No.309921

織斑一夏の無限の可能性26

赤鬼さん

第26話です。

前回から大分、時間が空いてしまいました。

忙しく、なかなか更新できませんでした。

続きを表示

2011-09-30 01:02:55 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:5098   閲覧ユーザー数:4808

 

 

 

 

 

 

 

Episode26:おっぱい魔人と英国痴女

 

 

 

 

 

 

 

 

【箒side】

 

 

ラウラと鈴のキス騒動から開けて数日たった日の早朝、篠ノ之箒は寮の裏、ときおり簡単な集会の場としても使われるようなぽっかりと空いたような場所でもやもやした心情を晴らすかのように真剣による素振りの鍛錬を行っていた。

 

もやもやした心情の要因はもちろん自身の想い人である一夏の事だ。

 

その一夏のファーストキスをラウラに、そしてあまつさえセカンドキスさえも鈴に奪われる形となってしまったのだ。もちろん、サードキスまで奪われている事は箒は知らない事なのだが。

 

一夏のファーストキスは自分が、と信じて疑わなかった箒はラウラと鈴のキス騒動の一件はとても受け入れ難い事実であった。

 

ここ最近はラウラと鈴のキス騒動が頭から離れず、ベッドの中へ潜り込んでも眠れぬ始末―――気が付けば、小鳥のさえずりが聞こえるような時間まで眠れない事もあった。

 

もうどれくらい振っていただろう......何百回と行ってきた素振りに息も切れ、汗がしたたり落ちてくる。ただ、これだけ鍛錬に打ち込んでも一向に晴れないもやもやとした気持ちに自然と溜息が出る。

 

 

「はぁ......一夏......」

 

 

気が付けば、想い人の名前を口にする。

 

現時点で一夏を狙う女生徒は多い。今や自分だけのアドバンテージだった”幼馴染”というポジションも鈴もいる時点であまり利点はないようにも思える。

 

ましてや、その同じポジションである鈴は既に一夏とキスまでしている。しかも大人がするようなハードなキスを......。

 

だから考えてしまう。一夏が自分じゃない誰かに取られてしまうんじゃないか、と。

 

私は一夏に”大事な存在”と言われた。まぁ、それは鈴やセシリアもだが。でも、言われたあの時、私の胸は幸せでいっぱいになった。

 

だからこそ私は一夏の”一番大事な存在”になりたいと強く願う。その為には今月末の学年別トーナメントの優勝は必要不可欠なのだ。

 

絶対に優勝して、一夏に初めてを捧げたい。

 

その為には自身が強くならねばならない。

 

ただ、問題もある。未だにパートナーを決めかねているのだ。

 

今回の学年別トーナメントはタッグ戦である。優勝するには自身が強いだけでなくパートナーが強ければ優勝する可能性は上がる。だからこそ強いパートナーが必要になる。

 

現時点で候補に挙がるのはセシリアか鈴だ。ただ、鈴は既にキスまで奪われたので、鈴と組むのは癪だ。

 

なら、同じ立場のセシリアが一番の有力候補だ。しかもセシリアは一夏との特訓に一緒に付き合ってた事もあり、セシリアと組んで一夏と対峙した事もあったため、コンビプレイの経験はある。

 

そしてお互いの不得手をカバーするかのように、セシリアの苦手な近接戦は私が得意とする距離で、逆に私が苦手とする遠距離戦をセシリアは得意とする。

 

しかもセシリアの方でも未だにパートナーを決めかねているようで、誰とも組んでいない。

 

パートナーとして、これほど問題の無い相手はそうはいない。

 

ただ、問題が一つあるとすれば、セシリアも一夏を狙っているという事だ。だからこそ今日まで一緒に組む事を躊躇ってしまっていた。しかし学年別トーナメントは今月末に開催されるので、早めにペアを組んで連携の練習をしたいのが本音だ。

 

だから迷っている時間はないのだ。

 

分かっている......そう分かっているのだが......、優勝したら、あの英国痴女は間違いなく一夏に処女を捧げようとするだろう。

 

むぅ~、どうすればいい......。

 

しかし優勝するには一夏のパートナーになれない以上はセシリアが適任だという事は自分でもよく分かっている。

 

さて、考え込んでても仕方がない。取り合えずシャワーでも浴びて、学園に向かう準備でもするか......。

 

ただ、まだ時間的には早朝であるため、ルームメイトはまだ夢の中だろう。そんなルームメイトの眠りを妨げるのも申し訳ないという思いで部活棟のシャワールームへと向かう。

 

部活棟を管理している先生に挨拶を済ませ、脱衣所へと向かう。ただ、誰もいない。

 

そう、実は朝練をする生徒達よりも箒は早めに起き、誰にも鉢合わせないように一人黙々と真剣を振るっていたのだ。それは何故か―――胴着をはだけさせ、窮屈そうなブラに包まれたたわわで張りのある乳房が原因だった。

 

この年頃で箒の胸のサイズは傍目から見てもでかい。いや、巨乳《デカ》い。

 

異性の目だけでなく同性の目さえも惹きつけるほどのサイズなのだ。

 

箒は恥ずかしさからか、あまりジロジロ見られるのは好きではない。だから誰もいない時間帯を狙って、一人、練習に励むのが朝の日課でもあった。

 

脱衣所で胴着と下着を全て脱ぎ、シャワーを全身に浴びる。まとわりつく汗をきれいに洗い流すように全身に浴びながら、視線をふと下に向けてみる。

 

自身の胸を凝視すれば、同年代ではそういないであろうサイズの乳房が視線に映る。

 

そして自分で胸を揉んでみる。

 

もにゅもにゅもにゅもにゅ。

 

はぁ~......また大きくなったんじゃないだろうか......。

 

巨乳というものは女からすれば重いわ肩が凝るわで邪魔にしか思えない。大きければ大きいほど負担も大きくなる。

 

もにゅもにゅもにゅもにゅ。

 

何度揉んでみても、大きい。自分でさえもそう思えてしまう。

 

しかし、箒はその大きすぎる胸をそんなに嫌ってもいなかった。一夏と再会するまでは小さくなればいい、もしくは無くなってしまえばいいとまで思っていたものだが、一夏と再会してから、一夏の視線が度々自身の胸に向けられている事に気付いていたのだ。

 

一夏は胸の大きな女子を好むのだろうか?

 

同室になった初日、一夏は確かに私の胸に視線を向けていた。つまり興味があるという事だ。

 

一夏が望むなら、私はこの胸でな、何でもしてやるつもりだ。揉まれようが、吸われようが、舐め回されようが、......挟んでほしいというなら......挟もうが......。

 

ボン! そこまで考えて顔が熱くなるのを感じ、思考を中断する。

 

わ、私は、な、何を考えてるんだ、何を。

 

で、でも、一夏は確かに私を異性として意識している事を感じるし、それが嬉しかった。

 

あれだけいる恋敵《ライバル》の中でも私の胸のサイズに勝る女子はいない。なら、私はこの胸を使って、一夏を落とせばいいのではないか?

 

ふふふ、それもアリだな。

 

これならセシリアをパートナーにしても自分にも勝機があるのではないか。

 

 

「よしっ! 一夏との初体験のためにもセシリアにパートナーになってもらおう!」

 

 

一夏との初体験のためには学年別トーナメントで優勝しなければならない。そして優勝するには自身が強くなるのは最低条件として、パートナーも強い方がいい。

 

しかし、一夏の事を想いながら、胸を揉んでいると、何か変な気分になってくる。しかし嫌な気分ではない。

 

何だろう? この気分は?

 

大事な所が熱くなってくるのを感じる。

 

私は夜から続いたもやもやとした気分とは別のもやもやした気分を感じながら、シャワールームを出たのであった。

 

 

 

 

【セシリアside】

 

 

「はぁ~......一夏様......」

 

 

寮から学園までいつもは愛する一夏と一夏を想う箒や鈴、最近はシャルルと登校をしているセシリアだったが、最近は一人になりたかったため、一人での登校が続いていた。

 

一人になりたい理由―――それはラウラと鈴のキス騒動の一件である。

 

想い人である一夏のキスを他人に奪われている様を見せつけられて、いい気持ちはしなかった。

 

願わくば、自分と―――。そんな想いがあの日から頭を離れない。

 

唯一の男子である織斑一夏。そんな一夏を狙う女子は多い。そんな彼を巡る争奪戦はかなりのデッドヒートが予想される。

 

それでもセシリアには勝算もあった。

 

ラウラとの決闘の際、暴走したラウラを相手に窮地に陥った自分を救い出してくれたのは他でもない一夏様でしたわ。

 

白馬ならぬ白いISを纏ったわたくしだけの王子様。ちょっとエッチな所はありますが、ぞれに関してはウェルカムなので問題はないですし、寧ろ迫ってきてほしいくらいですわ。

 

だからこそ一夏様の貞操は他の女子に渡したくない。

 

一夏様の貞操はこのわたくしが―――。

 

そのためにも今月末に予定される学年別トーナメントの優勝は必要不可欠。自身が強くならなければいけないのは当たり前としても、今月末のトーナメントはタッグ戦となるので、ペアになるパートナーも出来れば、強い者が好ましい。

 

だからこそパートナー選びに慎重になる。

 

しかし、セシリアに勝てるほどの実力を有している一夏はシャルル・デュノアと、ラウラに関しては相川清香に奪われてしまった。

 

鈴さんは......問題外ですわね.....。

 

自身を差し置いて、一夏とキスを済ませた鈴とペアを組むのは、自身がまだキスを済ませていない事もあって、許容できないものだった。

 

確かに鈴は強い。しかし、鈴と組むとなると、同じ相手を想う者同士であり、キスをしたしてないで考えると、有利なのは鈴だ。それは女としての自尊心《プライド》が許さない。

 

そうなってくると、次に思い当たるのがおっぱい魔人―――篠ノ之箒だ。

 

彼女も一夏を想い、狙っている一人だが、自身と同じでキスをしていない。つまり立場は同じなのである。しかも最近の彼女は専用機は持っていないが、類稀なるセンスを生かして、同学年の中でもメキメキと成長しているのが分かる。

 

もともと剣道をやっていた事もあり、同学年の中で専用機持ちを外せば、強い部類に入る。

 

さらには放課後、一夏との特訓に最初の方から二人で参加していたため、何度かコンビを組んで一夏と対峙した事もあったので、コンビプレイに不安はない。

 

迷っている時間はない。少しでも早くペアを決め、連携の練習に時間を使いたいのが本音だ。

 

やはり、ここは箒さんとペアを組んだ方が優勝の可能性がありますわね。

 

優勝した暁には、一夏の貞操を巡って、改めて箒と対峙する事になるだろうが負ける気はしない。

 

 

「そうですわね。わたくしの記念すべき華やかな初体験を演出するためにも、箒さんに協力してもらうとしましょう。ふふふふふふ」

 

 

知らず知らずのうちにぐっと拳を握りしめ、自身のクラスの教室の扉を開ける。―――そこでセシリアを待っていたのは未だにペアを決めていないセシリアをパートナーにしようと画策する女子達であった。

 

 

「セシリア、おはよ。今度の学年別トーナメントのパートナーって、もう決めた?」

 

 

「セシリア。私と組も?」

 

 

「一緒に組んで! お願い!」

 

 

彼女達も一夏様を狙っているのでしょう。皆、必死な顔でわたくしにパートナーになってほしいと願い出てくる。

 

考えてみれば、自分は専用機を持っており、ましてや前回の決闘でラウラさんが暴走するまで、押していたのは自分だった。だから、自分達が優勝するには少しでも強いパートナーが必要という事でわたくしにパートナーになってほしいという願い出をしてくるのでしょう。

 

あの決闘の日からパートナーの申し出は毎日続いている。

 

どうしても決めかねていたので時間はかかってしまいましたが、わたくしはパートナーとするべき相手を既に今日決めましたので、ここは断っておくべきですわね。

 

 

「ごめんなさい、みなさん。わたくし、既にパートナーにする方は決めましたの」

 

 

「そうなんだぁ~......残念」

 

 

「あぁ......私の優勝の可能性が......織斑君との初体験の可能性が......消えていくぅ......」

 

 

わたくしの返答に肩を落として散っていくクラスメイト達。

 

そして、わたくしはパートナーとするべき相手の机に向かう。そう、箒さんの所へ。

 

 

「箒さん。今よろしいかしら?」

 

 

「構わない。ちょうど私もセシリアに話があったからな」

 

 

「そうなのですか?」

 

 

「ああ。ところで私に話があったのではないか?」

 

 

「そうでしたわね。今月末に予定されている学年別トーナメント......まだペアを決めていませんわよね?」

 

 

「ああ、まだ決めてない」

 

 

「―――わたくしとペアを組みませんか?」

 

 

わたくしの言葉が意外だったのか、少し目を丸くしていた箒さんでしたが、直ぐに表情を戻す。

 

 

「そうか。私もちょうどセシリアにお願いしようかと思っていたところだったんだ。うむ、それなら話が早いな。私とペアを組んでくれるか、セシリア」

 

 

お互いにお互いがペアにしようとしていたらしいですわね。思わぬ偶然でしたが願ってもいない事。わたくしは了承の意を示すため、手を差し出すと、箒さんも手を差し出し、固い握手を交わす。

 

 

 

 

*◇*◇*◇*◇*◇*◇*

 

 

 

 

 

【一夏side】

 

 

放課後。

 

箒とセシリアは一緒に組む事にしたみたいでHRが終わると早々に二人で特訓に向かった。あの二人が組むんだ。これは手ごわいかな。

 

セシリアは前回の決闘の後からBT兵器の思考制御能力が向上したおかげでメキメキと実力を伸ばしてきている。

 

そして箒自身、専用機を持っていないが、もともとの剣道での鍛錬が生かされ、ISでの近接戦に関しては実力は高い方だ。

 

ラウラは清香さんを鍛えてるらしく、こちらも早々に教室を後にしている。こちらの特訓は非常に厳しいらしく、組んだ翌日に清香さんは筋肉痛でまともに動けていなかったが、日に日に実力を上げてきているとラウラが前に話してくれた。

 

鈴はルームメイトのティナ・ハミルトンという女子と組んだみたいだ。ぺアを組んだ相手の事はよく知らないが、鈴曰く実力は高いとの事だ。

 

そして、一番の問題が実はのほほんさんだったりする。四組の専用機持ちとペアを組んだらしい。

 

最初は断られていたらしいのだが、何度も何度も四組まで出向き、説得に説得を試みたらしい。

 

幼馴染らしいのだが、どんな子かは知らない。何せ四組の子とはあんまり絡んだりした事がないし、知り合いがいるわけでもないからな。

 

まぁ、何はともあれ、俺は誰にも負けるわけにはいかない。

 

何せ優勝を逃がしたら俺の貞操が......奪われてしまうのだっ!

 

男からしたら女に襲われるなんて夢のようなシチュエーションだと思われるかもしれない。

 

一夏もげろ、とか言われるかもしれない。

 

だが、これだけは言わせていただくっ!

 

俺は狩られる側ではなく、狩る側......つまり狩猟者《ハンター》なのだ!

 

だから記念すべき初体験を逆レ○プのような形で奪われるのは、伝説のおっぱい戦士として許されぬ事なのだっ!

 

 

「俺は絶対に優勝してみせるっ! さぁ、シャルロ......じゃなくて、シャルル! 今から特訓に行こうぜ!」

 

 

「うん、絶対に優勝しようね、一夏♪(一夏の貞操は誰にも渡さないよ。キスは三番目になったけど、一夏の初めては僕が奪ってみせるんだから)」

 

 

そして今日も俺は学年別トーナメントで優勝するために、シャルロットと連携の特訓に励んだのであった。

 

 

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
5
0

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択