No.198985

虚々・恋姫無双 虚捌

TAPEtさん

八の代わりに捌であってますよね。何で今更これに疑いを思うんでしょうか、自分は…

最近紗江のための話が多い件について……減らしましょうか

2011-01-31 21:41:57 投稿 / 全6ページ    総閲覧数:2647   閲覧ユーザー数:2255

ガラッ!

 

「ちょっとそれはどういうことねん!!!」

 

御前会議で霞の怒りを込めた声が殿内に響いた。

 

「身を慎め、霞!華琳さまの前だぞ!」

「これが落ち着いていれるかっちゅうねん!」

 

春蘭さんが言うことも聞かずに、霞さんは不満を表しました。

 

「どうしてウチだけお留守番なんや!元ならウチと惇ちゃんで先陣になるはずやろ!」

「霞、気分は分からんでもないが少し落ち着いてくれ」

 

秋蘭さんまでもが出て霞さんを落ち着かせようとしますが、霞さんは中々冷静になってくれません。

それほど孫策軍との一戦から外されたことが悔しいのでしょう。

 

「霞さんの気持ちは分かりますけどー。霞さんには他に任せるべきことがあるのです」

「何やそれは」

「我々が孫呉との戦いをしている間、西涼が魏にせめて来る可能性が残っています。霞には我々が南に進軍する間、西側の防衛を任せたいと思うのです」

「西側だと……洛陽か」

「そうです。洛陽、そして長安についてはこの中で霞が一番詳しいです」

「それは、せやけど……でも、来るかもしらへん連中の防衛なんてウチは嫌やわ!」

 

理屈は分かるけど納得はしていない霞さんであった。

 

「まぁ、と言うだろうと思っていましたので、警備隊の三人も霞さんと一緒に防衛してもらうことにしました」

「うん?…じゃあ、凪も?」

「もちろん、いますよ」

「うぅん……」

「こんぐらいで勘弁してくれや、ねーさん。それによ、防衛戦になったら姐さんが大将だから凪ちゃんにやりたい放題だぜ」

「ちょっ、風さま!?」

 

凪君なら警備隊隊長なので会議に出ています。

 

「やる、やる!防衛がんばりまーす」

「霞さま!」

 

ワンコに人権なんてありませんでした。

 

「そして、霞さんの軍師として、司馬懿、紗江さんを付けることにします」

「ふえ?軍師?」

「彼女なら大体のことはやりこなしてくれるでしょう」

「そりゃええんやけど、紗江ってここに居ないじゃん」

「問題ないわ。ていうか、あなたを残るようにしたのが彼女だもの」

「えぇー?」

 

 

 

そんな会議がある一方、話の裏である紗江は部屋の中で髪に櫛をいれていました。

 

「…………」

 

がらっ

 

「紗江ちゃーん、遊びにきたのー」

「遊びに来てやったでー」

 

突然沙和君と真桜君が尋ねたのはその時でした。

まだ朝早いというのに、なんというテンションの高さ。

 

「お二方はほんとに凪君が居ないと仕事をなさらないのですね」

「今日はお仕事お休みなのー」

「清々しい顔で嘘をつかないでください。沙和君の休みは一週間も後だって知っていますから」

「ぐぬぅっ!!」

 

ちなみに城の中堅管理職として、皆の有給休暇などについて管理しているのもこの人であります。沙和君たちは知らないでしょうけど。

 

「うぅ……紗江ちゃんは沙和たちが来て嬉しくないの?」

「ふふふっ、そんなことはありませんわ。来てくださってありがとうございます」

 

沙和君が拗ねたような顔で言ったら、紗江は微笑みながらそう答えました。

正直なところ、紗江も忙しい二人がこうして来てくれたことが嬉しいのでしょう。

 

「ごめんなさい、もうちょっとしたら整えますから少し待っててください」

「ああ、沙和がしてあげるの」

「え?……んじゃ手伝ってもらいましょうか」

「<<ピカーッ>>」

 

あ、沙和君の目が光りました。

これは悪い予感しかしない。

 

僕は一刀ちゃんの様子でも見に行ってきます。

 

・・・

 

・・

 

 

 

コンコン

 

ってあれ?

 

「…ぁ」【あ、さっちゃん居た】

 

どうして一刀ちゃんが紗江の部屋の前に居るのです?

 

【あのね、さっちゃんにちょっと相談があってね】

 

あ、はい、あの、実は僕もちょっと一刀ちゃんに大事な話があるのですけど……

 

【え、何なの?】

 

実はですね……

 

 

 

「あーー、やめてくださいーー!」

 

 

 

「!!」

 

 

あぁ、案の定というか、紗江の悲鳴声が……

 

【紗江お姉ちゃん!?】

 

がらり

 

部屋の中の悲鳴を聞いて一刀ちゃんは慌てて引き戸を開けました。

 

「……ぇ?」

 

戸を開けた一刀ちゃんの目に最初に入ったのは、沙和君に服を半脱ぎされている紗江でした。

 

「あ、た、いや、みな…いや、やっぱたすけ……」

 

一刀ちゃんに助けを求めるべきなのか、それとも素肌を見られたことを恥ずかしがるべきなのかイマイチ区切りがつかないようです。

 

「ああ、一刀ちゃんは見ちゃ駄目なの!」

「ほら、一刀ちゃんはウチと一緒にあっちに行こうな」

 

紗江の服を引っ張っている沙和君と一刀ちゃんをあっちへと行かせようとする真桜君の動きはとても馴れ馴れしいものでした。

誰かさんを相手に、いつもこんなことをしているのだろうと思います。

 

「だ、駄目、今沙和君と二人きりになっちゃったら、少女きっと駄目になっちゃいそうなんです!」

 

安心して、紗江。僕が付いていますから。

ニヤニヤしながら

 

「左慈さんの意地悪―ー!!」

 

がらり

 

一刀ちゃんを出させた真桜君の手によって戸は閉ざされました。

 

 

 

それから大体30分過ぎました。

中は相変わらずドタバタしています。

 

「……」『……ねぇ、真桜お姉ちゃん』

「何や?一刀ちゃん」

 

外に居た一刀ちゃんが真桜お姉ちゃんに声をかけました。

 

『沙和お姉ちゃんはその……ソッチ系なの?』

「ウチが知っている限りはちゃう」

『じゃあ、どうして紗江お姉ちゃんの服を脱がせようとしていたの?』

「ふかーい訳があるんや。まぁ、一刀ちゃんも見たらわぁる」

「……?」

 

がらりっ

 

「おっまたせなのー!」

 

あ、出てきました。

 

「ほーら、紗江ちゃん早く出てくるの」

「………ぉ」

 

おー、これは……

 

「ど、どうでしょうか」

「ほお、流石沙和や。紗江ちゃんの魅力を十割増しておるで」

「えっへんなのー」

 

紗江Before

 

銀髪ストレート

化粧無し

黒いチャイナドレス(夏侯姉妹風)

普通の靴

 

元々身を飾るとかできない娘でしたが、それでも十分綺麗な人だったんですけどね。

 

After

 

下ろした三つ編み+髪を整えるために長い蒼いリボンで髪を包むように飾って模様を片付けている。

軽く化粧(素顔は無敵なので要らない)

紫メインの袖が広いドレス

ハイヒール

 

これとんでもない熟成キャラにしてしまいましたよ、沙和君。

 

「なんと言いますか……沙和君が頑張ってくださったのは嬉しいのですけど、こんな派手な姿は少女はちょっと…」

「そんなことないのー。紗江ちゃんにはこういうのが丁度似合うの。今の機会に、紗江ちゃんもオトナっぽい魅力を発散しまくるの」

「大人っぽいって、少女はそんなものは」

「その一人称も無し!」

「えー?」

 

そうですね。どう考えてももう紗江の年は少女ではないですよね。

 

「……」【え?紗江お姉ちゃんってXX才じゃなかったの?】

 

あなたは何で分かるんですか。

 

【さっちゃんの年】

 

僕の年はそこで五百ぐらい上げてください

 

【…え?】

 

あ、ごめんなさい、それは前世のでした……そこで……10才ぐらい上げてください

 

【………】『良く似合うと思うよ、紗江お姉ちゃん』

 

あ、話逸らした。

 

「そ、そうですか?」

「……<<コクッ>>」『他のお姉ちゃんたちもそう思うだろうと思う』

「そうなったのこのまま会議場まで突撃しちゃう?」

「だ、駄目ですよ、そんなこと……」

「……」『そうだよ、真桜お姉ちゃん、突撃は駄目』

 

と、言って一刀ちゃんは三人の手を一気に掴みました。

 

「……<<にしっ>>」

「一刀ちゃん、だm

 

スッ

 

……ああ、一刀ちゃん、僕が止める前に行っちゃいました(棒読み)

 

 

「それじゃあ、他に話すことがなければ今日の会議はここで……」

 

スッ

 

「はい、ご開帳ー!」

「なのー!」

「だめー!」

「……<<バーっ!>>」

 

「「「「「………」」」」」

 

沈黙………

 

「真桜……沙和………」

「「ギクッ!」」

「…一刀……」

「…!」『は、はいっ!』

「あ、あの、これはですね」

「まったくあなたたちはね。軍議を何だと思ってるのよ」

「「すみません」」「もうしわけありません」『ごめんなさい』

 

怒られちゃいましたね。

ちなみにあそこで凪の気が凄まじいので後で沙和君と真桜君がどうなるかが凄く楽しみです。

 

「コホン!それでは、本日の会議はここまでということにします。華琳さま、よろしいでしょうか」

「……………」

「…華琳さま?」

「………うん?うん、な、何?」

「「「「「………」」」」」

 

また再び沈黙。

 

「そ、そうね。そ、それじゃあ本日の会議はこれで終了よ。昼には出立するから特に準備が終わっている将たちはその時まで休んでもいいわ。私も休むから」

「「「「「御意!」」」」」

「あ、後、紗江は後でちょっと私のところに来なさい」

「は、はい、承知いたしました」

 

……これは美味しく頂かれる。

前回にあんな重いムードだったのに沙和君のせいで台なしになりました。

 

 

 

 

何か朝っぱらからすごいものを見てしまいました。

しばらくはあの身体には取り憑いたくありません。

 

「…ぁ」【そういえば紗江お姉ちゃんってここに残るんだったね】

 

そうですね。正確には洛陽の方に凪君たちと霞さんと一緒に行きます。

 

【それじゃあ、さっちゃんはしばらくそのままボクと一緒に居るんだね】

 

はい?

…あぁ、そういえば話していませんでしたね。

 

「?」

 

実は、今回の孫呉の戦いですが、

僕もここに残ります。

 

【………え?】

 

どうやら孫呉に裏でこの戦を操縦してる『管理者』が居るみたいです。そいつに僕がこの世界に居るということをバレてしまえば、僕が永遠にこの世界から消えてしまう鴨知れません。

 

【そんな……じゃあ、ボクだけおいて行っちゃうの?】

 

まさか、そんな危ないところに一刀ちゃん一人で行かせたりはしませんよ。

僕の代わりに、一刀ちゃんのことを見守ってあげる人を探してあります。

 

「……ぅ」【さっちゃんが来たら、だめなの?】

 

ごめんなさい。

僕もできれば近くで一刀ちゃんをお守りするのが本望ですが、今回はそれが難しそうです。

どうかお許しを……

 

「………」【…わかった。仕方ないね】

 

…ありがとうございます。

 

ああ、それと、一刀ちゃんにこれあげます。

 

【これって……前春蘭お姉ちゃんを助ける時に使った】

 

はい、その弓です。ああ、一刀ちゃんが心配しているそのようなことはもう起こりませんから安心してもいいですよ。

 

【………】

 

僕が今まで一刀ちゃんに嘘ついたことなんてありました?

 

「…………」

 

 

――変!

 

僕が弓に向かって叫んだら、弓は一刀ちゃんぐらいにしか入れないほどの小さな指輪になって一刀ちゃんの指にはめられました。

 

「……」【綺麗】

 

持っていて、危険なことがあったらその指を外してください。元に戻りますから。

 

「………」【…あまりボクのこと心配しなくてもいいよ】

 

僕は一刀ちゃんの心配をするのが仕事みたいなものですよ。

 

・・・

 

・・

 

 

 

 

そして、その昼、一刀ちゃんの曹魏の軍40万が南下し始めました。

 

 

 

 

 

 

――……紗江?

 

「もう…お嫁にいけません」

 

あぁ………これは重症だな。開き直るのにどれだけかかるでしょうか。

 

 


 
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