題ないだろう」

 

「そうですね。とりあえず中心街へ行ってみましょう。そこなら分かれて探す場合、集合場所の目印としては良いかと」

 

「そうだね。流石は愛紗だ。気が利くね」

 

「い、いえ。そんな……お褒めのお言葉ありがとうございます」

 

愛紗は嬉しそうに微笑む。

 

「なんだか愛紗の様子が変なのだ」

 

「ふふ。良い傾向だ。これで少しは私や桃香様の肩の荷も下りるだろう」

 

「?何のことなのだ?」

 

「こっちの話だ。鈴々は気にしなくて良い事だ」

 

どうやら。星や桃香にも迷惑をかけちゃってたみたいだな。

 

「よし、まずは中心街に行ってみよう!この様子だと伏兵は居ないと思うけど慎重に行こう」

 

まず俺たちは中心街に向かった。

 

………………

 

…………

 

……

 

「ここら辺が中心街かな?」

 

「そうですね。閉まっていますが店も多いので多分そうだと思います」

 

「よし!なら手分けして場所を探そう。見つかっても見つからなくても半刻くらいでここに戻ってくるように」

 

「「おう!」」

 

「それじゃ、早速わかれ……ん?」

 

「如何なさいましたかな主よ」

 

「あっちで女の子二人が横切ったように見えたんだけど」

 

遠くからでよく分からなかったがあの格好からして女の子だと思う。

 

「おや。主よ。もう他の女子に目移りですかな?」

 

「そんな!ご主人様!私をお捨てになるのですか!?」

 

「違うから!愛紗も星の冗談に直ぐに反応しないの!愛紗を捨てるなんてことないから!」

 

「本当ですか?」

 

「ああ。だから安心して」

 

「はいっ!」

 

安心させる為に優しく微笑むと愛紗は嬉しそうに微笑んでくれた。

 

「おやおや。お熱いですな。少しは時と場所を選んでいただきたいですぞ主よ」

 

「誰のせいで。こうなったと思ってるんだ?」

 

「さあ、誰でしょうな」

 

星は笑いながら白を切る。

 

「はぁ。まあいいや。話を戻そう。とにかく女の子たちが向かった方へ行って見よう。少し気になるんだ」

 

「そうですね。町に人が出ていない状況での外出は不自然ですね」

 

「ふむ。恋敵を確認しに行くか」

 

「だから違うって!」

 

「はっはっは。分かっていますぞ主よ。では、その可愛らしい少女二人を追いかけてみようではありませぬか」

 

全然分かってないじゃないか。まあ、多分、愛紗をからかってるだけなんだろうけど……

 

俺の横で捨てられた子犬みたいな顔をする愛紗に俺は「大丈夫だから」と微笑みかけながら手を繋いで上げた。

 

「おっ。居たぞ。すみませーん!」

 

少女たちを見つけ大声で呼ぶ。

 

「っ!」

 

遠くからで良く分からなかったが少し驚いているようだった。

 

良く見ると少女二人だけかと思ったら数人の兵らしき人物も一緒に居た。

 

立ち止まってくれたので俺たちは少女たちのところへ向かった。

 

「ごめんね。急いでるところ」

 

近づくにつれて少しずつだが容姿が分かってきた。

 

一人は緑髪で眼鏡をしていて目つきは鋭く、少し不機嫌そうにしていた。

 

もう一人の少女は薄い青い髪にとても優しそうな瞳、だけどどこか何かを諦めている様な瞳をした少女だった。

 

「な、何よ……」

 

兵たちをぞろぞろと連れて来ていたからか、少女たちは少し警戒しているようだった。

 

「ああ、ごめんね。怖がらせるつもりは無いんだよ。実は聞きたいことがあってさ」

 

「聞きたいこと、ですか?」

 

緑髪の少女が庇うように立っている後ろで、その青髪の少女は話しかけてきた。

 

「ああ、実は広い屋敷か広場を探してるんだ。俺たちが陣地を置けそうなところが良いんだけど。どこか無いかな?」

 

「ないわよ。じゃあね!」

 

「もう、詠ちゃん。そんな言い方したら失礼だよ?」

 

「で、でも月。こんな奴らにかまってる暇なんて」

 

後ろの少女に注意され、少し慌てる緑髪の少女。

 

「……ご主人様。もしかして彼女たちは」

 

「ああ。華雄の言っていた特徴と一致するから間違いないと思う」

 

愛紗は少女たち、董卓たちに聞こえないように話しかけてきた。

 

「あ、あの。心当たりがあるのでご案内いたしましょうか?」

 

「ちょ!ゆ、月!?」

 

「ありがとう。それじゃ案内してくれるかな?」

 

「はい」

 

「ああもう!分かったわよ!さっさとついてきなさい!」

 

緑髪の少女、賈駆は怒りながら歩き出した。

 

「すみません。詠ちゃんが失礼なことを」

 

「いいや。気にしてないよ。それよりごめんね。なんだか急いでるみたいだったのに呼び止めちゃって」

 

歩きながら董卓たちに話しかける。

 

「まったくよ。そう思ってるなら呼び止めないで欲しいわね」

 

「もう詠ちゃんたら」

 

「仲がいいんだね二人とも」

 

「はい」

 

「まあね。ずっと一緒に居るんだから当たり前じゃない」

 

少し自慢そうに答える賈駆にもう一人の青髪をした少女、董卓は微笑んでいた。

 

………………

 

…………

 

……

 

「さあ着いたわよ」

 

案内された場所は大きな門のある屋敷だった。

 

うわ~。誰がこんな大きな屋敷に住んでるんだ?でも、人の家に勝手に入っても……ん?

 

「こ、ここって……り、呂布の屋敷じゃないか!?」

 

門の横に書かれている名に俺は大声を上げてしまった。

 

「そうよ。ここいらで一番広い場所と言ったらここしかないわ」

 

そ、そうは言ったってあの呂布の屋敷だぞ!

 

「それじゃ、もう良いわね?私たちもう行くわよ」

 

「ああ。ちょっと待って!」

 

踵を返して戻ろうとする董卓と賈駆を慌てて呼び止めた。

 

「なによ。まだ何かあるっていうの?」

 

「ああ。今この街がどうなってるのか教えて欲しいんだ」

 

案内してもらったがその場で別れようとする董卓たちをなんとか引き止めた。

 

ここで帰したら俺たちの目的が達成できなくなる。

 

「見れば分かるじゃない。まだまだ貧困の差はあるけどみんな平穏無事に暮らして居たのにそれをありもしない噂で壊されたのよ。ホント迷惑な話だわ」

 

賈駆の目は明らかに俺たちを敵視する目だった。きっと俺たちが董卓を捕らえに来たと思っているんだろう。

 

「ま、まあまあ、そう興奮しないで。とりあえず落ち着いて話を……」

 

「ワンワンッ!」

 

「どわっ!」

 

落ち着いて話をするために扉を開けると、それと動じに勢い良く何かが飛び掛ってきた。

 

「ご、ご主人様!?」

 

「わんちゃんなのだ!」

 

「い、犬?」

 

「ハッハッハッ!ワンッ!」

 

俺の上に乗っていたのはコーギーのような短足の犬だった。

 

「セキトちゃん」

 

「へ?セキト?……赤兎!?」

 

赤兎と言えば確か呂布が乗る馬の名前だ。でも、ここに居るのは犬……ああ、なるほど。

 

俺は犬の首に赤いスカーフをしているのを見て妙に納得してしまった。

 

「駄目だよセキトちゃん。行き成り知らない人に飛び掛ったら」

 

「くぅ~ん」

 

い、いや。知っている人でも行き成り飛び掛ったら駄目だろ。

 

「大丈夫ですか?」

 

「ああ。尻餅をついただけだから」

 

心配そうに話しかけてきた董卓は安心したのか少し微笑んだ。

 

「とりあえず、落ち着いて話をする為に中に入ろう。ここだと迷惑になるだろうからね」

 

流石に人は出歩いていないとしても人の家の前で騒いでいたらマナー的にもよろしくないからね。

 

「はぁ、仕方ないわね……」

 

賈駆はため息を吐きながらも了承してくれた。

 

呂布の屋敷に何とか董卓たちを招き入れ、兵たちに目線で外すように伝えた。

 

「鈴々」

 

「うにゃ?」

 

「ここの場所を桃香たちに伝えてきて欲しいんだ」

 

「わかったのだ!」

 

「星は回りの見張りを頼む」

 

「心得た」

 

鈴々と星にやって貰いことを伝え、董卓たちに向き直る。

 

「さてと。それじゃ聞かせて貰ってもいいかな?」

 

「何をよ」

 

賈駆は挑戦的な目線で俺を見てくる。

 

「どっちが董卓なのかな?」

 

「「っ!」」

 

俺の核心を突く言葉に二人の少女は驚きの顔になった。

 

「な、何馬鹿なこと言ってるのよ」

 

「あれ?違った?」

 

「違うわよ!」

 

「う~ん。おかしいな、俺たちの情報だと君たち二人のどちらかが董卓なんだけどな」

 

まあ、どちらが董卓かは分かっているんだけどね。

 

「ふん!その情報が間違ってるんじゃないの」

 

あくまでも白を切り通そうとする賈駆。

 

「そっか。人違いか」

 

「だからそう言ってるじゃない」

 

「ごめんね。実はその董卓に用があって来たんだよ」

 

「用?」

 

「ああ。あ、でも、これは言えないんだ。一般市民にはね」

 

「……どうせ、捕まえる為の口実でしょ」

 

「?誰がそんなこと言ったの?」

 

「見れば分かるじゃない。あなたたち連合軍の人間でしょ!よくもまあ、こんなところまで来れたものね!」

 

賈駆はここぞとばかりにまくし立ててきた。

 

「あなたたちが来なければ、ゆ……董卓様は苦しめられずに済んだのよ!」

 

「それは悪かったと思ってるよ。でも、外に目を向けなかった董卓も悪いんじゃないかな?そうすれば、こんな自体にはならなかったかもしれない」

 

「そ、それは……」

 

俺の指摘に黙る賈駆。

 

「もういいよ詠ちゃん」

 

「月……駄目よ!」

 

「ううん。もういいの私、疲れちゃったから……すみません。私が董卓です」

 

董卓は賈駆に微笑むと一歩前に出て名乗ってきた。

 

「やっぱり、君が董卓だったんだね」

 

「はい……私の命は差し上げます。ですからどうか詠ちゃんの命だけは助けてあげてください」

 

「な、何言ってるのよ月!」

 

「わかった……と、言ってあげたいけどそれは無理な相談かな」

 

「そんな……そこを何とかお願いします」

 

「お願いされてもな……」

 

食い下がってくる董卓に首を横に振る。

 

「どうしても駄目ですか?」

 

「ああ……だって。俺たちは二人を助ける為にここに着たんだからね」

 

「……え?」

 

「な、何言ってるのあんた!」

 

俺の言葉に董卓たちは驚いているようだった。

 

「助けるってどういうことでしょうか?」

 

「簡単な話さ。君たちは悪いことをしていないんだ。だったら死ぬ必要なんて無いだろ?だから俺たちはそんな董卓を助けようとしているのさ」

 

董卓の質問に簡潔に答える。

 

「私たちが檄文に書いてあるようなことをしていないと信じていただけるのですか?」

 

「ああ。この街を見ても董卓が悪政をしていないって十分に分かるからね」

 

「へぅ」

 

優しく微笑むと董卓は俯いてしまった。

 

「それより。どうして私たちが董卓だって分かったのよ。公には姿を見せていないのに」

 

「ああ、簡単なことだよ。華雄から聞いたんだ」

 

「え。華雄さんは劉備軍の関羽さんって人に討ち取られたって聞きましたよ」

 

「関羽とは私の事だ」

 

董卓の疑問に愛紗が名乗り出てきた。

 

「え?そ、それじゃ、あんた達劉備軍なの!」

 

「そう言えば自己紹介がまだだったね。俺の名前は北郷一刀。天の御遣いなんて言われてるけど、見たとおりただの人間だから」

 

驚く賈駆に自己紹介をしていなかったことに気がついた俺は簡単に名乗った。

 

「あ、あなた様が天の御遣い様……」

 

董卓は俺を見上げながら呟いた。

 

「あ、あの。本当に華雄さんは生きているのでしょうか?」

 

「ああ。生きているぞ。今は自分の兵を連れて傭兵として旅をしている事だろう」

 

「そうですか。良かった……」

 

安堵の表情をする董卓。相当心配してたんだな。

 

「それじゃ月が董卓だって分かったのも」

 

「ああ。華雄に教えて貰った。それと菫にもね」

 

「っ!あなた馬騰様にも会ったの!?」

 

まさかの人物の真名に賈駆は驚いていた。

 

「ああ」

 

「あ、あの。菫様は何か仰っていましたか?」

 

「二人の事を自分の娘のように心配していたよ。それと『よろしく頼む』ともね」

 

「そうですか……」

 

「?」

 

一瞬、嬉しそうな顔をしたが直ぐに暗い顔をしてしまう董卓。

 

「どうかしたのか?」

 

「……私は生きていていいのでしょうか?」

 

「何言い出すのよ月!」

 

「何でそう思うのかな?」

 

「確かに私は望んでここに来た訳ではありません。ですが命令されたとはいえ、罪も無い人たちを殺してきてしまいました。そんな私が生きていても良いのでしょうか」

 

「月……」

 

董卓の話に何も言えなくなる賈駆。

 

「……なら、一緒に探そう」

 

「え?」

 

「俺も董卓と何も変わらないよ。命令一つで皆を戦場に向かわせているんだから。それに俺自らも戦場に出て命を奪っている」

 

「ご主人様、それは!」

 

「ああ。愛紗の言いたいことも分かってる。桃香の夢を叶える為に進まなきゃいけないってこともね。でも、その夢を叶える為に散って逝った人たちにだって叶えたい夢があったんだ。それを忘れちゃいけない」

 

「……」

 

俺の話に誰も喋ろうとはしなかった。

 

「だから、死んで逝った人たちの為にも俺は生きていかないといけないんだ。その人たちの分まで幸せになる為にもね」

 

「それが苦しくてもですか?」

 

「ああ。苦しくても……それが償いになるのなら俺は甘んじてその苦しみを受けるよ」

 

俺はそこで優しく董卓に微笑みかけた。

 

「もし董卓が苦しくて苦しくてどうしようもないって言うなら。その苦しみを俺にも分けてくれ」

 

「え。それでは……」

 

「はは。別にかまわないよ。こんな可愛い子が苦しんでいるのを俺は見ていたくないからね」

 

「へぅ……」

 

俺の言葉に董卓は頬に手を当てて照れていた。

 

「ご主人様……っ!」

 

「いへへっ!あ、あいひゃ、いひゃいいひゃい!」

 

「ふん!」

 

愛紗に思いっきり頬を引っ張られてしまった。何かまずいことでも言ったかな?ただ董卓を励ましたかっただけなんだけど。

 

「ですが。私たちを匿えば、北郷様にご迷惑が」

 

「そんな迷惑だなんて考えなくてもいいんだよ!」

 

急に俺の後ろから声が聞こえ、董卓の言葉を否定した。

 

振り返るとそこには鈴々に道案内されてやってきた桃香たちが居た。

 

「え?」

 

「あんただれよ」

 

董卓と賈駆は突然現れた桃香を不思議そうに見ていた。

 

「私は劉備。字は元徳!よろしくね。董卓さん!」

 

「あ。私は董卓。字は仲穎と申します。こちらこそよろしくお願いします」

 

桃香と董卓は、お互い丁寧に自己紹介をし合っていた。

 

「それより。迷惑だなんて考えなくても良いんだよ!私たちが好きでやってることなんだから。ね!ご主人様」

 

「ああ。その通りだ。だから董卓は何も心配する必要はないよ。俺たちに任せてくれ」

 

桃香の言葉に同意して董卓に話しかける。

 

「じゃあ、一体ボクたちをどう匿うって言うのよ」

 

「ああ。そのことなんだけどね。董卓たちには死んで貰おうと思うんだ」

 

賈駆の疑問に俺は答えた。

 

「へぅ!?」

 

「ちょ!あんた、言ってることが全然違うじゃない!」

 

「あ、ああ。ごめんごめん!そう言う意味じゃなくて。董卓には世間的に死んで貰うって意味で実際に死んで貰うわけじゃないんだよ」

 

「死んだことにするって事?でも、ばれたりしたらただじゃ済まないわよ」

 

「大丈夫。聞いた話だけど。董卓って公には姿を見せてないんだろ?」

 

「ええ。月にあんな醜いものを見せたくなかったし」

 

醜いものか。確かに、今の官は私利私欲に働いているのが殆どだからな。

 

「だからさ。知られているのはごく一部なんだろ?だったらそう簡単にばれることは無いよ。実際、連合軍の中でさえ董卓の姿を知っていたのは菫だけだったからね」

 

「まあ、その話は分かったわ。それで、具体的にはボクたちはどうすればいいのかしら?」

 

「そうだな。まずは、名を捨てて貰うことになる」

 

「なっ!親から貰ったものを捨てろですって!?冗談じゃないわよ!」

 

まあ、確かにそう簡単に名なんて捨てられるわけないよな。

 

「でも、どこの誰に聞かれるか分からないだろ?」

 

「う゛……それはそうだけど……なら、ボクたちはなんて呼ばれればいいのよ」

 

「う~ん。真名とか?」

 

「はぁ!?それこそなんであんたなんかに真名で呼ばれなくちゃいけないのよ!」

 

「詠ちゃん落ち着いて。私たちは助けて貰うんだから、真名を教えても私は良いと思うな」

 

「月~。そんなこと言わないでよぉ。ボクや月の真名をあんな獣じみた男に呼ばせるなんてボクは嫌よ!」

 

「け、獣……」

 

お、俺ってそんな鋭い目つきしてるかな?

 

「ふむ。主は獣ですか……さぞかし閨では激しいのでしょうな」

 

見回りから戻ってきた星はとんでもない事を言い出した。

 

「へぅ!?」

 

「変態!月に近づかないでよね!」

 

「せ、星!何てこと言うんだよ!董卓たちが怯えちゃったじゃないか!」

 

「おや。主は獣ではないのですか?」

 

「あ、あのなあ!俺は、まだ閨に誰も誘ったことなんか無いんだぞ!」

 

「まだ!?あ、あんたは信用ならないわ!月やっぱり止めよ!こんな男のところに居たらいつ月の純潔を奪われるか!」

 

賈駆は董卓に抱きついて俺の事を睨み付けて来た。

 

「ま、まだなんだ……なら私にもまだ勝機が……」

 

「桃香様?如何なされましたか?」

 

「え!?う、ううん!なんでもないよ愛紗ちゃん!あは、あははははっ!あ、愛紗ちゃんこそ顔が赤いけどどうしたのかな?」

 

「っ!こ、これはその……ごほん!星!説得している最中に場をかき回すのはやめろ!」

 

「おっと。これは失敬。少しからかいすぎたようだな。今の事は忘れてくれ董卓よ。これは私の戯言だ」

 

星は董卓たちに頭を下げて詫びた。だけど俺は見てしまった。頭を下げたときに俺に向かいニヤリと笑ったのを。

 

そんなに氾水関での一月の禁酒を根に持ってるのか?

 

「と、とにかく!俺は女性に無理強いをさせたくないんだ。だから董卓たちが真名を呼ばせたくないって言うのなら違う方法を考えよう」

 

「……あ、あの、一つお願いがあるんですけど。良いでしょうか?」

 

「何かな?俺たちに出来ることなら」

 

「そ、その……ここに住んでいる家族も一緒に連れて行って欲しいんです」

 

「ん?家族?ここって呂布の屋敷だよね。呂布の家族って事?」

 

「はい。駄目でしょうか?」

 

まあ、呂布の家族なら問題ないか。それに興味もあるし。

 

「ああ、かまわないよ」

 

俺はあの強い呂布を育てた家族に興味があり董卓の提案に了承した。

 

「ありがとうございます!みんな~。出ておいで~」

 

董卓は花が咲いたように明るくなり大きな声で呂布の家族を呼んだ。

 

(ドドドドドッ)

 

「ん?なんだこの地響きは……」

 

「ご、ご主人様!あれあれ!」

 

「え?……いぃ!?」

 

桃香の指を指す方向を見る。すると目の前に動物の大群が押し寄せてきた。

 

「な、なんだこりゃ!?」

 

「えっと……恋さんの家族です」

 

「か、家族って動物が?」

 

目の前には犬や猫、鳥など多くの動物たちが居た。

 

「わふっ!はっはっはっ!」

 

俺の足元で俺に飛びついてきた犬が尻尾を振って見上げてきていた。

 

「だ、駄目だったでしょうか?」

 

「さ、流石にこの数の動物に餌をあげるだけのお金が……」

 

「へぅ。そうですよね……」

 

董卓は目を伏せて悲しそうにしてしまった。

 

「ちょっと!月を悲しませるなんてどういう了見よ!まさか、一度言った事を無しにしようなんて言わないでしょうね」

 

賈駆は腰に手を当てて俺を睨み付けて来た。

 

で、でもこの数は……そ、そうだ!こういう時の朱里えもん!じゃない。朱里だ!

 

「しゅ、朱里。どうしよう?」

 

「はわわっ!そ、そうですね……でしたら、董卓さんたちに働いてもらい、お給金から出すと言うのはどうでしょうか?」

 

「うん。それが一番いい方法かな。どうかな二人は」

 

朱里の提案に俺は首を縦に振り、董卓たちに同意を求めた。

 

「わ、私たちが働いてもいいのですか?だって私たちは……」

 

きっと董卓は、公に出るとばれることを気にしているんだろう。

 

「大丈夫。公の場所に出すつもりは無いよ。どこで董卓の事を知っている人が現れるか分からないからね」

 

「まあ、その対応には感謝するけど。それじゃ、ボクたちの仕事って何なのよ」

 

「そうですね。ご主人様の御付の侍女と言うことでどうでしょうか」

 

「はぁ!?なんでこいつの侍女なんてしなくちゃいけないのよ!」

 

朱里の提案に賈駆が大きな声を出して反対してきた。

 

「はわわっ!そ、そう言われましても……」

 

「詠ちゃん落ち着いて。私は別に気にしてないよ」

 

「でも月!あんな獣の侍女なんて何されるか分かったものじゃないわよ!それよりも月に侍女なんてさせるんじゃないわよ!」

 

「……ご主人様?」

 

「っ!ないない!絶対にそんなことは無いから!」

 

賈駆の話を聞いて愛紗が俺を射殺さんばかりに睨み付けて来た。

 

「と、とにかく!董卓たちを公の場に出すわけには行かないし、暫らくは政治関連からも離れていたほうがいいと思うんだ!」

 

「うぐ……そ、そう言われると……でも、なんであんた御付の侍女なのよ」

 

「それはですね。ご主人様は色々と忙しい身ですので身の回りの手助けをしていただけると助かると言いますか……あっ、そ、その分お給金は多めに出ますし。そうすれば、動物さんのお食事にも事足りるかと」

 

「はぁ、分かったわよ。納得はしてないけどあんたの侍女になってあげる。ただし!月に手を出したらただじゃ済まないからね!覚えておきなさい!」

 

賈駆はビシッと俺の鼻先に指を刺して宣言してきた。

 

「もう詠ちゃん。ちゃんとご主人様って言わないと駄目だよ。ご主人様、私の真名は『月』です。不手際があるかもしれませんがこれからよろしくお願いします」

 

「うん。分からないことがあれば俺や皆が手助けしてくれるから、気兼ねなく話してくれて構わないよ」

 

「はい」

 

董卓、改め月は笑顔で頷いてくれた。

 

「……ボクの真名は『詠』。いい!月が教えたから仕方なく教えるのよ。本当は嫌なんだからね!そこんところ勘違いしないでちょうだい!」

 

「うん。分かってるよ。これからよろしくね詠」

 

「わ、分かってればいいのよ。まあ、よろしくしてあげなくも無いわ」

 

詠は腕を組んで「ふんっ」とそっぽを向いてしまった。

 

「もう、詠ちゃんったら素直じゃないんだから。ご主人様、詠ちゃんは本当はとても優しいんですよ。きっと恥ずかしがっているだけですから」

 

「ちょ!そんなわけないでしょ!なんでこんなやつに!」

 

「詠ちゃん。ご主人様、でしょ?」

 

「うぐっ!」

 

「はは。俺の事は好きに呼んでもらって構わないよ。とりあえず改めて自己紹介しようか。俺は北郷一刀。字も真名も無いから、北郷でも一刀でも好きに呼んでもらって構わないよ」

 

「えっと、私は劉備。真名は桃香です。よろしくね、月ちゃん、詠ちゃん!」

 

そして、愛紗、鈴々と真名の交換をしていった。

 

「よし。それじゃまずは……動物たちを何か台車に乗せよう」

 

「ちょっと待ちなさいよ」

 

「うん?どうしたんだ詠」

 

「うぐっ!な、慣れないわね……まあ、それは追々慣れるとして。総大将の確か……袁紹だったわね。袁紹にはどう説明するつもりよ」

 

「そうだな……どこか人の居ない屋敷を燃やして。袁紹には自害したとか言うのはどうかな?」

 

「そんなことで騙せるの?」

 

「ああ。あの袁紹だから大丈夫だと思うよ」

 

「あ、あはは、そうだね。袁紹さんだからきっと大丈夫だよ」

 

俺の答えに桃香は苦笑いを浮かべながらも同意してくれた。

 

「ならいいけど……」

 

なんだか納得がいっていな詠だったが、それ以上言うことはなかった。

 

「ほ、報告します!」

 

「騒々しいぞ。どうした」

 

「そ、それが袁紹軍と袁術軍が洛陽の城門前で揉めていまして」

 

「な、なんでそんなことに……」

 

「多分ですが、痺れを切らした袁紹さんにそれを見ていた袁術さんが一番乗りの取り合いをしたのかと」

 

俺の疑問に雛里は自分の予想を言ってくれた。

 

「ありそうだな……よし、とにかく急ごう!どこか人気の無い屋敷。出来れば宮廷内に無いかな?」

 

「あるわ。東の離れに客人用の屋敷があるわ。そこなら今は誰も居ないから燃やしても平気なはずよ」

 

「わかった。それじゃ、星。詳しい場所を詠から聞いて向かってくれ」

 

「心得た」

 

「桃香と鈴々、朱里はここの動物たちを連れて行けるように台車を作ってくれ」

 

「はーい!」

 

「わかったのだ!」

 

「御意です」

 

「愛紗と雛里と雪華は俺と一緒に袁紹のところに行くよ」

 

「はっ!」

 

「は、はい!」

 

「あ、あの私たちはどうすれば」

 

「月たちはしばらく呂布の屋敷で隠れててくれ。頃合いを見て洛陽を出るから」

 

「わかりました」

 

「癪だけど、頼んだわよ」

 

「ああ。任せといて。よし、袁紹の所に向かうぞ」

 

皆に指示を出し、愛紗と雪華をつれて袁紹の元へと向かった。

 

「な、なんだこりゃ……」

 

「なんと醜い」

 

「あわわ。なんだか怖いです」

 

「ふぇ。街の人たちは平気でしょうか」

 

城門に俺たちが着くと酷い有様と言うか、醜い争いが始まっていた。

 

「このわたくしが一番乗りでしてよ!」

 

「いいや!妾が先に入ったのじゃ!」

 

「そうだそうだー美羽様の方が早かったんですよー」

 

「何言ってんだ!姫の方が胸の差で早かったんだぞ!」

 

「ちょ!文ちゃん。そんな大声で言わないでよぉ!」

 

「何言っちゃってるんですか~。そんなこと言ったら、美羽様に勝ち目が無いじゃないですか」

 

「七乃!お主はどっちの見方なのじゃ!」

 

「もちろん。美羽様に決まってるじゃないですか。そのつつましい胸は希少価値なんですからね」

 

「うむうむ。そうであろう、そうであろう!七乃、よく言った!」

 

「何わけのわからないことを内輪でやっているのかしら?とにかく一番乗りはこのわ・た・く・し!でしてよ!」

 

「妾なのじゃ!麗羽姉さま、少しは妹である妾に譲ってくれても良いではありませぬか」

 

……なんていうか、呆れてものが言えないな。

 

争う内容が陳腐過ぎる。まあ、この時代で一番乗りがどれほど重要なのかは俺も知っている。だけどそれとは別に、この二人の言い争いは聞くに耐えない。

 

「とにかく、報告だけして離れよう」

 

「それがよろしいかと。私も聞いていて段々腹が立ってきていたところですので」

 

愛紗は整った眉をぴくぴくと引くつかせながら我慢していた。

 

「ちょっといいかな」

 

「ん?今取り込み中でしてよ。後にしてくださるかしら?」

 

「董卓の事についてなんだけど」

 

「え?ああ、そう言えばあなたに董卓を連れて来るように言っていましたわね。それで?董卓はどこに居るのかしら?」

 

忘れていたのか袁紹は思い出したように董卓は何処かと聞いてきた。

 

「連れて来るのは無理だった」

 

「どういうことですの?」

 

「董卓は……自害した」

 

「あらそうですの。なら良いですわ」

 

「……は?」

 

我ながらなんとも間の抜けた返事をしてしまった。

 

「だって、死んだものは仕方ないではありませんの。他にどうしろと仰るのですか?」

 

「い、いや。自害した理由とか、どう自害したとか普通聞かないのか?」

 

「面倒だから結構ですわ」

 

「……」

 

開いた口が塞がらないとはこのことだ。俺たちが数ヶ月準備をして来たことが袁紹の一言で一瞬にしてパーになったからだ。

 

「あ、愛紗……俺たちのやってきたことって一体なんだったんだろうな」

 

「……お、お気を確かに!て、手間が省けたと思えばよいではありませんか!」

 

「そ、そうだな……そう言うことにしよう……」

 

愛紗の気遣いに少しだけ立ち直れた。

 

こうして、反董卓連合軍はあっけなく幕を閉じたのだった。

 

その後、洛陽に到着した曹操や他の諸侯から、袁紹は民が苦しめられていなかったことを追求されることになったが。

 

『名家であるわたくしを攻めるなんて、あとでどうなるか分かっているのでしょうね!』の、一言で一蹴するという力技に出ていた。

 

まあ、曹操は呆れて言うのをやめた見たいだけど。きっと、曹操も洛陽の実態は把握済みだったんだろう。

 

そして、俺たちは数日間洛陽に留まり、周りが落ち着いてきた頃合いを見て平原に戻っていった。新たに仲間になった月と詠、そして多くの動物たちを乗せて。

 

《To be continued...》

葉月「どもー。こんにちは葉月です」

 

愛紗「愛紗だ。皆のもの元気にしていたか?今宵は待ちに待った拠点投票の日だぞ!」

 

葉月「テンション高いですね。自分が選ばれるとでも?」

 

愛紗「当たり前だ!選ばれなければご主人様との甘いひと時がすごせないではないか!」

 

葉月「あー。ソウデスネ」

 

愛紗「なんだその棒読みはもっと気合を入れろ!」

 

葉月「……いぇーい!今日は待ちに待った拠点投票開始日だぜーーーーっ!」

 

愛紗「そこまでしろとは言っていない」

 

葉月「……ぐすん、もういいですよ。さて、今回は私の横に居る人が煩いので当選枠を広げることになりました」

 

愛紗「うむうむ!」

 

葉月「当選枠は五枠。おまけは今までの投票結果から必ず上位に入っているので今回から固定で書くことにしました。これで実質二枠増えたことになりますね」

 

愛紗「いいぞ。葉月、話の分かる奴だ」

 

葉月「もうこれっきりにしてくださいね?これ以上枠が増えると本編も進まなくなるんですから」

 

愛紗「善処しよう」

 

葉月「……」

 

愛紗「なんだその目は。私が信用できないと?」

 

葉月「まあ、『今は』信用しておきましょう。それと、今回から投票数を一人三つにします。これで更に票数が複雑になることでしょう」

 

愛紗「これは以前と同じように一人に全て入れても良いということか?」

 

葉月「はい。ルールは以前と同じです一人に全部入れても良いですし。分けても良いですし。好きに投票して貰っても構いません。ただし!紹介した人以外に票を入れるのは無効票にしますのであしからず!」

 

愛紗「と言う訳だ。では、ここからは拠点投票参加者の紹介と意気込みだ」

 

 

1.桃香「愛紗ちゃんに先越されちゃったけどまだまだ大丈夫!今度こそ絶対にご主人様とお出かけするんだから!」

 

2.愛紗「当選枠が増えようとも、恐れず前進あるのみだ!みな、よろしく頼むぞ」

 

3.鈴々「むー!どうして誰も鈴々に票を入れてくれないのだ!不公平なのだ!」

 

4.朱里「はわわ。枠が増えたから入る可能性あるのかな?あ、あのがんばりましゅ!」

 

5.雛里「はぅ~。えっと、票を入れてくれないとイタズラしちゃうぞ……え?それは『はろうぃん』の言葉ですか?あわわ、間違えちゃいました」

 

6.星「皆の者、前回は良い働きをしてくれた!今回も票を入れてくれたものに秘蔵のメンマを死ぬほど、いや、死ぬまで食わせてやろう!」

 

7.雪華「ふぇ。えと、えと……不束も、じゃない。ご、ご主人様に自分の気持ちを伝えられるようにがんばります!」

 

8.月「あの……えっと。詠ちゃん共々、よろしくお願いします」

 

9.詠「ちょっとそこのあんた!月に票入れたら、私がぶん殴りに行くから覚悟してなさいよ!月は私だけのものなんだからね!」

 

※オマケ(天の声)「もー!雪華ちゃんとも雛里ちゃんとも、スリスリ出来なかったよぉ。このおまけで絶対にするんだからね!」

 

 

愛紗「最後のは必要なかったのではないか?」

 

葉月「まあ、せっかくなので載せておきました」

 

愛紗「ふむ。さて、今回は誰が一位になるか楽しみだな」

 

葉月「まあ、確実に月だと思いますけどね……」

 

愛紗「何か言ったか、葉月よ」

 

葉月「人に堰月刀を向けないでください!」

 

愛紗「まあ、結果は何れ分かること、楽しみしておこう」

 

葉月「……私の余命も後わずか!?」

 

愛紗「なにを分けのわからん事を。所で締め切りはいつなのだ?」

 

葉月「え?あ、ああ。次回の投稿までが締め切りです。そして私の命も……」

 

愛紗「よくわからんが。葉月は放って置こう」

 

葉月「ブツブツブツ……」

 

愛紗「と、取り合えず。今日はここまでだ。みなの者、じっくりと考えて投票してくれ!では、さらばだ!」

 

葉月「まだ死にたくなーーーーーいっ!」

 

愛紗「煩い!」

 

葉月「ぐはっ!」

 

 

 

(◕‿‿◕)やっぱり理解できないなあ、人間の価値観は


 
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