No.302337

真・恋姫†無双 ~君思うとき、春の温もりの如し~ 29話

lovegtrさん

今回から新章。
久々に登場呉の人たち。
呉に戻った一刀を待っていたのは…
ではそうぞ!

2011-09-18 01:41:47 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:7935   閲覧ユーザー数:4393

【呂蒙 side】

一刀様達が劉備さんのところへと旅立って数日、交州遠征の準備が完了し、私たちも交州へと出発しました。

「うぅぅ……」

私は交州遠征の総司令の任を命じられました。

初めての大役です。とても緊張します。

交州を治める士燮(ししょう)さんはあまり戦いを好まない人だと言います。

しかし油断は禁物です。

私の失敗で多くの兵を危険に晒すこともあります。気を引き締めなくては。

「なんだ亞莎、緊張しているのか?」

「栄さん……」

緊張でいつの間にか唸っていた私の隣に栄さんが馬を並べます。

「緊張するのも分かるがあまり固くなるなよ。もしもの時判断が鈍るぞ」

「栄さん…ありがとうございます」

「それにオレが付いてるんだ、負けないぜ!」

栄さんは拳を自分の胸に当て任せろと言います。

「だから一番槍はオレにしてくれよ」

「あー、ずるいです!一番は私です!」

反対側を見ると、いつの間にか烈火ちゃんが隣にいました。

「私は一刀様に頼まれたんです!

『烈火、交州での戦いは君にかかってるんだ、期待してるよ。帰ってきたらたくさんご褒美をあげるからね』って、キャ~~~~~!!」

そう言い、頬を赤くしながらくねくねとする烈火ちゃん。よく馬から落ちませんね…

「いや、一刀はそんなこといってないだろ…」

私も少し呆れながらも、さっきまでの緊張がほぐれた様に思いました。

これなら行けそうな気がします。

「よしっ!」

決意を新たに交州に向け馬を進めます。

 

「伝令!前方に敵軍を発見!」

偵察に出ていた兵が戻り報告を行うと、先ほどまでの穏やかな雰囲気がガラリと変わり緊迫した空気に変わりました。

「それで、敵の数は!」

「はい!それが…敵は百にも満たない兵で4里(1里約500メートル)先に留まり動く気配がありません」

どういうことでしょう、百にも満たない兵で私たちを迎え撃つのは無謀です。

「何かの策でしょうか?」

前にいる兵を囮とした伏兵?しかし他の偵察の報告ではそのような気配は無いと言うことでした。

「わからん。この辺りには兵を隠せる様な場所も無いしな……」

栄さんも敵の本心がわからず、困った顔をしています。

 

私達は軍を小高い丘へと進めそこから敵の様子を伺うことにしました。

「やはり報告にあったように少ないですね。

周りにも敵を伏せることができる場所もありませんし」

敵の様子を見ても、これから戦うような雰囲気ではありません。

すると、敵軍から数名が馬に乗りこちらに向かって出てきました。

「なんだ舌戦でもするのか?」

「いえ、舌戦で士気をあげてもあの数じゃ意味がありません」

一体どうするんでしょうか。

すると出てきた先頭にいた男の人がこちらに向かって叫び始めました。

「私は交州太守の士燮です!」

「なんだって!?」

まさか、太守自ら出てくるとは。しかし私たちの驚きはそれで終わりではありませんでした。

【呂蒙 end】

益州に留まり数日、俺達はそろそろ呉へと戻ることにした。

桃香とは話し合いを何度も行い、これから互いに協力する事を決めた。

呉に戻ることを伝えると、桃香達は俺達のために宴を開いてくれた。

酒もすすみ宴も終わりにさしかかった頃、桃香はおもむろに立ち、皆に向かって叫び始めた。

「みんな~!ちょっと聞いてほしいことがあるんだけど!

 実は、私も自分の国をつくろうとおもいまーす!へへへ、これから私たちの国は蜀としますねー!」

酔った桃香は盃を片手に自分の家臣を見ながら宣言した。

そんなに軽くて良いのか、大事な事なのに……

「はわわ~、さすが桃香様ですー」

「あわわ~、桃香様が2人いる……」

蜀の頭脳2人は酔っており、桃香の言っている意味が分かっているのかどうかも怪しい。

「姉上ー!この関雲長、どこまでもついて行きますぞー!」

「鈴々もなのだ!」

桃香の義妹2人もかなり酔っていて、桃香の言葉にただただ感激しているだけだった。

「えへへ~、私えらい?ねぇ~一刀さーん、私えらい?」

一仕事したって顔をしながら桃香は俺の隣に座り、絡んできた。

「あー…えらいぞ桃香」

「ホントー?じゃあ、ナデナデしてー」

これ以上絡まれるのもアレなので、言う通りに頭を撫でてやることにした。

「きさまー!なに羨ましいことをやっているのらー!」

すると桃香とは反対の俺の隣に座っていた思春が桃香に文句を言い出した。

「一刀様は呉の王なのだぞ!きさまが簡単に近づく様な人では無いのだぞー!」

「だったら、私も蜀の王様だもんねー。だから別に大丈夫だもーん」

「な、なんらとー!きさまー!そこに立て!成敗してくれるー!」

「お、おい思春…」

すると思春はさっと立ち上がり、桃香に向かおうとした。

「おろ?」

しかし急に立ったことと酔いにより、思春はその場に倒れこんでしまった。

「この甘興覇一生の不覚…ZZZ…」

「あははははー!甘寧さんカッコ悪ーい!」

そう言う桃香も思春が寝ている方とは違う方を指さし笑っている。

「じゃあこの勝負、私のか…ち…ZZZ…」

周りを見渡すとほとんどの者が眠っており、宴は自然と幕を閉じることとなった。

翌日、桃香は二日酔いと、国号発表をあんな軽く宣言したことを後悔することになったのは言うまでも無い。

そして出発当日、桃香達は見送りにとやって来た。

別れの挨拶と、俺に近づこうとする桃香を思春は鋭い視線で睨みつけていた。

それから恋と音々音は結局俺達と一緒に戻る事となった。

「月と詠が無事で良かった…でも、恋はこれからも一刀たちと一緒にいる…」

「ねねは恋殿と共にありますぞー!」

だそうだ。

 

益州を、蜀を出発して数日、行きは華雄襲撃という事件があったが、帰りは何事も無く無事呉へと戻ることが出来た。

久しぶりの呉に着くと城の広間に皆が集合していた。

「おかえりなさい、一刀」

「ただいま、雪蓮。

 皆が集まっているってことは交州遠征、うまくいったのか?」

「「………」」

皆がいるということは成功したのだろうを思い聞いてみたのだが、誰も返事をせずうつむいていた。

「まさか、失敗したのか?それとも誰か怪我を……」

「いや、そうでは無いのだが……」

なんとも言えない雰囲気に悪い結果が頭をよぎったが、冥琳によりそれは否定された。

「じゃあ、成功したのか?」

「…ああ、交州は我等呉の保護下(・・・)になった」

「保護下?どういうことだ」

「それは私から説明しましょう」

冥琳の言葉に引っかかるものを感じていると、奥から見知らぬ少女が現れた。

俺の前までやってくると、少女は俺の顔をまじまじと見つめてきた。

「なるほど、顔は悪くありませんね……貴方が孫権様ですね?」

「あ、ああそうだよ、俺が孫権だ。それで君は一体、誰?」

「申し訳ありません、名乗るのが遅れました。私は姓は士、名は徽…」

士姓と言うことは、交州の士燮と関係あるのだろうか。

「そして孫権様、貴方の嫁です」

今回は久しぶりに呉のメンバーが登場しました。

はじめは交州での亞莎たちの動きです。しかし交州で何かあった様子。それは次回詳しく。

 

そして新キャラが登場!名前は士徽ちゃん。士燮の娘です(士燮は男です)。

何故士徽が嫁宣言したのかも次回に。

 

疑問はすべて次回に投げる、ということで。ではまたノシ


 
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