No.266420

袁・恋姫+無双 奪われた御遣い

流狼人さん

黄布の終焉。男達は何を夢見て戦った結末。それを不幸と笑うかは、天すらも分からない。

2011-08-09 10:03:27 投稿 / 全8ページ    総閲覧数:3873   閲覧ユーザー数:3258

「ぐは!!」  ドサ

 

 

何故ばれた・・・

 

「は、決まっているであろう。この我輩に、隠し事なぞ無駄なのだよ。廖化君?」

 

くそッたれが。

 

 

「おい、しっかりしろ!孫仲!趙弘!!」

 

「ぐふ・・・畜生・・・もっと・・・ちか・・ら・・・・が・・」

 

「スマネェ・・・だん・・な・・・うぅ・・」

 

 

・・・逝ったか。俺もこの傷じゃあ無理か。

 

 

「くそがーー!!やい、太子慈。てめぇ会った時の義侠心はどうしたんだ!えぇ!何黙ってやがる!!」

 

無駄だ・・・

 

「無駄だ、周倉・・・恐らく、奴が持っている『太平要術』の本が原因だろ。」

 

「ふふん。察しが良いな。廖化君、どうかな?君がもう一度我輩に忠義を立てるなら助けてやってよいぞ?この本に・・・引いては我輩に出来ない事等無い。富も!名誉も!!女も!!!全部、手に入るのだからな!!」

 

・・・ふん・・・

 

 

「無理だな・・・なぜなら私の魂の・・・心の全ては。」

 

「そう、そのすべては!!

 

 

 

 

 

 

 

義侠心と天和様への忠誠心でいっぱいだからな!!!腐った貴様に立てる心など在るだろうか・・・いや、無い!!故に、私は貴様に反逆する!!貴様は言ったな?殺していいのは、殺される覚悟がある奴だけだと・・・だから聞こう。貴様こそ、殺される覚悟が有るか否かを!!」

 

 

「ヒッッ!!・・・ええい太子慈!!何をしている!はよ殺せ!!」

 

「周倉!!同士諸君を頼んだぞ。・・・逝くぞ、太子慈。我が屍、簡単に超えられると思うなよ!!」

 

 

共に義侠の未来を、そして天和様と人和様について“主に拳で”議論したあの日々はもう帰ってこない・・・ならば、せめてお前を道ずれにしよう。こう見えて自分、結構臆病でな。一人は辛いのだよ・・・

 

周倉・・・後を頼む・・・

 

 

二人の刃が互いの体を貫いた時・・・八万、否。

 

 

 

城全ての兵士たちが声を上げた。

 

 

“三姉妹万歳” “三姉妹サイコー” “三姉妹の為なら死ねる”

 

 

張曼成は元々官軍から黄巾に入った男であった。故に三姉妹は軍事力としか見ておらず、また何かあれば身代わりにもなる都合の良い駒と思っていた・・・いたのである。

 

 

青州城には生粋の信者しかいなかった事・・・これは想定外であった。なぜなら城に篭るのなら安全であろうと、人和が考慮して戦経験者を自分達の周辺警護として全員連れて行ってしまい、熱心な非戦闘員の信者達を残して行ってしまったのであった。まぁ、本人としては戦を知っている張曼成が居るので何かあっても大丈夫であろう、と思っての事だろうがその事が張曼成の敗北を招いたのであった。

 

 

「ヒィ、ヒィ、ヒィ・・・クソクソ!!何でだ!!あんな雑魚に太子慈が討たれるとは!!」

 

廖化と太子慈は互いの胸を貫き、立ったまま逝ったのであった。

 

故に、自らの身が危険に及ぶ前に城から脱け出したのであった。

 

 

「ま、まぁこの本があれば何と言う事など・・・「そうか、探す手間が省けたぞ。」ぐべ!!」

 

 

走り続けていきなり頬を殴られた痛みを感じた。

 

暗闇ゆえに見難かった影が月夜に照らされ晴れていく・・・

 

 

「お、鬼?!」

 

鬼であった。

 

 

性格には鬼の仮面を付けた女人であった。

 

「く、クソ・・・あ、あれれ?本、本は何処に!!「探し物はこ~れ?」・・あ、ああああ!!」

 

 

 

「もう、こいつ私が何に見えるのよ。こんな絶世な美女を。」

 

美女・女神。それは美しい者の例え。

 

あぁ、あっている・・・

 

しかし、そんなに・・・

 

 

「そ、そんな血まみれた女神などと居るものか!!」

 

後ずさりながらほえる。

 

 

 

 

「あらら、私女神だって。あなたは鬼なのに。」

 

「うるさいぞ雪蓮!・・・まぁいい、目的の物も手に入れたし雑魚を片すか、な!!」

 

 

「ま、待ってくれ!取引だ!!取引しよう!!お、俺は張角たちのことを知っている!知っている事を話す!だ、だから!だからぁぁぁぁぁぁぁ!!「死ね!!」ぎゃぁぁぁぁぁあ!」

 

 

 

 

 

「呆気なく終わったわね。それにしても、コイツ知らないのかしら。もう、張角達の本陣は落されて三人とも死んだって言うのに。」

 

「まぁ良いではないか。その『大変用心』の書は手に入ったのだからな。」

 

 

「・・・ふふ、『太平要術』の書よ。う~んあんまり戦わなかったな~。不満不満。」

 

「そういうな、雑魚は弱いが群れれば厄介だ。早急に片付けられて良かったではないか。」

 

「それはそうだけど・・・後で模擬戦ね。」

 

「死合と言う名のか・・・しょうがない。付き合うぞ。」

 

 

 

 

かくして、青州黄巾賊十万は降伏。その後、袁紹はキ州及び青州を治めることになったのであった。

 


 
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