No.197236

転・恋姫✝無双  第零話 

甘露さん

初投稿になります
まだ自分の文章を確立して無い初心者ですが宜しくお願いします

恋姫無双の二次創作です

2011-01-22 18:11:23 投稿 / 全3ページ    総閲覧数:24066   閲覧ユーザー数:18151

 

 

 

 さて問題です。ココは何処でしょう。

 正解は、俺も知りません。

 

 とりあえずアレだ。目が覚めたら此処に居た。

 ……何故?

 

 

 まぁ気にしても仕方ないよね。

 真っ暗なのは頂けないが、まあ良しとしよう。

 ベッドで寝てた筈なのに制服着てるのも仕方ないが良し。

 

 問題は次だ。

 何故俺は筋肉達磨にキスされそうになっているのだろうか?

 

 ファーストキスはなんとか味とか言うけど、この場合は何だ。筋肉味とでも言うのか?

 流石に嫌過ぎるぞ。冗談とか抜きで、てか至って本気で。

 

 こういうのは自己防衛だ。当然の権利だ。生命の危機にさらされてるなら殺人も仕方ないし。

 

 「あ~ら、ご主人様目覚めちゃったのん?」

 

 「だぁっ!唇近づけんな!」

 

 挨拶代わりに蹴りを喰らわす。

 びくともしないどころか、どこか嬉しそうな様子さえ浮かべて

 

 「あらやだ、ご主人様ったら、もうソッチを御所望なのん?しょうがないわね」

 

 星が飛ぶようなウィンクでもしたかったんだろうか。

 ぱちっと閉じた瞼に擬音語を付けるなら、ニゴッ位がふさわしい感じだ。

 

 …星じゃないな。どっちかと言えば弾道ミサイルくらいだ。

 

 「ソッチもコッチもいらないから!」

 

 「な~に、ご主人様ったら案外マニアックなのね」

 

 「悪夢だ…これは悪夢だ……」

 

 「あ~らん、ご主人様ったら夢みたいな美人に会えてうれしいなんて積極的なのねぇん。アタシ感じちゃいそうだわん」

 

 目の前でくねくねする筋肉達磨にご主人様と呼ばれる恐怖。

 俺にはこんな知り合い居ないぞ。つかこんな通好みな男と知り合いだなんて認めない。本当なら死んだ方がましだ。

 

 

 「でも大体合ってるのよねん。これは大まかに言っちゃえば夢の中みたいなものだし」

 

 「……そうなのか?」

 

 「そうよん。ココは死後の世界のい・り・ぐ・ち☆なのねん」

 

 アラ吃驚、本当に死んでた。

 驚きの急展開だけど……、地獄の番人くらいに言われれば納得だな。

 

 「あ~ら、ご主人様ったら今失礼なこと考えて無かった?」

 

 「ナニモオモッテマセンヨ?」

 

 とりあえずこの筋肉が誰だとしても、下手な事は言わない方が良さそうだ。

 

 「んまぁ、説明するのも大変だから勝手に進めちゃうわねん。ごめんなさいねご主人様」

 

 

 そう言って語りだす筋肉達磨。

 その新規格の小型車のタイヤほどありそうな唇からでた言葉に、息をのむ。

 

 「まず私の名前は貂蝉。外史の管理者をしている踊り子よん」

 

 出落ちだった。

 

 「貂蝉…貂蝉って、三国志のあの?」

 

 「あらん、流石はご主人様ね。良く分かってるじゃないの」

 

 褒められても嬉しくもなんともない。

 傾国の美女と歌われた貂蝉が、こんな厳ついおっさんなのだから。

 ……別の意味で傾国させそうだな。

 

 「まぁ死んだ者は仕方ないか……」

 「あら、今回のご主人様は切り替えが早いのねん。特別にその失礼な考えも見逃してあげるわ」

 

 藪蛇だった。

 

 「それじゃあ説明してあげる、何故ご主人様がここにいるのかを」

 

 

 その後の貂蝉からの説明で、自分、北郷一刀は死んだ事。

 そのために外史という、所謂パラレルワールドに歪みが出来てしまった事を知った。

 

 「でも何でその外史ってのが歪んだんだ?俺の居た世界とは別なら関係無いだろ」

 「さっきも説明したけど、この外史っていうのはねん、ご主人様、あなたを必要としているの。どの外史でも尽くねん。」

 

 俺が必要ねぇ……。死んでなかったらとてもじゃないが信じられるような内容じゃないな。

 

 「だけど、あなたは自分が行くべき外史に行く前に死んでしまった」

 

 つまり外史に行くべき存在が無くなった為、外史の在るべき出来事、歴史、関係。

 そんな様な物が尽く捻じ曲がっておかしくなってしまったらしい。

 

 そして、この貂蝉(自称)は、それを修正するために、俺をある外史へ転生させることに決めたらしい。

 そのため、本来消えゆくはずの死んだ魂を回収し、外史の過去へと転生させるために、俺はココに現れた。

 

 「つまり元々俺がいた事にして歪みを失くしてしまおうと言う訳か」

 「そういう事よ。頑張ってね、ご主人様」

 

 つまりは、拒否権は無しってことか。

 どっちにしろ消える運命だったところを、余生を貰ったんだからな。特に断る理由もない。

 

 「ま、死んでるんだしな。儲けものと思って良いよな?」

 「そうねん。一人として生涯を送る訳だから楽なことばっかりじゃないと思うけどねん」

 

 そりゃそうだ。

 

 「ま、死んだ俺が文句言うのもおかしい話だしな。じゃ、あとは貂蝉に任せるよ」

 「ごめんなさいねご主人様。なんだか無理やりみたいで」

 「気にするなって」

 

 そう言うと、俺の身体が淡い光に包まれ始める。

 転生なんてありえないって思ってたけど、意外とあるもんなんだなぁ……。

 ん、そう言えば……

 

 「なぁ、俺の死因てなんだったんだ?」

 「ご主人様の友人にデスソース呑まされてショック死だったわよん」

 

 乃川、お前絶対呪い殺してやる。

 

 

 なんとも締まらない感じだったが、こうして北郷一刀は外史に生を受ける事になった。

 それはどの外史にも当てはまらない、新たな外史の扉が開かれた瞬間でもあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 
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