No.216794

【鈴仙祭】がんばる。【宣伝】

鈴仙祭で無料配布予定のコピー本、その1ページ目です
文庫サイズで本文7ページの短編

スペース:ん-2
サークル「ICE TEA」

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2011-05-15 02:12:09 投稿 / 全1ページ    総閲覧数:712   閲覧ユーザー数:703

 

がんばる。

 

 

とても幸せな夢を見ている気がした。

辺りは一面の花畑で、私は自由に空を舞っている。

そんな争いとは無縁な世界に漂っていると、自分の犯した罪さえ些細なことのようだ。

いや、夢を見ていたのはむしろ今までの方なのかもしれない。

もしそうであるならば、一体どれほど救われるだろう。

 

板張りの廊下が軋み、来訪者の存在を知らせてくれる。

とはいえこの部屋を訪れる人物など、今のところ屋敷には一人しかいない。

「様子はどう?」

開かれた襖の向こう側に永琳の姿を確認し、輝夜は声を掛けた。

「今は眠っているわ。薬も飲ませたから、このまま落ち着いてくれるといいのだけれど」

「随分と錯乱していたものね、あのイナバ」

そのときのことを思い出したのか、輝夜の顔に笑みが浮かぶ。

屋敷の中が世界の全てである今の彼女にとって、日常に起こる僅かな変化さえも娯楽の一つだ。

「ところであのイナバはどうするの? 飼うの?」

 

 

 

 ※改行は調整済み、画像は表紙と裏表紙


 
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