No.296607

真・恋姫†夢想 『禁断の決戦!天上天下絶品武道会!!』 ~プロローグ編~ 

狭乃 狼さん

恋姫とバトルってみたい!
 
そんな電波が発信の今回のお話ですw

というわけで、ラウンジにて参加者を募ったこの大会、

続きを表示

2011-09-09 21:39:06 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:14116   閲覧ユーザー数:9802

 

 「……よっと。……ふう、久しぶりだな、この外史に来るのも」

 

 大陸東部にある伝説の山、泰山。その頂上にひっそりと建つ神殿の奥の間に、一つの人影が忽然とその姿を現した。

 「……ん~。どうやら神殿の機能は相変わらず麻痺したままみたいだな。転移装置以外は全然動いてない、か」

 誰に語りかけるでもなく、一人そう呟いたその人物は、背後の台座に安置されている、一枚の銅鏡をちらりと見やったあと、

 「……ま、いいや。どうせこの外史じゃあこの神殿に出番は無いしな。……さて、行くか」

 再びそう独り言を呟き、神殿の外へと向かってその歩を進め始めた。

 「……お~。これまた良い天気だね~。……陽は中天にて輝き、蒼空には白き旅人が流れ行く。大地に緑溢れ、数多の生命を育む……な~んつってな」

 神殿の外に出て、その姿を蒼空の下に現したその人物。太陽の光に照らされ、はっきりと見えるようになったその姿は、黒髪の短髪に、金縁のサングラスをその顔にかけていて、上下共に紺色で統一したスーツを着こなし、そのスーツと同じ色の革靴を履く青年だった。

 

 ……いや、青年、と言うには、黒髪に混じった白いもののため、少々ふけた感がしないでもないが、本人曰く『ボクは永遠の二十歳なのでそこの所よろしく』……とのことである(笑)。まあそういうことなので、一応彼のことは『青年』と表記させていただいたので、そこの所をご承知いただきたい。

 

 「……気のせいかな?な~んか悪口言われたような気がするが……ま、いっか。さて、確かアイツらの居る都はあっちの方角だったよな。ん~……んっ!!」

  

 フッ、と。彼がわずかに意識を集中し、気を入れたその瞬間、その姿が忽然とその場から消え去った。後に残るはわずかにそよぐ風と、樹木のざわめきだけであった。

 

 

 

 そのほぼ同時刻。所は大陸の中心たる、天の都。……この都の主であるその人が、巷に『天の御遣い』と呼ばれていることから、いつしかこの都もそう呼ばれるようになっていた。

 

 (注:これはあくまで、この作品における捏造で、公式設定では決してありませんので、そこの所ご注意をw)

 

 「隊長!こちらの区画の警邏、只今終了しました!こちらは異常なしです!」

 「ほい、ごくろうさん、凪。……沙和と真桜は?」

 「はいは~い!沙和なら今戻ったの~。こっちも異常は無しなの~、隊長♪」

 「はい、お疲れさん。それじゃあ、真桜が戻ったらお昼にしようか?いつものところでいいだろ?」

 「はい!」「はいなの~!」

 

 都の大通り、その中ほどにある広場にて、何人かの兵士を伴って集まっている、三人の男女がそこに居た。

 一人は銀の色をした髪をショートカットにした、体のあちらこちらに傷跡がある、とても真面目そうな少女。姓名を楽進。字を文兼。その真名を凪。

 もう一人は三つ編みに結ったその髪に、ドクロの髪飾りをつけた眼鏡の少女。姓名は于禁。字は文則。真名は沙和。

 

 二人共、北郷隊と言う、この都の警備隊を率いている、れっきとした将軍である。そしてそんな彼女らから隊長と呼ばれる、もう一人の人物。陽光を反射して白く輝く衣服を身に着けた、一見何処にでもいそうな普通の青年。姓名は北郷一刀。この天の都の主にして、天の御遣いとして戦乱を終わらせるその切欠となった、三国同盟の象徴たる人物である。

 

 「……それしても遅いですね、真桜」

 「そうだな。何か事件でも起きたんだろうか?」

 「だったら沙和が見てくるの~。あ、でも、凪ちゃん?」

 「?なんだ沙和」

 「……沙和と真桜ちゃんが居ないからって、抜け駆けは無しだからね~なの」

 「なっ……!!/////さ、沙和!」

 「あはは~。それじゃあ隊長~、行ってき」

 「失礼します!李典様より伝言にございます!」

 『え?』

  

 からかわれて真っ赤になり、怒った凪から逃げるようにして、沙和がその場を離れようとしたとき、その場に居ないもう一人の北郷隊所属の将である、李典、字を曼成、真名を真桜と言う人物から、一刀らへの伝言を伝えに、一人の兵士がそこに駆けつけてきた。

 

 「都に入ろうとしていた者たちの中に、不審な人物を発見したので、ただいま李典将軍が東門詰所にて尋問を行っております!」

 「……不審人物?」

 「何処がどう不審なんだ?」

 「いえ、それが、まるで御遣いさまの様な感じでして」

 「……それってどういう意味?」

 「隊長が不審人物って言う意味なの~」

 「……沙和」

 「や、やだ、冗談だってば~!凪ちゃんてばそんな恐い顔しちゃいやなの~(汗;」

 「……え~っと。で、実際のところ、俺みたいってどういうこと?」

 「はっ!それが、服装がまるで、御遣いさまを髣髴とさせる感じの装いでして。真っ黒な色の、その本人曰く、『さんぐらす』とかいう眼鏡をかけた、四十ぐらいの男性なのですが」

 「……あ~。なんとなく分かったような気がする……」

 「……隊長のお知り合い……ですか?」

 「あれ?凪たちってアイツと面識なかったっけ?……なら俺もそっちへ行くよ。多分その方が手っ取り早い」

 「では私もお供を」

 「もちろん沙和もなの~」

 

 

 

 というわけで、その不審人物が尋問を受けている、その東門へとやって来た一刀と凪、沙和。でもってそこに居たのは、沙和と同じドクロの髪留めと、さらにゴーグルをその頭つけ、そのはちきれんばかりの豊満な胸を、ビキニのような小さな布で包んでいる少女真桜と、その彼女となにやら楽しげに話している、黒髪の中ねn…もとい、青年であった。

 

 「おお~!これが『腕時計』かいな~!こ、これほんとに分解して調べて構わんの?!」

 「ああ、構わんぞ~。そんな安物いくらでもあるし。あ、あとこれなんか調べてみるか?これももうそろそろ変え時だと思っていたから、良かったら」

 「そ、それってまさか、『けーたい』って言うやつか?!隊長が前にもっとった!?」

 「そ。まあ、簡単な通話機能しか着いてないけど、それでも十分、お前さんの好奇心をくすぐるだろ?」

 「わっは~!ありがと~!あんさんってええお人やな~!!」

 「フ。……惚れるなよ?」

 「あ、それは無い」

 「……そんなあっさり否定しなくてもさあ~……」

 

 がっくりと。床に座って胡坐をかいているその青年が、真桜から受けたあっさりした返事に落胆し、思いっきり脱力して居たのだった。

 

 「……やっぱりアンタか。なにやってんだよ、こんな所で」

 「ん~?……って、よお、一刀!久しぶりだなあ?!相変わらず種馬やってるかあ?」

 「あのな」

 「な、お、お前は?!」

 「あ~!いつかの管理者さんの人なの~!」

 「おう、凪に沙和。二人も元気そうだな~。あ、そだ。ほい、これ二人に土産だ」

 

 そう言って、青年がその傍らに置いてあった銀色のケースから取り出したのは、何か赤いモノの入ったビンが一つと、なにやら可愛らしさ満点のハンドバッグだった。

 「こっちのビンが『ハバネロ入り食べるラー油』。でもってこっちが今度のシャ○ルの新製品だ」

 「あ、ありがとうございます!」

 「わ~い!ありがとうなの~!」

 と、青年からそれらの土産を受け取り、今にも飛び上がりそうなぐらい、心底から喜ぶ凪と沙和。

 「あ、そうそう。一刀にも土産があるんだった。……愛紗とかに見つからんようにな(ぼそ)」

 「あ、ああ。……さんきゅな、(ろう)

 なぜかこっそりと。一刀に一つの包みを渡す、一刀から狼と呼ばれたその青年。

 

 

 

 青年の名は狭乃狼(はざまのろう)

 

 この世に数多存在し、尚且つ今も増え続けている、一種のパラレルワールドである、外史。実は彼、そうやって無限に増殖をし続ける外史を、新たに発見、そして観察し、さらにはその記録を行っている、外史の管理者、もしくは剪定者と呼ばれる存在なのである。

 

 なお、彼に限らず管理者や剪定者と呼ばれる者たちは、その特権として、今の彼のように任意の外史へ渡る事が許されている。とはいえ、実際には結構面倒な手続きが必要なので、その権限を行使する機会は稀なことではあるが。

 「それで?結局何しに来たんだ?貂蝉や卑弥呼を介さず、わざわざお前さん自身が来たってことは、それなりに大事な話なんだろうけど」

 「大事ってほどでもないけどな。俺が直接来た理由も、そんなに大したことじゃあないよ。ま、ここでお前さんたちだけに話しても仕方ないから、城の謁見の間にでも、皆を集めてくれるか?用件はそこで言うよ」

 「……分かった。凪、君は先触れとして城に戻って、みんなに集合をかけておいてくれ」

 「はい、隊長」

 「沙和は巡回組みの兵士達を解散させて、通常任務に戻しておいてくれな」

 「いえっさー!なの~!」

 「真桜は狼と一緒に城に行ってくれ。俺は一旦自分の部屋に戻ってから、謁見の間に向かうから」

 「りょ~か~い。ほな狼はん、行こか?」

 「あいよ」

 

 と言うことで、それぞれ一旦別れての別行動を開始して一時間後。都の中央に鎮座する形で建設された、その城の謁見の間に、現在の大陸にて三国同盟を形成する、魏・呉・蜀の主だった面々が集まっていた。中央の上座に設置された玉座に座るのはもちろん、一刀。その一刀の前面、玉座の少し下の位置に並んで立っているのが、各三国のそれぞれの王。

 

 一刀から見て右から順に、蜀王・劉玄徳こと、桃香。魏王・曹孟徳こと、華琳。呉王・孫仲謀こと蓮華。である。

 

 そして謁見の間の中央に敷かれた赤絨毯を挟んで、右側に武将、左側に軍師たちが、それぞれ立っていて、その間、赤絨毯の上に狭乃狼が笑顔で立っていた。

 

 「それにしても久しぶりね、狼。……いつかの時はほんっっっっと、お世話になったわね?」

 「あー、例の二十四時の時の事?まあ、みんなが楽しんだんだから、それでいいじゃないか。なあ?桃香?」

 「え~っと。それに関しては私もなんとも……」

 「まあ、いいわ。それで?今回は一体どんな話をしに来たのかしら?……まさかとは思うけど、また、同じことをやるとか言わないでしょうね?」

 「いや、流石にネタの使いまわしはしないって。実は今回ここに来たのは、だ。主にそっちのみんなに用があってなんだ」

 

 と言って、狼は自身の左手に立つ、魏・呉・蜀、それぞれの武将達に、笑顔のままその視線を送る。

 

 「我々に用だと?一体何をさせる気なのだ?」

 「まあまあ、愛紗ってばそんなあからさまに顔をしかめないでよ。実は俺の用ってのはさ……天下一品武道会なんだ」

 『……何?』

 

 天下一品武道会。それは以前に都で開催された、各国代表達による、武の頂点を競う、トーナメント方式での戦いである。ちなみに、その時の優勝者は、蜀の武神、関雲長こと愛紗である。

 

 「なんだ、もしかしてお前主催で、天下一品武道会をやろうってことなのか?」 

 「……いや、それがちょっと違うんだな。……今回俺が開こうと思ってる大会は、だ」

 『大会は?』

 

 

 

 

 

 

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「君達恋姫武将と、そして、俺たち管理者によるチーム対抗戦。その名も、『天上天下絶品武道会』だ!!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「天上天下……」

 「絶品武道会、だと……!?」

 

 狼から告げられた今回の訪問目的。それすなわち、恋姫VS管理者(TINAMIユーザーズ)による、チーム対抗での武術会であることを聞かされ、思わず呆気に取られる一堂。

 「ちょ、ちょっと待てよ、狼!いくらなんでもそりゃ無理だろ?!」

 「無理って……何が?」

 「何が、じゃ無くて!お前ら管理者連中は基本なんでもありだろうが!いくら愛紗や春蘭、恋が強いといったって、それはあくまでこの世界に限っての話だぞ?!」

 「ああ、そういうことか。それなら心配無用。参加を希望している連中には、能力限定をかけるからさ」

 「能力限定?」

 「そ。使用する武器はもちろんの事、各自の能力も、この世界の武将並みにまでしか、発揮できない特殊な結界を、その場において使用するからな」

 「……おい。まさかその結界って」

 「そ♪俺様超特製のスペシャル結界。その名も」

 「……『ご都合主義万歳』、か?」

 「そういうこった♪」

 『……』

 

 しーん、と。思いっきり静まり返るその空間。……多分、あきれ果てて何も言えないんだと思います。

 

 「と言うことで、参加を表明しているこっちのチームの連中からは、すでに対戦したい相手の希望を聞いて、その準備に入ってもらっている。後はそっちの了解が取れれば万事おっけーなんだが、どうする?前回の戦いで出番をハブられた翠(笑)。君も希望者が居るぜ?ま、誰かは今のところ秘密だけどな」

 「……あたしは出てもいいぜ?」

 「ちょ、翠、本気か?!」

 「ああ。前回大会じゃあ、確かに狼の言うとおり、あたしと琉流の戦いは思いっきり流されたからな。……その雪辱を晴らせんるんなら、相手が誰であろうとも全力で戦ってやるさ」

 「……だそうだ。他の皆は?」

 「おい、狼。私はその希望の対戦相手とやらに入っているのか?」

 「春蘭かい?……んー。ま、そうだな。とりあえず、名前が挙がっているのだけ発表しとくか。言っとくけど、あくまで対戦相手は試合の時まで内緒だからな?」

 

 そうして、狼はその場で、管理者側から対戦希望者として名前が挙がっているものの名を、一人づつ順に上げていった。ただし、それをここで表記するのは控えさせていただく。……ネタばれが過ぎちゃうからね?w

 

 「……で、結局全員、やる気満々なわけね?」

 「そうみたいですねえ~。多分もう止められないですよ、華琳さん」

 「そうだな。こうなった以上は承諾せざるを得まい」

 

 狼の口から名前の出た面子が、もはや既に意気揚々として戦う気満々になっているのを見て、華琳と桃香、そして蓮華の三人も、武道会開催に異を唱える事が出来る雰囲気ではなくなっていた。

 

 「おし。んじゃあ開催決定って事で、こっちの連中にも伝えておくよ。あ、試合の日程と場所は、おって通達させてもらうから。……じゃ、俺は一旦帰らせてもらうよ。楽しみにしてるぜ?……能力限定下とはいえ、全力全開でのガチバトルを、な?」

 

  ふっ、と。最後に一言だけ残してその場から消え去る狼。なお、彼が消え去ったその場に、一枚の紙が落ちていた事を、この場でお伝えしておきたいと思う。それには、恋姫組が勝った場合の、優勝商品が書かれていたのだが、それはこの大会の最後、勝者が決したその場にてお披露目とさせていただく。

 

 

 

 

 こうして、恋姫たちと管理者(TINAMIユーザーズ)による、史上最大の武道会が、その幕をあげることとなった。

 

 はたして、一体誰と誰が戦う事になるのか?

 

 そして、戦いの趨勢はどのようになるのか?

 

 勝利の女神は、どちらのチームに微笑むのか?

 

 

 真の最強は、果たして一体、どちらのチームの誰なのか?

 

 

 『天上天下絶品武道会』

 

 

 その対戦の組み合わせ、そしてルールについては、次回開会式編にて、お知らせしますね?

 

 では、本日のナレーションは外史を翔る永遠の美少女こと、管公明がお送りしました。

 

 

 それではみなさま、次回、天上天下絶品武道会。

 

 

 『開会式、そして第一試合』

 

 

 にて、お会いしましょう。それでは~www

 

 ~続く~

 

 

 

 

 てなわけで。

 

 ラウンジで募集した天上天下絶品武道会。まずはプロローグを公開です。

 

 

 ちなみに、現在参加者はボク含め十一名です。で、あと一人、参加か不参加か、その意思を確認するメールを送った人がいまして。でもって現在その連絡を待っております。

 

 まあ、もし不参加だったとしても、そのまま続行となりますけどねw

 

 

 でもって、最初は萌将伝内にあった天下一品武道会のように、トーナメント方式にするつもりだったのですが、参加人数が結構な数になったもので、トーナメントだといつまでかかるか分かりません。なので、考えた結果チーム対抗戦にしました。まあ、もともとの発想が、恋姫とバトルして見たいと言うボクの妄想なので、これでも十分、当初の目的は果たせるかな~?と、思った次第です。

 

 

 参加者の方々?なんだか思っていたのと違うとか、そういったところはご容赦くださいね?

 

 どの参加ユーザーとどの恋姫が戦う事になるのか、希望を申請したご本人以外の人は、色々想像しながらお待ちください。あ、参加者様の名前も、次回にて発表となりますのでw

 

 それでは次回、いよいよ開幕する天上天下絶品武道会、その第一幕にてお会いしましょう。

 

 であ~www

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
23
2

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択