三日後・・・

「おーい、桂花～～」

廊下を歩いていた桂花に春蘭が走り寄ってきた。

「おまえ、聞いたか？」

「何をよ・・・」

めんどくさそうに言う桂花だった・・・が、

「北郷が釣りに出かけて、足を滑らせて川に落ちたんだそうだ。笑えるだろ？」

「ふん！いい気味・・・」

そこで桂花は言葉を止めた。

「どうした？」

春蘭が訝しげな表情になる。

桂花は少し考えこみ、

「・・・悪いけど、急用を思い出したわ」

そう言って自分の部屋の方へと走り去って行った。

「・・・何なんだ？」

春蘭は訳が分からないと言った表情で、ぼーっと突っ立っていたのであった・・・

そして部屋に戻った桂花は記録帳を手に取った。

（偶然よ・・・そうに決まってる・・・）

そう思いながらも桂花は、記録帳にこう書き加えた。

北郷一刀は私の作った落とし穴に落ちる

そしてまた三日後

落とし穴の近くで桂花は張り込んでいた。

「もしも本当に落ちたら・・・」

期待と疑念が渦巻く中、

「あ～あ、なんかおもしれー事ねえかなあ・・・」

一刀がやってきた。

彼の進行方向は落とし穴に一直線。

（・・・もしかして、本当に？）

ドキン！ドキン！と桂花の心臓は高鳴る。

そして後一歩で落ちる・・・ところで

「一刀～～」

一刀の足は止まった。

声のした方を桂花が見ると、落とし穴に一刀とは反対方向から走ってくる白蓮の姿が・・・

そして

「どわあ！」

白蓮は見事に落とし穴にかかった。

（・・・やっぱり偶然だったようね。馬鹿馬鹿しい、何を期待してたのかしら？私は・・・）

こそこそとその場を立ち去ろうとしていた桂花。

だが・・・

「何やってんだよ？ほれ、つかまれ」

「あ、ああ、すまん」

一刀が白蓮に手を伸ばし、白蓮がその手を掴んだところで・・・

「陳宮キーック！！！！」

ドカッ！

「おお！！」

不意をつかれた一刀はそのまま落とし穴へ・・・

「わわっ！！」

そのまま白蓮の方へ倒れこむ形となった。

「痛えな！いきなり何すんだ！？」

穴に落ちた一刀はねねに声を荒げる。

「この前ねねを差し置いて恋殿と街へ食事に行ったと聞いたのです！これは天誅です！！」

「・・・嫉妬かよ。お前、詠や焔耶たちとしっと団でも立ち上げたらどうだ？」

「意味が分からないのです！！」

もし本当に立ち上げたらそこらの賊も真っ青のテロ集団が出来てしまうが・・・

そんな会話をしている間も一刀は白蓮を押し倒した体勢になっていた。

しかし白蓮は

（・・・もう少しこのままでもいいかな？）

などと思いながら二人の言い合いを見ていたそうな・・・

さて、それを隠れて見ていた桂花。

「・・・やっぱり、これは・・・」

まだ確定ではないが、まだ試す価値はあると思った。

急いで部屋に戻り、記録帳を開いた・・・

それからも彼女は記録帳に一刀の不幸を書きつらねた。

その出来事はいつも三日後、現実となった。

試しに日時を指定してみたが、それは意味がなかった。

何故かは分からないが、三日後と言うのが法則らしい。

そんな訳で、とにかく一刀の不幸を笑って見ていた桂花であったが・・・

ふと思った。

この力は一刀以外にも効くのではないか？と

そして彼女は

禁断の扉を

開けてしまった

（華琳様の一番になりたい。もしもなれたら死んでもいい・・・）

どうも、アキナスです。

いやー、この話は色々分岐考えてたんですけど、結局こんなんになりました。

デ〇ノートが悪〇の日記帳へと変貌しそうですね（汗）

さて、一刀以外に効力はあるのか？

そしてその後はどうなってしまうのか？

色々引っ張って次回に・・・

「ルービックキューブ張り手！！」