No.223340

長門有希の消滅

帽子さん

涼宮ハルヒの憂鬱の二次創作。
主な出演者・長門 ・キョン

2011-06-18 14:59:57 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:669   閲覧ユーザー数:653

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

これは俺達SOS団は設立してから2年経ち3年目に入ろうとする時の出来事である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

俺達SOS団は設立してから2年経ち3年目に入ろうとしていた。

これまでの俺達はどんな頂上現象的出来事も淡々と乗り越えてきて、ハルヒのいきなりの行動にも慣れてきたはずだった。

 

そんな、ある日ハルヒは言った。

「こんな、こんな幸せな日って良いわねぇ……」

俺はそれを聞いて思わず笑いそうになっちまったね。

だってそうだろ? 入学してきてこの中に宇宙人~(以下略)とか言ってきて事あるごとに事件を望んでいた奴が日々の幸せを噛み締めているんだぜ。

それを俺はこいつも角がとれたんだなぁ……と、しみじみするもんだ。

 

そして、同日の事だ。

その日いつも通り長門は部屋の片隅で本を読んでいたんだが、ハルヒのその言葉を聞いた瞬間その、持っていた本を落としやがった。

もぅ、それから俺は気が気では無いさ。

普段から考えたら長門が本を落とすなんてそれならまだこの世が滅んじまった。何て嘘のがよっぽど信憑性があるわ。

こういう時の俺の予感ってのは外れたためしがないんだ。

自慢じゃないがな……

そん時の俺の予感? そんなもんは簡単さ嫌な予感ただそれだけだ。

しかも、今までの事が赤子に見えるほど……大きな。

 

日が傾きいつもの帰る時間になった。

そしていつも通り長門の読んでいる本を閉じるパタンという音で今日もお開きとなった。

そして、朝比奈さんに施錠を任せ扉の外に出ると長門が俺の隣を通り過ぎる座間に予想通り俺のポケットに栞をいれてきた。

恐らくそれにはこう書いてあるのだろう……

本日の午後7時

○×公園で待つ

 

と。。。

 

 

 

 

その後、俺は普通に家に帰った……

そして、自室で一息入れてから長門からもらった栞を確認してみた。

……まぁ、場所は予想とは違ったが大体同じ様な感じだった。

その場所は公園ではなく長門の家だった。

時間を確認すると風呂に入るくらいの時間はあったので、風呂に入ってから行くことにした。

俺は部屋から出、妹と両親に今夜出かけるから夕飯はいらないといって、着替えをもち風呂場に向かった。

少し、時間的には風呂は早い気がするが今日は長くなりそうなのでちょうど良いと思った。

 

そして風呂場に着いた。

俺はチャッチャッと来ているものを脱いでバスルームに入り、シャワーからお湯をだした。

身を清めている間色々な事を考えていた。

勿論今日のSOS団の出来事についてだ。

今考えると、あの長門が本を落とした後、長門はいつもどおりであったと思ったが、どこかしら落ち着いて無かった気もする。

今日の長門はどんな事を俺に話すのだろうか……

俺は、身を清め終わり服を着てチャリにまたがった。

もう、春になろうというのに今は吹き付ける風が少し冷たかった。

俺はそんな風を感じながら今夜の夕飯は長門の家でカレーかな?とか、考えていた。

そして、俺は長門の住んでいるマンションについた。

以前長門に教えてもらったパスワードをパネルに打ち込みマンションの中に入り、長門の部屋に向かった。

俺が長門の部屋のチャイムをならそうとすると突然ガチャと、ドアが空き

「入って……」

と長門が言った。

 

俺はお邪魔しますと一言言っていつも通りリビングまで行き、中央にポツンと置いてあるちゃぶ台の側に座った。

長門はキッチンからお茶が入っている。

きゅうすを持ってきて、湯飲みに注ぎ俺の方に寄越した。

俺はその厚意を一口だけ受け、長門がなにかを言い出すのを待った。

長門は俺が聞く準備が出来たと理解し話始めた。

「本日、涼宮ハルヒの例の発言の後、涼宮ハルヒの願望を具現化する能力が消失した事を確認した。」

俺は、それを聞いて何だそんな事か。ハルヒも平和的趣向になったなぁなどと思うと、長門に軽く睨まれた。

 

 

そうだ。

この程度で終わるなら長門は俺を呼びはしないのだ。

まだ、続きがあるのだろぅ。

俺は再び聞く姿勢となった。

「そこで、我々情報統合思念体は涼宮ハルヒの進化の可能性は途絶えた。という結論にいたった。」

まさかっ、その結論から導き出される結果として考えられるのは……

「結果、対有機生命体コンタクト用ヒューマノイドインターフェイスの情報連結の解じ「ふざけんな!! 」

俺は叫んでいた。

「何でそんな結論になるんだ! せめてまたハルヒが進化の可能性としてなるのを期待して待機させればいいんじゃないのか! 」

 

こんな理不尽なことがあってたまるか。

俺達SOS団はな涼宮ハルヒを筆頭に小泉一樹、朝比奈みくる、長門有希、そして俺。

今まで、そのメンバーで楽しくやってきたし、これからだってそうだ!!

誰かがかけるなど断じて許さん。

 

「私自信もその事について申請した。

しかし、結論は変わらず涼宮ハルヒには進化の可能性が復活することは無いと……」

その時の俺はテンパりすぎていたのだろう。

あらぬ失言をする。

聞いててくれ

「そ、それでも昨日までいた! それもSOS団のメンバーがだ! 一人消えたらあの団長はだまっていないだろう! いつものとんでもパワー……で……」

そこまで言って俺は気がついた。

そうだ、ハルヒはそのパワーが……

「無い」

長門が俺の心の声を代弁した。

俺は瞬く間に自分の無力差に絶望した。

せめて、超能力があれば!

せめて、未来と交信できれば!

せめて、……宇宙人パワーを使えれば……

 

この状況を何とか出来たかもしれないのに……

「な、長門は、それでいいのか!! 意味のわからない理不尽な事で消されて! 」

「よくない……」

「だったら、い、いつもの、いつもの宇宙人パワーで何とかできないのかよぉ。」

俺は泣いていた。

男が高3にもなろうとして泣くとは恥ずかしい限りこの上ないが男でも泣くときは泣くのだ。

「できない。 ハルヒの力がある時ならばできたかもしれないが今では……」

それを聞いて更に涙が出てきた。

「な、長門は俺達と一緒にいたくないのか!? 消えたいのか!!」

 

「そんな事はない。一緒にいたい。消えたくない。けれど。。。」

長門は言う。

そりゃ、そうだ。

長門だってこんな理不尽な事で解除されたらたまったものではないだろう。

それに、俺が考え付く限りの事は長門は既に試しているだろう

その上で俺だけにいっているのだ。

こう思うと俺は長門にこんなにも信頼されていたのだな……と思う。

それなのに、俺だけ馬鹿みたいに焦って・・・

とにかく、焦っても解決策が出てこない。

俺はひとまずクールダウンして、状況の確認を始めた。

「ハルヒの能力が無くなった原因はあの発言が理由でいいんだな。」

「いい。」

「それで、それが原因で……その、解除される訳になったのだな。」

「そう。」

「そうだ!! 朝比奈さんに協力してもらってハルヒにあのセリフを言わせないっていうのは…… 」

どうだ?と俺が言おうとしたが、長門に先を越された

「無理、規定事項を変える事はできない」

えぇ、勿論分かっていましたとも……

「ジョンスミスを使えば……」

「無理、涼宮ハルヒに力がない。」

そうだった。

そこで一旦沈黙になった。

俺は行き詰まっていた。

そして、目の前に姿勢良く座る長門の事を考えると胸が苦しくなってくる。

どうすればいい。

あの長門が消えちまうんだぞ。

何度も何度も考えても打開策が出てこず時間だけが刻々と過ぎていった。

そして9時になった辺りだろうか、長門が突然立ち上がる。

「どうした? 」

俺は問いかけると、

「夕飯の準備。」

と長門は言ってキッチンの方へと歩いていった。

その小さな後ろ姿を見ながら、全くこんなに小さいのに色んな物を抱えすぎだ。

と俺は思った。

 

その後も、長門が夕飯が出来たと言って山盛りのカレーを持ってくるまでずっと考え続けていた。

そして、俺達は二人ならんで座り長門が作ってくれたカレーに下積みをうっていた。

食べている間何も会話がなく、俺は話しかけようとしたが何も話せなかった。

いや、何と話しかければいいか分からなかった。

そして、カレーも食べ終わり10時になろうとしている頃長門の事も心配だが夕飯はいらないとは言ったが泊まるとは言ってないので家の方が少し心配になってきた頃の事。

 

 

 

 

 

 

 

「お願いがある」

と長門が話しかけて来た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「何だ? 長門」

俺は応えた。

滅多に無い長門の頼みだ俺は何でも了承してやるつもりだ。

「今夜、ここに泊まっていって欲しい」

と長門は行った。

俺は何でもしてやるとは言ったが健全なる男子高校生がこんな可憐な少女の家に泊まるなど……いや、間違いは起こさないけど。問題なのでは無いか?

「大丈夫。」

と言うので

俺は家に電話をした、勿論内容は友達の家に泊まるという名目でだ。

俺の不安が声に出ては行けないので極力平静をよそおっていたが果たして大丈夫だっただろうか?

 

俺の親は誰の家に泊まるの?

と、聞いてきた。

素直に長門と言ったら何かと問題が起こりそうなので国木田の家だという事にしておいた。

一応、国木田にも口裏を合わせておくようにの連絡を取った。

一瞬、国木田は訝しげな反応をとったが本当に頼むと言うと伝わったのか理由も聞かず了承してくれた。

こういう時に持つべきものは友達だな、と思った。

そして、受話器を置き長門の様子を確認すると夕飯の後始末をしているようだった。

さて、お風呂はどうしようかと思ったら

「以前、貴方が朝比奈みくると時間凍結をしていた部屋のタンスにバスタオルと着替えがある。」

と、長門が視線は流しに向けて言ってきた。

なんで、そんなに手際が良いのかとも思ったが、それこそ今更であろう。

「分かった。では、風呂に入らせてもらうかな? 」

そこで、家を出る前風呂に入ったことを思い出したが、(いかん、この年で痴呆症か?)

まぁ、二度風呂もいいだろうと思うことにした。

俺は座敷につながる二つの襖をあけて、そこにあるタンスの中からバスタオル等一式取り出して風呂に向かった。

 

ちなみに風呂の中での描写は省かせていただく。

特に何もなく、俺が長門をどうすれば助けられるか悶々としているだけだ。

それに、可愛らしい女性ならいいがむさ苦しい俺の風呂なんぞ描写してめ面白くもなんともないだろ?

 

かくして、俺は風呂をあがり長門が用意しておいた。

パジャマ…というより灰色のスウェットを来た。

俺が戻ると長門は一人本を読みながら座っていたが、俺が出てきたのを確認すると自らも着替えを持って風呂に向かっていった。

 

 

……。

…………。

………………。

え……?

 

(パタン)←お風呂のドアを閉めた音

ここで、男子諸君君たちに質問だ。

今、俺はさっきお風呂から出てきた。

そして、そのお風呂にはあらかじめお湯が張ってあって勿論俺もそれに浸かった。

更に言うと、俺は家でお風呂に入っても中身のお湯を捨て変える何て事はしない。

まぁ、家族だから抵抗が無いというのもあるんだが、

そして問題が次だ。

俺はいつもの癖でお湯を抜くなんて事はしていない。

なので長門がお風呂に入っていて今シャワーの音がしていない、と、いうことは…………

あぁぁあああぁぁああああああ…………

俺は一人激しく悶えていた。

ちなみにこれは長門が出てくるまで続いた。

 

長門が出てくると

床で悶えていた。

俺を見つめてきた。

(あぁっ、そんな凍りつくような瞳で見つめないでっ……)

「何してるの……」

長門は言ってきた。

今の俺にはその一言一言が大ダメージです。

「いや、何でもないんだ。ちょっと考え事をしててな」

下手な言い訳だ。

我ながら恥ずかしいです。

考え事をしても普通、床で悶えないだろ!!

「そう。」

長門はあっさりそれを信じてくれた。

あー、長門?純粋なのは良いがそんな簡単に信じちゃ駄目だぞ?

 

それから、俺達は寝る時間になるまで二人でゲームをやっていた。

この前ハルヒが長門の家に遊びに来たときにつまらないという事でどこからから持ってきた奴である。

長門は、俺ごときならば簡単に倒せるであろうがちょうど良い手加減で俺はかなり楽しめた。

そしてゲームも一段落着いたとき俺は長門に

「そろそろ寝ようか。」

と言った。

「分かった。」

長門も同意してゲームを片付けてから俺は寝る部屋に向かった。

ちなみに寝る部屋というのは例の俺と朝比奈さんが三年寝た朗を成し遂げた部屋だ。

 

その部屋に行くと既に布団が二つしいてあった。

それを見て長門も睡眠をとるんだなぁ……と思った俺だった。

俺は泊まると言った時からこうなる事はわかってたから、これでは悶えなかった。

流石に長門の目の前で二回も悶えるわけにはいかない

俺は、それを見ながら「寝るか……」

と呟くように言った。

「そう……」

長門もそう言ったので寝ることにした。

俺は布団に潜り長門も布団に潜る。

「長門、電気消して良いか?」

俺はそう言った。

「いい……」

と長門が了承してくれたので電気を消した

俺は電気がついていると眠れないたちなのだ。

だからと言って豆電球がついているからといって決して眠れない……という訳ではない

俺は横になり、天井を見ながら長門に聞いた。

「なぁ、長門。

長門はいつ消えちまうんだ? 」

「1ヶ月後。私は消滅するとの報告を受けた。」

淡々と話す長門の事を思うと悲しかった。

「そうか。

なら、なぁ長門。何かやりたいことは無いか? 」

何もできない自分が憤りしかった。

「やりたい事……」

長門は押し黙る。

そして、考える事約十数分間。

「私は、生まれてから有機生命体の持つ感情について考えてきた。

我々ヒューマノイドインターフェイスは感情という概念を持っていないから……

しかし最近胸部が熱を持つことがある。

それから、貴方が涼宮ハルヒ及び朝比奈みくるに視線を送る時私は不快感を感じる。」

ここで長門は一旦言葉を切る。

考えている事を言葉にしようとしているのだろう。

 

 

 

そして、再び話続ける。

「私は、この事をエラーと認識し、情報統合思念体にエラーの解析を求めたが答えを得られず。

保留となった。

そして、私はこの事を私なりにあらゆる本を読み、探していった。

そして、結論に至った。」

 

 

「それは、『恋』という有機生命体特有の感情だと分かった。」

長門はここで一息入れる。

「だから、言わせてほしい。

私にとってははじめての感情。

思い違いかもしれない。

情報の齟齬が発生するかもしれない。」

 

 

 

でも。

 

 

 

 

聞いて。。。

 

 

 

 

私は……

 

 

 

貴方の事が……

 

 

 

 

それから少し経って

 

 

 

 

「ありがとう。」

長門はそう言った。

そして、長門は俺の方へ歩み寄るとその小さな背を爪先から精一杯伸ばし。

俺の唇に長門は自信の唇を重ねた。

俺は、その時長門を折れるのではないだろうか。

という位の力で長門を抱きしめていた。

そして、長門から発せられていた光は段々強くなり俺達を包み込むと。

長門と一緒に消えた。

俺の目には涙があふれ、先ほどまで一番近くにいたはずの温もりは感じられず。

目の前には暗い壁と共に暗闇が漂っていた。

 


 
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