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真・恋姫†無双~赤龍伝~第70話「狩りへの誘い」

さん

雪蓮のもとに華琳から書簡が届きます。
話は赤壁の戦いへと近づいていきます。

この作品は、基本的に呉√にそっては行きますが、他√に
脱線することもあります。また、主人公も含めてオリジナルキャラクターが出てきます。

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2011-07-07 02:58:07 投稿 / 全4ページ    総閲覧数:3432   閲覧ユーザー数:3008

真・恋姫†無双~赤龍伝~第70話「狩りへの誘い」

 

 

 

赤斗たちが修行に出てから、三ヵ月が過ぎた。

 

一時は平静を保っていた諸侯間の争いが、再び起きようとしていた。

 

曹操は大軍を率いて、劉備のもとに攻め込んだのである。

 

孫呉にも曹操からの使者が訪れて、孫策に書簡を渡していった。

 

冥琳「曹操はなんと?」

 

玉座の間には、雪蓮に呼ばれた冥琳と藍里がいた。

 

雪蓮「簡単にいうと、私とあなたで狩でもしない? だって」

 

冥琳「…獲物は劉備だな。降伏しなければ私たちも滅ぼすということね」

 

雪蓮「そうでしょうね」

 

藍里「どういたしますか?」

 

冥琳「曹操に降伏するか戦うか。内部でも割れるでしょうね」

 

そう言いながら冥琳は書簡に目を通す。

 

雪蓮「…………藍里」

 

藍里「はい」

 

雪蓮「赤斗たちを呼び戻してきてちょうだい」

 

藍里「わかりました」

 

冥琳「ここで風見を呼び戻す…か」

 

雪蓮「前に劉備への援軍を断って以来、同盟を破棄されるほどに今の劉備との関係は険悪。でも、再び劉備と同盟を組まないと、今の私たちは曹操には勝てない。悔しいけどね……」

 

冥琳「……確かにな」

 

藍里「赤斗様に同盟のための使者として、劉備さんの元に行っていただくのですね?」

 

雪蓮「赤斗なら、きっと何とかしてくれると思うの。だから、藍里お願いね♪」

 

藍里「はい! 準備を終え次第、出立致します!」

 

 

雪蓮の命により建業を出立した藍里は、半日ほど馬の上で揺られながら目的地までやってきていた。

 

藍里「この辺りだと亞莎ちゃんが言っていたんだけど……」

 

連絡役の亞莎に言われた場所まで来たものの、そこには赤斗たちの姿はなかった。

 

藍里「どこに行ったのでしょう?」

 

馬を降りて藍里は、赤斗たちを探し始めた。

 

一時間後……。

 

藍里「はぁはぁ……いったい、どこに行ったんでしょうか……」

 

赤斗たちを探していた藍里だったが、疲れ果てて地面に座り込んでしまった。

 

藍里「つ、疲れました……」

 

ガサガサ

 

茂みから何やら物音がした。

 

藍里「!! ……赤斗様、ですか?」

 

ガサガサガサ

 

物音はだんだんと大きくなっていく。

 

そして、茂みの中から男が三人姿を現した。

 

男A「おっ! 騒がしいと思ったら」

 

男B「ぐへへっ、いい女じゃねえか」

 

男C「お姉ちゃん、な~にやってんのかな~」

 

そう言いながら男たちは、藍里の身体を舐め回すように見る。

 

その視線に気がついた藍里は、懐にある護身用の短刀・風切羽の柄を握り、男たちを睨む。

 

藍里「…………」

 

男A「そんなに怖い顔するなよ」

 

男B「俺たちと遊ぼうぜ」

 

男C「くっくくくく…」

 

藍里「これ以上、近づかないで下さい!」

 

懐から風切羽を取り出して男たちの前に出すも、気にせずに男たちは近づいてくる。

 

そして、男たちの手が藍里に触れようとした時。

 

亞莎「藍里様っ!」

 

男C「ぐはっ!」

 

茂みの中から新たに亞莎が姿を現して、一人の男に対して飛び蹴りを喰らわせた。

 

藍里「亞莎ちゃん!」

 

亞莎「やはり藍里様! どうして、ここに?」

 

藍里「雪蓮様の命で、赤斗様たちを呼び戻しに来たんですが……」

 

亞莎「そうですか。なら早く赤斗様のところに参りましょう」

 

そう言うと亞莎は、まだ地面に座り込んでいる藍里に手を伸ばす。

 

男A「ちょっと待てよーー!」

 

男B「この女! よくもやってくれたなっ!!」

 

仲間をやられ、残った二人は怒りを爆発させていた。

 

亞莎「藍里様少々お待ち下さい」

 

藍里「亞莎ちゃん?」

 

亞莎「すぐ終わりますから。……“流水”」

 

亞莎の周りの空気が変わった。

 

藍里(この感じ、…赤斗様に似てる)

 

男A「おんどりゃーーーっ!」

 

男B「めちゃくちゃにしてやるぜーーっ!」

 

男たちは叫び声を上げながら亞莎に襲いかかった。

 

亞莎「遅いです」

 

そう呟くと亞莎は、男たちを流れるような動きで、あっと言う間に倒してしまった。

 

亞莎「ふぅーー。お待たせしました」

 

藍里「亞莎ちゃんスゴイです。今のは、まるで……赤斗様みたいでした。あっ、そうです。赤斗様はどこですか?」

 

亞莎「はい。今日は向こうの山まで行っています。私が一足先に戻ってきて良かったです」

 

そう言いながら亞莎は赤斗がいる山を指さした。

 

 

赤斗「…………」

 

山中で赤斗は気を練っていた。

 

赤斗「ふぅーーー」

 

大きく息を吐いた。

 

恋「……赤斗、終わった?」

 

近くでずっと見ていた恋が赤斗に声をかけた。

 

赤斗「うん。終わったよ」

 

恋「じゃあ、ご飯…食べよう」

 

赤斗「そうだね。シャオと嶺上は?」

 

恋「……先に行ってる」

 

赤斗「そうか。じゃあ早く行こうか」

 

恋「うん」

 

小蓮「赤斗ーーっ!」

 

赤斗「あれ、シャオどうしたの? そんなに慌てて、先に麓に行ったんじゃなかったの?」

 

小蓮「それどころじゃないんだって、藍里がやってきたの!」

 

赤斗「藍里が?」

 

小蓮「うん。今、亞莎と一緒に麓まで来てるの。雪蓮お姉ちゃんの命令で来たみたいなんだけど、何だかとても急いでいるみたいなの」

 

赤斗「わかった。なら、早く行こう」

 

赤斗は急いで山を降りる事にした。

 

 

藍里「赤斗さまっ!」

 

赤斗「藍里! ひさしぶりだね。今日はどうしたんだい?」

 

藍里「はい。実は……」

 

藍里は事の成り行きを説明した。

 

赤斗「そうか。曹操が……」

 

嶺上「赤斗どうするんだ?」

 

赤斗「…………建業に戻るよ」

 

藍里「あ、あの修行はよろしいのですか? それに虎徹様はどちらに?」

 

赤斗「……先生ならもういない」

 

そう言って赤斗は少しだけ暗い顔になる。

 

藍里「えっ!」

 

赤斗「僕の修行を終えて、天の世界に戻っていったよ。……だから、帰ろう。呉へ」

 

先程までの顔と違い、赤斗は笑顔で藍里や小蓮たちに言った。

 

藍里「はい♪」

 

 

 

つづく


 
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