一刀、そして張三姉妹は時には別に、時には一緒に歌って、互いに新たな客層を取り込む事に成功していた(一刀側は男性、三姉妹側は女性客の増加)
こうして興行しながら情報を集め、旅していた一刀達だったが、ある問題が発生していた。
大きな街で興行した場合なかなかの収入が得られるが、小さな村などでは兵士達を養えるほどのお金が手に入らないのである
しかし、できれば場所は選ばず興行していきたい
と言う訳で一刀は・・・・・
「とっとと天下統一して、大陸中を興行できるようにしようや」
と言い、仕官しに行くと言い出した・・・・
天幕の中に一刀、華雄、恋、ねね、三姉妹が集まっていた。
「それで、何処の勢力に行くつもりですか?」
「何処がいいと思う?」
ねねの質問に、一刀は逆に訊ねる
「勢力なら袁紹か曹操、または袁術に馬騰ですね。ただ、袁術の所は将来性を見込むなら孫策に付いた方が懸命でしょう」
「孫呉の独立を虎視眈々と狙ってるっつー話だからな」
「そうです。あとは公孫賛か劉備ですが、公孫賛はそこそこ有能ですが将に恵まれていませんし、劉備の場合、将に恵まれ民の信望も厚いですが、勢力的には一番弱小ですからこの二人はオススメはしませんね・・・・・」
「ふむふむ」
「で・・・・どこへ行くのだ?」
華雄の問いに一刀は少し考え
「・・・・・うし!決めた!俺が仕官するのは・・・・・」
「・・・・と言う訳であんたの所で俺達を働かせてもらいたいんだが」
謁見の間で、一刀、華雄、恋、ねねは主になろうとしている人間と対面していた。
その相手は・・・・
「え、えーと・・・本当に私の所でいいのか?他にいい所はいくらでも・・・・」
公孫賛であった。
「アンタのところで働きたい、他に有望なヤツがいたとしてもアンタがいいんだ・・・迷惑か?」
「・・・・・・・」
一刀の言葉に驚いた表情のまま固まる公孫賛
「・・・?おい、どうした?」
「あ、す、すまん。そんな事言われたのは初めてだったから、驚いてしまって・・・」
上に立つ者の言葉とは思えないなんとも哀れな台詞だった。
「で、雇ってくれるのか?」
「勿論だ!ウチは只でさえ人材不足なんだ。そこに元董卓軍の有能な将たちが揃って仕官してくれると言うなら断る理由が無いさ」
「そうか、ならこれからよろしく頼む」
「ああ、こちらこそ!」
こうして一刀達は、公孫賛の配下につく事となったのだった・・・・・
話は公孫賛に仕官すると一刀が言い出した所に遡る。
そう一刀が言った時、皆目が点になっていた(恋を除く)
「・・・一つ聞いていいか?」
華雄が一刀に聞いてくる
「何だ?」
「何故公孫賛なんだ?」
「そうです!ねねの話を聞いていたのですか!?」
華雄に次いで、ねねも一刀に聞いてくる
「当たり前だろ?聞いたうえでそう決めた」
一刀は当然といった表情で答えた。
「だったら理由を教えるのです!」
ねねの言葉に、華雄と三姉妹も頷いた
恋はただ一刀を見ているだけだったが・・・・
「分かった分かった、理由はな・・・・」
「「「「「理由は?」」」」」
「袁紹には自分の上に立ってもらいたくねえし、曹操の場合俺は曹操の覇道なんか興味ねえし、馬騰は病気だって噂だ、もしもの場合娘が跡継ぐだろうけど・・・華雄、お前馬超に会った事あるんだよな?」
「ああ、一度戦った」
「馬騰の跡継ぎになれそうだったか?」
「・・・将としてはなかなか有能だったが、領主としては時期尚早だろうな」
「と言う訳だ、危なっかしいからそこも却下。んで袁術は袁紹と同じ理由で却下。孫策は目標に向かう姿勢は評価するが、同じ目標に向かおうとは思わんな・・・・」
ふう、と一息入れて、一刀は説明を続けた。
「で、最後に劉備だけれども・・・・何か気に入らん」
「・・・・は?」
それは誰が上げた声だったのか
「なんなんだろうなあ?自分でもよく分かんねえんだよな。直接会えば分かるかもしんねえけど・・・・」
一刀は首を傾げた。
「と言う訳で、もう公孫賛しか残ってないんだよ」
そう一刀は言った・・・・・
そんなこんなで、結局一刀の意見の通りに公孫賛の元に仕官しにきたのだ。
つまり、一刀の本音は「アンタがいい」ではなく
「アンタしか残っていない」
が正しかったのである
そして最後にねねは一刀に対しこう訊ねた。
「・・・主の好き嫌いはともかくとして、勢力の差はどうするのですか?」
それに関して一刀はこう答えた。
「そこが俺達の腕の見せ所だろ?それに・・・」
「それに?」
一刀は笑みを浮かべこう言った・・・・・
「負け戦を勝ち戦に変える、これが一番楽しいんじゃねえか」
どうも、アキナスです
ついに仕官した一刀君とその仲間達
彼らの運命はどう動くのか?
それでは次回に・・・・・・
「デッドトライアングル!!」
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一刀達の戦いが、再び始まる・・・・