No.301257

ローリングハピネス 第六話 始まりの月曜日

しゃなさん

事件は月曜日に起こり出す

2011-09-16 16:56:34 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:500   閲覧ユーザー数:500

 

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 月曜日というものは実に欝になるというもので。始まりはさわやかにいこうとかいうテンションにはとてもなれないものである。

 わたし、相川桜もまた同じく月曜が嫌いな人間の一人でもある。

 朝が苦手なのもあるが、正直言って月曜は“アイツ”がいるから嫌いなのだ・・・

 

 英語担当の聖(ひじり)。今年から週一で始まった英語の授業。

 わたしはこいつが苦手なのだ、究極的に。

 

 

 

 1

 

 いつの間にか慣れてしまう食事風景。おとーさん(変態)が家に来て三日。こんな変態が家にはびこる生活に慣れてしまっている自分が怖い・・・

 

「ん?疲れてるみたいだけどどうかしたの?」

「別にっ」

「ふーん。ならいいけど」

「それよりおとーさん?」

「なんだい?」

「今日使う体操服がないんだけど・・・」

「えぇっ」

「冗談だよ。何ビビってるの?」

「いやー、ちょっとねー」

「むむむ」

「こ、怖いなぁ。そんなに見つめないでよ」

「おとーさんは変態だからだよ」

「変態なのは桜ちゃんも一緒だよ」

「わたしは変態じゃないもん」

「これは何かな?」

「あああああああああああああああああああああああああああああああああああああああっ」

「桜ちゃんのぱんつうまうま」

「変態っ返せ」

 

 

「くそオヤジめっ。せっかく早起きしたのに遅刻寸前じゃない・・・」

 焦って急ぎ足になるわたし。

「ん?こんな時間に人がたくさんいる」

 チャイムギリギリの時間にも関わらず、校門付近に群がる人ごみ。生徒を抑える先生の姿も見える。

 なにかあったんだろうか。わたしは人ごみをすり抜け校内に入る・・・・と、

「う、ウソ・・・」

 目の前には、斬り刻まれた親友二人が横たわっていた。

 

 

 

 2

 

「彩花ちゃん、優貴ちゃん!!」

「コラ、キミ」

 駆け寄るわたしを止める警察。

 ギラァァァァァッッッ

「どいてください」ボソッ

「うっ」

「何を通してるんだ!!」

 剣幕にひきつりわたしを通す新人警察官に、ベテランが奇声を上げた。

 二人に駆け寄ったわたしは、脈と動向をすぐさま確認する。

「良かった、生きてる・・・」

 思わず肩の力が抜けるわたしに、警察が話しかけてきた。

「駄目じゃないかこんなところで。早く離れなさい」

「二人の親友なんです」

「君みたいな“子供”になにができる?離れろと言ってるんだよ、聞こえないかい」

「くっ」

 悔しさに思わず、血がにじむ程に唇を噛みしめていた。

 

「早くどけよ相川ァ。サツの邪魔だろぉ」 

「貴様ぁ、聖!!」

「聖先生だろうクソガキ」

 コイツいたのか。英語の聖・・・

「さぁ、早くどくんだ。警察の邪魔だ」

 ガシィ

「触るな変態。あなたは傷ついた二人を見て何とも思わないのか」

「口のきき方が悪いクソガキが。ああ、何とも思わないさクソガキがくたばろうがな。俺は給料さえもらえればそれでいいのさ。知ったこっちゃねぇ」

 ヒュッ

「ゴベバッ」

 ゴチャァァァ

「だ、誰だ!?」

 聖を殴り飛ばしたのは小学生4年生くらいの少年だった。

 (わたしの学校の制服じゃない?)

「クソはどっちかな“クソ教師”さん?」

「てめぇ何殴ってやがる。俺は教師だぜ、分かってんのかぁぁぁ」

「大将!!」

「少し黙らせるだけだ、問題ない・・・」

 警察から“大将”と呼ばれる少年。一体何者なんだろう・・・

 

「うぇあああああああああああああっ」

 少年に殴り飛ばされ頭にきたのか、殴りかかる聖。

 しかし、その拳を少年は右の人差指一本で軽々と止めた。止めたままの指を軽く回転させると、

聖はその動きに合わせて大きく回転し地に伏せた。

 指を引っかけて回すなんてすごい力だ・・・

 

「如月さん。こいつを署に」

「分かった」

「皆様、ここは我々にお任せ下さい。皆様は順次緊急下校を。教師の皆様は、警察同行の上生徒の

集団下校を行ってください」

「す、すごい」

 的確な判断と行動力。わたしと変わらないくらいなのにすごい。

「さあ、キミも下校を・・・」

「あの」

 わたしが何を言おうと察していた少年は、言葉を制して言う。

「これ以上事件に突っ込まないでくれないか。たとえ、キミの大切な“親友”二人だとしてもだ」

「でも」

「事件の被害者は二人が初めてじゃない。他にもいる。そのすべてが少女を狙った悪質な事件。しかかも、死の寸前まで追いやるという手口・・・」

 悔しそうに続ける少年。

「僕らの完璧な包囲網を簡単に破るんだ。キミが何かしたところで変わらない・・・」

「そんなことないもん」

「・・・・・」

「わたしにだってできること、あるもん」

「泣いたって連れて行かないよ。それとも何か?今ここでキミに何ができるのかやって見せてくれるのか?」

「・・・・」

「軽々しく事件に関わるな。死期を早めるだけだ・・・」

 ザッ

 ポタポタポタ

 

 親友を目の前にして、何もできない悔しさで涙が止まらなくなった。

 ずっと泣き続けても、解決にならないって分かっているのに。

 その涙を、すぐには止めることはできなかった・・・

 

 

 

 

 

 次回予告

 

 月曜日に起こった事件の真相を暴くべく、立ち上がる桜。

 事件の真相とは・・・

 

 ロリコンなのにまったくロリコンではありません。・・・?

 

 ではでは


 
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