No.206615

真・恋姫夢想 「とある桂花のデレ日記 ~七の記~」

狭乃 狼さん

しつこいくらいの日記。

なんかこっちがメインになりつつある今日この頃w

あ、もちろん北朝伝もちゃんと進めますよ?

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2011-03-16 16:24:10 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:20389   閲覧ユーザー数:15918

 

    

 

 

 

 

                       「とある桂花のデレ日記~七の記~」

 

 

 

 

 

 

 

 北郷一刀。

 

 天の御遣いにして、三国同盟の象徴。

 

 でもって、

 

 

 どスケベ。種馬。女たらし。孕ませ王。精力魔人。歩くち○こ。全身○液。その他もろもろ。

 

 

 そんな表現ばかりが目立つ、天然無自覚の朴念仁。

 

 けど。

 

 そんなあいつに、魏・呉・蜀の主だった将たちが、全員骨抜きにされている。

 

 その守備範囲はかなり広く、お子ちゃまとしかいえないような容姿の者から、子持ちの未亡人までお構いなし。

 

 何でこんなにもてるのか。

 

 顔だって割りと普通だし、特に武に秀でているわけでもなく、知に優れているわけでもない。

 

 おそらく、はっきりとした理由をいえる者は、誰も居ないと思う。ただ、ああ、こういう人なんだと。

 

 そう思わせてしまう何かが、彼にはあるのであろう。

 

 かくいう私、荀文若も、彼には一目惚れだった。とはいえ、その生来の性分から、そして、元々の男嫌いも手伝って、あいつにはいつもつらく当たっている。

 

 馬鹿だの変態だのは当たり前。寄るな触るな話しかけるな、自分の視界に入るんじゃない、とっととどっかへ消えてしまえ。

 

 ・・・などなど。

 

 そんな悪口に隠されたこの私の、あいつに対するこの想いを、けっして人前では口にできない一刀への愛を、夜な夜な秘密の日記に書き連ねていく私。

 

 「・・・さて。今日も日記をつけるとしようかな。・・・えっと、今日は・・・」

 

 筆を取り、その日のことを脳裏に再生しながら、私はさらさらと筆を走らせる。

 

 ・・・北郷一刀に対する、この想いの丈を。

 

 

 

 ×月○日

 

 世にさまざまな格差あれど。

 

 この格差だけは、絶対に許せない。

 

 何のことかって?

 

 ・・・この日の昼間。あいつがぽつりと言ったのよ。ある人種どもの、ある部分を見ながら。

 

 『・・・・・・・・神様って、不公平だよな』

 

 なんてことを、私や朱里、雛里たちの、その部分を見ながら。

 

 とりあえず、その場でぶん殴っといたけど。

 

 でも。

 

 ・・・・・・・やっぱり、一刀も大きいほうが好きなのかな?

 

 自分の胸に手を当てつつ、はあ~、と。思い切りため息をつく私。

 

 胸が大きければ、いろんなことが出来るわよね?

 

 たとえば、その。

 

 天然の枕にしたりとか。

 

 あ、”あれ”をはさんでごにょごにょ・・・・・・・・とか///

 

 こほん!・・・・・・ほんと、なんとか大きくする方法、無いものかしら?

 

 牛の乳?とっくに試しました。

 

 豊胸体操?それもやりました。

 

 よく揉んでもらう?・・・・・・華琳さまに、しょっちゅうしてもらってます。

 

 え?好きな男にしてもらえ?・・・・・・・出来るもんですか、んなこと/// 

 

 

 

 そんな、とある日のこと。

 

 朱里と雛里が、あいつから言われているのを聞きました。

 

 『大きさなんて関係ないさ。小さいには小さいの魅力がる。だから気にしないで。な?』

 

 ・・・・・・いい言葉だった。

 

 うん。

 

 大事なのは感度よね!無駄にでかい分、脳に栄養行ってない連中よりはましよね!

 

 あー、なんかすっかり気分が晴れちゃった♪

 

 よし!気分がいいからあいつをからかってこよ♪でもって、たっぷりあいつの声を聞いて、一刀分補充しておこうっと♪

 

 「こらー!そこの幼女趣味のど変態!成敗してやるからそこを動くなー!」

 

 

 

 ▲月▽日

 

  

 詠こと、賈駆文和は、月こと董卓仲頴とともに、北郷一刀の侍女を務めている。その傍ら、あいつの政務の補佐もしている。

 

 その仕事量は並みの量ではない。

 

 だから、その疲れがたまったのだろう。この日、体調を崩して寝込んでしまった。そして、そんな彼女を看病するためと、彼女自身にも休みを与えるため、月もこの日は侍女の仕事から離れることになった。

 

 で。

 

 現在その代理を務めているのが、なぜか私だったりするわけで。

 

 「・・・・・・なんで私があんたの部屋を掃除しなきゃいけないのよ」

 

 「いや、俺に言われても」

 

 ぶつぶつとそう言いながらも、内心私は嬉々として、めいど服とやらを着て仕事に励んでいた。彼の部屋を掃除できるなんて、まるで奥さんみたいだな~、なんて考えながら。

 

 まあ、この役を命じられたのは、私がやらかしたヘマの罰として、華琳さまから言われたからなんだけど。そのヘマっていうのが、その、華琳さまに”また”、墨をぶちまけたという。・・・われながら、なんとも学習能力のない失敗なわけで。

 

 ・・・いっとくけど、わざとじゃないからね?

 

 それはともかく、彼の部屋を掃除しつつ、私の興味はあるものの探索に向けられていた。

 

 一刀だって健全(?)な男なんだし、そういう類の本があるんじゃないかなーとか、思っていたわけで。

 

 ・・・・・・・・・・・・ありました。しっかりと、寝台の裏に。

 

 「け、桂花?いや、あのな、それはだな、その」

 

 「・・・いやらしい。ふん!こんなもの見ていったい何をしてるんだか」

 

 ぺらぺらと。

 

 一枚づつ頁をめくり、何気なく目を通しながら、蔑んだ目と台詞を一刀に向ける。・・・わ。こんなことしてる。わ、わ!あ、あんなところを・・・!!

 

 その内容に大興奮しつつも、表情には決して出さないように、そして、体が熱くなってきていることを悟られないように、彼を罵倒し続ける。

 

 「これは没収ね。私が捨てといてやるわ。さて、後は洗濯ね。あんたの汚い下着なんか、ホンとは触りたくもないけど、仕事である以上、仕方なく!きちんとしといてやるわよ」

 

 「・・・・・・よろしくお願いします。・・・しくしく」

 

 ・・・艶本没収されたぐらいで、そんな泣かなくてもいいと思うけど。

 

 

 でもって、その日の夜。

 

 「・・・・・・わ、これすご。わわわ!こ、こんなのもあるんだ・・・!!」

 

 昼間彼の部屋から没収した、例の艶本を、一人こっそり、後学のために見てる私が居たりして。

 

 「・・・やば。変な気分になってきちゃった。・・・・・・んふっ!」

 

 

 それから、一人で何をしたのかは書かないでおく。てか、日記に書く訳がないっての。

 

 ・・・何期待してたのよ?この変態どもは(ジロ)・・・ふんっ!!///

 

 

 

 他月◇日。

 

 

 この日は朝から調子が悪かった。

 

 気持ち悪くてすぐに吐きそうになるし、月の物も全然来ない。

 

 ・・・出来た?

 

 出来ちゃった、かな?

 

 彼の、子供。

 

 ・・・・・・・・だったら、嬉しいな♪

 

 でも、そんなこと誰にも相談できないわけで。

 

 仕方なく、それを隠したまま、仕事に励んでいたんだけど。・・・やっぱ、意地は張るものじゃない、と。つくづくそう思ったわけで。

 

 仕事の最中で、思いっきりぶっ倒れました。

 

 ・・・・・・・流れてないといいな・・・・・・・わたしと、一刀の、赤ちゃん・・・・。

 

 そんなことを願いつつ、私は意識を失いました。

 

 

 

 それから少しして、私は自分の部屋で、目を覚ましました。

 

 あの後、すぐに華佗が呼ばれたらしく、私自身は単なる疲労だと言われたそうです。

 

 ・・・・・・赤ちゃんは、居なかったそうです。

 

 ・・・・・・そういう、運命だったのかな・・・?

 

 わたしが、変に意地を張らなきゃ、赤ちゃん、助かってたんだろうな。

 

 

 「・・・ひくっ。・・・ひぐっ。ごめんな、さい。ごめ・・・な、さ・・・う、う、うあぁぁぁぁぁ・・・・・・!!」

 

 

 誰にも知られないよう、私は、声を殺して泣きました。

 

 ・・・・・・・赤ちゃんに、生まれてこれなかった生命に。そして、一刀に。

 

 

 

 「・・・・・・結局、とんだ勘違いだったんだけど」

 

 そう。

 

 吐いたり倒れたりしたのは、ほんとに疲労がたまっていたため、調子を崩していただけだった。で、月のあれに関しても、単なる不順だったわけで。

 

 「昨日からしっかり始まってるんだもの。・・・・・はあ。ほっとしたやら、なんやら」

 

 日記をしまいつつ、ため息を吐いてつぶやく私。

 

 「・・・子供、かぁ・・・。・・・本当に出来てたら、今頃立ち直れてなかったも・・・。・・・これから、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ、素直になろうかな・・・・」

 

 そうすれば、最悪なことは避けれるはず。

 

 彼の子を生む。

 

 私の、今一番の夢。

 

 そして、幸せな家庭を築く。

 

 「・・・喧嘩は絶えないだろうなー、あはは。・・・でも、だからこそ、幸せなんだって、そういえる家族に、なれたらいいなあ・・・」

 

 そんな日が、いつか来るように。

 

 そう願いつつ、私は明日も、彼に冷たい視線と声を掛けるだろう。

 

 明後日も。

 

 明々後日も。

 

 その次の日も。

 

 毎日毎日。

 

 ただ、彼の注意を引くためだけに。

 

 子供みたいなその行為で。

 

 貴方が好き。愛してる。

 

 それとはまったく正反対の、こんな言葉を投げかけつつ。

 

 「寄るな触るなこっちを見るな!私の視界から消えなさい!て言うか今すぐどっかいけ!息も吐くな!それだけで妊娠しちゃうでしょうが!あんたなんか、大っ嫌いなんだからー!!」

 

 

 ~えんど~


 
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