No.230608

GROW3 第十章 体育祭、武道大会最終日part4

しゃなさん

 四天王同士の本気のバトルです
 

2011-07-25 00:16:44 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:453   閲覧ユーザー数:450

 1

 

 「覚悟はええか、刹那ちゃん?答えは聞いてへんけど・・・」

 「・・・・・」

 「ちょっおまっ。反応してぇや悲しくなるやんか」

 「試合中だぞさっきから何やってるんだよ」

 さっきからおしゃべりばっかり吹っかけてくる舞華ちゃん。本当に何がしたいんだろう。

 「えへへー。もうええで刹那ちゃん。対策は立てたから。」

 「なるほど。つまらんギャグで時間を潰している間に対策を立てるとはな・・・」

 まったく興味がなさげに言う刹那さん。

 「まあええで。つまらんギャグゆうたお詫びに思いっきり楽しんでいってや」

 ふわっ

 舞華ちゃんの周りに桜吹雪が舞い散りだす。

 「つまらんギャグの上に低級風魔結界。ほんとにお子様だな舞華。お子様にはお仕置きだ。」

 すっ

 赤い棒を取り出す刹那さん。初めから空間が歪んでいるところを見ると、もう槍の効果が出ているらしい。

 「それが例の焔の槍やね。なるほど」

 舞華さんはそう言うと、持っていた扇子に何か唱えだす。

 「真の姿になりて我が前に現れよ。ハマノミツルギ」

 ブンっ

 30cmほどだった扇子が、三尺八寸ほどの剣に変わる。

 「ハマノミツルギ、だと?レプリカにしては妙にリアルだな」

 「ホンもんやで刹那ちゃん。せいぜい肉片にならんよう気ぃつけや」

 「本物かどうか確かめさせてもらおうか。四式列空っ」

 素早い横一文字が舞華さんの腹部を狙う。

 ガギィィィィン

 「ほう」

 刀をそのまま地面に垂直に置いただけなのに、刹那さんの斬激をあっさりと止めた舞華ちゃん。

 物理的に吹き飛ぶ筈なのに一ミリたりとも動いていない。

 それどろかあの熱の槍を止めるなんて・・・

 「正直相性わるかったねぇ刹那ちゃん。ウチが相手となったらそんな槍ただの棒きれ同然や」

 そう言う舞華さん。いったいどういうことだ?

 「ハマノミツルギとは考えたな。完全魔法無効化(マジックキャンセラー)の力が宿る大刀。

わたしの混沌の三柱神には有効な手だといえる」

 そういう刹那さんだがあまり動じている様子は見えない。

 「その刀に触れなければいいことだ」

 「単純な話そうやね。でも、こちらから攻撃した場合はどうするん?

桜吹雪、瑪瑙輪廻(めのうりんね)」

 びゅああっ

 「くっ、目くらましか。八式火柱(はっしきひばしら)」

 立ち上がる炎の柱で桜吹雪が燃えて消える。しかし、

 「射程範囲やで刹那ちゃん・・・」

 「いつの間に?」

 刹那さんの懐に入り込む舞華ちゃん。このゼロ距離では対抗できない。

 「人斬り落葉(らくよう)」

 ぶしゃぁぁぁぁぁっ

 真っ二つになったと思うくらいに激しく血が吹き出る。

 ザッ

 「ん?」

 「一式王蓮っ」

 ビビビビビビビビビッ

 なんとか踏みとどまった刹那さんが反撃を仕掛ける。

 「円筒辻斬りの線」

 ズバッ

 円筒状に一直線に伸びる斬激で、刹那さんの焔の槍がボロボロになってしまった。

 「くっ」

 ズサッ

 あまりの出血の多さに両膝を付く刹那さん。槍の効果が完全に無効化してるため、実質

棒対剣の戦いだ。それに加え舞華ちゃんの剣は風魔円陣により強化を施されている。

 得意な武器の扱いにおいて、武器の性能がものを言った。

 

 「案外あっけなかったね刹那ちゃん。ま、この剣の前では残りの二つも無意味やからね。」

 「まだ終わってない!!!」

 勝ちを確信している舞華ちゃんに怒鳴りつける。

 「その剣がすごいことはよくわかった。だからこそこれで決着をつける」

 すすすっ

 黒い棒を取り出す刹那さん。

 「それも無意味ちゅうことが分からへんかなぁ?」

 「それはどうかな舞華。黒天の槍」

 「あーあ。そんなん無意味なのになぁ。強情やで刹那ちゃん。まあ斬ればゆうこと分かるやろ」

 そういうと再び間合いを詰める舞華ちゃん。出血で動けない刹那さんは、その場で両膝を付いたままだ。

 「そんな状態でよう勝てるゆうたわ。もう動けんやん。まあやさしくしてやるからおとなしゅうしや」

 ぐぐっ

 刀を大きく振りかぶり、勢いをつけて斬りつける。

 「極蛾一刀銭(きょくがいっとうせん)」

 斬檄が刹那さんに襲い掛かる。しかし、

 「零式鳳仙花(ぜろしきほうせんか)」

 ガキィィィーーン

 パラパラ

 「うそ?」

 ハマノミツルギが粉々に砕ける。

 「どうゆうことや?ただの棒っきれでウチのハマノミツルギがこんなになるやなんて・・・」

 驚きを隠せない舞華ちゃん。いったいなにが起こったのだ?

 「黒天の槍は混沌としていながらも、唯一無から創られたものだ。そんな無効化の刀など

無意味。更にはその刀に宿る覇気さえも吸い取り無に還す。無から創られた故にすべての

理(ことわり)を無に還す槍こそが黒天の槍だ・・・」

 ドサッ

 そう言い終わった刹那さんは意識を失って倒れた。

 「すべてを無に還す槍、か。とんでもないもん持ってるやないか・・・」

 

 勝者、孔雀院舞華。

 

 「あれだけ出血しといてここまで戦うなんて天晴やで刹那ちゃん。でも今は眠りいや・・・」

 そう言い残し、舞華ちゃんはフィールドを降りた。

  

 

 

 2

 

 試合終了後、次の試合者である松さんが、舞華ちゃんに話しかける。

 「ハマノミツルギなんて使わなくても純粋な剣術でよかったんじゃない?」

 そう聞いてくる松さんに対し、

 「三本目の効果が分からへんのにこっちが剣戯振りまくのはしゃくやで。それに・・・」

 「それに?」

 「ハマノミツルギで焔と零無(レイム)の効果を封じたほうが最初に先制できるやろ・・・」

 「そっか。でも三尋くんにそんな小手先だけの作戦は通じないよ」

 「分かってる。だからこそ三尋さんは全力の剣術で倒す」

 「ふふん♪がんばってね」

 そう残しフィールドへと上がって行く松さん。

 その小さな背中からは大きすぎる何かが感じられた・・・

 

 五回戦二試合目はエイミーさんと松さんの試合だ。

 吸血鬼と女神の相対した二つの戦いが始まろうとしていた・・・

 

 

 

 3

 

 次回予告

 

 松さんの真の力がついに発動。

 女神転生の真の実力とは・・・

 そして準決勝へと駒が動き出す

 

 吸血鬼と女神の異種格闘技戦は次回、GROW3 第十一章 体育祭、武道大会最終日part5にて

 

 今回ぐだぐだですいません

 

 ではでは


 
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