No.254369

氷の彼(夢小説)

active13さん

ダンボール戦機夢です。
お相手は仙道ダイキ君です。

かなりオリジナル設定が入っています。
なんせ仙道君の両親でてきます。

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2011-08-02 00:58:30 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2724   閲覧ユーザー数:2703

 

 

 

 

これは夢小説です!

 

間違えて入ってしまわれた方はBACKしてください!

 

 

 

 

 

 

 

私には許嫁がいるらしい。

嘘みたいな話だが昔、祖父が友人と互いの子供が異性だったら結婚させようと約束したらしい。

無茶ぶりにもほどがある。

そんなことをつい先日話されたばかりだというのに、翌日にその相手と会うだなんて誰が想像できただろうか。

いや、それよりも中学1年生の私に許嫁を会わせるのはおかしいと思う。

会わせてどうするというのだ。

法律的にはまだ結婚もできない年齢だというのに。

 

 

注文したアイスティーのグラスからは外気に触れていたせいか滴がツーと垂れる。

相手との待ち合わせは行きつけのカフェである。

行きなれたはずの店だというのに今の私は初めて訪れる場所のように緊張してしまっている。

そんな私を見てか、父と母はさっきから隣で相手の子はかっこいいのよなどと説明してくれるが、同学年の男子とさえ話しかけるのが恥ずかしくてめったにしか話さない私にそんなこと教えられても正直困ってしまう。

そんなふうにぼんやり考えているとふっと頭上に影が落ちた。

 

「遅くなってすみません。」

 

声の方に顔を向ければおそらく相手の仙道さんご両親と思われる40代の夫婦が立っていた。

父と母が立ち上がって挨拶しており、私も慌てて立ち上がり挨拶をする。

考え事をするといつもこうだ。

周りの事が一切見えなくなってしまう。

だから友人たちから空想の世界の住人なんていわれてしまうのかもしれない。

こんにちは、と相手の母親の柔らかい声が降ってきて少し緊張が解ける。

けれど、こんにちは、と急いで返した自分の声はまだ緊張のせいか掠れてしまい、慌ててコホンと咳払いし改めて挨拶をする。

そんな私の様子を見て相手の父親と母親は、かわいいお嬢さんですね、とふんわりと笑った。

おかげさまで、と父と母は応え、席に着くよう促す。

双方の両親はどうやら互いによく知っているらしく席に着くなり親しげに話し始めた。

 

 

ところで、会ったときから少し気になっていたのだが…どうやらまだ話の本題の相手がきていないようである。

さきほど述べたようにご両親の姿は目の前にあるのだが、肝心の同年代の少年なんてどこにもいない。

チラチラと周りを窺うがそのような人物は見当たらない。

そんな様子を見て相手のご両親は息子は少しこのことに反発していて遅れてくるかもしれないが気を悪くしないでほしい、といった。

どうやら私の相手は乗り気ではないらしい。

いや、無論私も乗り気ではないが、一応挨拶ぐらいはしておくべきだろうと思いこの場にいる。

 

 

 

 

 

 

初めは満ち満ちていたアイスティーも今ではすっかりなくなりグラスの中には透明な氷が窓の外からの光があたりキラキラと輝く。

相変わらず両親たちは仲良く会話をしている。

そんな両親たちを見ていてふと私もいつかああなれるのだろうかと思った。

別段深い意味はない。

ただ、もしも、自分も結婚するなら彼らのようになりたい。

そう思っただけだ。

 

 

ガチャッというドアの開く音が響き自分の世界から一気に現実に引き戻される。

誰が入ってきたのかとドアの方を振り向くと男が一人立っていた。

このカフェはカップルがよく利用するが一人でのんびりと本を見ているおじいちゃんや、宿題をしていく学生や電車の時間を待つおじさんなども見かけるので何も男が一人できていてもおかしなことではない。

彼も一人でカフェを楽しみに来たのだろうと思った。

それにしても、少し驚いた。

入って来た男はスラッとした足に、まるでモデルのようなゆうに170cmはあろう身長と顔はスッと鼻筋が通り整った顔立ちをしていたからだ。

 

 

彼のような種類の人間は私には無縁である。

どちらかと言えば私は物事の中心から離れて見守るような物静かなグループに属している。

彼のように人の注目を集める物事の中心的な存在になるような種類の人間とは女子でもあまりかかわることはなかったし、まして男子にいたってはかかわることなどまったくなかった。

また、かかわりたいとも思わなかった。

 

だから、私は特に考えることもなくまた氷だけが残ったグラスをじーっと見つめ、意識を自分の世界に落とした。

 

 

カツカツ

 

 

少し早いリズムだがこぎみよい靴音が響く。

その心地よいリズム感に身を任せていたが、おかしなことに気付いた。

音が大きくなってる?

もしかして…と思いハッと顔を上げると同時にすぐ隣であのカツカツという音は止まった。

 

「遅れてすみません。」

 

その言葉と一緒に先ほどカフェに入ってきたモデルのような男がすぐ傍に立っていた。

まさか、彼が許嫁…?

その考えを遮るように相手の母親が声を上げた。

 

「まあ!ダイキ、こちらがセツナちゃんよ。」

 

その声で彼の視線が私に移る。

私も彼の方を向いていたので直に視線と視線が交わる。

流し眼の彼の宝石のようなバイオレットの瞳はからはなんの色も見えなかった。

その瞳はまるで底なし沼のように暗くてなにもなかった。

彼はすぐに私から視線を反らすと口を開いた。

 

「おまえみたいな地味なヤツが許嫁だなんてねえ…。まったく…笑わせてくれるねえ。」

 

そう仙道ダイキは冷徹な笑みを浮かべて嗤った。

 

 

ゾクリ

 

 

背中から寒気が走った。

こういうのを戦慄が走るというのだろうか。

 

「俺はおまえを認めない。金輪際俺に近づくな。」

 

そう彼は私に吐き捨てるように呟いた。

まさか彼がこのような態度をとるとは夢にも思わなかったのか仙道のご両親でさえも唖然としている。

が、仙道の両親はすぐに我に返り、セツナちゃんになんてことをいうの、ダイキ!と声を荒げるが彼は知らぬ存ぜぬといった感じで彼はくるりと背を向けて出口に向かう。

 

 

彼が吐いた言葉も私にショックを与えたがそれ以上に私が気になったのは彼の瞳だ。

最後に彼が呟いたときのあんな眼を私は一度も見たことがなかった。

 

 

 

とても…とても冷たい目だった。

 

 

 

 


 
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