No.322554

【銀英伝】双璧の二人でパフェを食べ合う様子を殺伐とした雰囲気でかきましょう。

まふゆさん

2人構図シチュお題ったー でこういうお題が出たので。
ホントはマンガにするつもりだったんですけど、ちょっと長くなってしまったので小話に。

2011-10-23 01:30:32 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:866   閲覧ユーザー数:864

目の前に巨大なパフェがドンと置かれ、金銀妖瞳の青年士官は顔を引きつらせた。

 

「卿が食べたかったものとはこれか?」

 

顔を引きつらせたままロイエンタールは目の前に置かれたパフェを指差した。

 

「そうだ。卿は甘いものは嫌いか?」

 

悪気なさそうに正面に座ったミッターマイヤーがスプーンでパフェの生クリームをすくいながらロイエンタールの質問に答えている。

「嫌いとか以前に、男二人でパフェを食べる事になんの疑問も抱かないのか?卿は……」

 

そう言っている間にもミッターマイヤーは、もりもりとパフェを口に運んでいる。

まるでロイエンタールの話が耳に入ってないような素振りで。

 

「……聞いているのか?ミッターマイヤー」

 

スプーンを口に運ぶ動作を一旦止め、ミッターマイヤーは、パフェ用の細長いスプーンでくるくると宙に円を書くように回しながら、ロイエンタールの問いかけに答えた。

 

「聞いている。しょうがないだろ。流石に一人でこの量は食べきれん」

 

目の前にある巨大なパフェにちらちらと視線を送りながら、先ほどからスプーンを回す手を休める事はしない。

 

「ならば、卿がよく話題にするエヴァンゼリン嬢を誘えばよかろう」

「今、食べたかったんだ。エヴァとは彼女がこっちにきた時に食べに来る」

 

ロイエンタールの皮肉もさらりとかわし、ミッターマイヤーはパフェを口に運ぶ動作を再開する。

ふと、ロイエンタールの手元に目をやると、スプーンがまだナプキンの上に置かれたままで、彼自身がそれに手を付ける気が全くない事を悟ったミッターマイヤーは、少し意地の悪いことを思いつき、それを実行に移すべく口を開いた。

 

「そんなことよりほら、卿も食え。俺一人では食べ切れんと言っただろ」

 

一口分載せたスプーンをロイエンタールに向かって差し出し、口を開けろと言わんばかりの表情でロイエンタールを見つめる。

そんなことをされて一瞬戸惑い、視線を差し出されたスプーンに釘付けになったロイエンタールだが、視線をミッターマイヤーに戻すと、食え、食わなければ酷い目に合わせるぞと言わんばかりのオーラを全面的に醸し出している。

 

結局、根負けしたロイエンタールが、ミッターマイヤーに差し出された一口分を不本意ながらあーんというシチュエーションで食べることになり、それを見たミッターマイヤーは満足げに微笑みながら、ロイエンタールが自分のところに置かれていたパフェ用のスプーンに手を伸ばすまでパフェから一口分すくい取って、ロイエンタールの口元に持って行くのをやめなかった。

 

 

おしまい。


 
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