No.197916

真・恋姫†無双 ~凌統伝~ 拠点√ 聖 1

傀儡人形さん

お久しぶりです。傀儡人形です。
諸注意として変態司馬懿の世界とは全くの別物の話です。

書き方を試行錯誤しながらなのでおかしな点が多々あると思いますが、温かい目で見てやってください。

2011-01-26 14:30:59 投稿 / 全2ページ    総閲覧数:2536   閲覧ユーザー数:2356

よく晴れた昼下がり。街で昼食を終えた凌統は今日一日の過ごし方を考えていた。

役人に仕えるようになってから宛がわれた新兵の訓練に勤しむ日々の中での数少ない休日をどう過ごすか、それを考えているのだ。

非番の日なら人それぞれだが、自分なりの過ごし方を持っているものだ。酒を飲む者、街の屋台巡りをする者、読書に励む者、寝て過ごす者様々だ。

酒は嗜む程度にしか飲まず、屋台巡りをするだけのお金もなく、書庫にはほとんど本がなく残念ながら読書できるだけの物がなく、寝て過ごすのは間違っている気がする。

何かしたいことがあればいいのだが、残念ながら無趣味の凌統にはやりたい事が思いつかない。

 

「甘寧の情報でも集めるか。それ以外思いつかない」

 

ようやく今日一日の過ごし方を決めて動き出そうとした時、

 

「つ~かまえたっ!」

 

左腕が急に重くなったかと思うと柔らかいものが押し付けられてきた。

そちらに目を向けると、くりっとした大きな目が凌統を見上げていた。

 

「鴉さん、お久しぶりです。と言っても三日ぶりくらいですが」

「聖か。相変わらずしがみ付くのが好きなようだな」

 

それを聞いた蘇飛はぷく~っと頬を膨らませて抗議の視線を向けた。

 

「まるでわたしが誰これ構わず腕を絡めているようじゃありませんか。別に深い意味はありませんが、こんなことするのは鴉さんだけです」

「そうか。それより離れてくれ。深い意味がないなら誤解されたくないだろう」

 

言われて蘇飛は周りの視線が集まっている事に気が付いた。

道の隅の方だと言えど、そんな場所でイチャついていれば人目につき、それが桜色の美しい羽織を着た凌統だけに人目を引くのは簡単だった。

 

「…………」

「振りほどくのは俺の評判にも関わる。大人しく離れてくれ」

 

羞恥に頬を真っ赤にした蘇飛だが、離れるどころかすがる様に体を密着させてきた。

 

「……お前の行動は時々わからん」

「い、いいんです。乙女心をまったく理解していない鴉さんはわからなくてもいいんです」

「乙女心と今の行動は何か意味があるのか?」

「あるんです! ほら、さっさと連れて行ってください。女の子は異性に引っ張って欲しいという願望があるんですから、甲斐性の見せ所ですよ?」

「意味がわからん。まあいい。適当に歩くぞ?」

 

左腕に重心を置いている蘇飛がいるせいで歩きづらいと口には出さずどこへ行くかを考える。

 

「昼食は食べたか? 俺は済ませたが、まだなら付き合うぞ」

「いえ、食べていますよ。前に鴉さんが水だけを注文していたお店で」

「あそこに居たのか? 俺もあそこで食べたが、お前は見なかったな」

「凄い混み具合でしたしね。鴉さんはこの後お仕事ですか? それともお休みですか?」

「仕事と言っても決められた時間に部隊の調練をするだけだ。あの程度を仕事と呼べるかわからん」

「部隊の調練を簡単そうに言うなんて……鴉さんは部隊を率いた事や調練した事があるということですか?」

「母に連れられて千人ほど。今預かっている兵士はたかが五百。万を率いる訳ではないから簡単だ」

「お母さんは凄い人なんですね。鴉さんのように綺麗な人だったんですか?」

「俺のように……まあ母親似だということは否定しないが、複雑だな」

「鴉さんはとても綺麗だと思いますよ? 美人です。間違いなく」

「……まあいい。俺の母は綺麗で強い人だった。善悪問わず誰であろうと助ける精神は母から譲り

受けたものだ。母も部隊を率いて見返りを求めずに賊と戦っていた」

 

誇らしげに語る凌統に蘇飛が嬉しそうに微笑むかけた。

 

「鴉さんのお母さんが居なかったらわたしと鴉さんは出会って旅をすることはなかったんですね。感謝感激です」

「母がいなければ俺は産まれてこないのだ。出会う事すらないだろう」

「あはは、そうですね。あ、鴉さん! 新しいお店できてますよ? 入りませんか?」

「先ほど異性に引っ張って欲しいと言っていた女の行動とは思えん」

「そんな細かい事はいいんです! ほらほら、行きましょう?」

 

蘇飛に引っ張られて凌統は新しく出来た茶店に入っていった。

その日は蘇飛に引っ張り回されることで過ぎたが、こんな日も悪くない、と凌統は満足していた。

 

 

 

お久しぶりの傀儡人形です。

今回は拠点ということで短い……短すぎたかもしれません。

もうちょっと引っ張ってもいいかなって思ったけど、

作者の文才はこの程度でした。すみません。

次回は話を進めていきますので、楽しみに待っていてくれている人は

いないと思いますが、よろしくお願いします。

 


 
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