No.207378

真・恋姫 つなぐ想い 10

kabadiさん

休みなんで連続で書きました。
今日はこれで終わります。
気付けば10。
早いですね。
でも、進みませんね。

続きを表示

2011-03-21 13:41:56 投稿 / 全10ページ    総閲覧数:5302   閲覧ユーザー数:4009

<蜀>

<一刀>

 

ここは、城壁の上か…。

 

そろそろ満月かな。

月がきれいだ。

でも、なんだろう。

あの月を見ていると胸が痛む…。

 

月明かりを頼りに景色を見渡す。

高さ的には学園の屋上より低いはずなんだけど……広がる街並みから山の形、遥か彼方の地平線まで、今までの世界とは全くの別物。

それを見ると、オレは日本じゃない、別の世界にいるんだな……という事を実感する。

 

しばらく歩いていると、城壁の上に建てられた物見やぐらが見えてきた。

 

ん、誰か上にいるのか?

近づいてみると、人影らしきものが動いたように見えた。

 

「おや、貴方はどなたでしたかな?」

気付くと目の前に水色の髪の女の子が立っていた。

…いつの間に?

 

しかし、すごい格好だな。

ショートカットでしっぽ髪がついた頭にナースキャップにも似た被り物を被り、スリットのついている浴衣みたいな、裏地にアゲハ蝶の模様が施されている白い服を着ている。

あの胸元って布をどうやって固定してるんだ?ごくっ。

 

…ぞくっ。

 

なんかこの悪寒、胸関係だと少し大きい気がするな。

慣れてきてるオレもオレだが。

 

「オレは姓は北郷で名は一刀。字と真名はないけど、強いて言えば一刀が真名にあたるかな。今日からここでお世話になっているんだ。」

「おお、貴殿が天の御遣い殿でしたか。これは失礼いたした。我が名は趙雲。字は子龍と申します。」

彼女がかの有名な趙雲か。

やっぱり何かイメージが違うな…。もう気にしないけど。

 

「あんまり天の御遣いって呼ばれるのは好きじゃないんで、できれば一刀って呼んでほしいな。」

「ふむ。ならば私も貴殿に我が真名、星を託しましょう。あの愛紗まで真名を許したらしいですしな。よろしく頼みますぞ。一刀殿。」

「ああ、こちらこそよろしくな。星。(にこっ)」

そう言って握手を交わす。

一瞬星が固まったかと思うと、何かを呟いた様だ。

「……主。(ぽっ)」

 

よく聞こえなかったな。

 

月明かりでよく見えないけれど心なしか顔が赤い気がする。

 

「ところで、星はこんなところで何をしてたの?」

「月を肴に酒を飲んでおりました。一刀殿は何を?」

なるほど。顔が赤く感じたのは其のせいか。

「寝付けなくてね。少し散歩をしてたんだ。」

「ふむ。ならば少々付き合いませぬか?」

「いいのかい?月見酒とは風流だね。」

「ふふ。ではこちらをどうぞ。」

自分の杯をくいと飲み干して、星はその杯をそのままオレに渡してくれた。

顔には妖艶な笑みが浮かんでる。

…おもわずドキッとしてしまった。

「え?星……。」

「どうなさいました?」

「いや、それ星の杯だろ?」

こ、これはもしや、間接キスというものになるのでは。

「生憎と杯はそれしか用意しておりませなんだ。別に毒など仕込んでおりませぬゆえ、ご安心めされよ。」

いや、別に毒なんか心配してるわけじゃないんだけど……。

 

まあ、星がいいならいいか。

 

よく見ると白磁の杯には淡い口紅のあとがついていて…。

「どうされた?」

そう問いかける星の口にもうっすらと口紅が引かれているのに気付いた。

「あ、ああ。いや、なんでもない。」

その場所に触れないようにオレは杯を口へ運ぶ。

「…うまいな。」

「そうでしょうとも。この趙子龍が選んだ一品ですからな。ですが、一刀殿もなかなかいけるクチですな。」

まあ、爺ちゃんに鍛えられたからな…。

「ありがとう。ほら星も飲めよ。」

そう言って杯を戻す。

「頂きましょう。」

星はオレの口がついた所へためらいもなく口をつける。

…いいのかな?

「ところで、その壷は何?」

脇においてあった壷を尋ねる。

「よくぞ聞いてくれました!」

う、やばい。地雷踏んだッぽいぞ。

中にはメンマが入っているらしく、延々とメンマの素晴らしさを語られた。

まあ、確かに「一刀殿なら…」と分けてくれたメンマは美味しかったけどさ…。

 

そのままオレと星はしばらく杯を重ねた。

 

部屋に帰るころには、結構酔いが回っていて、寝台に入るなりすぐに眠ることができた。

…勿論鍵はかけたさ。

 

明日はどうなるのかな…。

元の世界に戻ってたりして…。

そんなことを考えながら、オレは眠りについたのだった。

 

―翌日―

 

オレは既視感を感じながら目覚めた。

なんか右側があったかいなー。やらかいなー。

 

…このパターンは!!

 

オレの頭は一瞬で冴え、右側に視線を移す。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

……星…だと…。

 

え?何で星がここにいらっしゃるのですか?

うん、昨日は星と遅くまで飲んでたよ。

でも、確かに別れたはずだ。間違いない。

鍵もかけたし。…扉も壊れてない。

……一体どういうことだ?

 

わからん。

 

だが、ひとつ確かなことがある!

 

今日は愛紗が確実に来る!!

 

うわわぁ~~~~ん。助けてよ~。ドラ○も~ん。

待て、落ち着け!

まずは星を起こすぞ。

 

「もしも~し。星さ~ん?」

「………ん、ん。」

よし、恋みたいに寝起きは悪くないようだ。

 

「起きてくれ。星。」

「…おはようございます。一刀殿。」

よかった。起きてくれた。

 

「どうして星がここに…いや、話は後だ。すぐに自分の部屋に戻って…。」

「すみません。一刀様。起きておられますか?」

オレの台詞の途中で無常にも響く愛紗の声。

…ん?一刀”様”?

いや、今はそれどころじゃない。

 

「失礼します。」

愛紗が扉を開ける。

やけにスローモーションに感じる。

 

・・・・・・・・・・

 

「まタでスカ…。」

だから愛紗さーん。

発音がおかしいですよ。

あ、またあのオーラが(ガタガタブルブル)。

「愛紗よ。何を怒っているのだ。」

突然星が口を出す。

「星よ。なぜお前がここにいるのだ。」

「別に私がどこにいようと私の勝手だろう。」

「そうはいかぬ。な、ぜ、一刀様の寝台におるのだ!」

「ふっ、そこまで言わせるのか?」

…はい?

「な、な、ななな。」

「別に私と一刀殿がどのような関係でも愛紗には関係あるまい?」

……へっ?…っていうか星、煽るな!!

「い、いや、それは。私は蜀の将としてだな…。」

 

「くっ…。くっくっく…はーはっはっはっは。」

「な、なんだ?」

「愛紗よ、安心しろ。お主が思っていることなぞなかったぞ。しかし、愛紗も存外乙女になったものだ。」

「なっ!!星、貴っ様ぁ~~っ!!」

愛紗が顔を真っ赤にして星に襲い掛かる。

星は楽しげにそれをかわす。

 

…あの~、一応ここオレの部屋なんですが。

ま、無駄ですよね~。

 

「で、星はどうしてオレの部屋にいたんだ?」

落ち着いた頃を見計らい、オレは星に尋ねた。

 

「窓が開いておりましたのでな。無用心ですぞ、一刀殿。」

ま、まどぉ~?マジか。

「じゃなくて、どうしてオレの横に?」

「ふふっ。私は一刀殿が気に入りましたゆえ…。後はご自分でお考え下され。では、これにて失礼いたします。」

そう言って星は出て行ってしまった。

からかわれてんのかな。オレ…。

 

「か~ず~と~さ~ま~?」

「げぇ!愛紗!」

おれは今日も愛紗に”お説教”をされるのだった。

 

その後愛紗と一緒に遅めの朝食を摂り、城内を案内してもらう。

愛紗は少し不機嫌だ。

「私は怒ってなどおりません。」とか言うけどまるわかりです。

 

途中で、気になったことを聞いてみた。

「そういえば、どうして今日は様付けなの?」

「いけませんか?」

「いや、そういうわけじゃないけど、なんかくすぐったくて…。」

「ではいいではありませんか。あなた様は天の御遣いなのですし、私自身そう呼ぶにふさわしい方だと思いましたゆえ。」

「…いや、愛紗が呼びやすいなら別にいいんだけどさ。」

ま、いいか。

くすぐったいけど、自由に呼んでとか言っちゃった気もするし。

それだけ認めてくれたってことだから素直に喜ぼう。

 

しばらく案内された後、オレは執務室へと来た。

愛紗の機嫌もいつの間にかよくなったみたいだ。

相変わらず腕を組むのがお好きなようですが。

…途中冷たい視線を感じたけどさ…。

 

執務室では朱里と雛里と桃香が仕事をしていた。

此処に来たのには理由がある。

「なにか、オレにも手伝えることはない?」

タダ飯喰らいなんて申し訳なさすぎる。

すると朱里がこたえてくれた。

「うーん。では、数日街を見て回って感じたことを教えて頂けますか?」

「そんなのでいいのか?」

「はい。天の国から見た印象というのは参考になるはずですから。実際に天の知識を取り入れた許昌の街の警備体制はすばらしいですし。それに、他のお仕事をするにしても、街を知っていると役に立つはずでしゅし…。」

雛里が説明してくれる。…微妙に惜しかったな。

 

なるほど。書簡の上からじゃ人は見えないってことか。

まずは、実際に触れ合って知ることが大事だ。

忘れがちだが、忘れてはいけないことだよな。

「わかった。任せてくれ。精一杯やらせてもらうよ。」

「うん。がんばってね。一刀さん。」

桃香にも激励を受け、オレは部屋を後にした。

昼食を摂り、またしばらく愛紗に案内をしてもらう。

…やっぱ、けっこう広いんだな。  

 

鍛錬所では鈴々に懐かれ、中庭では気持ちよさそうに眠る恋と動物たちを見かけた。

月と詠は洗濯だ掃除だお茶くみだと動き回っていたな。

洗濯物を持ってあげたりしたが愛紗の目が冷たかったのは気のせいだろう。

 

少しすると、軍部の方で何か問題でもあったのか愛紗が呼ばれて行った。

ほぼ案内は終了していたのだが、愛紗は申し訳無さそうにしていた。

わざわざ付き合ってもらったんだし、こちらの方が申し訳ないな。

オレは愛紗にお礼を言って別れた。

…別れ際少し残念そうに見えたのは自惚れすぎかな。

 

そして、オレは早速街へと繰り出すことにした。

 

思えば、じっくり街を見るのは初めてだな。

やべえ、楽しみになってきた。

迷っても人に聞けばいいだろう。

 

はたして、街では何が待っているんだろうか。

 

期待と不安を胸にオレは歩き出した。

 

あとがき

 

やっと星登場しました。

 

とりあえず後は、たんぽぽ、紫苑親子、桔梗、焔耶、ハム、斗詩、猪々子、麗羽か。

難しい人もいるなぁ…。三話くらいでまとめたいな。

いっそ、数人カットしよっかな(笑)

安西先生。魏の人が出したいです…。

魏ルート後で再会を書きたかったはずが。記憶を無くしてそれでも触れ合う感じをだしたかったのに。

うん!合流後に頑張ろう!

…実力不足がうらめしい。

 

まず、蜀での生活書きながらで全員と絡ませてから五人を到着させようと思っとります。

 

一刀君本当に大丈夫なのかな?

思いつきで書いてるからこんな感じになってます。

作者はハッピーエンド好きですし、一刀君気に入ってますからあまりひどいことにはならないと思いますが…このフラグ…。ま、なんとかなるでしょう。

あと、シリアスをかく能力もないんで今のままの感じで続ける予定です。

マンネリ化が怖い…。

 

本当駄作ですね。

呉にはどうやって持って行こうかな…

 

いろいろひどい作品ですがここまで付き合ってくださった方に大きな感謝を!

あたたかいコメント、メッセージをくださる方、支援してくださる方。

感謝してもしきれません。もはやこのゴミ作品を続ける上での心の支えとなっております。

 


 
このエントリーをはてなブックマークに追加
 
 
42
1

コメントの閲覧と書き込みにはログインが必要です。

この作品について報告する

追加するフォルダを選択