No.286524

人気投票

宇和さん

『ギャク漫画日和』の二次創作?です。

2011-08-28 00:00:16 投稿 / 全7ページ    総閲覧数:2358   閲覧ユーザー数:2213

第33333幕

 

     人気投票

        (題字(打ち込み)・宇和)

登場人物紹介

 

 

・先生

週間少年誌『ツルタジャンボ』で、『イタ-リーマン 野島』を連載している漫画家。

人柄は普通か、普通以下で、見た目は下(げ)か、下の下。

 

なぜか、自分の過去(特に学生時代)を話したがらない。

 

 

・アシの田島君

先生のアシスタント。

先生が『イタ-リーマン 野島』を連載し始めた当初からアシをしている。

先生の事は尊敬こそしていないが、「嫌いです」と口してしまう程の嫌悪感はなんとか持っていない。

「10年ぶりの『イターリーマン 野島』の人気投票の結果が、ファックスで送られてきましたよ。先生」

「あっ、そう、ふーん、どれどれ貸してくれたまえ。アシ(アシスタント)の田島君」

 

「どうぞ、先生」

「えーと、なになに。やっぱり、カプチーノ野島が1位か」

 

「野島は主人公ですからね、当然といえば当然ですね」

「嗚呼、そうだね。でっ、お次(二位)は、野島の宿命のライバルであるコルゴンゾーラ藤村っと」

 

「こっちも予想通りですね」

「ふむ、投票募集を始めた先月から、藤村は遂に「長靴」から「サンダル」に履き替えて、ビーチバレーで大活躍してみせていたし、それも票に影響したんだろう」

 

「3位から10位も、ヒロインの米を食わず嫌いする、アルデンテ長居とか、野島の金に汚い友人のクラッスス笹島とか、上位に食い込むのが予想できてたレギュラーキャラばっかりですね」

「うん、つまらんぐらい普通の結果だなー。まあ、問題はそれ以降の順位だが・・」

 

「それ以降ですか?後に残っているのは、あまり漫画に出て来ないキャラばかりなんですが・・」

「毎回、話に出てる上位陣の投票結果より、下位にいるようなキャラの人気に、読者の求めてるものが浮かび挙がってくるもんだ。例えば、喧嘩が売りの野々村村男とかが人気なら、バトル系が好きな読者が、この漫画には多いという事になる・・」

 

「なるほどー、勉強になります。ちなみに、野々村は32位で、微妙な位置ですね」

「まっ、基本、この漫画は学園舞台のラブコメだからな。バトルはそんなになんだろう」

 

「そうですね、連載当初こそ、無差別に消しちゃう暗殺者のトマト須々木とのハードボイルドな銃撃戦がメインのバトル漫画だったですけど、今じゃブームに乗って「萌えキモイ」と評されるぐらいの萌え系恋愛漫画になってますもんねー。後、一応、トマト須々木は16位です」

 

「そうだな、確かに、この漫画も変わった。でも、まあ、そのお陰で、連載10年目を迎えてられるんだからOKだろ。えーと、11位はアルデンテ長居の小学生の妹であるエスプレッソ長居かぁ。まあ、つまり、読者はロリを求めているというわけかな(よしなら、野島に小学生の義理のツンデレ妹を作ろう)」

「・・そうかもしれませんねー。でも作風は「ハードボイルド」→「料理バトル」→「動物」→「戦争」→「学園ラブコメ」って、時代に応じて凄まじく変わったのに。キャラは10年の連載で50人しか出てないくらい停滞、リサイクルぷりですよね。例えば、5位の将軍江藤なんて「マフィアボス」→「イタリア料理店店主」→「動物闇ブローカ」→「陸軍中将」→「萌恋学園、学園長」って、手抜きとしか思えないぐらい転職を繰り返していますし」

 

「馬鹿いえ、だれが手抜きだ。それに53位まで順位があるから、キャラは確実に50人超えているぞ。・・まあ、53位は台詞上だけの出演のピスタチオ小杉だけど」

「これじゃあ、人気投票も10年ぶりになりますよね。人気投票しようにも、これだけリサイクルされたら、キャラが一向に増えないんだし」

 

「いいじゃないか、キャラが多すぎても混乱するだけだぞ」

「僕には、動物闇ブローカが一週間後に、陸軍中将になるほうが混乱する気がしますけど」

 

「気のせい気のせい。おいおい、43位のミネソタ灘なんて一コマしか出てないぞ・・」

「はぁー、もういいですよ。・・確かに、もう40位当たりからは、この漫画作っている、僕達すら思い出せないキャラがいますね」

 

「37位、ラスプーチン富岡なんてキャラいたのか?ま、まあ、ともかく、これで、投票結果は大方見終わったな・・」

「そーですね、でッ、先生、この結果に載せる作者からの読者へのお礼コメントなんですが。いつもどおり僕が作りましょうか?先生、なんか読者に関わる仕事になると、すぐに「死ね」って、言葉使いたがりますし」

 

「・・・・・」

「って、あれっ?先生、どうしたんですか、いきなり黙りこくって?」

 

「・・・・・」

「先生?」

 

「どっ・・」

「どっ?」

 

「読者どもしにさらせぇええええええええ!(びぃりぃいいいー!)」

「えええぇぇーー!!」

 

「しね、しね、しね、しね、何回も死にまくれー!そうして、死ぬたびに生き返って、また死んで苦しみを味わい続けろ!!」

「ちょ、ちょ、ちょっと、先生。い、いきなり何、結果用紙を、チョップして切り裂いてるんですが!」

 

「当然じゃ、なんじゃこの紙!!再生もされずに焼却されて!!跡形もなくなくなれ!!」

「な、なにが、そんなに気に入らないんですか・・」

 

「なにが、だと・・(ギロッ!)」

「は、はい・・」

 

「それはな・・」

「(ゴクッ)」

 

「なぜ、この投票結果には、この俺(作者)に、一票もはいってないじゃあああーー!」

「えええぇぇーー!(そんな事―!)」

 

「普通、漫画の人気投票じゃ、ご祝儀で作者に票入れるだろがぁーーー!」

「い、いやっ、まあ、確かに、そんなのありますけど」

 

「しかも、人気投票やるって決まってからの数ヶ月。面白作者キャラをマンガに出ずっぱりにして読者共を、俺に投票するよう誘導してやったのにだぁ!!」

「嗚呼、なーんか、最近、異様に自分を出すなって思っていたら。正直、作ってる側の僕すら「うざっ!」って、思うぐらいに・・」

 

「だから、こちとら完璧、100票以上の投票くると踏んで、一月かけて、俺(作者)が『ありがとうございます』って頭を下げてる、御馴染みイラストすら、もう作ってるんじゃ!!」

「な、何を作ってるんですか!ここしばらく、締め切りに追われてる日々なのに!今週なんて、そんなイラストで頭を下げてる所じゃなくて、現実に先生、泣きながら担当に土下座したじゃないですか!」

 

「知らん!!俺は、現実なんて覚えてない!俺の世界はマンガの中だけじゃー!」

「な、なにいってるんですか、気色悪い。はっ!そういえば、このごろマンガの中で、カプチーノ野島が2ちゃんねラーになって、掲示板を荒らしまくったりと、とんでもなく残念になってきてますが・・」

 

「そうだよ、野島の人気おとすためだよ!」

「な、なにしてるんですか!マンガの要の主人公に!」

 

「野島はきえろー!そして野島票が俺に流れて来い!」

「野島が消える前に、この漫画が消えますよ!」

「はぁ、はぁ、はぁ・・(突っ込み疲れた)。な、なんでそこまでして、自分に票が欲しいですか?」

「ま、前の投票の時が、初めてだったんだ・・」

 

「初めて?なにがです?」

「・・初めて、人に「好きです」って、言われたんだ」

 

「へっ・・?」

「一回目の投票で、人様から初めて「好き」って言われてうれしかったんじゃ!俺は、あの時に、俺への一票を送ってくれた間島康子ちゃんの名前もコメントも一言一句、覚えてるぞ!!」

 

「えええっー!って、もう、大声をあげて突っ込むのも疲れました」

「や、康子ちゃんは。小中高と、漫画を書いてた思い出しかなくて。しかも、漫画の専門学校を出たのはいいけど、それから漫画採用されるまでの3年間、ほぼニートで、当然、年齢=彼女いない歴のこんな、惨めで畜生な俺に対して『野島も好きです、でも、先生は、もっと大好きです!』って、コメントくれたんじゃー!!」

 

「な、なんですか、その悲しい発言。はっ!そ、そーいえば先生、一回目の投票後、単行本の作者絵(表紙裏の)が急激にカッコよくなりましたよね・・」

「そ、その時は浮かれちゃって、急にもてたいっていう邪心が。で、でも、直ぐに邪心は捨てて、次号は三枚目キャラにしたし」

 

「3枚目って、「う○こ」じゃないですか」

「漫画読む奴らなんて、「う○こ」出せば、大体喜ぶだろ」

 

「アラレちゃんじゃないだから。しかも、その後、先生。一時お色け女性キャラになってますよね・・」

「思春期の馬鹿餓鬼どもは、女性作者のほうが興奮するだろうって思って。馬鹿だし、エロだし」

 

「先生は読者が嫌いなんですか、読者に対する発想が酷すぎますよ。あと、前まで「う○こ」だった人が、いきなり女性(お色気)化しても興奮しませんよ」

「そ、そうかな、下(しも)繋がりでいけると思ってたんだが」

 

「無理ですよ。しかも、そんな紆余曲折した後。結局、今は、絵を止めて『人とは・・』とか、偉そうな文章のみにしてますよね」

「う、うん、なんか他の人も良くやってるし。文章だけのほうがカッコよさそうだもん」

 

「そりゃあ、そーいう作者が多くなってるかも知れませんが。先先、自分の書いてる漫画を思い出してくださいよ」

「うっ・・」

 

「今週のなんて、パンを咥えた新ヒロイン。まあ、そう言っても、前は食堂のおばちゃんだったんで、これもリサイクルキャラですけど。ともかく、その新ヒロインっと衝突して恋の3角関係が始まるなんていう、常道の過ぎて更に「萌えきもい」に拍車が掛かってるような話ですよ。そんな漫画に、カッコつけた文章を書いても、読者の癪に障るだけですよ」

 

「で、でも、お、俺だって愛されたいんだもん!人気、ほしいーんだもん!」

「先生だって、十分に愛されていますって。そうじゃなきゃ、10年も連載続けられませんよ」

 

「見えない愛なんて、俺は信じない!文字で示されてない愛なんて信じない!」

「大丈夫ですって、先生。表には見えないだけで、絶対先生は愛されてますよ」

 

「ほんと・・?」

「ええ」

 

「じゃあ、聞くけど、君は、僕の事すきかい。・・人間として」

「えっ、いやっ・・その」

 

「どうなんだい・・」

 

 

「「・・・・・・・・」」

 

 

「10年、一緒にいるアシがこーだもん・・」

「その先生、そんなに落ち込まないでください。先生の事は、別に嫌いじゃないですよ、好きでもないけど・・」

 

「や、やっぱり、俺を愛してくれてる人なんて、もう、この世界に誰もいないんだ!!」

「な、泣かないでくださいよ。先生」

 

「もういい、これまでの話は全部、植物人間状態の野島がみた夢って事にして終わらせてやる、この漫画!」

「や、やめてください!そんな過去に実例がある不評すぎる終わり方!ほ、ほら、そんなに愛に餓えてるなら、読者からのファンレターでも読んで、気を落ち着かせてください」

 

「そんなもんいらない!どうせ「萌え」です「デレ」、とか単語並べた感想ばかりだもん」

「そ、そんな事言わずに、えーと、今週分のファンレターは確か、昨日、担当がそこの机に・・。あっ、あった」

「ま、まずは、中身を確認しないと。変なの見せて、先生にこれ以上、心のダメージ与えたら駄目だし(えーと、「萌え」5割「つまらん」4割「死ね」1割。・・どれも見せれないな、あれ?ファンレターの中に、一枚、人気投票の用紙が混ざってる。担当が間違えたのかな、えーと、これも野島票かー、じゃあ、先生にはみせれないな・・)」

 

 

「あっ、でも、この子・・」

 

 

『間島康子』

 

 

「せ、先生、これを見てください!!

「な、なんだよ、俺は今、「萌え」なんて字で癒されないぞ、てかー萌えは、死ね・・」

 

「ち、ちがいますよー、ほ、ほら・・この名前」

「・・えっ、や、康子ちゃん」

 

「そうですよ、康子ちゃんは、10年間、見つづけてくれてるんですよ、このマンガを。まあ、票こそ野島に入れてますけど。でも、康子ちゃんは10年、確かに見つづけてくれてるんです。そうなら、絶対、今でも先生が大好きなはずですよ」

「や、やすこちゃーん・・」

 

「ほら、先生。投票用紙の下に、サインペンで括弧してコメント書いてあるみたいですし、読んでみてくださいよ・・」

「う、うん・・えーと」

 

 

『野島(男)×藤村(男)、希望・・あと、トマト須々木に邪魔な女どもを無差別、希望。そうしなければ作者を殺す』

 

 

 

「「・・」」

おまけ

(こーいう同人があるみたいな想像してみてください)

 

 

のーじ(間島康子)作

 

 

『バスタのように絡み合う奇跡の愛・・(野島×藤村)』

 

 

21ページ、コピー本、2300円(税別)。

あとがき。

まあ、ギャグマンガ日和12巻、226幕と特別編『人気投票結果発表』をかき混ぜ、改悪させて生み出したパクリ作品です。

ホントはマンガにしたかったんですが、まあ、漫画を書く腕がないという事で文章に。

 

落ちは、『ギャグマンガ日和』でネットをサーフィンしていたら、『太子×妹子』の同人本が引っかかり・・。

『コレだ!!』と思い、一週間かけて制作しました。

 

 

 

正直、この系統ssは初めてなので。

自分でも面白いのかどうか・・。


 
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